iPhone 14 Pro

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iPhone 14 Pro / iPhone 14 Pro Max(アイフォーン フォーティーン プロ / アイフォーン フォーティーン プロ マックス)は、Appleが設計・販売しているスマートフォンで、iPhone 13 ProとiPhone 13 Pro Maxに続く、第16世代のiPhoneのハイエンドモデルである。

iPhone 14 Pro / iPhone 14 Pro Max
iPhone 14 Pro ディープパープル
開発者 Apple
製造者 Foxconn
キャッチコピー 日本語: プロを超えたプロ。
英語: Pro. Beyond.
世代 第16世代
通信方式

全モデル

4x4 MIMO対応5G(sub-6 GHz)

4x4 MIMOとLAA対応ギガビットLTE

モデルA2889

5G NR(バンドn1、n2、n3、n5、n7、n8、n12、n14、n20、n25、n26、n28、n29、n30、n38、n40、n41、n48、n53、n66、n70、n71、n77、n78、n79)

FDD-LTE(バンド1、2、3、4、5、7、8、11、12、13、14、17、18、19、20、21、25、26、28、29、30、32、66、71)

TD-LTE(バンド34、38、39、40、41、42、46、48、53)

UMTS/HSPA+/DC-HSDPA(850、900、1,700/2,100、1,900、2,100MHz)

GSM/EDGE(850、900、1,800、1,900MHz)

モデルA2893

5G NR(バンドn1、n2、n3、n5、n7、n8、n12、n14、n20、n25、n26、n28、n29、n30、n38、n40、n41、n48、n53、n66、n70、n71、n77、n78、n79)

FDD-LTE(バンド1、2、3、4、5、7、8、11、12、13、14、17、18、19、20、21、25、26、28、29、30、32、66、71)

TD-LTE(バンド34、38、39、40、41、42、46、48、53)

UMTS/HSPA+/DC-HSDPA(850、900、1,700/2,100、1,900、2,100MHz)

GSM/EDGE(850、900、1,800、1,900MHz)
販売開始日 2022年9月16日 (19か月前) (2022-09-16)
先代機 iPhone 13/13 mini
iPhone 13 Pro/13 Pro Max
iPhone SE (第3世代)
後継機 iPhone 15/15 Plus
iPhone 15 Pro/15 Pro Max
関連機種 iPhone 14/14 Plus
フォームファクタ スマートフォン
サイズ 【iPhone 14 Pro】
147.5 mm
71.5 mm
厚さ 7.85 mm
【iPhone 14 Pro Max】
160.7 mm
77.6 mm
厚さ 7.85 mm
重量 【iPhone 14 Pro】
206 g
【iPhone 14 Pro Max】
240 g
OS iOS 16.0(初期搭載)iOS 17.4
SoC Apple A16 Bionic
CPU Apple A16 Bionic 6コア(高性能x2コア+高効率x4コア)
GPU Apple A16 GPU(5コア), Display Engine
メインメモリ 6GB LPDDR5
ストレージ 128, 256, 512GB, 1TB
ディスプレイ 【iPhone 14 Pro】
6.1インチ
2556 x 1179ピクセル 460 ppi
Super Retina XDRディスプレイ
【iPhone 14 Pro Max】
6.7インチ
2796 x 1290ピクセル 460 ppi
Super Retina XDRディスプレイ
背面カメラ 4800万画素/F1.78カメラ(広角)
1200万画素/F2.2(超広角)
1200万画素/F2.8(望遠)
3倍の光学ズームイン
2倍の光学ズームアウト
最大15倍のデジタルズーム
4K60fpsビデオ撮影
1080p240fpsスローモーションビデオ撮影
ポートレートモード
前面カメラ TrueDepthカメラ 1200万画素/F1.9カメラ
4K60fpsビデオ撮影
1080p120fpsスローモーションビデオ撮影
ポートレートモード
サウンド ステレオスピーカー
接続 3GLAA対応4GEVS-SWB)・5G(Sub6)
Wi‑Fi 6
Bluetooth 5.3
補聴器との両立 M3, T4
ウェブサイト www.apple.com/jp/iphone-14-pro/

概要 編集

2022年9月8日午前2時(日本時間)に開催されたApple Special Eventで発表された[1]

予約注文は2022年9月9日21時(日本時間)から開始、Apple Storeをはじめとして、通信事業者大手のNTTドコモauKDDI沖縄セルラー電話連合)、ソフトバンク楽天モバイルのMNO 4社から、iPhone 14 Proと14 Pro MaxはiPhone 14と同時に2022年9月16日(日本時間)に発売開始された。

