FREMM計画(ふれむけいかく、イタリア語: Fregata Europea Multi Missioneフランス語: Frégates Européennes MultiMissions、FREMM)またはマルチミッションフリゲート[2][3]とは、フランスイタリアが共同で行う汎用フリゲート開発計画である。但し、フランス海軍では、Dから始まる艦番号を与えられ、駆逐艦相当として扱われている。

FREMM
FREMM計画
基本情報
運用者  フランス海軍
 イタリア海軍
 モロッコ海軍
エジプトの旗 エジプト海軍
 アメリカ海軍(予定)
建造費 1隻あたり4億8,330万USドル [1]
同型艦
  • 対潜型:10隻
  • 対空型:2隻
  • 汎用型:6隻
計画数 22隻
建造数 18隻(13隻就役中)
準同型艦 アメリカ合衆国コンステレーション級
要目
詳細は各級の項目を参照
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2005年11月16日に決定された当初計画では、フランスが17隻、イタリアが10隻を調達する計画であった(後述のアメリカ海軍の分を除く)。

フランス 編集

フランスの導入計画は当初、2隻のトゥールヴィル級駆逐艦及び6隻のジョルジュ・レイグ級駆逐艦を更新する対潜型(ASM:anti-sous-marine)8隻と、9隻のデスティエンヌ・ドルヴ級通報艦を更新する対地型(AVT:action vers la terre)9隻の合計17隻を、8隻・4隻・5隻の3段階に分けて導入する予定であった。

しかし計画修正により隻数は11隻まで減らされ、対地型が取り止めになり対空型(FREDA:Frégates de défense aériennes)2隻に変更された。現在予算が承認されている8隻の内訳は対潜型6隻、対空型2隻である。対潜型の1番艦アキテーヌは2007年に起工され、2013年4月に就役した。

イタリア 編集

イタリアの導入計画は、7隻のマエストラーレ級フリゲートと4隻のソルダティ級フリゲート(ルポ/アルティリエーレ級)を対潜型(ASW)4隻と汎用型(GP:General Purpose/LA:Land Attack)6隻で更新する計画であり、特に汎用型には対地攻撃能力を重視した装備が計画されている。

モロッコ 編集

 
モロッコ海軍仕様の、ムハンマド6世。
フランス海軍仕様のアキテーヌ級駆逐艦に準じた設計。

モロッコ海軍は、フランスよりアキテーヌ級に準ずる対潜型1隻の調達を決定。建造は「アキテーヌ」の後、「ノルマンディー」の前に行われた。艦名は現在のモロッコの国王の名に因んでムハンマド6世とされており、2014年1月30日に就役した。

運用国 設計 # 艦名 起工 進水 就役
モロッコ海軍 対潜 Mohamed VI 2008年 2011年 2014年

エジプト 編集

エジプト海軍は、2015年2月にアキテーヌ級駆逐艦の2番艦「ノルマンディー」を購入[4]、エジプト海軍に「F1001 タヒヤ・ミスル」として就役した[5]

運用国 設計 # 艦名 起工 進水 就役
  エジプト海軍 汎用 FFG-1001 タヒヤ・ミスル[注 1]
Tahya Misr
2009年
10月8日
2012年
10月18日
2016年
3月17日
FFG-1002 アッ=ガララ[注 2]
ENS Al-Galala
2017年
2月
2019年
1月26日
2020年
12月31日
FFG-1003 ベレニケ[注 3]
ENS Bernees
2018年
1月
2020年
1月25日
2021年
4月14日

アメリカ合衆国 編集

アメリカ海軍は2017年より導入検討を開始し、2019年6月20日より開始されたFFG(X)(次期誘導ミサイルフリゲート)設計案コンペティションに、FREMM計画をベースにしたフィンカンティエリS.p.A社の案に決定した事を2020年4月30日付けで公表されコンステレーション級ミサイルフリゲートとなった。

コンステレーション級は、武器システムにイージスシステム ベース10を搭載したイージス艦であり、武装としてMk 41VLSMk110 57mm砲の装備を予定している。

基本型1隻と別仕様の9隻が建造され、フィンカンティエリの傘下企業であるマリネット・マリーンが担当する。[7]

脚注 編集

注釈 編集

  1. ^ 元来はフランス海軍向けの「ノルマンディー」として建造されていたが、2015年2月の決定に基づいてエジプトに売却された[6]
  2. ^ 元々はイタリア海軍向けの「スパルタコ・スケルガト」(ITS Spartaco Schergat, F 598)として起工された艦であった。
  3. ^ 元々はイタリア海軍向けの「エミリオ・ビアンキ」(ITS Emilio Bianchi, F 589)として起工された艦であった。

出典 編集

外部リンク 編集