音楽史に名を残した、主にヨーロッパの音楽家の一族。

バッハ家やモーツァルト家の系図は、しばしば「メンデルの法則」の説明に添えられたため、音楽のような特殊な能力は遺伝しやすいと誤解されてきた。しかし実際に音楽的能力が遺伝するとは限らない(例えばバッハの孫やモーツァルトの子供に、音楽家になった者は数少ない)。

17~18世紀にかけてヨーロッパで音楽家の一族が出やすかったのは、音楽的な家庭環境や、固定的な身分制度のためであって、遺伝のせいではない。したがってヨーロッパで古い時代には、代々音楽家という家系は必ずしも珍しいことではなかった(バッハの弟子のクレープス親子や、テレマンとその孫、ラッススと息子たちといった例もある)。ちなみに中世・ルネサンスの作曲家は、聖職者を兼ねていることが多く、建て前上は独身を貫かなければならなかったため、音楽家の一族という例はほとんどない。また19世紀以降は芸術家を職人階級と見る習慣が廃れて、音楽家を家業とする例が珍しくなった。メンデルスゾーン姉弟のような例があるものの、メンデルスゾーン家は、当のファニー・メンデルスゾーンフェリックス・メンデルスゾーンを含めて、誰もが音楽が家業であるとは考えておらず、このために前者の音楽活動を職業として認めるか否かで家族が悩むことになった。ただし、北欧などの一部地域では、ハートマン家やゲーゼ家など、19世紀になっても音楽教育を家業とする傾向が残っていた。

ただし、ショービジネスと結びついたポピュラー音楽の世界では、現代になっても、親子や兄弟で音楽活動を展開するといった例がなくもない。たとえばトラップ・ファミリージャクソン・ファイブなどである。

また、ヨーロッパ以外でも日本東儀家のように音楽家の一族が存在する。

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