BMW 8シリーズドイツ自動車メーカー・BMWが製造・販売している乗用車である。クーペまたはカブリオレのボディ形式を持つ。

8シリーズ・グランクーペ

初代(1990年 - 1999年)E31 編集

BMW・8シリーズ(初代)
E31
 
840Ci
 
840Ci
 
インテリア
概要
販売期間 1990年 - 1999年
ボディ
乗車定員 4名
ボディタイプ 2ドアクーペ
駆動方式 FR
パワートレイン
エンジン M70型 5.0L V12 SOHC
S70型 5.6L V12 SOHC
M60型 4.0L V8 DOHC
M62型 4.4L V8 DOHC
変速機 4速AT
6速MT
5速AT
ステップトロニック5速AT
車両寸法
ホイールベース 2,684mm
全長 4,780mm
全幅 1,855mm - 1,865mm
全高 1,330mm - 1,340mm
車両重量 1,850kg – 1,930kg
系譜
先代 6シリーズ(E24)
後継 6シリーズ(E63)
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E31は、ドイツの自動車メーカーBMWが生産するラグジュアリークーペモデルに付けられたコードネームである。

『世界一美しいクーペ』と評された6シリーズ(E24)の事実上の後継モデルであり、BMWのフラッグシップモデルとして、1989年のフランクフルトモーターショーで発表された。

M1以来のリトラクタブルヘッドライトが採用され、CSLを彷彿させるサイドビューをもつ。ボディはBピラーを持たないピラーレスハードトップであり、カブリオレの開発も進められていたが、コストパフォーマンスなどの面から市販化は実現しなかった。

当時、ワイドボディであるにもかかわらずゴルフバッグがトランクに積めないなど、日本人が好む価格に見合った価値を提供することができず、ライバルのメルセデス・ベンツ・SLクラスに対して販売面で大きく水を開けられた。

1999年3月、生産終了。

2003年9月9日、フランクフルトモーターショーで8シリーズ(E31)の事実上の後継モデル、6シリーズ(E63)がおよそ14年ぶりの復活を遂げた。

日本での販売 編集

  • 1990年 - 850iを発売。
  • 1994年 - 840Ci/850CSiを追加。
  • 1994年 - 850iを廃止。
  • 1996年 - 840Ciの価格を値下げ。
  • 1996年 - 850CSiを廃止。
  • 1996年 - 840Ciを廃止。
  • 1996年 - 840Ci Mインディビデュアルを発売。
  • 1999年 - 840Ci Mインディビデュアルを廃止。
  • 1999年 - 840Ci リミテッド(最終仕様)を発売。

850i 編集

1990年に発売された最初のモデルである。

日本での価格は1,450万円。

850CSi 編集

BMW Mのラインで生産され、プロトタイプM8からコンセプトを引き継いだ。

サスペンションは硬めのセッティングとなり、車高も低くなった。ステアリングギア比も15%減少し、よりスパルタンな味付けがされた。前後バンパーは空力性能向上のために再設計された。また、アクティブ・リヤ・アクスル・キネマチックス(4輪操舵)が装備された。

日本での価格は1,680万円。

840Ci 編集

840Ciと850iを区別するエンブレム以外のエクステリアはエキゾーストエンドで、840Ci(V8エンジン)はラウンドタイプであるが、850i(V12エンジン)はスクエアタイプである。

日本での価格は1,170万円(1996年2月以降は980万円)。

840Ci Mインディビデュアル 編集

840Ci Mインディビデュアルは、3種類のボディカラー(レッド/ブルー/シルバー)と専用(850CSi仕様)の内外装となる。

日本での価格は1,050万円。

グレード 製造年 エンジン型式 エンジン 排気量 最高出力/最大トルク 変速機 ハンドル位置 駆動方式
850i 1990年-1994年 M70B50型 V型12気筒SOHC 5.0L 300ps/45.9kgm 4速AT FR
850CSi 1994年-1996年 S70B56型 5.6L 381ps/56.1kgm 6速MT
840Ci 1994年-1996年 M60B40型 V型8気筒DOHC 4.0L 286ps/40.8kgm 5速AT
840Ci Mインディビデュアル 1996年-1999年 M62B44型 4.4L 286ps/42.8kgm ステップトロニック5速AT

