1994年イタリア総選挙(1994ねんいたりあそうせんきょ、イタリア語: Elezioni politiche italiane del 1994)は、1994年3月27日に施行されたイタリア国会議員総選挙である。

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1994年イタリア総選挙
元老院改選数:315[1]
1994年3月27日

基礎データ
投票数: 33,081,549

選挙結果
自由の極[2]・善政の極[3]
得票: 13,444,978  
獲得議席: 156  
  
42.7%
進歩主義者[4]
得票: 12,185,020  
獲得議席: 123  
  
33.4%


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1994年イタリア総選挙
代議院改選議席:630
1994年3月27日

基礎データ
投票数: 38,717,043

選挙結果
シルヴィオ・ベルルスコーニ自由の極・善政の極
得票: 17,746,612  
獲得議席: 366  
  
46.3%
アキレ・オケット進歩主義者
得票: 12,632,680  
獲得議席: 213  
  
34.5%

閣僚評議会議長

概要 編集

1948年イタリア共和国憲法制定後12回目の総選挙で、上院元老院)と下院代議院)の全議席を改選した。

選挙データ 編集

  • 改選数
    • 上院(元老院):315
      • 小選挙区:232
      • 比例区:83
    • 下院(代議院):630
      • 小選挙区:475
      • 比例区:155
  • 選挙制度[6]
    • 上院
      • 小選挙区比例代表並立制[7]・州単位の比例代表83議席。代議院と違い、重複立候補は認められておらず、候補者全員が小選挙区の候補者として登録を行なう。
  1. 投票は、候補者個人に投票する(一票制)。投票用紙に印刷されている候補者氏名と所属政党のロゴマークの両方、もしくは片方に×印をつけて投票する。
  2. 小選挙区では、得票数が最も多かった候補者が当選する(得票数が同数の場合は年長者)。
  3. 得票調整は、各政党ごとに、比例代表区内の小選挙区でその政党が獲得した得票数の合計から、その政党の当選者の得票数を引くことで実施する。
  4. 前に求めた調整済み得票数で、ドント式で各政党に比例区の議席を配分する。このとき政党の候補者がその政党に配分された議席数に満たない場合は、調整済み得票数を配分基数で割った商が大きい政党に配分される。
  5. 比例区の当選者は、落選者の惜敗率が高い順から決定する。
  1. 重複立候補も可能で、最大で一つの小選挙区と三つの比例区から同時に出馬することが出来る。小選挙区の立候補者は最低ひとつ以上の政党とリンクしていなければならず、無所属立候補は出来ない。
  2. 投票は小選挙区と比例区の二つに投票する(二票制)。投票用紙に印刷されている候補者名と所属政党のロゴマークの両方若しくは片方に×印をつけて投票する。
  3. 小選挙区は得票率で一位になった候補者が当選する。比例代表区から立候補している場合も小選挙区の当選者とみなされる。
  4. 比例代表の場合
    1. 総得票率が全国の総有効得票率の4%に満たない政党は、議席配分の対象から除外される。
    2. 小選挙区で議席を獲得した政党の得票調整を行なう。得票調整は、各政党が比例代表で得た総得票数から、当選者を出した小選挙区の「得票率が第二位の候補者得票数+1」を差し引いて行なう。なお、小選挙区の当選者が複数の政党とリンクしている場合は「第二位の候補者得票数+1」が、その候補者がリンクしている政党が各比例代表区で獲得した得票数に応じて分配され、差し引かれる。また、小選挙区で候補者が四分の一以上の得票数を得て当選した場合は、第二位の候補者の得票率に関係なく、有効投票数の四分の一に相当する数が自動的に差し引かれる。
    3. 議席配分の対象となる全政党の全国での得票調整済みの得票数を合計して、比例代表の総定数(155議席)で割って当選基数を算出する。そして、各政党の得票調整済みの得票数を当選基数で割って、の整数部分を各党に配分する。ここまでの過程で配分しきれない議席は、剰余が大きい政党から割り振られ、剰余が等しい場合は、調整済み得票数が大きい政党に配分される。調整済み得票数も等しい場合はくじ引きで決定される。
    4. 比例代表区ごとに得票率4%以上の全政党の調整済み得票数を合計、各選挙区の定数で割って当選基数を算出し、当選基数で政党の調整済み得票数を割って整数部分を各党に配分する。ここまでの過程で配分しきれない議席は剰余が大きい政党から残りの議席を割り振る。複数の比例代表区から当選した候補者は、当選が発表されてから8日以内に選挙区を決定する手続きを行なう。なお、手続きが行なわれなかった場合は、くじ引きで選挙区を決定する。
    5. 政党の立候補者(比例代表)が、同政党が獲得した議席数に満たなかった場合は、同一州(選挙区)内の同政党の小選挙区落選者で、選挙区の得票率が高かった順に当選となる。

