高麗笛

雅楽で使う管楽器

高麗笛(こまぶえ)とは、雅楽で使う管楽器のひとつ。吹き物。高麗楽と、国風歌舞の内の東遊で使われる。ただし東遊の場合は、本来東遊笛を用いるところに代わりに高麗笛を用いている。

高麗笛 (メトロポリタン美術館蔵)

高麗笛はの管で作られ、表側に6つの孔(あな)を持つ横笛である。西洋楽器のピッコロに似ている。

音の高さは龍笛より全音(長2度)高い。古典で用いられる音域は、下無(F#5)から平調(E7)である。

高麗笛の指孔は、吹き口に近い順に「六」「中」「夕」「丄」「五」「〒」と名付けられている。運指の形もそれぞれの孔名と同じ名称を用いるが、その場合は孔名の指孔を開け、その直前までの指孔を閉じた形を基本とするが、「丅」など孔名にない運指もある。

名称
読み かん じょう しゃく ちゅう ろく
和の音程 (D#5) F#5 G5-G#5 A5 B5 C#6 D6-D#6 E6
責の音程   F#6 G6-G#6 A6 B6 C#7 D7-D#7 E7

このうち全ての指孔を閉じた形である「口」は構造上は出すことができるが、実際の曲(少なくとも現行の古典曲)では用いられない。