フォーティネット(Fortinet, Inc.)は、NetScreen Technology社(後に ジュニパーネットワークスが買収)の創業者で社長兼CEOを務めたケン・シエ(Ken Xie/謝青)が2000年(平成12年)に創業した統合脅威管理(UTM)の開発、製造メーカーである。本社はアメリカ合衆国カリフォルニア州サニーベールに置く。2002年に設立された日本法人のフォーティネットジャパン合同会社は米国本社100%出資の子会社で本社は東京都港区六本木に置く。その他名古屋、大阪、福岡、仙台にオフィスを置く。統合脅威管理製品(UTM)の開発、製造メーカーとしては世界最大手である。

Fortinet, Inc.
種類 株式会社
市場情報 NASDAQ: FTNT
略称 FTNT
本社所在地 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
899/901 Kifer Road Sunnyvale,
CA 94086 USA
設立 2000年
業種 情報・通信業
事業内容 ネットワークセキュリティ
コンピュータセキュリティ
代表者 ケン・シエ(Ken Xie/謝青)
従業員数 12,091名(2022年9月30日現在)
主要株主 ケン・シエ(Ken Xie)
マイケル・シエ(Mike Xie)
主要子会社 フォーティネットジャパン株式会社等
外部リンク https://www.fortinet.com/
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フォーティネットジャパン合同会社
Fortinet Japan G.K.
種類 合同会社
本社所在地 日本の旗 日本
106-0032
東京都港区六本木七丁目7番7号
Tri-Seven Roppongi9階
設立 2002年2月
業種 情報・通信業
事業内容 ネットワークセキュリティ
コンピュータセキュリティ
代表者 与沢和紀(社長執行役員)
資本金 1,000万円
決算期 12月31日
主要株主 米国Fortinet, Inc.(100%)
関係する人物 岡本吉光[1]
外部リンク https://www.fortinet.com/jp
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沿革 編集

  • 2000年(平成12年) - Fortinet,Inc.設立
  • 2002年(平成14年) - フォーティネットジャパン株式会社設立
  • 2008年(平成20年) - 名古屋オフィス開設
  • 2018年(平成30年) - 仙台オフィス開設
  • 2022年(令和4年) - フォーティネットジャパン株式会社からフォーティネットジャパン合同会社へ組織変更

事業所 編集

製品 編集

  • Fortinetの製品名は、すべて「Forti-」が付く。
  • Fortinetのハードウェアおよびソフトウェアはすべて自社開発、または買収してラインナップに取り込んでいる。
  • FortiGate
・同社の主力UTM製品である。
・自社設計のASICを搭載しており、高いスループットを実現している。ミッドレンジ以上はNP(ネットワークプロセッサ:ファイアウォールとIPSec、パケット転送処理を受け持つ)とCP(コンテンツプロセッサ:アンチウイルス、IPS、SSLの処理を高速化する)、エントリーレベルはSoC(NP、CP、CPU、メモリをワンチップ化)である。
・Firewall、IPsec-VPN、アンチウィルス、アンチスパム、IPS、Webコンテンツフィルタリング、アプリケーション制御、無線LANコントローラ機能を1台で提供することが可能である。
・Firewall、IPsec-VPN、アプリケーション制御機能以外は、別途ライセンスを購入することにより使用可能となる。
・アンチウィルス、アンチスパム、IPS、Webコンテンツフィルタリング、アプリケーション制御のデータベースはFortinet社独自のデータベースを使用する。
・製品名は2~4桁の数字+英1字で表される。数はFortiGateの性能を示し、桁が多く数が大きいほど高性能である。英字は世代を表す。
・2021年現在のラインナップ
 - エントリーレベル(数2桁):FortiGate 30E、FortiGate 40F、FortiGate 50E、FortiGate 60E、FortiGate 60F、FortiGate 80E、FortiGate 80F
- ミッドレンジ(数3桁):FortiGate 100E、FortiGate 100F、FortiGate 200E、FortiGate 200F、FortiGate 300E、FortiGate 400E、FortiGate 500E、FortiGate 600E、FortiGate 800D
 - ハイエンド(数4桁):FortiGate 1100E、FortiGate 1500D、FortiGate 1800F、FortiGate 2000E、FortiGate 2200E、FortiGate 2500E、FortiGate 2600F、FortiGate 3300E、FortiGate 3400E、FortiGate 3600E、FortiGate 3700D、FortiGate 3800D、FortiGate 3960E、FortiGate 3980E、FortiGate 4200F、FortiGate 4400F
- ウルトラハイエンド:FortiGate 6300F、FortiGate 6500F
 - シャーシベース:FortiGate 5001E、FortiGate 7030E、FortiGate 7040E、FortiGate 7060E
- 仮想アプライアンス:FortiGate VM。主要なハイパーバイザーに対応している。VMware ESXiおよびNSX-T、Microsoft Hyper-V、Citrix Xen、KVM qemu、Nutanix AHV。またAmazon AWSやMicrosoft Azure、Google Cloud Platformでも利用できる。最大vCPU数によりライセンスが構成される。
  • FortiManager
・FortiGateを管理・監視するためのアプライス製品である。
・2021年現在の製品ラインナップ
 - アプライアンス:FortiManager 200F、FortiManager 300F、FortiManager 1000F、FortiManager 2000E
 - 仮想アプライアンス:FortiManager VM。管理デバイス数によりライセンスが構成される。
 - クラウド:FortiManager Cloud。Fortinetのクラウドにより提供されている。また、AWS、Azure、GCPなどでも提供されている。
  • FortiAnalyzer
・FortiGateのログ、イベントデータの収集分析・レポート作成等を行うアプライアンス製品である。
  • FortiAP

