cPanel (Control Panel) は、サイト管理を容易にするためにグラフィカルにデザインされた、ウェブベースのウェブホスティングコントロールパネル。 cPanelは、そのインタフェースにおいて、ウェブサイトの管理にも対処することができる。 このソフトウェアはcPanel Inc.が配布しており、プロプライエタリソフトウェアとなっている。商業ベースのウェブホスティングサービスによる利用を目的として構築され、利用する際は年間ライセンス料が必要となる。[1]

cPanel
初版 1996年3月27日
最新版
11.56.0.3 / 2016年4月12日 (7年前) (2016-04-12)
対応OS Linux, BSD, Windows (in beta)
対応言語 英語
種別 Control Panel
ライセンス プロプライエタリ
公式サイト http://www.cpanel.net
テンプレートを表示

経緯 編集

cPanelはもともとSpeed Hosting社用のコントロールパネルとしてデザインされた。Speed Hosting社は、cPanelの生みの親であるJ. Nick Koston氏が出資したウェブホスティング会社で、現在はすでに存在していない。cPanelは、Web KingとSpeed Hostingが合併した後、すぐにWeb Kingによって利用されるようになった。両社が合併し新会社となった後、Virtual Development Incにサーバを移転。(Virtual Development Incもすでに廃業)J. Nick Koston氏とVDIの同意のもと、cPanelはVDIでホスティングサービスを利用する顧客にのみ利用可能となった。当時、コントロールパネルマーケットにはライバル企業がほとんど存在せず、VDIAlabanzaの2社が主な選択肢だった。1999年、自動アップグレード機能付きのcPanel 3がリリースされ、cPanel 2に代わって、Web Host Manager(WHM) が主力商品となっていった。

cPanel3はバグが発生しやすく、ユーザインタフェースも優れているとは言えなかった。WizardsHostingのCarlos Rego氏が、cPanelのデフォルトテーマとなるものを作成したことにより、ユーザインタフェースは改善された。結局、VDIとJ. Nick Koston氏の間で内部的な問題が発生し、cPanelはcPanelとWebPanelという2つの独立したプログラムに分裂した。WebPanelはVDIが運営・管理するバージョンとなった。リードプログラマ不在ということもあり、VDIはcPanel事業継続が不可能となり、結局事業から完全に撤退した。一方、J. Nick Koston氏はcPanel開発を続けながら、BurstNETに一旦は就職したが、cPanel開発に完全に専念するため、BurstNETを円満退社。その後、cPanelは何年にも渡りアップデートと改良を重ねた。現在cPanelは、安定性のある信頼できるコントロールパネルとなっている。

特徴 編集

cPanelはクライアントに対して、PGP鍵・cronタスク・メールやFTPアカウント・メーリングリスト等の管理を含む、多数の共通操作を行うためのフロントエンドを提供するコントロールパネルである。

追加料金を支払えば、様々なアドオンを利用することも出来る。中でも最も注目すべきはFantasticoで、WordPressSMFphpBBDrupalJoomla!・TikiWiki CMS/Groupware・Moodleをはじめ、その他50以上ものウェブアプリケーションを自動的にインストールできるスクリプト集である。(ただし、自動的にアップデートすることは出来ない。)

他のウェブホスティングコントロールパネルとは違い、cPanelは複数個のソフトウェアパッケージを、大本となるオペレーティングシステム (OS) とは別に管理することができ、ApachePHPMySQLやその他関連のあるソフトウェアパッケージのアップグレードも自動で行える。これにより、これらパッケージはいつでも最新の状態で、cPanelとの互換性が保証されることになる。[2]

WHM (Web Host Manager) 編集

WebHostマネージャー (WHM) は、サーバ管理者またはリセラー(再販業者)がサーバ上でホスティングアカウントを管理するために使用する、ウェブベースのツールである。WHMのデフォルトポートは2086と2087である。[3]

WHMはルート管理者によるアクセスはもちろんのこと、リセラー権限でユーザへのアクセスも可能。リセラーユーザは、ルートユーザ(サーバ管理者)よりも利用できる機能が少ない。というのも、リセラーユーザは、サーバを管理するというよりも、顧客のアカウントを管理する(制限する)ことがメインであるためである。サーバ管理者はWHMを使って、Apacheをコンパイルしたり、システムにインストールしたRPMを更新したりといった、メンテナンス操作を行うことが出来る。

cPanelのビルド 編集

cPanelのビルドにはEDGE、CURRENT、RELEASE、及びSTABLEを含む複数のビルドがあり、各々利用可能となっている。それぞれのビルドはテスト段階によって異なる。[4]

脚注 編集

  1. ^ サーバ管理ソフトウェア cPanel ご注文”. cpanel.designbomb.biz. 2022年12月21日閲覧。
  2. ^ 購入前のご質問 | サポート | セクティゴ・コモドSSL”. comodo.jp. 2022年12月21日閲覧。
  3. ^ クイックスタートガイド: Amazon Lightsail の cPanel WHM | Lightsail ドキュメント”. lightsail.aws.amazon.com. 2022年12月21日閲覧。
  4. ^ cPanelのビルドとは何? わかりやすく解説 Weblio辞書”. www.weblio.jp. 2022年12月21日閲覧。

関連項目 編集

外部リンク 編集