Mac OS X v10.0

MacOSシリーズの最初のバージョン
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Mac OS X v10.0(マック オーエス テン バージョンじってんぜろ)は、Appleが開発・販売したMac OS Xの最初のバージョンである。バージョンナンバーは10.0。コードネームはCheetah(チーター)。Mac OS Xシリーズとしては、初の公式リリースである。2001年3月24日に発売した[1]

Mac OS X v10.0
macOS ファミリー
開発者
Apple
最新の安定版 10.0.4 - 2001年6月22日 [info]
ソースモデル クローズドソース
ライセンス APSL、AppleEULA
カーネル ハイブリッドカーネル
先行品 Mac OS X Public Beta
後続品 Mac OS X v10.1(Puma)
サポート状態
終了

対応環境 / システム条件 編集

  • 作動するコンピュータ - G3以降のPowerPCを搭載したMac(初期のPowerBook G3を除く)
  • RAM - 最低64MB。(128MB以上を推奨)
  • HDD容量 - 最低800MB(1.5GB以上を推奨)

概要 編集

OPENSTEPの技術とClassic Mac OSの技術を融合し、全く新しいOSとして開発されたもので、従来のMacintoshと比較して劇的に安定性が向上した。 新たにAquaというインターフェイスを採用し、従来のMac OSとはデスクトップやFinderのデザインや機能が大きく異なっている。UNIXベースとなっており、TerminalからUNIXコマンドを実行できる。

MailやTextEdit、Chess、PreviewといったNEXTSTEP・OPENSTEP由来のアプリケーションが付属しており、OPENSTEPで評価が高かった開発環境(Interface BuilderProject Builder)のCD-ROMが同梱されていた。

1999年秋のリリース予定と発表されていた[2]が度々延期され、2001年3月となったMac OS X初の公式リリースであったが、DVDプレーヤーは存在せず、Mac OS 9に比べ全体的に動作が遅く、機能が少ないなど制約が多い。対応機器のドライバが非常に限られており、Mac OS X v10.0でネイティブに動作するAdobe PhotoshopAdobe Illustrator, Microsoft Word, Microsoft Excelがないなど、対応アプリケーションも少なかった。iTunesは付属しておらず、後からソフトウェア・アップデートで提供された。

このような欠点は、半年後にリリースされたMac OS X v10.1から段階的に解消された。v10.1リリース当初にv10.0ユーザ向けで無償アップグレードのCD-ROMが配布された[3]

新機能 編集

  • Aqua - その名の通り水を意識した透明感のあるインターフェイス。常時アンチエイリアスで表示され、アルファチャネルを利用した半透明を多用している。
  • Dock - NEXTSTEPから引き継いだ機能だが、半透明を生かしたデザインとなっており、無段階でサイズの変更が可能。DockからCDを再生したり、システムの設定にアクセスできるDocklingも付属。
  • Appleメニュー - システムの再起動や終了、ネットワーク環境の切り替え、システム環境設定、ソフトウェアアップデートなどを呼び出すメニューとなった。
  • アプリケーションメニュー - アプリケーションの終了や環境設定などを呼び出すメニュー。
  • サービスメニュー - Cocoaアプリケーションの機能を他のアプリケーションから呼び出すことができる。
  • ヒラギノ標準搭載 - OpenTypeに対応し、 ヒラギノフォント6書体を搭載。
  • PDF出力 - プリントに対応したアプリケーションでは、PDF出力ができる。
  • Classic - Mac OS 9の互換環境。Mac OS 9.1が付属。
  • マルチユーザ - Mac OS 9の疑似マルチユーザ機能とは異なり、真のマルチアカウントOSとなっている
  • スクリーンセーバ

テクノロジー 編集

付属アプリケーション 編集

  • Finder - Mac OSのFinderと同名だが、Carbonによる完全な新規設計。ウインドウにツールバーを搭載し、最大128ドットのアイコン、255文字までのファイルネーム、NEXTSTEP風のカラム表示などに対応。フォルダナビケーションやラベルなど、従来のFinderにはあったいくつかの機能は搭載されておらず、後のバージョンで復活した。
  • Mail - Appleの開発によるメールクライアントを標準搭載。
  • Address Book - アドレス帳の役割をするソフトウェア。
  • Activity Monitor
  • Console
  • Calculator - 電卓アプリケーション。
  • Clock - 時計。デジタル表示とアナログ表示を切り替えることができ、半透明表示も可能。
  • TextEdit - 従来のSimpleTextを置き換えるテキストエディタで、32KBを超えるテキストファイルの編集が可能。リッチテキストにも対応している。
  • Chess - 3D表示のチェスゲームソフト。
  • システム環境設定
  • Terminal - UNIX系端末エミュレータ。UNIXコマンドが利用可能。ウインドウの半透明表示ができる。
  • Preview-画像やPDFを扱うためのソフトウェア。
  • Print Center - プリンタや印刷ジョブの管理を行う。
  • QuickTime Player
  • Sherlock 2
  • Stickies - 付箋。
  • Internet Explorer for Mac - マイクロソフト製のウェブブラウザ。

バージョン 編集

脚注 編集

出典 編集

  1. ^ “Mac OS X、今週末から販売開始” (日本語). Apple Newsroom. https://www.apple.com/jp/newsroom/2001/03/21Mac-OS-X-Hits-Stores-This-Weekend/ 2018年5月9日閲覧。 
  2. ^ 米Apple、OS新戦略。'99年にMac OS Xを発売”. pc.watch.impress.co.jp. 2021年4月8日閲覧。
  3. ^ Mac OS X、初のメジャーアップグレード今週末から発売 - 新しいMac OS X バージョン10.1をすべてのMac OS Xユーザに無償で提供