魔界戦記ディスガイア7』(まかいせんきディスガイアセブン)は、日本一ソフトウェアより発売されたゲームソフト。対応プラットフォームはNintendo SwitchPlayStation 5PlayStation 4・PC(Steam配信)。日本国内では2023年1月28日にSwitch・PS5・PS4版が発売された後、同年9月22日にSteam版が配信。

魔界戦記ディスガイア7
Disgaea 7: Vows of the Virtueless
ジャンル シミュレーションRPG
対応機種 Nintendo Switch
PlayStation 4
PlayStation 5
SteamMicrosoft Windows
開発元 日本一ソフトウェア
発売元 日本一ソフトウェア
NIS America(欧米、Steam)[1]
ディレクター 美濃羽俊介[2]
シナリオ 城花健人[3]
音楽 松本タケシ[4]
美術 原田たけひと[2]
シリーズ 魔界戦記ディスガイアシリーズ
人数 1人
発売日 日本の旗 2023年1月26日 [Switch, PS5, PS4], 2023年9月22日 [Win] [5]
アメリカ合衆国の旗 2023年10月3日
欧州連合の旗 2023年10月6日
オーストラリアの旗 2023年10月13日
対象年齢 CEROC(15才以上対象)
ESRBT(13歳以上)
PEGI12
USK12(12歳未満提供禁止)
ACB:M
売上本数 日本の旗 5万本 (出荷本数)[6]
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日本一ソフトウェアが展開するシミュレーションRPG魔界戦記ディスガイアシリーズ」のナンバリング第7作。シリーズ初となる和風の魔界が舞台となっている。

同年2月2日に4ストーリー[7]、2月16日に3ストーリーの2回に分けて[注 1]、歴代主人公や仲間たちが登場するオリジナルストーリーを追加ダウンロードコンテンツとして配信した[8]

概要 編集

「武士道」を魔提督オープナーに奪われ、荒んでしまった和風の「日ノ本魔界群」が舞台。はぐれ武士でアンチ武士道な「フジ」と日ノ本オタクの少女で武士道を愛する「ピリリカ」の凸凹コンビが、腐敗した政府「大穢戸幕腐」討伐を目標に伝説の武器「始祖の七振り」を入手するため日ノ本全土を旅する[9][10]

複数の魔界が舞台だった前作・前々作と違い、一つの魔界を掘り下げるディスガイアシリーズの原点帰りを狙っており[2]、前作から導入されたキャラクターの3Dグラフィックは継続している[11][12]

システム 編集

新システム 編集

弩デカ魔ックス
キャラクターがステージから飛び出し超巨大化、圧倒的パワーで敵を攻撃する事が出来、ステージ上の巨大な宝箱を開ける事が出来る[13]。ただし敵も弩デカ魔ックスするので注意が必要、味方2体と敵2体の巨大化が可能[14]
アイテム転生
武器・防具・アクセサリーを転生させて強くする。転生前のアイテムの特性を引き継ぐため、食物を剣に転生させると“食べられる剣”になり、この剣を食べると剣のステータス分HPが回復する[14]。無数の組み合わせからアイテム作成が可能。
神討モード
一部のキャラクターは戦闘により『神討ゲージ』を貯められ、最大まで貯まると、神器の力を解放した強力な『神討モード』になる。神討モードになると能力値が上昇し、特殊なスキルと技が解放される[15]
ランクバトル
ディスガイアシリーズ初(外伝作品には対戦機能があった)のネット対戦[14]。自分が育成したチームで全国のユーザーとAI対戦が出来る。対戦相手は自分と近いレートから3人がランダムに選出され、その中から一人選び対戦する。チームの強さ以外にAIの設定も重要だが最初のうちは初期AIでも可能。ステージやルールはタームごとに変わるほか、「魔物型のみ」など特殊なルールの期間もある[16]。ランクバトルに負けてもデメリットは無い。
魔界観光
ストーリーを補完する特殊会話を聞けたり、ミニゲームで遊べたりする。色の違うキャラクターに出会えることや「日ノ本武闘大会」というトーナメント戦なども[17]