プロトタイプモデル 編集

830i 編集

最高出力218psの3.0L V8エンジン(M60B30型)を搭載していた。BMW博物館に1台が展示されている。

M8 編集

最高出力558psの5.6L V12エンジン(S70/1型)を搭載。車両重量も1,492kgと軽量化が施されている。しかし、世界的な景気後退や環境問題の顕在化などにより量産には至らなかった。

その後、搭載されていたV12エンジンはデチューンの上で850CSiに搭載されたほか、他方ではゴードン・マレーの求めに応じてマクラーレン・F1に搭載された。

BMWカー・マガジン2010年2月号でM8のプロトタイプが存在することが明らかになり、2010年7月2日に初公開された。

第2世代(2018年 - )G14/G15/G16/F91/F92/F93 編集

BMW・8シリーズ(第2世代)
G14/G15/G16/F91/F92/F93
 
クーペ(G15)
 
グランクーペ(G16)
 
インテリア
概要
販売期間 2018年 -
ボディ
乗車定員 4名(G14/G15/F91/F92)
5名(G16/F93)
ボディタイプ 2ドアカブリオレ
2ドアクーペ
4ドアクーペ
駆動方式 4WD
FR
パワートレイン
エンジン N63型 4.4L V8ツインターボ
B57型 3.0L 直6ディーゼルターボ
B58型 3.0L 直6ターボ
S63型 4.4L V8ツインターボ
変速機 パドルシフト付8速AT
車両寸法
ホイールベース 2,820mm - 2,827mm(G14/G15/F91/F92)
3,025mm(G16/F93)
全長 4,855mm - 4,870mm(G14/G15/F91/F92)
5,085mm - 5,105mm(G16/F93)
全幅 1,900mm - 1,905mm(G14/G15/F91/F92)
1,930mm - 1,945mm(G16/F93)
全高 1,340mm - 1,360mm(G14/G15/F91/F92)
1,400mm - 1,420mm(G16/F93)
車両重量 1,780kg - 2,120kg
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六本木ヒルズで撮影

2017年5月25日、コンコルソ・デレガンツァ・ヴィラデステでコンセプト8シリーズクーペが公開され、2018年に発売。初代E31から19年ぶりに8シリーズが復活した。モデルコードは2ドアカブリオレがG14、2ドアクーペがG15、4ドアクーペ(グランクーペ)がG16

2018年3月6日、ジュネーヴモーターショーでコンセプトM8グランクーペが公開された。

2018年6月15日、ル・マン24時間レースで8シリーズクーペが発表された。

2018年11月28日、ロサンゼルスモーターショーで8シリーズカブリオレが発表された。

2019年6月19日、8シリーズグランクーペが発表された[1]

日本での販売 編集

2018年11月9日、M850i xDrive クーペが発売された[2]

2019年2月19日、M850i xDrive カブリオレが発売された[3]

