R-71 (大型ミサイル艇・2代)

R-71
Р-71
艦歴
起工 1981年8月12日 スレドネ=ネーフスキイ造船工場
進水 1983年9月14日
竣工 1985年8月23日
所属 ソ連海軍黒海艦隊
ロシア海軍黒海艦隊
除籍 現役
要目
艦種 大型ミサイル艇
艦型 1241.7号計画型
工場番号 201
排水量 基準排水量 392 t
満載排水量 469 t
全長 56.1 m
全幅 10.2 m
喫水 2.5 m(艇体高)
4.15 m(スクリュー高)
機関 2倍膨張式巡航用ガスタービンエンジンM-75 2 基 10000 馬力
ブースト用ガスタービンエンジンM-70 2 基 24000 馬力
推進 2推進
電源 ディーゼル発電機3 基 200 kWt
速力 最大速度 42.0 kn
巡航速度 13 kn
航続距離 1400 /13 kn
760 浬/42 kn
行動期間 10 日間
乗員 士官 5 名
水兵 36 名
武装 艦対艦ミサイルP-15M「テルミート2」連装発射機KT-138 2 基
76 mm単装両用AK-176M 1 基(弾数314 発)
3M87「コールチク」 9M311艦対空ミサイル8 発
30 mm6砲身機関砲2 門
レーダー ミサイル管制・水上捜索照準レーダー34K1「モノリート」 1 基
射撃管制レーダーMR-352「ポジチーフ」 1 基
航法レーダー「ドン」 1 基
電子戦装備 電子戦対抗装置「ヴィーンペルR2」 1 基
チャフフレア発射機PK-16 2 基

R-71(ロシア語:Р-71エール・スィェーミヂェスャト・アヂーン)は、ソ連ロシア連邦大型ミサイル艇(Большой ракетный катер)である。

概要 編集

建造 編集

1241.1T号計画「モールニヤ」型大型ミサイル艇の1 隻として建造されたR-71は、1981年8月12日にレニングラート(現サンクトペテルブルク)のスレドネ=ネーフスキイ造船工場で起工された。同造船所で建造された1241.1T型としては2番艇になる。1983年9月14日には進水、10月には内水路経由でケルチに回航された。セヴァストーポリのカランチンナヤ湾に基地を置くソ連海軍黒海艦隊第41ミサイル艇旅団に編入されたR-71は、1985年8月23日にはソ連海軍旗を掲揚した。

試験 編集

R-71は試験に供せられ、20 発近くのミサイルを試射した。1241.7号計画が立てられるとR-71はこれに従って改修を受け、従来のAK-630M近接防御システム2 基を3M87「コールチク」高角ミサイル・火砲コンプレックスに換装した。

「コールチク」は昼夜兼用の全天候自動捜索・追尾・迎撃防空システムで、ヘリコプターを含む海上空の目標の迎撃を用途としていた。コンプレックスは、短射程艦対空ミサイル機関砲からなっていた。使用される9M311ミサイルは速力0から500 m/sまでの空中の目標を自動制御で迎撃できた。誘導は電波信号によって行われた。弾体は、全長2.65 m、弾頭重量9 kg、最高速度900 m/sであった。コンプレックスには、このミサイルを収める2 基の4連装発射機が含まれた。

火砲システムについては、2 門の30 mm機関砲6K30GShを装備した。これは、航空機用のGSh-30機関砲6 門を束ねたもので、給弾と冷却は自動制御となっており、毎分10000 発の発射速度を持っていた。

「コールチク」はレーダーと暗号計算機、照準装置、誘導装置、安定装置からなっていた。管制レーダーは、新しい大型のMR-352「ポジチーフ」が主檣上に設置された。システムは一度に6 目標まで追尾可能で、ミサイルは高度4 kmまでの距離8 kmから1.5 km まで、機関砲は500 mまでの近距離において使用されることとなっていた。目標には、艇からの近距離における巡航ミサイル、航空機、ヘリコプター、誘導爆弾が想定されていた。

1989年から1992年にかけて受けた中期修理において、R-71は搭載する「コールチク」を試作型から量産型に換装した。試験終了ののち、「コールチク」システム一式はR-71から撤去された。そのため、それ以降R-71は主砲以外に防空兵装を搭載しないまま現役を続行している。

表彰 編集

1990年代には、R-71は数年間に亙り次々とセヴァストーポリでの高等訓練や軍事パレードに参加した。1997年には、初めて2 発の艦対艦ミサイルを同時発射することに成功している。

この年には、R-71はロシア海軍における最優秀ミサイル艇に選ばれた。R-71は、海上目標射撃での成績優秀を理由に黒海艦隊司令官賞を受賞した。

R-71はカランチンナヤ湾の第41ミサイル艇旅団に所属している。艦長は、D・ヴァシリチューク大尉が務めている。

外部リンク 編集

関連項目 編集