復活システム 編集

※前作「ディスガイア6」で一度廃止され、今作で復活したシステム。

自動戦闘
前作から制限が入り、「魔ソリン」というコストが必要となったほか、ステージでの報酬をミッション性に変更。自動周回というプレイスタイル以外に「魔ソリン」を使ったスキップ機能も実装され作業感を減らしている[14]
武器技
“アイテム転生”を活用することにより、例えば槍を持った状態で剣の武器技を使えるようになる。武器技を使える条件は2つあり、ウェポンマスタリーを上げて習得する方法と、例えば「魔拳ビッグバン」の特性を持つ拳武器を転生させて「魔拳ビッグバン」を使えるようにする方法がある[18]

汎用キャラクター 編集

3Dグラフィックになった前作「6」は3Dのノウハウが限定的だったため[12]キャラクター数が22体だったが、今作は2倍以上の45体まで増加[14]。前作の汎用キャラクターは全員続投。また、前作の邪竜族、騎将族、鋏殻族の3体は大サイズ仕様だったが[19]、今作は全キャラクター1マス配置である。

人型キャラクター[20]
  • 舞妓《NEW》
  • 格闘家 (男)
  • 格闘家 (女)
  • 戦士 (男)
  • 戦士 (女)
  • 魔法使い (男)
  • 魔法使い (女)
  • 僧侶 (男)
  • 僧侶 (女)
  • 魔法剣士
  • アーチャー (男)
  • アーチャー (女)
  • 忍者 (男)
  • 忍者 (女)
  • 侍 (男)
  • 侍 (女)
  • 盗賊 (男)《NEW》
  • 盗賊 (女)
  • ガンナー (男)
  • ガンナー (女)
  • 重騎士 (男)
  • 重騎士 (女)
  • 呪術師
  • 天使兵
  • 教授
  • サイキック
  • 機動戦姫
魔物型キャラクター[20]
  • プリニー族
  • 屍族
  • 猪人族
  • 魔翔族
  • 珍茸族
  • 妖霊族
  • 寝子猫族
  • 妖花族
  • 氷棲族
  • 夜魔族
  • 邪竜族
  • 騎将族
  • 猫娘族
  • 銃魔神族
  • 呪眼族
  • 鋏殻族
  • 死姫族《NEW》
  • 巨眼族《NEW》

あらすじ 編集

日本の戦国時代風な魔界「日ノ本魔界群」には武士が存在するものの武士道は寂れており、魔界を治める大穢戸幕腐は腐敗していて荒廃している[21]。それは魔提督オープナー率いる界軍の来航と「日ノ本デストロイ法度」の制定により、日ノ本は変わってしまったという[22]。日ノ本魔界の文化も伝統もなくなっているという状況を打開すべく、はぐれ武士「フジ」とオタク少女「ピリリカ」が出会い旅をする[21]

登場人物 編集

フジ(声:石川界人
主人公で「人情アレルギー」と自称する悪魔の武士。勝つためには手段を選ばない戦法をもって「勝てば英雄、負ければ下僕」をモットーとする[23]。あくどい手で金儲けしようとする[2]
ピリリカ(声:新田ひより
ワヘイ魔界育ちで日ノ本カルチャーオタクのお嬢様、騙されやすい性善説主義者[23]。実は様々な魔界で有名なアパレル会社の社長である。お金で解決しようとする癖がありフジを雇う[2]
アオ(声:今泉りおな
日ノ本各地で破壊活動を繰り返し、『氷牙姫』と呼ばれるお尋ね者。フジを「お父さん」と呼んで慕っている[23]。行動原理はすべてフジのためという健気さがある[24]
ウェイヤス(声:寺島拓篤
始祖の七振りの1本である「神杖・説革天下」の一人。ヘタレでナルシストな大穢戸幕府のお飾り将軍[23]。バカキャラだが明るさに救われる[24]
シーフォー(声:北川里奈
幕腐関係者からのみ盗みを行う義賊少女で、火薬&武具マニア。日ノ本魔界群の武器「魔改神器」を収集する[23]。ゆるふわ系なのにハイテンションになるギャップがある[24]
スイセン(声:河瀬茉希)
幕腐の重鎮「予知奉行」である機械仕掛けの身体の少年兵士で、高い戦闘力を持つ。口調はロボット風[23]。フジ達の会話や展開に流されやすい一面も[24]
彼岸絶勝斎(声:近藤唯
最強の剣豪の称号「絶勝斎」を持つフジの剣の師匠。傲岸不遜で傍若無人な戦闘狂で今は槍を極め中[23]。悪魔から恐れられているが、温情深く姉御肌である[24]
ピーちゃん(声:堀内賢雄
魔界で一番位の低い悪魔であるプリニー[24]。クリーム色の体色とネコ耳が特徴。ピピリカに幼い頃から仕える秘書で有能[23]
魔提督オープナー(声:堀内賢雄)
始祖の七振りの一つ「神拳」を持つ軍事組織「界軍」のトップ[23]。全宇宙の悪魔を解放することを目論む[24]
ニトラ(声:白雪巴)
幕腐からフジにより助けられた天使。目的や行動など謎が多い[23]

