Apple Earphones(アップルイヤフォン)とはAppleがかつて開発、販売していたイヤホンである。現在は、後継機種であるApple EarPodsが販売されている。 シンプルなデザインと光沢のある白色が特徴で、7以前のiPhone、全てのiPodiPadでは、本体に直接差し込むだけで使用できる。

左:初代 右:第2世代。
第3世代のイヤホン
EarPodsという名の第4世代イヤホン

歴史 編集

白いイヤホンはブランドの象徴[1][2]となっており、広告英語版にもしばしば描かれる。白いイヤホンが黒い人物のシルエットと対照的になった、iTunesギフトカードも販売されている。

初代のイヤホンは第1世代iPodと共にリリースされ、第2世代のイヤホンは小型化され第5世代iPodのセカンドロット、iPod Mini、第1世代iPod Nanoと共にリリースされた。2006年、第3世代は更に小さく流線形になり第5世代iPod、第2世代iPod nanoと共にリリースされた。第2世代デザインは全てのiPod shuffleと共にリリースされ、2007年1月30日まで第2世代iPod shuffleと共に出荷されていた第2世代イヤホンは最初のカラーモデルが用意され、第3世代デザインと共に出荷されていた。右側のイヤホンにリモコンがあり、第3世代iPod touchのイヤホンにはマイクが内蔵された。

2012年9月12日、Appleは様々な耳の形に合うように、フルモデルチェンジしたEarPodsを発表した。後にiPhone 5、第5世代iPod touch、第7世代iPod Nanoと共に出荷された。 2017年にはイヤホンジャックが廃止されたiPhone 7シリーズと共に、新たにBluetoothを使用したEarPodsと言えるAirPodsが発売された。

Appleデバイスを狙った強奪事案 編集

Appleの純正イヤホンを使用することで、いくつかの国でiPodが窃盗、強奪される事案が発生した[3][4][5][6]。強盗を避けるため、一部の所有者は目立たないように純正イヤホンから、別のイヤホンに変える対策をした[3]。このように盗難の危険性を減らすために、特徴のある白いイヤホンから、目立たない古いヘッドホンなどに交換することが推奨されるようになった[4]

2005年ニューヨーク市メトロポリタン・トランスポーテーション・オーソリティが、地下鉄でのiPod強奪事件が、2004年の0件から、2005年の最初の3ヶ月の間に50件に急増したことから[7]Earphones are a giveaway. Protect your device.(→イヤホンを外して機器を守ろう。)」という広告を掲示した[8]在ニューヨーク日本国総領事館も、iPod強奪犯罪に注意する様、注意喚起している[9]

2007年サンフランシスコ市でも増加するiPod窃盗に対応する形で、BARTの職員が駅の乗客に対し「白イヤホンは窃盗の標的になる」と警告する掲示を行った[4]

種類 編集

Apple純正イヤホンには4種類ある:

  • ベーシック型(リモコン無し)- 第3世代ShuffleとTouch(8、32、64GB)を除く全てのiPodに付属
  • Shuffle(リモコン付き)- 第3世代Shuffleにのみ付属
  • Apple Earbuds(マイク、リモコン付き)- iPhone 3GSiPhone 4iPhone 4S、第3世代Touchに付属、もしくは単体販売
  • "Premium" Apple In-Ear Headphones(マイク、リモコン付き)- 2008年9月9日に発表、単体で販売

最初を除く3種類にはコントロールカプセル(最後の2種類には3つのボタンとマイクがある)はイヤホンの右側にあり音量調整や音楽、ビデオのプレイバック(再生/一時停止や次/前)や対応するiPodやiPhoneではさらに音声メモ録音ができる。ただしリモコンやマイクがあるイヤホンでは、湿気による故障や不具合の問題が報告されている[10]。初代iPhoneやiPhone 3Gでの修正バージョンであるiPhoneステレオヘッドホンは、リモコンがヘッドホンの右側に追加されている。iPhoneステレオヘッドホンはマイク、リモコン付きのAppleヘッドホンと異なり音量調整が無い。

脚注 編集

出典 編集

  1. ^ CIRCUITS; Hold the Earbuds: Bluetooth and IPod Together at Last, New York Times, Adam Baer, July 7, 2005
  2. ^ An Earful on Earbud Options, Wichita Eagle, February 4, 2006
  3. ^ a b Somebody Out There Wants Your iPod, Washington Post, Robert MacMilan, April 28, 2005
  4. ^ a b c Robbers relish iPod craze: Little white earbuds are almost everywhere, particularly on BART -- thieves are capitalizing on players' popularity, San Francisco Chronicle, John Coté, March 21, 2007
  5. ^ iPods spark a crime wave, The Daily Telegraph, September 28, 2007
  6. ^ Street robbery soars as iPod users targeted, The Sunday Times, Will Iredale, October 9, 2005
  7. ^ MacMillan, Robert. Somebody Out There Wants Your iPod, Washington Post, 2005-04-28. Retrieved on 2007-02-11.
  8. ^ Dianner. Earphones are a giveaway, Flickr, 2005-07-21. Retrieved on 2007-02-11.
  9. ^ 日本語)『iPod利用者へ:強盗に注意!(iPod強奪事件の報告)』(プレスリリース)在ニューヨーク日本国総領事館、2005年7月7日https://www.ny.us.emb-japan.go.jp/jp/h/86.html2017年4月1日閲覧。"警察当局はこの強奪犯罪で、犯人はiPodというデジタルプレーヤーが欲しいために強盗を行うのでは無く、プレーヤーに記録される最高15,000曲の楽曲の奪取が目的であると分析しています(警察当局の調べによると5千曲余りの楽曲の価値は3,000ドルに相当するようです)"。 
  10. ^ Apple Earphones with Remote and Mic Lowest Ratings

外部リンク 編集