1956年ベルギーグランプリ

ウィキメディアの一覧記事

1956年ベルギーグランプリ (1956 Belgian Grand Prix) は、1956年のF1世界選手権第4戦として、1956年6月3日スパ・フランコルシャンで開催された。

ベルギー 1956年ベルギーグランプリ
レース詳細
1956年F1世界選手権全8戦の第4戦
スパ・フランコルシャン(1947-1978)
スパ・フランコルシャン(1947-1978)
日程 1956年6月3日
正式名称 XVIII GROTE PRIJS VAN BELGIE
開催地 スパ・フランコルシャン
ベルギーの旗 ベルギー スパ
コース 恒久的レース施設
コース長 14.120 km (8.774 mi)
レース距離 36周 508.320 km (315.855 mi)
決勝日天候 曇(ウエット→ドライ)
ポールポジション
ドライバー フェラーリ
タイム 4:09.8
ファステストラップ
ドライバー イギリス スターリング・モス マセラティ
タイム 4:14.7
決勝順位
優勝 フェラーリ
2位 フェラーリ
3位 マセラティ

レース概要 編集

木曜日の予選初日にファン・マヌエル・ファンジオが2位のスターリング・モスに5秒の大差を付けた。金曜日はウエットコンディション、土曜日は強風に見舞われたためタイムを更新できず、ファンジオがポールポジションを獲得した。

決勝スタート時も雨が降り、ファンジオはスタートに失敗して5位に落ちてモスの先行を許した。しかし、3周目にジャン・ベーラピーター・コリンズエウジェニオ・カステロッティを抜いて2位に上がり、5周目にはモスも抜いてトップに返り咲く。ファンジオは10周目にモスと8秒の差を付け、チームメイトのコリンズが3位に続いていたが、オー・ルージュでモスの後輪が脱落してしまい、コリンズは2位に上がった。モスはマシンを止めて駆け足でピットへ戻り、チェーザレ・ペルディーサのマシンに乗り換えた。モスは6位でコースに復帰したが、首位のファンジオとは1周遅れとなっていた。ファンジオは24周目にトランスミッションのトラブルが発生してリタイアとなり、コリンズが初優勝を飾った。ベーラとポール・フレールが激しい2位争いを繰り広げていたが、ベーラのエンジンがミスファイアしてしまい、フレールは地元で2位表彰台を獲得した。モスはハリー・シェルを抜いて3位に上がり激しい追い上げを見せたが、先行するフェラーリ2台には及ばなかった。

エントリーリスト 編集

No. ドライバー エントラント コンストラクター シャシー エンジン タイヤ
2   ファン・マヌエル・ファンジオ   スクーデリア・フェラーリ フェラーリ D50 フェラーリ DS50 2.5L V8 E
4   エウジェニオ・カステロッティ
6   ポール・フレール
8   ピーター・コリンズ
10   ハリー・シェル   ヴァンダーヴェル・プロダクツ・リミテッド ヴァンウォール VW2 ヴァンウォール 254 2.5L L4 P
12   モーリス・トランティニアン
16   トニー・ブルックス   オーウェン・レーシング・オーガニゼーション BRM P25 BRM P25 2.5L L4 D
20   アンドレ・ピレット   スクーデリア・フェラーリ フェラーリ D50 フェラーリ DS50 2.5L V8 E
22   ルイジ・ヴィッロレージ   スクーデリア・セントロ・スッド マセラティ 250F マセラティ 250F1 2.5L L6 P
24   ルイ・ロジェ   エキュリー・ロジェ マセラティ 250F マセラティ 250F1 2.5L L6 P
26   ホレース・グールド   グールズ・ガレージ マセラティ 250F マセラティ 250F1 2.5L L6 D
28   ピエロ・スコッティ   ピエロ・スコッティ コンノート B アルタ GP 2.5L L4 P
30   スターリング・モス   オフィシーネ・アルフィエリ・マセラティ マセラティ 250F マセラティ 250F1 2.5L L6 P
32   ジャン・ベーラ
34   チェーザレ・ペルディーサ
36   パコ・ゴディア
38   マイク・ホーソーン   オーウェン・レーシング・オーガニゼーション マセラティ 250F マセラティ 250F1 2.5L L6 P
ソース:[1]