評価 編集

レビュー集約サイトのメタクリティックによると概ね好評な84点を獲得[25]、ファミ通のクロスレビューによると平均8.0点とこちらも好評であった[26]。 売上に関しては、ファミ通のパッケージ売上データで18,986本( Switch:13,094本、 PS4:3,568 本、PS5:2,324本の合計)、その後日本一ソフトウェアからダウンロードと出荷数合わせて5万本とアナウンスがあり[27]、5月12日付けのニュースリリース「業績予想の差異発生関して」では “『魔界戦記ディスガイア 7』の販売本数が当初計画より落ち込んだ” と記載されていた[28]

脚注 編集

注釈 編集

  1. ^ DLC全7本がセットになった「シーズンパス」も2月2日から販売。

出典 編集

  1. ^ Disgaea 7: Vows of the Virtueless”. Disgaea 7: Vows of the Virtueless Official site. en:NIS America. 2024年1月31日閲覧。
  2. ^ a b c d e 飛鳥 (2022年8月23日). “「魔界戦記ディスガイア7」発表会レポート。シリーズ最多の汎用キャラや武器技の復活,新システムなど最新の情報が公開に”. 4Gamer.net. Aetas. 2024年1月31日閲覧。
  3. ^ 編集部:御月亜希, ライター:大陸新秩序 (2023年1月25日). “インタビュー「魔界戦記ディスガイア7」は,“5”を越える面白さを目指した。いちファンから,シリーズを受け継ぐ立場となった責任者に聞く開発よもやま話”. 4Gamer.net. Aetas. 2024年1月31日閲覧。
  4. ^ 制作実績”. G-angle. G-angle co.,ltd. 2024年1月31日閲覧。
  5. ^ 魔界戦記ディスガイア7”. 魔界戦記ディスガイア7 公式サイト. 日本一ソフトウェア. 2024年1月31日閲覧。
  6. ^ 国内累計出荷本数5万本到達!”. 魔界戦記ディスガイア7 公式サイト. 日本一ソフトウェア. 2024年1月31日閲覧。
  7. ^ 『魔界戦記ディスガイア7』DLCが本日(2/2)より配信。ラハールやアデルたち歴代主人公、仲間たちが登場するオリジナルシナリオが追加”. ファミ通.com. KADOKAWA (2023年2月2日). 2024年1月31日閲覧。
  8. ^ Akasaka (2023年2月16日). “「魔界戦記ディスガイア7」,追加DLC第2弾を本日リリース。キリアやゼット,ラハールちゃんなどが登場する追加シナリオ3本を収録”. 4Gamer.net. Aetas. 2024年1月31日閲覧。
  9. ^ 史上最凶のシミュレーションRPG『魔界戦記ディスガイア7』が、Nintendo Switchで本日発売。序盤をプレイできる体験版も配信中。”. Nintendo Switch トピックス. 任天堂 (2023年1月26日). 2024年1月17日閲覧。
  10. ^ 高村 響 (2023年10月15日). “『魔界戦記ディスガイア7』Steam版をプレイ!かつてファンだった人こそ楽しめる堅実でハチャメチャな進化【プレイレポ】”. Game*Speak. イード. 2024年1月31日閲覧。
  11. ^ 御月亜希 (2023年1月12日). “【プレイレポ】「魔界戦記ディスガイア7」は従来の“やり込むまではじっくり進める普通のSRPG”スタイルに。体験版で第2話までプレイ可能”. 4Gamer.net. Aetas. 2024年1月31日閲覧。
  12. ^ a b 『魔界戦記ディスガイア7』のステージを無視して超巨大になれる新要素“弩デカ魔ックス”も楽しめる無料体験版が1月12日に配信決定。正品版にセーブデータを引継ぎ可能”. 電ファミニコゲーマー. 株式会社マレ (2023−01-11). 2024年1月31日閲覧。