価格は、iPhone 14 Pro(128GBモデル)で149,800円(税込)〔Apple Store価格〕から。

2023年9月13日にiPhone 15 Pro、iPhone 15 Pro Maxの発表に伴い、Apple Storeでの販売を終了した。

デザイン 編集

カラーバリエーション 編集

カラーはスペースブラック、シルバー、ゴールド、ディープパープルの4色が展開されている。

カラー カラーネーム
スペースブラック
シルバー
ゴールド
ディープパープル

Dynamic Island 編集

TrueDepthカメラが約30%小型化[2]されたことで、ノッチが廃止され、新たにA16 Bionicに搭載されたDisplay Engine[3]によるDynamic Island(ダイナミック・アイランド)(パンチホール)が採用された。Dynamic Islandでは周囲に通知、アラート、アクティビティを表示することにより、画面をより有効に使用できるようになっている。

仕様 編集

iPhone 14シリーズからの新機能 編集

iPhone 14シリーズからの新機能として、従来の「緊急SOS」に加え「衛星通信による緊急SOS[4]」、「衝突事故検出」機能が追加された。

この「衝突事故検出」機能は、

  • 「速度の急激な変化」(高重力加速度センサーで最大256Gの急加速/急減速を検知)
  • 「方向の急激な変化」(ハイダイナミックレンジジャイロスコープで車の突然の向き変化を検知)
  • 「衝突実験データ」(前面/後面/側面衝突、横転の衝突実験を通じて開発したモーションアルゴリズムで、事故を認識)
  • 「車内の気圧変化」(エアバッグ作動時に生じる車内の気圧変化を気圧計で検知)
  • 「衝突時の大きな音」(衝突時の極端に大きな音をマイクで聞き取り、識別)
  • 「過去の事故データ」(衝突事故検出の精度を最大限に高めるために、一般公開データを活用)

の6点から、動きや音などのあらゆる方法で衝突を認識し、ユーザの応答がなければ自動的に救助要請を行う機能である。

L1に加えL5による、高精度2周波GPS(GPS、GLONASSGalileoQZSS、BeiDou)に対応している。

筐体 編集

前面にはCeramic Shield(セラミックシールド)の高強度ガラスを、背面にはテクスチャードマットガラス高強度ガラスを採用し、側面はステンレススチール製である。

重量はiPhone 14 Proが206g、iPhone 14 Pro Maxが240g、寸法はiPhone 14 Proが147.5×71.5×7.85mm、iPhone 14 Pro Maxが160.7×77.6×7.85mm(縦×横×厚さ)である。

ディスプレイ 編集

ディスプレイにはiPhone 14 Pro/14 Pro Max共通でHaptic Touch(触覚タッチ)に対応したOLED(有機EL)で、 高輝度のSuper Retina XDRディスプレイ(最大輝度1,000ニト(標準)、ピーク輝度1,600ニト(HDR)、ピーク輝度2,000ニト(屋外))を採用している。 また、iPhone 14 Proシリーズのディスプレイは、最大120Hz駆動が可能なほか、ロック画面の常時表示1Hz駆動にも対応している可変リフレッシュレートのものである[1]。サイズは、iPhone 14 Proが6.1インチ、iPhone 14 Pro Maxが6.7インチになっている。iPhone 14 Pro Maxは画面サイズが同等のiPhone 13 Pro Maxに比べ筐体が縦に0.5mm, 横に0.1mm細くなり、ベゼルがわずかに細くなっている[5]

カメラ 編集

背面には4800万画素のメインカメラ(24mm相当、ƒ/1.78絞り値、第2世代センサーシフト光学式手ぶれ補正、7枚構成のレンズ、100% Focus Pixels)、1200万画素の超広角カメラ(13mm相当、ƒ/2.2絞り値と120°視野角、6枚構成のレンズ、100% Focus Pixels)、1200万画素の望遠カメラ(77mm相当、ƒ/2.8絞り値、光学式手ぶれ補正、6枚構成のレンズ)のトリプルカメラを搭載し、最大4K・60fpsまでのドルビービジョン対応HDRビデオ撮影ができる他、シネマティックモードでの最大4K HDR、30fpsもしくは24fps撮影も可能である[6][7]。また、最大6300万画素のパノラマ撮影、バーストモードでの撮影にも対応している。 前面には、Focus Pixelsを使ったオートフォーカス対応の1200万画素のTrueDepthカメラ(ƒ/1.9絞り値、6枚構成のレンズ)が搭載されている。背面カメラ同様に、最大4K・60fpsまでのドルビービジョン対応HDRビデオ撮影ができる他、シネマティックモードでの最大4K HDR、30fpsもしくは24fps撮影も可能である[7]。 メインカメラに関しては、先行機のiPhone 13 Pro/Pro Maxの1200万画素から4倍になっているが、4800万画素の写真は、Apple ProRAWでの撮影時のみ利用できる[8]。標準のHEIFもしくはJPEGでは、4画素を1つとして使うピクセルビニングにより1200万画素のカメラとして動作する。 カメラの画角に応じて照射範囲を調整するアダプティブTrue Toneフラッシュが新たに搭載された[7][6]

