1995年のナショナルリーグチャンピオンシップシリーズ

メジャーリーグベースボールの第26回ナショナルリーグ優勝決定シリーズ

1995年の野球において、メジャーリーグベースボール(MLB)ポストシーズンは10月3日に開幕した。ナショナルリーグの第26回リーグチャンピオンシップシリーズ英語: 26th National League Championship Series、以下「リーグ優勝決定戦」と表記)は、10日から14日にかけて計4試合が開催された。その結果、アトランタ・ブレーブス東地区)がシンシナティ・レッズ中地区)を4勝0敗で下し、3年ぶり15回目のリーグ優勝および7回目のワールドシリーズ進出を果たした。

1995年ナショナルリーグ
チャンピオンシップシリーズ
チーム 勝数
アトランタ・ブレーブス 4
シンシナティ・レッズ 0
シリーズ情報
試合日程 10月10日–14日
観客動員 4試合合計:18万8497人
1試合平均:04万7124人
MVP マイク・デベロー(ATL)
NLDS ATL 3–1 COL
CIN 3–0 LAD
殿堂表彰者 ジョン・シャーホルツ(ATL GM)
ボビー・コックス(ATL監督)
トム・グラビン(ATL投手)
チッパー・ジョーンズ(ATL内野手)
グレッグ・マダックス(ATL投手)
フレッド・マグリフ(ATL内野手)
ジョン・スモルツ(ATL投手)
バリー・ラーキン(CIN内野手)
チーム情報
アトランタ・ブレーブス(ATL)
シリーズ出場 2年ぶり(4大会連続)6回目
GM ジョン・シャーホルツ
監督 ボビー・コックス
シーズン成績 90勝54敗・勝率.625
東地区優勝

シンシナティ・レッズ(CIN)
シリーズ出場 5年ぶり8回目
GM ジム・ボウデン
監督 デービー・ジョンソン
シーズン成績 85勝59敗・勝率.590
中地区優勝

 < 1994
NLCS
1995

1996 > 

 < 1994
ALCS
1995

1996 > 
ワールドシリーズ

前年のポストシーズン選手会ストライキによって中止されたため、シリーズの開催自体が2年ぶりだった。また、ナショナルリーグが東・西2地区制から東・中・西3地区制になり、ワイルドカードおよび地区シリーズが導入されて以来初のリーグ優勝決定戦でもある。

両球団がリーグ優勝決定戦で対戦するのはこれが初めて。というのも、かつての地区割では両チームとも西地区に在籍していたため、1地区につき1球団しか出場できない従来の形式では、リーグ優勝決定戦で対戦することがなかった[1]。この年のレギュラーシーズンでは両球団は13試合対戦し、ブレーブスが8勝5敗と勝ち越していた[2]。今シリーズでは、ブレーブスが初戦から4連勝の "スウィープ" でレッズを退けた。シリーズMVPには、第1戦の延長11回表に勝ち越し・決勝の適時打を放つなど、4試合で打率.308・1本塁打・5打点OPS.973という成績を残したブレーブスのマイク・デベローが選出された。このあとブレーブスは、ワールドシリーズでもアメリカンリーグ王者クリーブランド・インディアンスを4勝2敗で下し、38年ぶり3度目の優勝を成し遂げた。リーグ優勝決定戦では、7戦4勝制になった1985年から2018年までの全66シリーズ中、スウィープで勝ち上がったチームが8球団あるが、そのあとのワールドシリーズでも優勝したのは今回のブレーブスだけである[注 1][3]

試合結果 編集

1995年のナショナルリーグ優勝決定戦は10月10日に開幕し、途中に移動日を挟んで5日間で4試合が行われた。日程・結果は以下の通り。

日付 試合 ビジター球団(先攻) スコア ホーム球団(後攻) 開催球場
10月10日(火) 第1戦 アトランタ・ブレーブス 2-1 シンシナティ・レッズ リバーフロント・スタジアム
10月11日(水) 第2戦 アトランタ・ブレーブス 6-2 シンシナティ・レッズ
10月12日(木) 移動日
10月13日(金) 第3戦 シンシナティ・レッズ 2-5 アトランタ・ブレーブス アトランタ・フルトン・
カウンティ・スタジアム
10月14日(土) 第4戦 シンシナティ・レッズ 0-6 アトランタ・ブレーブス
優勝:アトランタ・ブレーブス(4勝0敗 / 3年ぶり15度目)

