L型潜水艦は、ソ連海軍潜水艦の艦級。正式艦級名称は第2系列潜水艦レーニネツロシア語: Подводные лодки типа «Ленинец»)である。ただし後期型は第13系列に分類される。

L型潜水艦
基本情報
艦種 敷設潜水艦
艦歴
就役 1931年
退役 1971年
要目
排水量 水上1,100t、水中1,400t
全長 83.3m
最大幅 7.0m
吃水 4.1m
主機 ディーゼル発動機2基(4,200hp)
電動機2基(2,400hp)
2軸推
速力 水上18.0kt 水中10.0kt
航続距離 水上9節7400浬、水中2.5節154浬
潜航深度 75m
乗員 53名
兵装 533mm発射管 - 艦首6門、艦尾2門
100mm砲 - 1門
45mm機関砲 - 1門
魚雷12本、機雷20個
表は第13系列のデータ
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開発 編集

ロシア革命後、海軍力増強の必要性を感じたソ連海軍首脳は、艦艇建造計画を軍事評議会に提案した。これに対し、評議会は1926年に大規模な艦艇整備計画を承認し、その一環として建造が計画されたのが本型である。

L型は沿岸哨戒用の機雷敷設潜水艦として計画された。通常の水上艦では、敵制海権下での機雷敷設作業時は危険性が高かった。そのため、交戦海域での機雷敷設作業は潜水艦が適任と言える。L型は機雷20個の搭載能力を要求された。

本型主任設計者は、以前D型潜水艦の開発を担当したマリーニン技師である。マリーニンはD型設計の経験を活かし、設計に取り組んだ。開発に当たっては、英海軍から輸入したL級潜水艦が参考にされた。船体は6区画に分割され、サドルタンク式海水槽を備えた半複殻式構造船体であった。

改良型 編集

第2系列の改良型が第13系列潜水艦である。改良点は、製造工程の簡略化、兵装・機関強化などである。

分類 編集

第2系列
L-1からL-6までの6隻
第2改系列
L-7からL-12までの6隻
第13系列
L-13からL-19までの7隻
第13改系列
L-20からL-25までの6隻

運用 編集

1933年から運用が開始され、第二次世界大戦などで活躍した。その後、大半の艦は1950年代末までに退役したが、一部は70年代まで運用された。

特に日本では、米潜水艦と誤認した伊25により撃沈されたL-16ロシア語版、樺太・千島侵攻作戦に参加したL-19が有名である。

関連項目 編集