2009年イギリスグランプリ

2009年イギリスグランプリ(2009ねんイギリスグランプリ)は、2009年F1世界選手権第8戦として、2009年6月21日シルバーストンで開催されたイギリスグランプリ。正式名称は2009 FORMULA 1 Santander British Grand Prix

イギリスの旗 2009年イギリスグランプリ
レース詳細
日程 2009年シーズン第8戦
決勝開催日 6月21日
開催地 シルバーストン・サーキット
イギリス ノーサンプトンシャー州
コース長 5.141km
レース距離 60周(308.355km)
決勝日天候 晴れ(ドライ)
ポールポジション
ドライバー
タイム 1'19.509
ファステストラップ
ドライバー ドイツの旗 セバスチャン・ベッテル
タイム 1'20.735 (Lap16)
決勝順位
優勝
2位
3位

開催前 編集

KERSマクラーレンがフリー走行では搭載していたが、レースでは搭載を見送ったためにKERS搭載車はフェラーリの2台だけになった。 レッドブルがフロントノーズなどの大幅なアップデートを行ってきた。 気温が低いため、フリー走行ではタイヤの温まりなどに苦労するチームが多く見られた。

予選 編集

気温16℃、路面温度25℃、湿度60%の条件下で予選がスタート。

展開 編集

Q1 編集

気温が低い中、ソフトタイヤとハードタイヤに分かれる。 10分が経過し、レッドブルがワン・ツー体勢。ハードタイヤを履いたマシンは周回を重ねるごとにタイムが上がってくる。残り6分でフェラーリは2台ともノックアウトゾーンにいたが残り3分で2台ともタイムを上げてくる。逆にマクラーレンの2台がノックアウトゾーンに下がってしまう。残り時間が40秒余りでフォース・インディアエイドリアン・スーティルが11コーナーでクラッシュ。残り時間で24秒で赤旗中断となり、実質的にここでQ1が終了。トップは赤旗中断直前にトップタイムをマークしたウィリアムズ中嶋一貴トロ・ロッソの2台とフォース・インディアの2台、マクラーレンルイス・ハミルトンがQ1敗退となった。ハミルトンはこれで3戦連続のQ1敗退。ちなみに、ハミルトンが次にQ1敗退するのは2017年ブラジルGPになる。

Q2 編集

気温16℃、路面温度26℃、湿度61%

セッションが開始し、レッドブルの2台を先頭に各マシンがアタックに入る。そのレッドブルはハードタイヤ。そのほかのマシンはソフトタイヤを選択。レッドブルはフロントノーズをアップデートした効果が現れ、ワン・ツー体勢でQ2が終了。セバスチャン・ベッテルは各セクターではトップタイムをマークできなかったものの、Q2トップタイムをマーク。フェラーリのフェリペ・マッサ、マクラーレンのヘイッキ・コバライネンルノーネルソン・ピケBMWザウバーの2台がQ2敗退。

Q3 編集

気温29℃、路面温度47℃、湿度26%

ルノーのフェルナンド・アロンソを残し、各マシンがアタックを開始。レッドブルの2台とブラウンGPルーベンス・バリチェロの3台でトップタイムを更新し合う展開となる。残り5分を切ったところで各マシンが一旦ピットに戻り、再びアタックに出る。残り1分でバリチェロがマーク・ウェバーのタイムを上回るが、その直後にベッテルが再びトップに立つ。今期2度目のQ3となった中嶋はミスによりタイムを上げられず、残り10秒を切ったところでコントロールラインを通過し、最後のアタックにかける。ウェバーもポールポジションを狙って最後のアタックに入るが、キミ・ライコネンをうまくかわせずタイムを上げられない。中嶋は最後のアタックでタイムをのばし、ジェンソン・バトンを上回って自己最高の5グリッドを獲得。ベッテルがトルコGP以来今期3度目のポールポジションを獲得。

結果 編集

順位 ナンバー 名前 チーム Q1 Q2 Q3 グリッド
1 15   セバスチャン・ベッテル レッドブルルノー 1'18.685 1'18.119 1'19.509 1
2 23   ルーベンス・バリチェロ ブラウンメルセデス 1'19.325 1'18.335 1'19.856 2
3 14   マーク・ウェバー レッドブルルノー 1'18.674 1'18.209 1'19.868 3
4 9   ヤルノ・トゥルーリ トヨタ 1'18.886 1'18.240 1'20.091 4
5 17   中嶋一貴 ウィリアムズトヨタ 1'18.530 1'18.575 1'20.216 5
6 22   ジェンソン・バトン ブラウンメルセデス 1'18.957 1'18.663 1'20.289 6
7 16   ニコ・ロズベルグ ウィリアムズトヨタ 1'19.228 1'18.591 1'20.361 7
8 10   ティモ・グロック トヨタ 1'19.198 1'18.791 1'20.490 8
9 4   キミ・ライコネン フェラーリ 1'19.010 1'18.566 1'20.715 9
10 7   フェルナンド・アロンソ ルノー 1'19.167 1'18.761 1'20.741 10
11 3   フェリペ・マッサ フェラーリ 1'19.148 1'18.927 11
12 5   ロバート・クビサ BMWザウバー 1'19.730 1'19.308 12
13 2   ヘイッキ・コバライネン マクラーレンメルセデス 1'19.732 1'19.353 13
14 8   ネルソン・ピケ ルノー 1'19.555 1'19.392 14
15 6   ニック・ハイドフェルド BMWザウバー 1'19.559 1'19.448 15
16 21   ジャンカルロ・フィジケラ フォースインディアメルセデス 1'19.802 16
17 11   セバスチャン・ブルデー トロロッソフェラーリ 1'19.898 17
18 20   エイドリアン・スーティル フォースインディアメルセデス 1'19.909 18
19 1   ルイス・ハミルトン マクラーレンメルセデス 1'19.917 19
20 12   セバスチャン・ブエミ トロロッソフェラーリ 1'20.236 20