第1戦 10月10日 編集

映像外部リンク
MLB.comによる動画(英語)
  延長11回表、マイク・デベローの適時打でブレーブスが勝ち越し(49秒)
  その裏、グレッグ・マクマイケルがレジー・サンダースを遊ゴロ併殺に仕留めて試合終了、ブレーブスが先勝(55秒)
チーム 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 R H E
アトランタ・ブレーブス 0 0 0 0 0 0 0 0 1 0 1 2 7 0
シンシナティ・レッズ 0 0 0 1 0 0 0 0 0 0 0 1 8 0
  1. マーク・ウォーラーズ(1勝)  マイケル・ジャクソン(1敗)  Sグレッグ・マクマイケル(1S)  
  2. 審判
    [球審]ポール・ランギー
    [塁審]一塁: ジム・クイック、二塁: デイナ・デムス、三塁: ジェリー・デービス
    [外審]左翼: ランディ・マーシュ、右翼: ジェリー・クロフォード
  3. 試合開始時刻: 東部夏時間UTC-4)午後8時10分 試合時間: 3時間18分 観客: 4万382人 気温: 70°F(21.1°C)
    詳細: MLB.com Gameday / Baseball-Reference.com
両チームの先発ラインナップ
アトランタ・ブレーブス シンシナティ・レッズ
打順 守備 選手 打席 打順 守備 選手 打席
1 M・グリッソム 1 J・ウォルトン
2 M・レムキー 2 B・ラーキン
3 C・ジョーンズ 3 R・ガント
4 F・マグリフ 4 R・サンダース
5 D・ジャスティス 5 B・サンティアゴ
6 J・ロペス 6 H・モリス
7 R・クレスコ 7 B・ブーン
8 J・ブラウザー 8 M・ルイス
9 T・グラビン 9 P・シュレック
先発投手 投球 先発投手 投球
T・グラビン P・シュレック

第2戦 10月11日 編集

映像外部リンク
MLB.comによる動画(英語)
  5回裏一死一・三塁でレッズが重盗を仕掛け、三塁走者ジェフ・ブランソンが生還して同点に追いつく(53秒)
  7回表、ブレーブス先発投手ジョン・スモルツが出塁後、二盗を成功させる(46秒)
  延長10回表、ハビー・ロペスの3点本塁打でブレーブスがリードを4点に広げる(56秒)
  その裏、マーク・ウォーラーズがハル・モリスを空振り三振に仕留めて試合終了、ブレーブスが連勝(36秒)
チーム 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 R H E
アトランタ・ブレーブス 1 0 0 1 0 0 0 0 0 4 6 11 1
シンシナティ・レッズ 0 0 0 0 2 0 0 0 0 0 2 9 1
  1. グレッグ・マクマイケル(1勝1S)  マーク・ポーチュガル(1敗)  
  2. 本塁打
    ATL:ハビー・ロペス1号3ラン
  3. 審判
    [球審]ジム・クイック
    [塁審]一塁: デイナ・デムス、二塁: ジェリー・デービス、三塁: ランディ・マーシュ
    [外審]左翼: ジェリー・クロフォード、右翼: ポール・ランギー
  4. 試合開始時刻: 東部夏時間UTC-4)午後8時9分 試合時間: 3時間26分 観客: 4万4624人 気温: 73°F(22.8°C)
    詳細: MLB.com Gameday / Baseball-Reference.com
両チームの先発ラインナップ
アトランタ・ブレーブス シンシナティ・レッズ
打順 守備 選手 打席 打順 守備 選手 打席
1 M・グリッソム 1 T・ハワード
2 M・レムキー 2 B・ラーキン
3 C・ジョーンズ 3 R・ガント
4 F・マグリフ 4 R・サンダース
5 D・ジャスティス 5 H・モリス
6 M・デベロー 6 B・サンティアゴ
7 J・ロペス 7 B・ブーン
8 R・ベリアード 8 J・ブランソン
9 J・スモルツ 9 J・スマイリー
先発投手 投球 先発投手 投球
J・スモルツ J・スマイリー

