2013年夏季ユニバーシアード

2013年夏季ユニバーシアード(2013ねん かきユニバーシアード、正式大会名:XXVII Summer Universiade)は、2013年7月にロシアカザンで開催された第27回目の夏季ユニバーシアードである。カザンはこれまでの開催地では最も北に位置する。

第27回夏季ユニバーシアード
XXVII Summer Universiade
開催都市 ロシアの旗 ロシアカザン
参加国・地域数 162
参加人数 10,442
競技種目数 27
開会式 2013年7月6日
閉会式 2013年7月17日
開会宣言 ウラジーミル・プーチン
選手宣誓 アリーヤ・ムスタフィナ
最終聖火ランナー エカテリーナ・ガモワ 他3選手
主競技場 ルビン・スタジアム
オリンピックの旗 Portal:オリンピック
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過去最大となる、162の国・地域から10,400人を超える学生アスリートが、27の競技に参加した。

大会開催までの経緯 編集

カザンはこれまでに二度ユニバーシアード開催地に立候補した。最初は2011年大会で、深圳市中国)にわずか2票差で涙を飲んだ。

2013年大会の開催地にはカザンの他、ビーゴ光州の3都市が立候補し、2008年5月31日の理事会にて決定した。[要出典]旧ソ連崩壊後のロシアでのユニバーシアード開催は夏冬通じて初となる。

準備 編集

本大会に向けてカザン国際空港はハブ空港として全面的に再構築された。すなわちカザン2ターミナルが新設され、これまでのカザン1ターミナルがリニューアルされた。カザン1ターミナルと空港間には、シーメンス製の高速空港鉄道が開業している。

大会会場ゾーンへは更新された高速道路と新設されたLRTで結ばれる。

選手村 編集

 
選手村

選手村の収容人員は14,500人で、カザン連邦大学のキャンパス内に建設された。2010年の開村以来、約400回の様々なイベントが開催されてきた。

会場 編集

本大会では27の施設が新設された。64会場で競技を実施したが、このうち36施設は、特にユニバーシアードのための施設である。

64会場はカザンの4つのゾーンに集中しており、Pobeda Avenueゾーン、ウォータースポーツが開催されるAquaticsパレス、コンバットスポーツパレス、そして選手村があるOrenburgsky Traktである。またトレーニング用の施設も多く用意された。

主な会場は下記の通りである。

  • ルビン・スタジアム (収容人員 45,000人) — 開会式・閉会式
  • セントラルスタジアム (収容人員 26,920人) — サッカー、陸上競技
  • TatNeft Arena (収容人員 10,000人) - サンボ、柔道
  • バスケットホール・アリーナ (収容人員 7,500人) — バスケットボール
  • テニスアカデミー (収容人員 7,200人) — テニス、バドミントン
  • カザン・バレーボール・センター (収容人員 4,570人) — バレーボール
  • Aquatics パレス (収容人員 4,200人) — 競泳、飛込、シンクロナイズドスイミング
  • Gymnastics パレス (収容人員 3,200人) - 体操、新体操
  • Ak Bars コンバット・スポーツセンター (収容人員 2,000人) - ボクシング、レスリングその他格闘技
  • ローイング・センター (収容人員 3,000人) - カヌー競技など

聖火リレー 編集

聖火リレーはのべ104,000キロメートルを多くのランナーによって行われた。5大陸51都市を経由し、聖火は1月24日にウラジオストックに到着。翌日からロシア国内のリレーが開始され、7月までリレーが続けられた。

聖火は7月6日夜に開会式典の会場であるカザンアリーナに到着し、エカテリーナ・ガモワら4人により聖火台に点された。

メダル 編集

 
メダル

メダルは、ユニバーシアードのロゴとエンブレムで象った地球のデザインであり、外側にユニバーシアードのスローガンをフィーチャーした円形のリングがついている。

2週間の大会期間中、351セットのメダルがメダリストに授与される。

開会式・閉会式 編集

 
開会宣言を行うウラジーミル・プーチン

開会式は7月6日に、閉会式は7月17日に、ウラジーミル・プーチン(ロシア大統領)とドミートリー・メドヴェージェフ(ロシア首相)が臨席し、収容人員45,000人のルビン・スタジアムで執り行われた。

