Blue Moon Rendering Tools(略称:BMRT)は、最も有名なRenderMan互換のフォトリアリスティックレンダリングシステムであり、NVIDIAのGelatoの先駆けでもあった[1]。BMRTはフリーウェアとして配布された。BMRTはRenderMan interfaceを学ぼうとする学生などに人気があった。また、レイトレーシングなどの、PhotoRealistic RenderManにはない機能があった。Pixarでさえも、PRManがレイトレーシング機能を搭載するまではBMRTを使っていた。Exlunaによると、『バグズライフ』、『スチュアート・リトル』、『ザ・セル』、『インビジブル』、『ウーマン・オン・トップ』などの3Dレンダリングに使用された。

Blue Moon Rendering Tools
開発元 Larry Gritz/Exluna
最新版
2.6 / November 2000
対応OS IRIX, Linux, Microsoft Windows
種別 3DCGソフトウェア
ライセンス プロプライエタリ
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BMRTはLarry Gritzがコーネル大学に在学中に開発された[2] 。彼は1990年代前半にBMRTを開発し、1994年に初めて公開した。そして、それらの機能をPhotoRealistic RenderManに組み込むため、Pixarに雇われた。

BMRTとしての最後のバージョン2.6は2000年11月に公開された。BMRTの後継であるEntropyの最初のバージョン3.0は2001年7月にリリースされた。

2000年にGritzはPixarを去り、Entropyを主要製品とするExlunaという会社を立ち上げた。Entropyは、BMRTをベースとして様々な機能を追加し、最適化されたRenderManレンダラである。2002年にNVIDIAがExlunaとEntropyを買収したことを受け、PixarはGritzとExluna(現在のNVIDIA)を特許侵害・企業秘密の漏洩・著作権の侵害で訴えた。この件はBMRTとEntropyの開発停止で決着した。Gritzと他のExlunaのスタッフはNVIDIAでGelatoレンダラの開発を行っている。

脚注 編集

  1. ^ Renderman FAQ”. 2009年12月27日閲覧。
  2. ^ BMRT History”. 2000年9月15日時点のオリジナルよりアーカイブ。2009年12月27日閲覧。

外部リンク 編集