選挙結果 編集

上院 編集

候補者名簿連合/政党 得票数 得票率 議席数
選挙区 比例代表 合計
進歩主義者 10,881,320 32.9 96 26 122
左翼民主党 46 14 60
共産主義再建党 14 4 18
イタリア社会党 103,490 0.3 11 1 12
緑の連盟 100,418 0.3 7 0 7
レーテ 12,560 2 4 6
民主同盟 7 3 10
キリスト教社会運動 4 4
社会党再生 1 1
その他の左派 4 4
イタリアの協約 5,519,090 16.7 3 28 31
イタリア人民党 3 27 30
セーニの協約 1 1
自由の極 11,115,041 19.9 74 8 82
善政の極 13.7 54 11 65
フォルツァ・イタリア 149,965 0.5 26 7 33
キリスト教民主中道 10 2 12
民主中道連合 3 3
北部同盟 55 5 60
国民同盟 2,077,934 6.3 34 13 47
パンネッラのリスト(右派) 767,765 2.3 1 1
その他 2,346,966 7.1 5 1 6

イタリア上院選挙結果(1994年)を参考にして作成

下院 編集

候補者名簿連合/政党 小選挙区 比例区
得票数 得票率 議席数 得票数 得票率 議席数
自由の極 7,976,131 20.7 164 366
善政の極 4,802,871 12.5 137
フォルツァ・イタリア 74 8,136,135 21.0 30 104
キリスト教民主中道 22 7 29
民主中道連合[9] 4 4
自由民主主義の極 2 2
改革者 6 6
北部同盟 107 3,235,248 8.4 11 118
国民同盟 3,491,965 9.1 87 5,214,133 13.5 23 110
パンネッラのリスト 469,833 1.2 0 1,359,283 3.5 0 0
諸派 1,487,652 3.9 0 0
進歩主義者 12,267,799 31.9 164 13,244,673 34.3 49 213
左翼民主党 72 7,881,646 20.4 38 110
共産主義再建党 27 2,343,946 6.1 11 41
イタリア社会党 14 849,429 2.2 0 14
緑の連盟 6 1,047,268 2.7 0 6
レーテ[10] 6 719,841 1.9 0 6
民主同盟[11] 18 456,114 1.2 0 18
キリスト教社会運動 5 - - - 5
社会党再生 1 - - - 1
諸派 1 - - - 1
イタリアのための協約[12] 6,015,440 15.6 4 6,064,210 15.7 42 46
イタリア人民党 4,805,128 12.5 4 4,287,172 11.1 29 33
セーニの協約[13] 1,210,312 3.1 0 1,811,814 4.7 11 13
その他 1,432,855 3.7 5 1,370,844 3.6 0 5
イタリア民主社会党 219,819 0.6 0 179,495 0.5 0 0
南チロル人民党 187,997 0.5 3 231,842 0.6 3 6
100.0 475 100.0 155 630
参考資料[14]

脚注 編集

  1. ^ 終身議員11を除く。
  2. ^ 北部地域におけるフォルツァ・イタリアと北部同盟の候補者名簿連合。両党の他に、キリスト教民主中道、中道民主連合、自由民主主義の極、改革者が参加した。
  3. ^ 南部地域におけるフォルツァ・イタリアと国民同盟の候補者名簿連合。両党の他に、キリスト教民主中道、中道民主連合、自由民主主義の極、民主・社会主義者連合(社会党と社会民主党の一部)が参加した。
  4. ^ 1993年の地方選挙からはじまった広範な左派勢力を結集した候補者名簿連合。
  5. ^ 27日がユダヤ教徒の「安息日」にあたるため、翌28日も投票日となった。
  6. ^ 『選挙制度 - 民主主義再生のために』(小林良彰著、丸善ライブラリー)参照。
  7. ^ 元老院は一つの州で一選挙区と定められ、20州から構成される。
  8. ^ ピエモンテ州ヴェネト州ラツィオ州シチリア州は2つ、ロンバルディア州は3つに分割されている。また、人口が少ないヴァッレ・ダオスタ州は比例代表区は有しないので、比例代表区の総数は26選挙区となる。
  9. ^ 自由党が中道右派勢力の結集を目的して結成した選挙連合、選挙後殆どがフォルツァ・イタリアに参加した。
  10. ^ 超党派の反マフィア運動を率いたパレルモ市長のオルランドと、クラクシ元首相の汚職を追及したダッラ=キエーゼ教授のグループ「市民社会勢力」を中心に政治浄化を目的として1991年に結成された運動組織。政治的にはキリスト教民主党や共産党に近い。
  11. ^ 中道左派勢力の結集を目指して社会党・社会民主党・共和党・自由党など非共産党系世俗政党から改革派が参加して結成
  12. ^ キリスト教民主党の主力勢力が結成した人民党とマリオ・セーニ議員が結成した「セーニの協約」による中道勢力の選挙連合
  13. ^ マリオ・セーニを中心とする旧キリスト教民主党の改革派と、社会党のアマート前首相、自由党の一部、共和党のラ=マルファ前書記長の勢力が参加した。
  14. ^ :::Ministero dell'Interno::: Archivio Storico delle Elezioni - Camera del 27 Marzo 1994 Archived 2008年04月21日, at the Wayback Machine. - イタリア内務省・下院比例得票結果

外部リンク 編集