式典でロシアのアーティストたちが華やかなショーを繰り広げ、特に閉会式では韓国の男性グループEXOが、彼らのファーストアルバムXOXOからタイトルナンバーを歌い彩りを添えた。

参加国・地域 編集

 
閉会式でお目見えした気球。参加162か国・地域の国旗を縫い合わせて作成されている。

参加エントリーした国・地域の一覧を下記に示す。()内の数字は参加人数である。最大の選手団を送り込んだのは、ロシア、ウクライナ、アメリカ合衆国、日本、中国である[1]

実施競技 編集

 
街頭の看板

今大会では、史上最多となる27競技が実施された。オプション競技の中から、バドミントンビーチバレーベルトレスリングボクシングカヌーチェスフィールドホッケー7人制ラグビーサンボ射撃シンクロナイズドスイミング漕艇重量挙げレスリングが選ばれた。

このうち、ベルトレスリング、ボクシング、サンボ、7人制ラグビー、シンクロナイズドスイミングは大会史上初の開催である。以下に実施競技を示す。()内の数字は実施競技数である。

日程 編集

開会式 競技日 1 決勝数 閉会式
7月 5日
(金)
6日
(土)
7日
(日)
8日
(月)
9日
(火)
10日
(水)
11日
(木)
12日
(金)
13日
(土)
14日
(日)
15日
(月)
16日
(火)
17日
(水)
決勝数
式典
  陸上競技 2 6 11 10 7 14 50
  バドミントン 1 5 6
  バスケットボール 1 1 2
  ビーチバレー 1 1 2
  ベルトレスリング 7 5 7 19
  ボクシング 10 10
  カヌー 6 18 24
  チェス 3 3
  飛込 2 2 2 2 4 12
  フェンシング 2 2 2 2 2 2 12
  フィールドホッケー 1 1 2
  サッカー 1 1 2
  体操 1 1 2 10 2 6 22
  柔道 4 4 4 4 2 18
  漕艇 5 8 13
  7人制ラグビー 2 2
  サンボ 6 6 6 18
  射撃 6 4 4 8 8 4 34
  競泳 4 5 5 7 4 7 8 2 42
  シンクロナイズドスイミング 2 2 42
  卓球 2 1 2 2 7
  テニス 2 5 7
  バレーボール 1 1 2
  水球 1 1 2
  重量挙げ 3 2 2 2 3 3 15
  レスリング 4 3 4 3 4 3 21
合計決勝数 27 32 30 44 30 40 17 26 56 40 9 351
累計決勝数 27 59 89 133 163 203 220 246 302 342 351
7月 5日
(金)
6日
(土)
7日
(日)
8日
(月)
9日
(火)
10日
(水)
11日
(木)
12日
(金)
13日
(土)
14日
(日)
15日
(月)
16日
(火)
17日
(水)
決勝数

獲得メダル数 編集

2013年7月17日現在の獲得メダル数は下記の通り(公式サイトより[7]