2019年5月20日、クーペとカブリオレに840dが追加された[4]。価格は1,237万円~。

2019年10月25日、グランクーペが発売された。価格は1,152万円~。

2020年4月24日、クーペとカブリオレに840iが追加された[5]。価格は1,193万円~。

グレード 発売 エンジン型式 エンジン 排気量 最高出力/最大トルク 変速機 ハンドル位置 ドア数 駆動方式
M850i xDrive クーペ 2018年11月 N63B44D型 V型8気筒DOHCツインターボ 4,394cc 530ps/76.5kgm 8速AT 左/右 2 4WD
840d xDrive クーペ 2019年5月 B57D30B型 直列6気筒DOHCディーゼルターボ 2,992cc 320ps/69.3kgm
840i クーペ 2020年4月 B58B30C型 直列6気筒DOHCターボ 2,997cc 340ps/51.0kgm FR
M850i xDrive カブリオレ 2019年2月 N63B44D型 V型8気筒DOHCツインターボ 4,394cc 530ps/76.5kgm 4WD
840d xDrive カブリオレ 2019年5月 B57D30B型 直列6気筒DOHCディーゼルターボ 2,992cc 320ps/69.3kgm
840i カブリオレ 2020年4月 B58B30C型 直列6気筒DOHCターボ 2,997cc 340ps/51.0kgm FR
M850i xDrive グランクーペ 2019年10月 N63B44D型 V型8気筒DOHCツインターボ 4,394cc 530ps/76.5kgm 左/右 4 4WD
840d xDrive グランクーペ 2019年10月 B57D30B型 直列6気筒DOHCディーゼルターボ 2,992cc 320ps/69.3kgm
840i グランクーペ 2019年10月 B58B30C型 直列6気筒DOHCターボ 2,997cc 340ps/51.0kgm FR

M8 編集

BMW Mチューニングした高性能スポーツモデル。「M8」の読み方は「エムエイト」である[6]

2019年6月25日、M8 クーペが発売された。このモデルは別のコードネームF92が与えられる。最高出力625psの「M8 クーペ コンペティション」も用意される。価格は2,230万円から。

2019年7月24日、M8 カブリオレが発売された[7]。このモデルは別のコードネームF91が与えられる。最高出力625psの「M8 カブリオレ コンペティション」も用意される。価格は2,338万円から。

2020年1月28日、M8 グランクーペが発売された[8]。このモデルは別のコードネームF93が与えられる。最高出力625psの「M8 グランクーペ コンペティション」も用意される。価格は2,194万円から。

グレード 発売 エンジン型式 エンジン 排気量 最高出力/最大トルク 変速機 ハンドル位置 ドア数 駆動方式
M8 クーペ 2019年6月 S63B44B型 V型8気筒DOHCツインターボ 4,394cc 600ps/76.5kgm 8速AT 左/右 2 4WD
M8 クーペ コンペティション 625ps/76.5kgm
M8 カブリオレ 2019年7月 600ps/76.5kgm
M8 カブリオレ コンペティション 625ps/76.5kgm
M8 グランクーペ 2020年1月 600ps/76.5kgm 4
M8 グランクーペ コンペティション 625ps/76.5kgm

モータースポーツ  編集

M8・GTE 編集

参考文献 編集

  1. ^ DIGITAL, AUTOCAR. “正式発表 BMW 8シリーズ・グランクーペ 840i/840d/M850iの3種 M8も追加へ - 海外ニュース”. AUTOCAR JAPAN. 2019年6月19日閲覧。
  2. ^ 「BMW 8シリーズ クーペ」の新型が日本に上陸 【ニュース】”. webCG. 2019年6月19日閲覧。
  3. ^ 「BMW 8シリーズ カブリオレ」の国内販売がスタート 【ニュース】”. webCG. 2019年6月19日閲覧。
  4. ^ 新型「BMW 8シリーズ」にディーゼルモデル登場 【ニュース】”. webCG. 2019年5月21日閲覧。
  5. ^ 「BMW 8シリーズ クーペ/カブリオレ」に3リッター直6ガソリンエンジン搭載モデルが登場 【ニュース】”. webCG. 2020年4月24日閲覧。
  6. ^ BMW「M8グランクーペ」が日本発売!高性能な「M」のフラッグシップに。”. Idea Web Tools | 自動車とテクノロジーのニュースブログ. 2020年3月3日閲覧。
  7. ^ BMW Mのフラッグシップオープンモデル ソフトトップ採用の「M8カブリオレ」日本デビュー 【ニュース】”. webCG. 2019年7月26日閲覧。
  8. ^ BMW Mの新たなフラッグシップモデル「M8グランクーペ」が日本上陸 【ニュース】”. webCG. 2020年1月28日閲覧。

関連項目 編集

外部リンク 編集