KURE 5-56(クレ 556[1])は、呉工業が製造販売している浸透潤滑剤、およびその商品シリーズの名称である。開発元は、アメリカ合衆国の自動車関連および生活関連用品企業、CRCインダストリー英語版で、内容物は同社の「CRC5-56」と呼ばれていた製品と同様であり、ブランド表記が「KURE CRC5-56(クレ・シーアールシー・ご・ご・ろく)」となっている商品もある。日本へは1962年10月に導入。

KURE 5-56(320ml缶)

特徴 編集

使用すると金属表面に薄い皮膜を作り、潤滑効果、防錆効果を生む。また固着したネジなどの微細な隙間に浸透して古い油脂を溶かし、緩めやすくする。有機溶剤の割合が高く、蒸発残留分は非常に少ないので長続きする潤滑効果は期待できない。これを利用して機械からのきしみ音の音源を探すのに使われる場合がある。

臭いの気になる室内、自動車内での使用を想定した無香性のものもあり、ゴムプラスチックにも使用できる[2]

テレビCMなど一般向け販売促進では多くの機械に対して汎用的に潤滑、防錆、錆取り、防湿、洗浄用途として5-56で対応できるとしている。5-56が適さない用途としては、車軸等のベアリングのような耐久性のあるグリースを必要としている部位には向かず、不用意に使用すると元々あった潤滑油を溶剤が流してしまう。内部構造が複雑な玄関の鍵穴への使用は、潤滑剤がホコリを溜め込むことで鍵穴が動作不能になってしまう。また、ミシンやオートバイのチェーンには潤滑効果が持続しないため不向きである。そのため、呉工業でもそれぞれ5-56以外の対応製品を用意している。

研磨剤が入っているという噂は否定されている[3]

石油系溶剤を含んでいるため、無溶剤である無香性タイプを除きゴムや樹脂類であるプラスチック塗装面を溶かして汚れがこびりついて傷めるため、注意が必要である。

名前の由来 編集

CRC社創立時の所在地番号(住所番地)が1-16であった事から最初に開発された製品を1-16、2番目が2-26という品名になり、5番目に開発されたため5-56となった[4]。現在CRC社では「Power Lube Multi-Purpose Lubricant」の商品名で販売されている[5](英語)

ラインナップ 編集

5-56
容量は70 ml、80 ml、180 ml、220 ml、320 ml、420 mlのスプレー缶と、業務用の3.785 L(1ガロン缶)、18.925 L(5ガロン缶)、208.175 L(55ガロン缶)がある。
5-56無香性
ゴムプラスチックにも使用できる無香性のタイプ。8 mlのペンタイプと、70 ml、220 ml、320 ml、330 mlのスプレー缶、業務用の3.785 L(1ガロン缶)、18.925 L(5ガロン缶)、208.175 L(55ガロン缶)がある。
スーパー5-56
PTFEフッ素樹脂)と特殊添加剤を配合したタイプ。320 ml、435 mlのスプレー缶のみ。
5-56DX
SPA(Synthetic Penetrating Agent)配合により浸透・拡散性能を大幅に向上、その他の性能も5-56よりも向上している。70 ml、420 mlのスプレー缶のみ。

コラボCM 編集

機械が登場する作品を中心に話題の映画の公開に合わせコラボレーションしたCMを展開。

脚注 編集

  1. ^ 音声を用いる広告媒体では「ごーごーろく」と発音されている。公式サイトの動画参照。
  2. ^ 5-56 無香性 320ml - 製品情報”. 呉工業. 2024年4月18日閲覧。
  3. ^ 5-56 の疑問や噂に答えます!”. 呉工業. 2024年4月18日閲覧。
  4. ^ 5-56 ヒストリー”. 呉工業. 2024年4月18日閲覧。
  5. ^ Power Lube Multi-Purpose Lubricant, 9 Wt Oz
  6. ^ トランスフォーマーコラボ「KURE 5-56」CM - YouTube
  7. ^ KURE 5-56 x Mission Impossible 4 - YouTube
  8. ^ スタートレックコラボ「KURE 5-56」CM - YouTube

外部リンク 編集