結果 編集

予選 編集

順位 No. ドライバー コンストラクター タイム
1 2   ファン・マヌエル・ファンジオ フェラーリ 4:09.8
2 30   スターリング・モス マセラティ 4:14.7 + 4.9
3 8   ピーター・コリンズ フェラーリ 4:15.3 + 5.5
4 32   ジャン・ベーラ マセラティ 4:16.0 + 6.2
5 4   エウジェニオ・カステロッティ フェラーリ 4:16.0 + 6.2
6 10   ハリー・シェル ヴァンウォール 4:19.0 + 9.2
7 12   モーリス・トランティニアン ヴァンウォール 4:22.2 + 12.4
8 6   ポール・フレール フェラーリ 4:23.2 + 13.4
9 34   チェーザレ・ペルディーサ マセラティ 4:35.7 + 25.9
10 24   ルイ・ロジェ マセラティ 4:35.9 + 26.1
11 22   ルイジ・ヴィッロレージ マセラティ 4:37.2 + 27.4
12 28   ピエロ・スコッティ コンノート-アルタ 4:41.9 + 32.1
13 36   パコ・ゴディア マセラティ 4:49.8 + 40.0
14 26   ホレース・グールド マセラティ 4:50.4 + 40.6
15 20   アンドレ・ピレット フェラーリ 4:51.9 + 42.1
ソース:[2]

決勝 編集

順位 No. ドライバー コンストラクター 周回数 タイム/リタイア原因 グリッド ポイント
1 8   ピーター・コリンズ フェラーリ 36 2:40:00.3 3 8
2 6   ポール・フレール フェラーリ 36 +1:51.3 8 6
3 34   チェーザレ・ペルディーサ
  スターリング・モス
マセラティ 36 +3:16.6 9 2
3 1
4 10   ハリー・シェル ヴァンウォール 35 +1 Lap 6 3
5 22   ルイジ・ヴィッロレージ マセラティ 34 +2 Laps 11 2
6 20   アンドレ・ピレット フェラーリ 33 +3 Laps 15
7 32   ジャン・ベーラ マセラティ 33 +3 Laps 4
8 24   ルイ・ロジェ マセラティ 33 +3 Laps 10
Ret 2   ファン・マヌエル・ファンジオ フェラーリ 23 トランスミッション 1
Ret 12   モーリス・トランティニアン ヴァンウォール 11 燃料システム 7
Ret 30   スターリング・モス マセラティ 10 ホイール 2
Ret 4   エウジェニオ・カステロッティ フェラーリ 10 トランスミッション 5
Ret 28   ピエロ・スコッティ コンノート-アルタ 10 エンジン 12
Ret 26   ホレース・グールド マセラティ 2 ギアボックス 14
Ret 36   パコ・ゴディア マセラティ 0 アクシデント 13
ソース:[3]
追記
  • ^1ファステストラップの1点を含む

注記 編集

第4戦終了時点のランキング 編集

ドライバーズ・チャンピオンシップ
順位 ドライバー ポイント
  8 1   ピーター・コリンズ 11
  1 2   スターリング・モス 11
  2 3   ジャン・ベーラ 10
  2 4   ファン・マヌエル・ファンジオ 9
  1 5   パット・フラハーティ 8
  • : トップ5のみ表示。ベスト5戦のみがカウントされる。

脚注 編集

  1. ^ Belgium 1956 - Race entrants”. statsf1.com. 2018年1月7日閲覧。
  2. ^ Belgium 1956 - Qualifications”. statsf1.com. 2018年1月5日閲覧。
  3. ^ 1956 Belgian Grand Prix”. formula1.com. 2014年3月19日時点のオリジナルよりアーカイブ。2015年8月9日閲覧。

参照文献 編集

  • 林信次『F1全史 1956-1960』ニューズ出版、1999年。ISBN 4-938495-27-9 

外部リンク 編集

前戦
1956年インディ500
FIA F1世界選手権
1956年シーズン
次戦
1956年フランスグランプリ
前回開催
1955年ベルギーグランプリ
  ベルギーグランプリ 次回開催
1958年ベルギーグランプリ