第3戦 10月13日 編集

映像外部リンク
MLB.comによる動画(英語)
  6回裏、チャーリー・オブライエンの3点本塁打でブレーブスが先制(57秒)
  7回裏、チッパー・ジョーンズの2点本塁打でブレーブスが5点目を挙げる(53秒)
チーム 1 2 3 4 5 6 7 8 9 R H E
シンシナティ・レッズ 0 0 0 0 0 0 0 1 1 2 8 0
アトランタ・ブレーブス 0 0 0 0 0 3 2 0 X 5 12 1
  1. グレッグ・マダックス(1勝)  デビッド・ウェルズ(1敗)  
  2. 本塁打
    ATL:チャーリー・オブライエン1号3ラン、チッパー・ジョーンズ1号2ラン
  3. 審判
    [球審]デイナ・デムス
    [塁審]一塁: ジェリー・デービス、二塁: ランディ・マーシュ、三塁: ジェリー・クロフォード
    [外審]左翼: ポール・ランギー、右翼: ジム・クイック
  4. 試合開始時刻: 東部夏時間UTC-4)午後8時5分 試合時間: 2時間42分 観客: 5万1424人 気温: 70°F(21.1°C)
    詳細: MLB.com Gameday / Baseball-Reference.com
両チームの先発ラインナップ
シンシナティ・レッズ アトランタ・ブレーブス
打順 守備 選手 打席 打順 守備 選手 打席
1 T・ハワード 1 M・グリッソム
2 B・ラーキン 2 M・レムキー
3 R・ガント 3 C・ジョーンズ
4 R・サンダース 4 F・マグリフ
5 H・モリス 5 D・ジャスティス
6 B・サンティアゴ 6 M・デベロー
7 B・ブーン 7 C・オブライエン
8 J・ブランソン 8 R・ベリアード
9 D・ウェルズ 9 G・マダックス
先発投手 投球 先発投手 投球
D・ウェルズ G・マダックス

第4戦 10月14日 編集

映像外部リンク
MLB.comによる動画(英語)
  6回表、ブレーブス先発投手スティーブ・エイベリーがロン・ガントを遊ゴロ併殺に打ち取ってイニングを終わらせる(19秒)
  7回裏、マイク・デベローの3点本塁打でブレーブスが5点差に突き放す(47秒)
  9回表、マーク・ウォーラーズがレジー・サンダースを空振り三振に仕留めて試合終了、ブレーブスのリーグ優勝が決定(1分9秒)
チーム 1 2 3 4 5 6 7 8 9 R H E
シンシナティ・レッズ 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 3 1
アトランタ・ブレーブス 0 0 1 0 0 0 5 0 X 6 12 1
  1. スティーブ・エイベリー(1勝)  ピート・シュレック(1敗)  
  2. 本塁打
    ATL:マイク・デベロー1号3ラン
  3. 審判
    [球審]ジェリー・デービス
    [塁審]一塁: ランディ・マーシュ、二塁: ジェリー・クロフォード、三塁: ポール・ランギー
    [外審]左翼: ジム・クイック、右翼: デイナ・デムス
  4. 試合開始時刻: 東部夏時間UTC-4)午後8時5分 試合時間: 2時間54分 観客: 5万2067人 気温: 62°F(16.7°C)
    詳細: MLB.com Gameday / Baseball-Reference.com
両チームの先発ラインナップ
シンシナティ・レッズ アトランタ・ブレーブス
打順 守備 選手 打席 打順 守備 選手 打席
1 J・ウォルトン 1 M・グリッソム
2 B・ラーキン 2 M・レムキー
3 R・ガント 3 C・ジョーンズ
4 R・サンダース 4 F・マグリフ
5 M・ダンカン 5 D・ジャスティス
6 B・サンティアゴ 6 J・ロペス
7 B・ブーン 7 R・クレスコ
8 M・ルイス 8 R・ベリアード
9 P・シュレック 9 S・エイベリー
先発投手 投球 先発投手 投球
P・シュレック S・エイベリー

脚注 編集

注釈 編集

  1. ^ 2019年ワシントン・ナショナルズが、ナショナルリーグ優勝決定戦をスウィープで突破後にワールドシリーズも制し、24年ぶり2球団目となった。

出典 編集

  1. ^ Mark Maske, "FOR CINCINNATI, A DUBIOUS PLAYOFF WISH IS GRANTED," The Washington Post, October 10, 1995. 2021年5月1日閲覧。
  2. ^ "Head-to-Head Records," Baseball-Reference.com. 2021年5月1日閲覧。
  3. ^ Daniel Kramer, "Every sweep in League Championship Series history / Nats just 2nd club to win pennant in 4 games then claim WS title," MLB.com, October 16, 2019. 2021年5月1日閲覧。

外部リンク 編集