急速充電  編集

iPhone 14 Pro/Pro Maxには急速充電に対応するApple USB-C - Lightningケーブルが添付されている。20Wで急速充電を行うと30分で50%まで充電できる。iPhone 14 Pro Maxでは、30Wを超えるUSB-C電源アダプタを使用すると27Wが最大出力になる[9]。MacのUSB-Cポートでは最大15Wでの急速充電が出来る他、MacのUSB-AポートでもUSB-PDより遅い10Wで急速充電ができる。

無線充電には、Qiで7.5W給電に対応する他、MagSafeおよびQi2(iOS 17.2以降)による最大15W給電にも対応している[10]

ハードウェア 編集

128GB、256GB、512GB、1TBの4種類の内部ストレージ容量の構成。

SoC 編集

SoCA16 Bionicを搭載[1]

無線通信 編集

iPhone 13シリーズ同様に、リーダーモード対応NFCFeliCa、及び予備電力機能付きエクスプレスカードに対応している。

Wi-Fi6と、Bluetooth 5.3に対応している。

5G対応と通信速度 編集

4x4 MIMOを使用した5G Sub-6に対応しており、高速通信が可能になっている。

今回、米国モデルのiPhoneではiPhone 13シリーズから搭載されていた5G(ミリ波)による通信への対応が期待されていたが、日本向けiPhone 14シリーズでは見送りとなった。また、iOS 16.4以降で5G SAに対応している[11]

5G NR 編集

ドコモでは受信最大4.2Gbps/送信最大218Mbpsと発表されている[12]KDDIでは受信最大4.2〜3.7Gbps/送信最大218Mbpsと発表されている[13]ソフトバンクでは受信最大2.6Gbps/送信最大159Mbpsに留まる[14]。いずれもiPhone 13 Pro/13 Pro Maxと変わっていないが、新型モデムSnapdragon X65採用[15]により実効速度が上がったことが判明している[16]

5G NRの対応周波数: n1 (2100MHz)・n2 (1900MHz)・n3 (1800MHz)・n5 (850MHz)・n7 (2600MHz)・n8 (900MHz)・n12 (700MHz) ・n20 (800DD)・n25 (1900MHz)・n28 (700APT)・n29 (700Lower SMH)・n30 (2300WCS)・n38 (TD2600)・n40 (TD2300)・n41 (TD2500)・n48(TDD3500)n53(TDD2400)・n66 (AWS-3)・n70(FDD2000)・n71 (600 MHz)・n77 (TD3700)・n78 (TD3500)・n79 (TD4700)

※太字は新たに加わったバンド。

※斜体は、日本国内で対応するsub-6GHz帯。

Appleと米Globalstarとの提携によって衛星通信n53(2.4GHz帯)の電波による緊急SOSに対応、アメリカとカナダでは一部を除いて2022年11月から利用(通信料は購入から2年間は無料)できる[17]

4G 編集

ドコモでは受信最大1.7Gbps/送信最大131.3Mbpsと発表されている[18]。ソフトバンクでは受信最大838Mbps/送信最大46Mbpsに留まる[14]

  • FDD-LTE:バンド1、2、3、4、5、7、8、11、12、13、14、17、18、19、20、21、25、26、28、29、30、32、66、71
  • TD-LTE:バンド34、38、39、40、41、42、46、48、53

その他 編集

IEC規格60529の防沫・耐水・防塵性ではIP68の評価を受けており、水深6メートルで最大30分間利用できる。

これまでのものに加え、背面にも環境光センサーが加えられている[19]

Apple ProResドルビービジョンHDRでの動画記録に対応している[7]

