2016年ロシアグランプリ (2016 Russian Grand Prix) は、2016年のF1世界選手権第4戦として、2016年5月1日ソチ・オートドロームで開催された。

ロシアの旗 2016年ロシアグランプリ
レース詳細
日程 2016年シーズン第4戦
決勝開催日 5月1日
開催地 ソチ・オートドローム
ロシアの旗 ロシア クラスノダール地方 ソチ
コース 恒久的レース施設および市街地コース
コース長 5.848km
レース距離 53周(309.745km)
決勝日天候 晴(ドライ)
ポールポジション
ドライバー
タイム 1:35.417
ファステストラップ
ドライバー ドイツの旗 ニコ・ロズベルグ
タイム 1:39.094(Lap 52)
決勝順位
優勝
2位
3位

レース前 編集

セバスチャン・ベッテル前戦中国GPキミ・ライコネンと接触したダメージによりギアボックスを交換、6戦以内のギアボックス交換のため5グリッド降格が確定[1]
ダニエル・リカルドレッドブル)が金曜午前のフリー走行1回目でキャノピー型コクピット保護デバイス(通称「エアロスクリーン」)をマシンに装着してテスト走行を行った[2]

予選 編集

2016年4月30日(土曜日)

ニコ・ロズベルグが2戦連続のポールポジション。2位のセバスチャン・ベッテルは降格により7番グリッド、3位のバルテリ・ボッタスがフロントローを獲得した。ルイス・ハミルトンはQ2でパワーユニット(MGU-H)のトラブルによりパワーロス。これによりQ3を走行できず10位に終わった[3]

結果 編集

Pos. No. ドライバー コンストラクター Q1 Q2 Q3 Grid
1 6   ニコ・ロズベルグ メルセデス 1:36.119 1:35.337 1:35.417 1
2 5   セバスチャン・ベッテル フェラーリ 1:38.555 1:36.623 1:36.123 71
3 77   バルテリ・ボッタス ウィリアムズ-メルセデス 1:37.746 1:37.140 1:36.536 2
4 7   キミ・ライコネン フェラーリ 1:36.976 1:36.741 1:36.663 3
5 19   フェリペ・マッサ ウィリアムズ-メルセデス 1:37.753 1:37.230 1:37.016 4
6 3   ダニエル・リカルド レッドブル-タグ・ホイヤー 1:38.091 1:37.569 1:37.125 5
7 11   セルジオ・ペレス フォース・インディア-メルセデス 1:38.006 1:37.282 1:37.212 6
8 26   ダニール・クビアト レッドブル-タグ・ホイヤー 1:38.265 1:37.606 1:37.459 8
9 33   マックス・フェルスタッペン トロ・ロッソ-フェラーリ 1:38.123 1:37.510 1:37.583 9
10 44   ルイス・ハミルトン メルセデス 1:36.006 1:35.820 no time 10
11 55   カルロス・サインツ トロ・ロッソ-フェラーリ 1:37.784 1:37.652 11
12 22   ジェンソン・バトン マクラーレン-ホンダ 1:38.332 1:37.701 12
13 27   ニコ・ヒュルケンベルグ フォース・インディア-メルセデス 1:38.562 1:37.771 13
14 14   フェルナンド・アロンソ マクラーレン-ホンダ 1:37.971 1:37.807 14
15 8   ロマン・グロージャン ハース-フェラーリ 1:38.383 1:38.055 15
16 21   エステバン・グティエレス ハース-フェラーリ 1:38.678 1:38.115 16
17 20   ケビン・マグヌッセン ルノー 1:38.914 17
18 30   ジョリオン・パーマー ルノー 1:39.009 18
19 12   フェリペ・ナッセ ザウバー-フェラーリ 1:39.018 19
20 94   パスカル・ウェーレイン MRT-メルセデス 1:39.399 20
21 88   リオ・ハリアント MRT-メルセデス 1:39.463 21
22 9   マーカス・エリクソン ザウバー-フェラーリ 1:39.519 22
107% time: 1:42.726
ソース[4]
追記
  • ^1 - ベッテルは6戦以内のギアボックス交換で5グリッド降格[1]