  開催国(ロシア)は、背景をラベンダーブルー色とした。
国・地域
1   ロシア 155 75 62 292
2   中国 26 29 22 77
3   日本 24 28 32 84
4   韓国 17 12 12 41
5   ベラルーシ 13 13 14 40
6   ウクライナ 12 29 36 77
7   アメリカ合衆国 11 14 15 40
8   南アフリカ共和国 7 3 4 14
9   イタリア 6 17 21 44
10   オーストラリア 6 4 6 16
11   リトアニア 6 1 3 10
12   ポーランド 5 9 16 30
13   フランス 5 9 12 26
14   ドイツ 4 6 9 19
15   アゼルバイジャン 4 5 7 16
16   チャイニーズタイペイ 4 4 7 15
17   ブラジル 4 3 4 11
18   ハンガリー 4 2 9 15
19   カザフスタン 3 11 16 30
20   モンゴル 3 6 16 25
21   チェコ 3 6 7 16
22   ウズベキスタン 2 7 10 19
23   タイ 2 7 6 15
24   カナダ 2 5 9 16
25   トルクメニスタン 2 3 9 14
26   キルギス 2 2 8 12
27   北朝鮮 2 2 2 6
28   イスラエル 2 1 1 4
29   トルコ 2 0 5 7
30   ルーマニア 2 0 4 6
31   ポルトガル 2 0 2 4
32   アルメニア 1 5 4 10
33   イラン 1 5 3 9
34   メキシコ 1 4 6 11
35   スロバキア 1 3 2 6
36   キューバ 1 2 2 5
37   イギリス 1 1 4 4
38   オーストリア 1 0 3 4
39   ベルギー 1 0 1 2
40   ボツワナ 1 0 0 1
40   アメリカ領ヴァージン諸島 1 0 0 1
40   フィリピン 1 0 0 1
43   モルドバ 0 2 11 13
44   タジキスタン 0 2 3 5
45   セルビア 0 1 8 9
46   ブルガリア 0 1 3 4
46   ジャマイカ 0 1 3 4
48   ジョージア 0 1 2 3
48   ラトビア 0 1 2 3
50   アルゼンチン 0 1 1 2
50   スペイン 0 1 1 2
52   フィンランド 0 1 0 1
52   インドネシア 0 1 0 1
52   インド 0 1 0 1
52   アイルランド 0 1 0 1
52   ケニア 0 1 0 1
52   マダガスカル 0 1 0 1
52   セネガル 0 1 0 1
59   マレーシア 0 0 3 3
60   オランダ 0 0 2 2
60   スイス 0 0 2 2
62   アルバニア 0 0 1 1
62   チリ 0 0 1 1
62   コートジボワール 0 0 1 1
62   クロアチア 0 0 1 1
62   エストニア 0 0 1 1
62   ギリシャ 0 0 1 1
62   ニュージーランド 0 0 1 1
62   スロベニア 0 0 1 1
62   ベネズエラ 0 0 1 1
Total 353 351 461 1165

ロシアは金メダルのほぼ半数を獲得した。金銀銅の総メダル数でも全体の4分の一を占めた。

この理由としてロシアメディアは、「19人(チーム)のオリンピック優勝者たちが牽引した結果である」と説明している[8]

記念硬貨 編集

ロシア中央銀行は本大会を記念して記念硬貨を発行した。内訳は3ルーブル、25ルーブルの銀貨および50ルーブルの金貨で、合計10,000枚の硬貨が市中銀行に供給された。

脚注 編集

  1. ^ Athlete List”. kazan2013.ru (2013年7月6日). 2013年7月6日閲覧。
  2. ^ Brasil quer novos recordes de Kazan 2013”. Brasil CBDU (2013年6月25日). 2013年6月30日閲覧。 (ポルトガル語)
  3. ^ Presidente Piñera recibe a delegación chilena que participará en los Juegos Universiadas 2013”. biobiochile.cl (2013年6月28日). 2013年6月30日閲覧。 (スペイン語)
  4. ^ J. Šuklinas prieš startą universiadoje: tai mano paskutinė galimybė iškovoti medalį”. Delfi Sports (2013年6月26日). 2013年6月30日閲覧。 (リトアニア語)
  5. ^ More than 40 athletes of Kazan to defend Russia's pride at Summer Universiade”. kazan2013.ru (2013年6月17日). 2013年6月16日閲覧。
  6. ^ Svenska truppen till Universiaden i Kazan 2013”. Svenska Akademiska IF (2013年7月2日). 2013年7月3日閲覧。
  7. ^ Kazan 2013 Universiade Medal Tally page
  8. ^ Главное участие” (Russian). Gazeta.ru (July 16, 2013). 2013年7月17日閲覧。

外部リンク 編集