2006-2007シーズンのNBAは、NBAの61回目のシーズンである。2006年10月31日から始まり、2007年6月14日には全日程が終了した。

2006-2007シーズンのNBA
サンアントニオ・スパーズ 
期間 2006年10月31日-2007年6月14日
TV 放送 ABC, TNT, ESPN, NBA TV
観客動員数 2184万1480名
サラリーキャップ 5313.5万ドル
平均サラリー 521.5万ドル
ドラフト
トップ指名 アンドレア・バルニャーニ
指名チーム トロント・ラプターズ
レギュラーシーズン
トップシード ダラス・マーベリックス
MVP ダーク・ノヴィツキー
スタッツリーダー  
  得点 コービー・ブライアント
チーム平均得点 98.7得点
プレーオフ
 イースタン  優勝 クリーブランド・キャバリアーズ
   デトロイト・ピストンズ
ファイナル
 チャンピオン  サンアントニオ・スパーズ
ファイナルMVP トニー・パーカー
2005-06

シーズン前 編集

ドラフト 編集

ヨーロッパ出身選手としては初のドラフト1位指名となるイタリア人のアンドレア・バルニャーニトロント・ラプターズから全体1位指名を受けた。ラマーカス・オルドリッジ(2位)、ブランドン・ロイ(6位)、ラジョン・ロンド(21位)、カイル・ラウリー(24位)、ポール・ミルサップ(47位)ら5人のオールスターを輩出した他、タイラス・トーマス(4位)、ランディ・フォイ(7位)、ルディ・ゲイ(8位)、J・J・レディック(11位)、ターボ・セフォロシャ(13位)、ロニー・ブリュワー(14位)、シャノン・ブラウン(25位)、ジョーダン・ファーマー(26位)、スティーブ・ノヴァック(32位)、ソロモン・ジョーンズ(33位)、P・J・タッカー(35位)、クレイグ・スミス(36位)、ダニエル・ギブソン(42位)、ライアン・ホリンズ(50位)などがNBA入りを果たした。

ドラフト外選手にはルー・アマンドソンホセ・バレアC・J・ワトソンなどがいる。

主な移籍 編集

その他 編集

日本で開催されたバスケットボール世界選手権に、アメリカ代表ドウェイン・ウェイドレブロン・ジェームズカーメロ・アンソニーらを派遣するも、銅メダルに終わる。

シーズン前に協会は試合に使用される公式ボールを変更したが、選手の猛反発にあい、シーズン中の1月に以前のボールに戻された。

前年のウェスタン・カンファレンスのプレーオフで勝率1位のスパーズと2位のマーベリックスが同じディビジョンに所属しているため、第1シードと第4シードとなり、プレーオフ2回戦で対戦したことが論争を呼び、このシーズンより各カンファレンスの勝率上位2チームはカンファレンス・ファイナルまで対戦しないようにルール変更が行われた[1]

レギュラーシーズン 編集

オールスター 編集

2007年のNBAオールスターゲームラスベガスで開催され、153-132でウェストチームが勝利した。MVPコービー・ブライアントが選ばれた[2]

シーズン中の主な移籍 編集

イースタン・カンファレンス 編集

イースタン・カンファレンス
# アトランティック・ディビジョン セントラル・ディビジョン サウスイースト・ディビジョン
チーム 勝敗 チーム 勝敗 チーム 勝敗
1 トロント・ラプターズ 47-35 デトロイト・ピストンズ 53-29 マイアミ・ヒート 44-38
2 ニュージャージー・ネッツ 41-41 クリーブランド・キャバリアーズ 50-32 ワシントン・ウィザーズ 41-41
3 フィラデルフィア・76ers 35-47 シカゴ・ブルズ 49-33 オーランド・マジック 40-42
4 ニューヨーク・ニックス 33-49 インディアナ・ペイサーズ 35-47 シャーロット・ボブキャッツ 33-49
5 ボストン・セルティックス 24-58 ミルウォーキー・バックス 28-54 アトランタ・ホークス 30-52
  • オフに大きく動いたことが功を奏したラプターズは、4シーズンぶりにプレーオフに進出すると共に、チーム史上初となる地区優勝を果たした。またドワイト・ハワードを中心に再建中だったマジックも、3シーズンぶりにプレーオフに進出した。
  • 2004年に発生した乱闘事件以降不振にあえぐペイサーズは、ついに9シーズンぶりにプレーオフ進出を逃した。
  • 低迷中のセルティックスはチーム記録となる18連敗を記録。