決勝 編集

12:30時点では 気温16℃、路面温度24℃ フォーメーションラップ開始時には路面温度が30℃まで上がる。

展開 編集

上位勢はウィリアムズの2台とルノーのフェルナンド・アロンソがハードタイヤを選択。

スタートでは上位3台に変動は起こらなかったが、トヨタヤルノ・トゥルーリ、ブラウンGPのジェンソン・バトンがスタートに失敗し順位を落としてしまう。その隙をついて中嶋一貴が5番手から4番手に、キミ・ライコネンが9番手から5番手に順位を上げる。5番手スタートのトゥルーリはハンガーストレートでニコ・ロズベルグにも抜かれ、7番手まで順位を下げる。オープニングラップで4位以下の順位が大きく入れ替わることになる。先頭のベッテルは上位10台の中で最も燃料を積んでいるにもかかわらず、2位以下との差を広げていく。後方ではBMWザウバーニック・ハイドフェルド・アロンソ・ロバート・クビサ・ハミルトンの順番となり、BMW勢が元ワールドチャンピオンを抑える形になる。 燃料が最も軽い中嶋一貴は15周目に最初のピットイン。次の周回でライコネンがピットイン。中嶋は新品のハードタイヤのためにタイムが伸びず、ライコネンに交わされてしまう。上位勢では18周目にロズベルグ、トゥルーリ、バトンがピットイン。3台とも中嶋の前でコースに復帰。19周目にバリチェロ、次の周でウェーバーがピットイン。ここでウェバーがバリチェロをかわして2番手に上がる。トップのベッテルは21周目にピットイン。マッサは燃料を多く積んでいたために2番手まで順位を上げ、23周目にピットイン。5番手でコースに戻る。1回目のピットストップを終え、4番手以下の順位が再び大きく入れ替わる。

第2スティントに入り、ベッテルは順調にタイムを伸ばしていき、後方のマシンを次々と周回遅れにしていく。ウェバーも3位以下を引き離し、レッドブルの完全なワン・ツー体勢を築く。34周目、ピットから出たばかりのコバライネンとスクーデリア・トロ・ロッソセバスチャン・ブルデーが接触しコバライネンの左のリアタイヤがパンクし、2周連続でのピットインを余儀なくされる。ブルデーもフロントウィングを失い、ピットイン。その後両者はその後、リタイヤとなってしまう。

上位勢の先陣を切って中嶋が40周目にピットストップを行う。その後、42周目にライコネン、43周目にロズベルグ、44周目にベッテル、45周目にマッサ、46周目にトゥルーリ、47周目にウェバーとバリチェロ、49周目にバトンがピットストップを行い、マッサが4番手に上がる。 残り10周を切り、6番手のバトンが4番手マッサ、5番手ロズベルグとの差を1~2秒ずつ縮めていくが抜くことはできない。結局その後大きな変動はなく、そのままレースが終了。ベッテルが自身初のハットトリックで今期2勝目、ウェバーが2番手となりレッドブルが圧勝、3番手にバリチェロ、以下マッサ、ロズベルグ、バトン、トゥルーリ、ライコネンとなった。今期初ポイントの期待がかかった中嶋はコース上では抜かれなかったものの、11番手に終わった。

結果 編集

順位 No ドライバー コンストラクター 周回数 タイム/リタイヤ グリッド ポイント
1 15   セバスチャン・ベッテル レッドブル-ルノー 60 1:22'49.328 1 10
2 14   マーク・ウェバー レッドブル-ルノー 60 +15.188 3 8
3 23   ルーベンス・バリチェロ ブラウン-メルセデス 60 +41.175 2 6
4 3   フェリペ・マッサ フェラーリ 60 +45.043 11 5
5 16   ニコ・ロズベルグ ウィリアムズ-トヨタ 60 +45.915 7 4
6 22   ジェンソン・バトン ブラウン-メルセデス 60 +46.285 6 3
7 9   ヤルノ・トゥルーリ トヨタ 60 +1'08.307 4 2
8 4   キミ・ライコネン フェラーリ 60 +1'09.622 9 1
9 10   ティモ・グロック トヨタ 60 +1'09.823 8
10 21   ジャンカルロ・フィジケラ フォース・インディア-メルセデス 60 +1'11.522 16
11 17   中嶋一貴 ウィリアムズ-トヨタ 60 +1'14.023 5
12 8   ネルソン・ピケ ルノー 59 +1 Lap 14
13 5   ロバート・クビサ BMWザウバー 59 +1 Lap 12
14 7   フェルナンド・アロンソ ルノー 59 +1 Lap 10
15 6   ニック・ハイドフェルド BMWザウバー 59 +1 Lap 15
16 1   ルイス・ハミルトン マクラーレン-メルセデス 59 +1 Lap 19
17 20   エイドリアン・スーティル フォース・インディア-メルセデス 59 +1 Lap 18
18 12   セバスチャン・ブエミ トロ・ロッソ-フェラーリ 59 +1 Lap 20
Ret 11   セバスチャン・ブルデー トロ・ロッソ-フェラーリ 37 Crash 17
Ret 2   ヘイッキ・コバライネン マクラーレン-メルセデス 36 Crash 13

外部リンク 編集

前戦
2009年トルコグランプリ
FIA F1世界選手権
2009年シーズン
次戦
2009年ドイツグランプリ
前回開催
2008年イギリスグランプリ
  イギリスグランプリ 次回開催
2010年イギリスグランプリ