730型CIWS
730型CIWS(Type 730)は、中国により開発製造されたCIWSである。正式名称は、H/PJ12型7管30毫米艦炮。
開発 編集
開発計画は1990年代に始まったとされている。2002年に、建造中の広州級駆逐艦1番艦「広州」に搭載されたことから、存在が明らかになった。
設計 編集
外観は、オランダが開発したゴールキーパーに酷似しているが、開発に当たっては同じくGE社製7砲身30mm ガトリング砲であるGAU-8/A アヴェンジャーを用い、かつ捜索レーダーを有しないフランスのSAGEM社のサモス(SAMOS)とトムソンCSF社のサタン(SATAN)も参考にされた。
レーダー 編集
TR47C レーダーは、EFR-1/LR66 レーダー(NATOコードネーム:ライスランプ(Rice Lamp)の派生型であり、最大8kmの探知距離を有する。西側のCIWS同様、情報はCIWS内で処理され、レーダーおよび火器管制装置が別に配置されているロシアのCIWSより反応時間が速いとされる。
EFR-1/LR66は追尾用にのみ用いられ、捜索に際しては搭載艦固有のレーダーより情報を得る方式を採用している。
光学照準器 編集
試作型は、SAGEM社製VOLCAN光学照準器を搭載していたが、量産型は国産のOFC-3光学照準器を搭載する。OFC-3光学照準器は、レーザー測距/照準器および可視光カメラ、赤外線カメラから構成されている。レーザー照準器は、レーザー誘導のSAM管制に用いることもでき、可視光カメラは夜間暗視用カメラに取り替えることができる。
火器管制システム 編集
西側諸国のCIWS同様、730型CIWSは自己完結方式であり、ロシアのAK-630より反応時間は速いが、手動による制御モードを欠いている。 730型CIWSは、ZKJ-1、ZKJ-4、ZKJ-4A-3、ZKJ-5、ZKJ-6、ZKJ-7、H/ZBJ-1、などの中国製、トムソンCSF社製 TAVITACなどのヨーロッパ製の戦術情報処理装置と完全に互換性があり、特にシステムの改修を伴うことなくこれらのシステムと直接統合できると言われている。
機関砲 編集
30mm ガトリング砲は、GE社製7砲身30mm ガトリング砲であるGAU-8/A アヴェンジャーに酷似している。一方で、ロシア製GSh-6-30 6砲身30mm ガトリング砲の中国版であるとする説もある。砲塔直下に即応弾500発が入った弾倉が装備されている。
俯仰角範囲は-25~+85゜、最大発射速度は毎分4,200-5,800発、有効射程は3キロ程度と言われている。
運用 編集
従来のAK-630や76A式37mm連装機関砲に代わって、2000年代後半以降に建造された中国人民解放軍海軍の軍艦に搭載されている。ただし、AK-630 30mm CIWSに比べて大型(重量:6,372kg)かつ複雑なシステムの上、1基あたりの価格は4,000-5,000万元と、AK-630 2基分(2,500万元)よりも高価なため、搭載艦は駆逐艦に限られている。
搭載艦艇 編集
派生型 編集
脚注 編集
注釈 編集
出典 編集
関連項目 編集
外部リンク 編集
- 艦載機関砲/CIWS(中国) - 日本周辺国の軍事兵器
- Type 730 Close-In Weapon System