  13. ^ 『魔界戦記ディスガイア7』が発表。はぐれ武士とオタク少女が侵略された「日ノ本魔界」を取り戻す。アイテム転生により更なるやりこみ、“超”巨大化する新システムが登場”. 電ファミニコゲーマー. 株式会社マレ (2022−08-23). 2024年1月31日閲覧。
  14. ^ a b c d e ジャイアント黒田 (2022−08-23). “『ディスガイア7』インタビュー。美濃羽Dが汎用キャラを45体に増やした理由は「ファンだから」。武器技の復活や剣を食べられる“アイテム転生”、改善した自動戦闘を発表会で語る”. ファミ通.com. KADOKAWA. 2024年1月31日閲覧。
  15. ^ システム < 神討モード”. 魔界戦記ディスガイア7公式サイト. 日本一ソフトウェア. 2024年1月31日閲覧。
  16. ^ システム < ランクバトル”. 魔界戦記ディスガイア7公式サイト. 日本一ソフトウェア. 2024年1月31日閲覧。
  17. ^ 育成システム < 魔界観光”. 魔界戦記ディスガイア7公式サイト. 日本一ソフトウェア. 2024年1月31日閲覧。
  18. ^ 『ディスガイア7』はPS5/PS4/Switchで2023年1月26日発売! 和風の魔界で巨大化やアイテム転生を楽しめる”. 電撃オンライン. KADOKAWA (2022−08-23). 2024年1月31日閲覧。
  19. ^ 日本一ソフトウェア [@nis_prinny] (2021年1月14日). "『魔界戦記ディスガイア6』発売まであと14日‼". 2024年1月31日時点のオリジナルよりアーカイブ。X(旧Twitter)より2024年1月31日閲覧
  20. ^ a b キャラクタ < 汎用キャラクター”. 魔界戦記ディスガイア7 公式サイト. 日本一ソフトウェア. 2024年1月31日閲覧。
  21. ^ a b 御月亜希 (2023年1月12日). “【プレイレポ】「魔界戦記ディスガイア7」は従来の“やり込むまではじっくり進める普通のSRPG”スタイルに。体験版で第2話までプレイ可能”. 4Gamer.net. Aetas. 2024年1月31日閲覧。
  22. ^ 松本隆一 (2022年8月23日). “「魔界戦記ディスガイア7」の制作発表。リリースは2023年1月26日で,今度の舞台は和風魔界だ”. 4Gamer.net. Aetas. 2024年1月31日閲覧。
  23. ^ a b c d e f g h i j 長岡 頼 (2022年10月27日). “「魔界戦記ディスガイア7」、独自のシステム「神討モード」や破天荒なキャラクターたちを紹介”. GAME Watch. インプレス. 2024年1月31日閲覧。
  24. ^ a b c d e f g たく坊 (2023年3月31日). “『ディスガイア7』のキャラクターが魅力的なので語らせてほしい。最新作でもユニークなキャラクターが織りなす超濃密な物語は健在!”. ファミ通.com. KADOKAWA. 2024年1月31日閲覧。
  25. ^ Disgaea 7: Vows of the Virtueless”. Metacritic. FANDOM, INC. 2024年1月31日閲覧。
  26. ^ ローリング内沢、 ウワーマン、ジゴロ☆芦田、本間ウララ. “魔界戦記ディスガイア7”. ファミ通.com. KADOKAWA. 2024年1月31日閲覧。
  27. ^ Sal Romano (2023年2月9日). “Disgaea 7: Vows of the Virtueless shipments and digital sales top 50,000”. GEMATSU. Gematsu. 2024年1月31日閲覧。
  28. ^ 業績予想の差異発生に関するお知らせ”. 日本一ソフトウェア IR情報. 日本一ソフトウェア (2023年5月12日). 2024年1月31日閲覧。

外部リンク 編集