決勝 編集

2016年5月1日(日曜日)

[5]

ニコ・ロズベルグが一度もトップの座を譲らず独走、ポール・トゥ・ウィンで開幕4連勝(前年からの通算で7連勝=史上4人目[6])を飾った。また、52周目にファステストラップを記録し、キャリア初の「グランドスラム[7]」を達成した。予選でパワーユニットのトラブルが発生して10位に沈んだルイス・ハミルトンは、エンジンを開幕戦オーストラリアGPで使用していたものに戻し、ターボチャージャーとMGU-Hを新品に交換して決勝に臨み[8][9]、2位まで順位を上げメルセデスワン・ツー・フィニッシュに貢献した。

このレースもスタート直後から荒れた展開となった。2週間前の中国GPでスタート直後に接触したセバスチャン・ベッテルダニール・クビアトだったが、今度はベッテルがターン2とターン3でクビアトに追突されクラッシュ、リタイアとなる。ベッテルは無線で怒りをあらわにしたが、レッドブル時代のボスであるクリスチャン・ホーナーにピットウォールで一言交わし、冷静さを取り戻した[10]。クビアトは10秒のストップ&ゴー・ペナルティが科せられた。なお、ダニエル・リカルドセルジオ・ペレスもこの接触に巻き込まれている。後方でも数台の接触があり、ニコ・ヒュルケンベルグリオ・ハリアントがリタイア、エステバン・グティエレスにドライブスルーペナルティが科せられた。これらの多重事故によりセーフティカーが導入された。

2番手スタートのバルテリ・ボッタスはピットインでキミ・ライコネンにオーバーカットを許し4位に後退、ライコネンが3位に上がった。マクラーレンフェルナンド・アロンソが6位、ジェンソン・バトンが10位でダブル入賞。ルノーケビン・マグヌッセンが7位に入賞し、F1復帰後初ポイントを獲得。このレースが参戦100戦目となったペレスは、序盤の事故により左リヤタイヤがパンクしたものの9位入賞を果たした。

結果 編集

Pos. No. ドライバー コンストラクター 周回数 タイム/リタイア Grid Pts.
1 6   ニコ・ロズベルグ メルセデス 53 1:32:41.997 1 25
2 44   ルイス・ハミルトン メルセデス 53 +25.022 10 18
3 7   キミ・ライコネン フェラーリ 53 +31.998 3 15
4 77   バルテリ・ボッタス ウィリアムズ-メルセデス 53 +50.217 2 12
5 19   フェリペ・マッサ ウィリアムズ-メルセデス 53 +1:14.427 4 10
6 14   フェルナンド・アロンソ マクラーレン-ホンダ 52 +1 Lap 14 8
7 20   ケビン・マグヌッセン ルノー 52 +1 Lap 17 6
8 8   ロマン・グロージャン ハース-フェラーリ 52 +1 Lap 15 4
9 11   セルジオ・ペレス フォース・インディア-メルセデス 52 +1 Lap 6 2
10 22   ジェンソン・バトン マクラーレン-ホンダ 52 +1 Lap 12 1
11 3   ダニエル・リカルド レッドブル-タグ・ホイヤー 52 +1 Lap 5
121 55   カルロス・サインツ トロ・ロッソ-フェラーリ 52 +1 Lap 11
13 30   ジョリオン・パーマー ルノー 52 +1 Lap 18
14 9   マーカス・エリクソン ザウバー-フェラーリ 52 +1 Lap 22
152 26   ダニール・クビアト レッドブル-タグ・ホイヤー 52 +1 Lap 8
16 12   フェリペ・ナッセ ザウバー-フェラーリ 52 +1 Lap 19
173 21   エステバン・グティエレス ハース-フェラーリ 52 +1 Lap 16
18 94   パスカル・ウェーレイン MRT-メルセデス 51 +2 Laps 20
Ret 33   マックス・フェルスタッペン トロ・ロッソ-フェラーリ 33 パワーユニット[11] 9
Ret 5   セバスチャン・ベッテル フェラーリ 0 接触 7
Ret 27   ニコ・ヒュルケンベルグ フォース・インディア-メルセデス 0 接触 13
Ret 88   リオ・ハリアント MRT-メルセデス 0 接触 21
ソース[12]
ファステストラップ
ラップリーダー
追記
  • ^1 - サインツパーマーをコース外に押し出したとして、10秒のタイム加算ペナルティとペナルティポイント2点が科された。このペナルティの適用により11位から12位に降格[11][13]
  • ^2 - クビアトはスタート直後のターン2とターン3でベッテルに接触しリタイアさせたため、10秒のストップ&ゴー・ペナルティとペナルティポイント3点が科された[14][15]
  • ^3 - グティエレスはスタート直後にヒュルケンベルグと接触しリタイアさせたため、ドライブスルーペナルティとペナルティポイント2点が科された[16][17]