SIMスロットは米国モデルではなくなったが、日本向けモデルではnano-SIMスロットが1つある。物理SIMとeSIMを併用したデュアルSIMデュアルスタンバイ(DSDS)、デュアルeSIMにも対応している。

同梱物 編集

脚注 編集

  1. ^ a b c Apple、iPhone 14 ProとiPhone 14 Pro Maxを発表”. Apple Newsroom (日本). 2022年9月14日閲覧。
  2. ^ 最上位モデル「iPhone 14 Pro/14 Pro Max」はインカメラのデザイン刷新で常時点灯も 14万9800円~”. ITmedia Mobile. 2022年9月16日閲覧。
  3. ^ iPhone 14 Pro専用の新SoC「A16 Bionic」登場。画面の常時表示や1Hzの映像出力も”. マイナビニュース (2022年9月9日). 2022年9月16日閲覧。
  4. ^ ついに搭載、衛星通信で緊急SOSを送れる「iPhone 14」の新機能”. CNET Japan (2022年9月8日). 2022年9月11日閲覧。
  5. ^ ASCII. “iPhone 13 Pro MaxとiPhone 14 Pro Maxを比較すると、ベゼルがわずかに細く”. ASCII.jp. 2022年10月14日閲覧。
  6. ^ a b 株式会社インプレス (2022年9月14日). “[iPhone駆け込み寺 「iPhone 14」シリーズ、発売前に基本情報を徹底解説――iPhone 13シリーズとの違いは?]”. ケータイ Watch. 2022年9月14日閲覧。
  7. ^ a b c d iPhone 14 ProとiPhone 14 Pro Max”. Apple(日本). 2022年9月14日閲覧。
  8. ^ 「iPhone 14 Pro」、4800万画素カメラに注目すべき理由”. CNET Japan (2022年9月12日). 2022年9月12日閲覧。
  9. ^ iPhone 14 and iPhone 14 Pro Max Charging Speeds Tested: Here's What to Know”. 2023年12月18日閲覧。
  10. ^ Qi2、iPhone 14とiPhone 13も最大15W出力の高速充電が可能:Ankerが明らかに”. mobilelaby.com. 2023年12月18日閲覧。
  11. ^ 株式会社インプレス (2023年3月28日). “ソフトバンク、iPhone 14などで5G SAを提供”. ケータイ Watch. 2023年4月13日閲覧。
  12. ^ iPhone(5G)通信・エリア | iPhone | NTTドコモ”. www.docomo.ne.jp. 2022年9月22日閲覧。
  13. ^ 超高速通信エリア | エリア:スマートフォン・携帯電話 | au”. www.au.com. 2022年9月22日閲覧。
  14. ^ a b [iPhone/iPad]データ通信速度はどのくらいですか? | よくあるご質問(FAQ) | サポート”. ソフトバンク. 2023年4月13日閲覧。
  15. ^ Nellis, Stephen (2022年9月17日). “New iPhones have Qualcomm satellite modem, new Apple radio chips” (英語). Reuters. https://www.reuters.com/technology/new-iphones-have-qualcomm-satellite-modem-new-apple-radio-chips-2022-09-17/ 2022年9月22日閲覧。 
  16. ^ iPhone 14 Proの5G通信、13 Proよりも大幅にスピードアップ! 新たなモデムチップのおかげ”. GetNavi web ゲットナビ. 2022年9月22日閲覧。
  17. ^ 株式会社インプレス (2022年9月12日). “iPhone 14で注目 いま「スマホで衛星通信」が盛り上がる理由【西田宗千佳のイマトミライ】”. Impress Watch. 2022年9月12日閲覧。
  18. ^ iPhone(4G)通信・エリア | iPhone | NTTドコモ”. www.docomo.ne.jp. 2022年9月22日閲覧。
  19. ^ Panzarino, Matthew (2022年9月14日). “Review of Apple’s iPhone 14 and iPhone 14 Pro: They’re leaning into it” (英語). TechCrunch. 2022年9月16日閲覧。 “There is now an ambient light sensor on the back of all new iPhone models — something that is used to adjust display brightness but also to determine camera exposure.”

関連項目 編集

  • NewJeans - iPhone 14 ProのCMに出演。楽曲「ETA」が同CMソングとなった。

外部リンク 編集

先代
iPhone 13/13 mini
iPhone 13 Pro/13 Pro Max
iPhone SE (第3世代)
iPhone 14/14 Plus
iPhone 14 Pro/iPhone 14 Pro Max

第16世代
次代
iPhone 15/15 Plus
iPhone 15 Pro/15 Pro Max