DC++とはフリーオープンソースP2Pファイル共有クライアントで、ダイレクトコネクトネットワーク英語版ADC英語版プロトコルに接続することができる。主開発者はジャセク・シエカでarnetheduck英語版という愛称を持っている。

DC++
Windows 7上で動作するDC++ 0.777
開発元 ジャセク・シエカ(Jacek Sieka)
最新版
0.868 / 2018年11月12日 (5年前) (2018-11-12)
リポジトリ ウィキデータを編集
プログラミング
言語
C++
対応OS Windows
種別 Peer-to-peer
ライセンス GNU GPLv2 or later
公式サイト dcplusplus.sourceforge.net
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2008年現在、DC++はダイレクトコネクトのコミュニティで90%のシェアを誇っている[1]

DC++はNeoModus Direct Connect (NMDC)のフリーオープンソース代替クライアントで、同じファイル共有ネットワークに接続していて、同じファイル共有プロトコルに対応している。DC++が前述の人気を得ている理由の1つがNMDCと違っていかなるアドウェアを含んでいない点である[2]

ダイレクトコネクトネットワークには他クライアントが多くあり、これらのほとんどをDC++ "mods"とされ、DC++のソースコードを元にしたDC++修正バージョンである。DC++ modsの一部は以下にある。これらのクライアントの一部は特化されたコミュニティ(例えば音楽共有コミュニティ)向けや、特定の実験的機能や、DC++から削除されたとされる機能に対応するために開発されている。実験的機能の例としてハッシングがあり、当初BCDC++に搭載されていたが後にDC++が採用した。

フォーク 編集

 
DC++とそのフォークを示したチャート図[3]

DC++におけるフリーオープンソース環境のアドバンテージはオリジナルクライアントに機能を追加したいくつものmodsが公開されることである。

多くのユーザーが将来的なリリースが含まれるDC++にパッチを送信しているが、開発者によってリジェクトされた機能もある。パッチをリジェクトする理由にとしてコードが貧弱だったり、取るに足らない、乱用されかねない、過度に特化された機能だったり、メインクライアントに無かったりするなどがある。例として、アップロードの帯域制限(多くのユーザーはアップロード帯域制限はチーティング形式で、フルデュプレックスネットワーク接続を使わない他ユーザーは制限されたアップロードによる合理的なダウンロード速度にしか達しない)、色付けされたチャット、特化したオペレーター機能(例としてクライアント/共有チェックがある。

一部フォークの開発者はDC++に機能の提供やアップストリーム還元バグ修正を行っている。

クライアントソフトウェアの比較 編集

一般 編集

クライアント FOSS
ソフトウェアライセンス 現行
AirDC++ Yes GNU GPLv2 or later Yes
TkDC++ Yes GNU GPLv2 or later Yes
ApexDC++ Yes GNU GPLv2 or later Yes
DC++ Yes GNU GPLv2 or later Yes
EiskaltDC++ Yes GNU GPLv3 or later Yes
FlylinkDC++ Yes GNU GPLv2 or later Yes
LinuxDC++ Yes GNU GPLv2 or later Yes
RSX++ Yes GNU GPLv2 or later Yes
StrongDC++ Yes GNU GPLv2 or later No
クライアント FOSS
ソフトウェアライセンス 現行

対応OS 編集

クライアント Windows
Linux
macOS
BSD
Haiku
AirDC++ Yes No No No No
TkDC++ Yes No No No No
ApexDC++ Yes No No No No
DC++ Yes No No No No
EiskaltDC++ Yes Yes Yes Yes Yes
FlylinkDC++ Yes No No No No
LinuxDC++ No Yes No Yes No
RSX++ Yes No No No No
StrongDC++ Yes No No No No
クライアント Windows
Linux
macOS
BSD
Haiku

インタフェースとプログラミング 編集

クライアント GUI
CLI
WebUI
プログラミング言語
元クライアント
AirDC++ Yes No No C++ StrongDC++
TkDC++ Yes No No C++ StrongDC++ / DC++ bzr
ApexDC++ Yes No No C++ StrongDC++
DC++ Yes No No C++ -
EiskaltDC++ Yes Yes Yes C++ DC++
FlylinkDC++ Yes No Yes C++ ApexDC++/StrongDC++
LinuxDC++ Yes No No C++ DC++
RSX++ Yes No No C++ StrongDC++
StrongDC++ Yes No No C++ DC++
クライアント GUI
CLI
WebUI
プログラミング言語
元クライアント

機能 編集

クライアント
Magnet URI
UPnP
NAT traversal
DHT
暗号化
IPv6
IDNA
プラグイン
プロキシ
ハッシュアルゴリズム 対応プロトコル
AirDC++ Yes Yes Yes No Yes Yes No Yes Tiger Treeハッシュ TIGR, ADCS
ApexDC++ Yes Yes Yes Yes Yes No No Lua, C++ Yes Tiger Treeハッシュ TIGR, ADCS
DC++ Yes Yes Yes No Yes Yes No Yes Tiger Treeハッシュ TIGR, ADCS
EiskaltDC++ Yes Yes Yes Yes Yes No Yes Lua, QtScript, QML Yes Tiger Treeハッシュ TIGR, ADCS
FlylinkDC++ Yes Yes Yes Yes Yes No Yes Yes Tiger Treeハッシュ TIGR, ADCS
LinuxDC++ Yes Yes Yes No Yes No No Yes Tiger Treeハッシュ TIGR, ADCS
RSX++ Yes Yes Yes Yes Yes No No Lua, C++ Yes Tiger Treeハッシュ TIGR, ADCS
StrongDC++ Yes Yes Yes Yes Yes No No Yes Tiger Treeハッシュ TIGR, ADCS
クライアント
Magnet URI
UPnP
NAT traversal
DHT
暗号化
IPv6
IDNA
プラグイン
プロキシ
ハッシュアルゴリズム 対応プロトコル

関連項目 編集

脚注 編集

  1. ^ Fredrik Ullner (2008年1月). “PC Pitstop and its P2P-report”. DC++: Just These Guys, Ya Know?. 2008年3月19日閲覧。
  2. ^ Annalee Newitz (2001年7月). “Sharing the Data”. Metro, Silicon Valley's Weekly Newspaper. Metro Publishing Inc. 2006年12月21日閲覧。
  3. ^ http://www.adcportal.com/wiki/Client_Software

外部リンク 編集

公式 編集

非公式 編集