高齢者交通料金助成事業

高齢者交通料金助成事業(こうれいしゃこうつうりょうきんじょせいじぎょう)とは北海道函館市が高齢者の交通機関利用に際し、料金の助成を行っている事業である。

概要 編集

函館市内に住んでいる70歳以上の高齢者の交通料金の一部を助成することによって、社会参加等の外出を支援し、健康保持および生活の向上を目的とする[1]函館市独自の事業である。従来の福祉乗車証「市電・バス利用証」に変わり、2012年(平成24年)4月1日から開始された。

助成内容 編集

助成の対象者は満70歳の誕生日を迎えた高齢者となっている。ただし函館市障害者等外出支援事業[2][3][4][5]の助成を受けている人は対象とならない。

助成方法が次の日程によって変わっている。

2018年(平成30年)3月31日まで 編集

市電・函館バス共通の、イカすカードと同じ磁気カードタイプの「高齢者交通料金助成専用乗車カード」を半額で購入することが出来る「高齢者交通料金助成券」が1年度に1冊6,000円分(500円券12枚)交付を受けられ、1,000円(1,080円分使用可能)のカードを助成券1枚(500円分)と現金500円で、5,000円(5,800円分使用可能)のカードを助成券5枚(2,500円分)と現金2,500円で購入出来ていた。運賃は通常の大人料金が引き落とされる。

「高齢者交通料金助成券」の交付と「高齢者交通料金助成専用乗車カード」の購入は2018年(平成30年)4月1日以降廃止されたが、すでに手に入れているカードは2020年(令和2年)3月31日まで使用出来る。また期限までに使い切れなかったカードは、同年4月1日以降に駒場乗車券販売所函館バス函館市内各営業所にて払い戻しが受けられる[6]

2018年(平成30年)4月1日以降 編集

2017年(平成29年)3月25日に函館市電函館バスにおいてIC乗車カードICAS nimocaが導入された事で、かねてより2018年(平成30年)4月1日から、高齢者交通料金助成事業の乗車カードにICAS nimocaを導入する議論が函館市議会で行われ[7]、2017年(平成29年)9月21日に導入が公表された[8]

助成の申請手続きについては、先にスターICAS nimoca(記名式)を購入するか、すでにICAS nimocaを所有している場合はスターICAS nimocaに変更の上、「高齢者交通料金助成申請書兼資格者証」に本人署名・電話番号・ICAS nimocaカード番号を記載の上、ICAS nimocaのカード番号が記載されている面のコピーと合わせて用意して行うが、制度変更となる2018年(平成30年)4月1日前後の申請時の混雑を軽減する目的で、先だって2017年(平成29年)9月27日から、事前に送付の書類に記載の市内各所の会場における説明会にて申請手続きを受け付けていた。説明会にて申請手続きが出来る旨は事前に送付された書類やホームページ[8]でも告知されていたが、説明会の全日程は全て終了した。

2018年(平成30年)4月1日以降は函館市役所高齢福祉課 高齢者・介護総合相談窓口または市役所各支所に直接申請する。

助成内容は、事前に申請登録を済ませたICAS nimocaを運賃箱のカードリーダーにタッチして運賃精算(大人の通常料金が引き落とされる)、使用した運賃分(函館市内に限る)に応じてその運賃の半額分をポイントとして返金する形で行う。ポイントは再び運賃として利用でき、年間6,000円まで助成される。

助成金(ポイント)の受け取りは、駒場乗車券販売所函館バス函館市内各営業所のICAS nimoca取扱場所や、函館駅前バス案内所などに設置[9][10]のnimocaポイント交換機で行える。受け取りは通常のICAS nimocaと同じく、ポイント付与日(使用日から2日後)から翌年の12月末日までの間において行う。期限内であれば、まとめて1度に受け取る事も、複数回に分けて受け取る事も出来る。

ICAS nimocaの取り扱い(チャージ・再発行・不要になった時の払い戻しなど)は通常と同じである。

対象となる路線・区間 編集

  • 函館市企業局交通部(函館市電)全線、ただし箱館ハイカラ號は次の通りとなる。
    • ICAS nimoca:利用出来るが、助成の対象とならない[11]ほか、乗り継ぎ料金が適用されない
    • 高齢者交通料金助成専用乗車カード(従来の磁気カードタイプ):利用出来ない
  • 函館バス運営の路線バスのうち、函館市内全域路線、ただし ICAS nimocaでは、函館市以外で乗降車した場合の運賃分については助成の適用外だが、通常利用は出来る。

脚注 編集

  1. ^ 高齢者福祉サービス|生きがいづくり・社会参加の促進のためのサービス”. 函館市. 2017年4月28日閲覧。
  2. ^ 障害者等外出支援事業(身体・知的障がい者)”. 函館市. 2018年4月3日閲覧。
  3. ^ 障害者等外出支援事業(精神障がい者)”. 函館市. 2018年3月29日閲覧。
  4. ^ 障害者等外出支援事業(戦傷病者)”. 函館市. 2018年4月22日閲覧。
  5. ^ 障害者等外出支援事業(原爆被爆者)”. 函館市. 2018年4月6日閲覧。
  6. ^ 広報 市政はこだて 2019年(令和元年)12月号に添付の「市電・函館バス乗車料金の助成制度について」より。
  7. ^ 平成28年度第3回政策会議「1 函館市高齢者交通料金助成事業のIC化について」”. 函館市. 2017年5月21日閲覧。
  8. ^ a b 高齢者交通料金助成事業のIC化について”. 函館市. 2017年9月22日閲覧。
  9. ^ 【「イカすニモカ」の販売、入金(チャージ)、ポイント交換場所】 (PDF) 2018年【平成30年】5月14日閲覧
  10. ^ ICAS nimoca ご利用ガイド (PDF) p5. 函館市企業局交通部、2017年(平成29年)9月23日閲覧
  11. ^ 2018年5月14日に、管轄する函館市役所高齢福祉課 高齢者・介護総合相談窓口の職員から言質を取っている。

関連項目 編集