  ・FortiGateの無線コントローラによって管理される、無線LANアクセスポイント。

  ・製品名は数3字+英1字で構成される。数字は、[MIMO][ラジオ数][アンテナ内蔵は1、外付は3]となっている。英字は世代を示している。4x4MIMOの3ラジオ・内蔵アンテナのモデルだと、FAP-431Fとなる。

  ・旧MeruのアクセスポイントはFortiAP Uシリーズ(FAP-UxxxF)として区別される。コントローラはFortiWLMシリーズが対応する。

  ・クラウド管理として、FortiAP Cloudが提供されている。基本的な機能は無償で利用可能である。

  • FortiSwitch

  ・FortiGateのスイッチコントローラによって管理可能なスイッチ

  • FortiAuthenticator - 認証アプライアンス製品である。
  • FortiCASB - クラウドアクセスサービスブローカー
  • FortiCamera/FortiRecorder - ネットワークビデオカメラ。
  • FortiClient - エンドポイントセキュリティ・ソフトウェア
  • FortiDDoS - DDoS保護のためのアプライアンス製品である。
  • FortiDB - データベースの脆弱性評価(VA)等を行うためのアプライアンス製品である。現在は終売。
  • FortiMail - メールセキュリティ
  • FortiSandbox - サンドボックスのためのアプライアンス製品である。
  • FortiSIEM - セキュリティ情報イベント管理のアプライアンス製品である。
  • FortiADC
・負荷分散を行うためのアプライアンス製品である。
・日本では 2016年より FortiADC D シリーズの販売が開始された。Fortinet 社が提供していた FortiADC D シリーズ製品であり、
 2013年3月22日に Fortinet 社により買収された Coyote Point Systems 社の Equalizer をベースとする負荷分散装置 FortiADC E
 シリーズとは異なる。
・Fortinet 社が提供する負荷分散ソリューションとして FortiADC E シリーズやその他の負荷分散装置が複数存在したが、
 既にハードウェアの高パフォーマンス・ソフトウェアの高機能を実現していた FortiADC D シリーズが Fortinet 社の
 メインストリームの負荷分散装置として採用された。
・製品モデル
 - FortiADC 4000F、FortiADC 2000F、FortiADC 1000F、FortiADC 400D、FortiADC 300D、FortiADC 200F、FortiADC 100F の他、
  バーチャルアプライアンスとして FortiADC VM01、VM02、VM04、VM08 の4種が提供されている。
  (ちなみに、VM の後の数字はアサイン可能な仮想 CPU 数。)

一次代理店及び販売店 編集

  • 一次代理店(マスター・ディストリビューター)
CTCエスピー株式会社
・株式会社データコントロール
・株式会社ディアイティ
・株式会社日立ソリューションズ
三井情報株式会社
日本電気通信システム株式会社
ネットワンパートナーズ株式会社
・株式会社ネットワークバリューコンポネンツ
・株式会社ネットワールド
・ノックス株式会社
・株式会社ピーエスアイ
SB C&S株式会社
SCSK株式会社
図研ネットウエイブ株式会社
  • 販売店
キヤノンシステムアンドサポート株式会社
・シャープマーケティングジャパン株式会社
  • MSSPパートナー
NTT Com DD株式会社
 ※MSSPパートナーとはManaged Security Service Providerの略称で、フォーティネットジャパンがFortinet製品の
  提供に加え運用監視サービス等も提供できると認定した企業である。

認定資格 編集

Fortinet Network Security Expert (NSE)認定を展開している。
2023年10月以降は5段階(11資格)の認定となる。
認定の多くはCoreとElectiveの複数試験合格により認定される。
2023秋の認定資格アップデート

FCX
Fortinet Certified Expert
複雑なネットワークのネットワークセキュリティの設計、構成、トラブルシューティングに関する包括的かつ専門的な知識を証明します。
FCSS
Fortinet Certified Solution Specialist
Fortinet サイバーセキュリティ ソリューションを設計、管理、監視、トラブルシューティングする能力を有することを証明します。
FCP
Fortinet Certified Professional
フォーティネット サイバーセキュリティ製品を導入、管理、監視することでネットワークとアプリケーションを保護する能力を有することを証明します。
FCA
Fortinet Certified Associate
FortiGate デバイス上で高度な操作を実行する能力を有することを証明します。
FCF
Fortinet Certified Fundamentals
サイバーセキュリティの初級レベルの職務に必要な技術スキルと知識を習得していることを証明します。

脚注 編集

  1. ^ リバーベッド・テクノロジー株式会社代表取締役社長。過去にフォーティネットジャパンの社長を務めた。

外部リンク 編集