ウェスタン・カンファレンス 編集

ウェスタン・カンファレンス
# ノースウェスト・ディビジョン パシフィック・ディビジョン サウスウェスト・ディビジョン
チーム 勝敗 チーム 勝敗 チーム 勝敗
1 ユタ・ジャズ 51-31 フェニックス・サンズ 61-21 ダラス・マーベリックス 67-15
2 デンバー・ナゲッツ 45-37 ロサンゼルス・レイカーズ 42-40 サンアントニオ・スパーズ 58-24
3 ポートランド・トレイルブレイザーズ 32-50 ゴールデンステート・ウォリアーズ 42-40 ヒューストン・ロケッツ 52-30
4 ミネソタ・ティンバーウルブズ 32-50 ロサンゼルス・クリッパーズ 40-42 ニューオリンズ・ホーネッツ 39-43
5 シアトル・スーパーソニックス 31-51 サクラメント・キングス 33-49 メンフィス・グリズリーズ 22-60
  • 前シーズン遂にファイナルに進出したマーベリックスが、このシーズンも好調を維持し、シーズン中には12連勝以上を3回記録、さらにチーム記録となる17連勝を達成した。67勝15敗はチーム記録であると共に、NBA歴代でも6位タイ。
  • 前シーズンをほぼ全休したアマレ・スタウダマイアーが復活したサンズも、シーズン中に12連勝以上を2回記録。
  • 2000年代前半にリーグ有数の強豪チームだったキングスは、8シーズンぶりにプレーオフ進出を逃す。また世界選手権でMVPを獲得しながらも骨折してしまったパウ・ガソルを欠いたグリズリーズも4シーズン連続のプレーオフ進出はならず、オフに大幅な補強を行ったホーネッツも怪我人が続出したため満足のいく結果を残せなかった。
  • ドン・ネルソンのHC就任、シーズン中の大型トレードを経たウォリアーズは、シーズン終盤に驚異的な追い上げを見せ、レギュラーシーズン最終戦にて実に12シーズンぶりとなるプレーオフ進出を決めた。

その他 編集

個人スタッツリーダー 編集

# 得点 リバウンド アシスト スティール
選手名 avg 選手名 avg 選手名 avg 選手名 avg
1 コービー・ブライアント (LAL) 31.6 ケビン・ガーネット (MIN) 12.8 スティーブ・ナッシュ (PHO) 11.6 バロン・デイビス (GSW) 2.14
2 カーメロ・アンソニー (DEN) 28.9 タイソン・チャンドラー (NOH) 12.4 デロン・ウィリアムス (UTA) 9.3 ロン・アーテスト (SAC) 2.13
3 ギルバート・アリナス (WAS) 28.4 ドワイト・ハワード (ORL) 12.3 ジェイソン・キッド (NJN) 9.2 カロン・バトラー (WAS) 2.13


# ブロックショット FG成功率 3P成功率 FT成功率
選手名 avg 選手名 % 選手名 % 選手名 %
1 マーカス・キャンビー (DEN) 3.30 マイキー・ムーア (NJN) 60.9 ジェイソン・カポノ (TOR) 51.4 カイル・コーバー (PHI) 91.4
2 ジョシュ・スミス (ATL) 2.88 ドワイト・ハワード (ORL) 60.3 スティーブ・ナッシュ (PHO) 45.5 マット・キャロル (CHA) 90.4
3 ジャーメイン・オニール (IND) 2.64 アンドリス・ビエドリンシュ (GSW) 59.9 ブレント・バリー (POR) 44.6 ダーク・ノヴィツキー (DAL) 90.4
  • コービー・ブライアントは2シーズン連続、ケビン・ガーネットは4シーズン連続、スティーブ・ナッシュは3年連続の栄冠。
  • ジェイソン・カポノの3P成功率51.43%は歴代5位の記録。

個人タイトル 編集

  • オールNBAチーム
ファーストチーム セカンドチーム サードチーム
F ダーク・ノヴィツキー (DAL) レブロン・ジェームズ (CLE) ケビン・ガーネット (MIN)
F ティム・ダンカン (SAS) クリス・ボッシュ (TOR) カーメロ・アンソニー (DEN)
C アマレ・スタウダマイアー (PHO) 姚明 (HOU) ドワイト・ハワード (ORL)
G スティーブ・ナッシュ (PHO) ギルバート・アリナス (WAS) ドウェイン・ウェイド (MIA)
G コービー・ブライアント (LAL) トレーシー・マグレディ (HOU) チャウンシー・ビラップス (DET)

シャキール・オニールが12シーズン続いていたオールNBAチームを逃す。アマレ・スタウダマイアーは初のファーストチーム入り。クリス・ボッシュ、ドワイト・ハワードは初のオールNBAチーム入り。

