LGVライン・ローヌ線(: LGV Rhin-Rhône)はフランスミュルーズ付近とリヨン付近を結ぶ予定の高速鉄道路線である。東、西、南の3つの支線からなっており、2011年12月11日に東支線の一部約140kmが開業した。フランス国鉄によりTGVが運行されている。

LGVライン・ローヌ線
青 : 2011年12月11日開業区間
赤 : 第2期区間

ライン・ローヌ線のディジョンミュルーズ間の東支線は東西南北の交通回廊にとって重要な路線となる。また、周辺地域の所要時間の大幅な短縮をもたらすため期待されている。

路線経路 編集

ライン・ローヌ線経由の高速列車は、南北方向ではドイツスイス北部、フランス東部、ローヌ峡谷やソーヌ峡谷地域と地中海沿岸地域、最終的にはニースまで結ばれる。ニースと逆方向ではスペインカタルーニャ州方面の路線ともつながる。東西方向ではロンドンブリュッセルリールイル・ド・フランス地域圏、ブルグント、フランシュ=コンテ地域圏アルザス地域圏南部、ドイツバーデン=ヴュルテンベルク州、スイスのドイツ語圏、フランス語圏各地域を結ぶ役割を果たす。

このLGVライン・ローヌ線では2011年または2012年頃に運行を開始し、1,200万人の旅客を輸送する計画となっている。整備計画の見積り額はおよそ23億1,200万ユーロとなっている。ディジョンの南部ペリニィ(Perrigny)に接続箇所が造られ、TGVと貨物列車が共用する。オークソン駅(Auxon)とブザンソン=ヴィオット駅(Besançon-Viotte)は地域列車用に鉄道で結ばれる。LGVライン・ローヌ線の建設はフランス鉄道線路事業公社により引き受けられている。

21のフランスの地域圏のうち12の地域圏がこの新線プロジェクトから経済効果を得る。下記の地域圏も含まれる。

建設区間 編集

建設区間が幾つかに分けられ工事が行われている。

2006年8月7日より北部ブザンソンで着工。

東支線 編集

東支線が現在一番早く計画が進んでいる。東支線の一期区間Villersexel-Les Margny(ディジョンの東)からPetit-Croix(ベルフォール)までの財源的同意が2006年2月28日に署名された。2005年に予備工事が、続いて2006年7月3日Villersexel-Les Margnyオート=ソーヌ県での式典後、正式に着工された。

同区間は2011年12月11日から営業を始めた。パリミュルーズバーゼルチューリッヒを結ぶTGVがライン-ローヌ線経由となったほか、ストラスブールマルセイユニースモンペリエを結ぶTGVが新設された。ストラスブール - マルセイユ間の1往復は2012年3月からドイツフランクフルト・アム・マインへ乗り入れている[1]

財源 編集

路線の整備計画は23億ユーロの規模である。沿線地域圏や、欧州連合スイスも財源負担を行っている。

  • フランス線路事業公社: 6億4,200万ユーロ
  • スイス: 6,600万ユーロ
  • ブルゴーニュ地域圏: 1億3,100万ユーロ
  • フランシュ=コンテ地域圏: 3億1,600万ユーロ
  • アルザス地域圏: 2億600万ユーロ
  • フランス: 7億5,100万ユーロ
  • 欧州連合: 2億ユーロ

所要時間 編集

区間 開業後の所要時間
開業前の所要時間
ミュルーズパリ 2時間45分 4時間27分
ミュルーズ–リヨン 2時間25分 3時間45分
ミュルーズ–ディジョン 1時間10分 2時間40分
ストラスブール–リヨン 3時間15分 4時間35分
ベルフォール–パリ 2時間20分 3時間50分
ベルフォール–ディジョン 50分 2時間15分
ディジョン–フランクフルト 3時間30分 6時間30分
ディジョン–ストラスブール 2時間10分 3時間35分
ブザンソンマルセイユ 3時間35分 4時間15分
ブザンソン–チューリッヒ 1時間55分 3時間25分

脚注 編集

注釈 編集

出典 編集

参考文献 編集

  • Thomas Cook European Rail Timetable, Thomas Cook, ISSN 0952-620X  各号

外部リンク 編集