DSQS-21シリーズは、ドイツのクルップ・アトラス(のちにSTN アトラス、現在のラインメタル)社が開発した中周波ソナーのシリーズ。水上艦向けのDSQS(ASO)シリーズと、潜水艦向けのDBQS(CSU)シリーズがある。

ASO-90 / DSQS-24
種別 中周波ソナー
開発・運用史
開発国 ドイツの旗 ドイツ
送振系
周波数 6〜9kHz
パルス幅 5, 50, 300ミリ秒
探知性能・その他諸元
探知距離 2,000ヤード (1.8 km)〜48,000ヤード (44 km)
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スタンダード・ソナー80 編集

1980年代初期、クルップ・アトラス社は、ドイツ海軍向けのスタンダード・ソナー80の開発に着手した。これによって開発されたのが、水上艦向けのASO-80 / DSQS-21と、潜水艦向けのCSU-83 / DBQS-21である。

CSU-83は、アレイそのものは既存のCSU-3ソナーのものを踏襲しており、0.3〜12kHzで動作するシリンダー型のパッシブ・アレイと、中周波数で動作するアクティブ・ソナー送信機、2〜8kHzで動作するパッシブ測距アレイ、そしてシリンダー型パッシブ・アレイ(10kHzまでの中周波数で動作)および専用アレイ(10〜100kHzの高周波数で動作)と連接される脅威受信機によって構成されていた。その後、改良型としては、水上艦向けには電子的に安定化されたASO-85 / DSQS-21 BZが、潜水艦向けには統合化を進めたPSU-83 / DBQS-21Fも開発された。

搭載艦艇
水上艦
潜水艦

スタンダード・ソナー90 編集

スタンダード・ソナー80シリーズに続いて、より統合化を進めて開発されたのが、スタンダード・ソナー90シリーズである。本シリーズにおいては、単に目標の追尾軌跡を出力するだけでなく、目標運動解析(TMA)が行なわれる。システムはモジュール化されており、通常は一つのモジュールが一つの役割を主に行なう。システムは、MC68030マイクロプロセッサによる32ビットのEPR-2300プロセッサおよびTMS、ADSP-2100 DSPによって構成される。典型的なシグナルプロセッサボードは、30MIPSの性能を備えたプロセッサを1基搭載しており、それぞれ240キロバイトのRAMを備えたADSP-2100と連接された3基のDSPマクロセルを使用する。

本シリーズにおいては、水上艦向けのASO-90 / DSQS-21 Mod, DSQS-23, DSQS-24と、潜水艦向けのCSU-90 / DBQS-40が発表されている。CSU-90では、CSU-83と同様の艦首ソナーに加えて、全長20〜48メートルのFAS-1フランク・アレイ・ソナー(動作周波数 10Hz〜2.5kHz)が導入されている。

搭載艦艇
水上艦
潜水艦

参考文献 編集

  • Norman Friedman (2006). The Naval Institute guide to world naval weapon systems. Naval Institute Press. ISBN 9781557502629. https://books.google.co.jp/books?id=4S3h8j_NEmkC