  • オールディフェンシブチーム
ファーストチーム セカンドチーム
F ティム・ダンカン (SAS) ケビン・ガーネット (MIN)
F ブルース・ボウエン (SAS) テイショーン・プリンス (DET)
C マーカス・キャンビー (DEN) ベン・ウォーレス (DET)
G コービー・ブライアント (LAL) カーク・ハインリック (CHI)
G ラジャ・ベル (PHO) ジェイソン・キッド (NJN)

※オールNBAチーム、ディフェンシブチーム共に、ファーストチームは全てウェスタンカンファレンスの選手が占めた。

プレーオフ 編集

イースタン・カンファレンス 編集

ファーストラウンド カンファレンスセミファイナル カンファレンスファイナル
         
1 デトロイト・ピストンズ 4
8 オーランド・マジック 0
1 ピストンズ 4
5 ブルズ 2
5 シカゴ・ブルズ 4
4 マイアミ・ヒート 0
1 ピストンズ 2
2 キャバリアーズ 4
3 トロント・ラプターズ 2
6 ニュージャージー・ネッツ 4
6 ネッツ 2
2 キャバリアーズ 4
7 ワシントン・ウィザーズ 0
2 クリーブランド・キャバリアーズ 4
  • 前シーズンチャンピオンのヒートがファーストラウンドでスイープされるという歴史的屈辱を味わう。その他にも4ブロックのうち3ブロックでスイープが発生。ブルズは9年ぶりに1回戦を突破。
  • 下位シードながら2回戦まで進出したネッツは、ジェイソン・キッドがプレーオフ期間中の平均トリプルダブルを達成。
  • カンファレンス決勝は、第5戦でレブロン・ジェームズが48得点(オーバータイムではチームの全得点)をあげるというプレーオフ史上に残る活躍を見せるなど奮闘。伏兵ダニエル・ギブソンの援護射撃もあって、キャバリアーズがチーム史上初となるファイナル進出を果たした。ピストンズは2シーズン連続でカンファレンス決勝敗退となった。

ウェスタン・カンファレンス 編集

ファーストラウンド カンファレンスセミファイナル カンファレンスファイナル
         
1 ダラス・マーベリックス 2
8 ゴールデンステート・ウォリアーズ 4
8 ウォリアーズ 1
4 ジャズ 4
5 ヒューストン・ロケッツ 3
4 ユタ・ジャズ 4
4 ジャズ 1
3 スパーズ 4
3 サンアントニオ・スパーズ 4
6 デンバー・ナゲッツ 1
3 スパーズ 4
2 サンズ 2
7 ロサンゼルス・レイカーズ 1
2 フェニックス・サンズ 4
  • 歴代6位タイの勝率を収めた優勝候補筆頭のマーベリックスが、シーズン最終戦で12シーズンぶりのプレーオフ進出を決めたウォーリアーズに敗れるという大事件が発生する。第1シードのチームが第8シードのチームに敗れるのは史上3度目、7戦形式となってからは初めて[4]
  • 事実上のファイナルと言われたサンズ対スパーズのシリーズでは、第4戦で起きた騒動によりサンズはアマレ・スタウダマイアーボリス・ディアウ、スパーズはロバート・オーリーが出場停止処分を受けた。荒れに荒れたシリーズを制したスパーズは、8シーズンぶりにカンファレンス決勝に勝ち進んだジャズを退け、ファイナルに進出した。

ファイナル 編集


第1戦 第2戦 第3戦 第4戦 勝敗
サンアントニオ・スパーズ 85 103 75 83 4-0
クリーブランド・キャバリアーズ 76 92 72 82 0-4

スパーズが圧倒的な力でキャバリアーズをスイープ。カンファレンス決勝で大活躍したレブロン・ジェームズも、スパーズの強固なディフェンスの前には為す術が無かった。ファイナルMVPは平均24.5得点をあげたフランス人のトニー・パーカーが獲得。パーカーはヨーロッパ出身選手として初のファイナルMVP獲得者となり、このシーズンはレギュラーシーズンMVPとファイナルMVPをヨーロッパ出身の選手が独占した[5]。   詳細は2007年のNBAファイナルを参照

ラストシーズン 編集

脚注 編集

  1. ^ NBA announces postseason seeding format change”. ESPN (2006年8月3日). 2020年7月28日閲覧。
  2. ^ NBA All-Star Game, nba.com/allstar2007, accessed April 25, 2007.
  3. ^ Miller, Smith go to Sixers in deal for Iverson, sports.espn.go.com, December 20, 2006, accessed April 25, 2007.
  4. ^ Warriors Make History, Close Out Mavs, nba.com, May 7, 2007, accessed November 16, 2007.
  5. ^ Parker, Spurs Close Out Cavs for Fourth Title, nba.com, June 15, 2007, accessed June 15, 2007.

外部リンク 編集