第4戦終了時点のランキング 編集

  • :ドライバー、コンストラクター共にトップ5のみ表示。

脚注 編集

  1. ^ a b ベッテルにさらなる不運。ギヤボックス交換で降格へ。同士討ちでダメージ. AUTOSPORTweb(2016年4月30日).
  2. ^ レッドブル開発の新デバイス初テスト、フリー走行1回目はメルセデスがワンツー. AUTOSPORTweb(2016年4月29日).
  3. ^ アタック中にパワーを失ったハミルトン、連勝中のロズベルグに“追い風”が吹いている. AUTOSPORTweb(2016年4月30日).
  4. ^ Qualifying(2016 FORMULA 1 RUSSIAN GRAND PRIX). The Official F1 Website(2016年4月30日).
  5. ^ この節に関しては特記のない場合、ロズベルグ、開幕4連勝! ハミルトンは問題を抱えながら2位。マクラーレンW入賞. AUTOSPORTweb(2016年5月1日). とする。
  6. ^ 過去に達成したドライバーはアルベルト・アスカリミハエル・シューマッハセバスチャン・ベッテルの3人。
  7. ^ ポールポジション、ファステストラップ、全周回トップ、優勝の4つを達成するとグランドスラムとなる。【記録更新中】ロズベルグ、7連勝は歴代4人目の快挙!24人目のグランドスラムも達成. TOPNEWS(2016年5月2日).
  8. ^ ハミルトン、開幕戦用のエンジンと交換. ESPN F1(2016年5月1日).
  9. ^ メルセデスに手を貸したエクレストン. ESPN F1(2016年5月1日).
  10. ^ クビアトに怒り心頭のベッテル. ESPN F1(2016年5月1日).
  11. ^ a b 運に恵まれなかったトロ・ロッソ. ESPN F1(2016年5月2日).
  12. ^ Race(2016 FORMULA 1 RUSSIAN GRAND PRIX). The Official F1 Website(2016年5月1日).
  13. ^ Stewards Decision Doc36 - C.Sainz”. fia.com (2016年5月1日). 2016年5月1日閲覧。
  14. ^ 減速したベッテルに対応しきれなかったとクビアト. ESPN F1(2016年5月2日).
  15. ^ Stewards Decision Doc34 - D.Kvyat”. fia.com (2016年5月1日). 2016年5月1日閲覧。
  16. ^ 再び入賞を果たしたグロージャン. ESPN F1(2016年5月2日).
  17. ^ Stewards Decision Doc35 - E.Gutierrez”. fia.com (2016年5月1日). 2016年5月1日閲覧。
前戦
2016年中国グランプリ
FIA F1世界選手権
2016年シーズン
次戦
2016年スペイングランプリ
前回開催
2015年ロシアグランプリ
  ロシアグランプリ 次回開催
2017年ロシアグランプリ