RechargeIT(リチャージIT)は、Googleの慈善事業部門Google.orgの5つのイニシアティブの1つ。プラグインEVの採用の加速化によるCO2 排出の低減、石油使用の削減、電力送電網の安定化を目的に創出された。[1][2]

トヨタ・プリウスを変換したRechargeITプラグインハイブリッド。Googleのマウンテンビュー構内にて。

沿革 編集

 
RechargeIT充電ステーションは、変換したプラグインハイブリッドカー向けに設計されたGoogleのマウンテンビュー構内のガレージで利用できる。

RechargeITイニシアティブは2007年6月に公表された。プログラムの一部として、Google.orgはUS$100万の助成金を既に供給し、プラグインハイブリッド完全な電気自動車、それらに関連した自動車と電力網の連系(V2G)技術の開発、採用、商業化に資金提供をする提案に対してUS$1000万を拠出する計画を発表した。[3][4][5] プログラムの一部としてGoogleはパシフィック・ガス・アンド・エレクトリック・カンパニーとの間に、エネルギー管理のソフトウェアを開発するパートナーシップを構築した。[3][6]

このイニシアティブの発表とともに、Googleはこの会社がエコロジカル・フットプリントを低減するため、またクリーンな太陽光の電力でプラグインに電力供給するために、カリフォルニア州マウンテンビュー本社が太陽光パネル設置に移行したことも発表した。1.6メガワットのこのプロジェクトはアメリカ合衆国のあらゆる会社の構内で当時最大の太陽光施設になり、世界のあらゆる会社のサイトで最大の1つになった。[3][4][7]

このイニシアティブの実際の展開は2008年1月に行われた。[8]

Googleのカーシェアリングプログラム 編集

2010年初頭までにGoogleのマウンテンビュー構内は、充電ステーションが100か所あり、それはフリーカーシェアリングプログラムを通じて従業員が利用できる変換したプラグインハイブリッドの共同利用車向けであり、またテスラ・ロードスター電気自動車を通勤に運転する従業員向けである。[9][10] その電力の発電には太陽光パネルが使用され、この試験的プログラムは毎日の監視を行い、性能の結果はRechargeITのウェブサイトで公開されている。[10][11]

走行実験 編集

Google従業員が変換プラグインで運転した2年間の収集データに加えて、RechargeITは、従来型ガソリン車3台、通常のハイブリッド車2台、プラグインに変換したフォード・エスケープ・ハイブリッドトヨタ・プリウスの2台を使用して、管理された試験を開始した。変換したプラグインの7週間にわたる走行実験の結果によると、全走行を通した平均燃費はUSガロンあたり93.5マイル (2.52 L/100 km; 112.3 mpg-imp)、市街地走行はUSガロンあたり115.1マイル (2.044 L/100 km; 138.2 mpg-imp) であり、それは実験をした全ての走行条件の最大値に達した。[1][10] 以下は7週間にわたる走行実験の結果の概要。

RechargeIT走行実験結果
   ガロンあたりマイルの平均[10]
内燃機関 ハイブリッド 変換プラグインハイブリッド
走行の種類 フォード・エクスペディション トヨタ・シエナ トヨタ・カローラ フォード・エスケープ・ハイブリッド トヨタ・プリウス フォード・エスケープ・ハイブリッド
プラグイン
トヨタ・プリウス
プラグイン
全走行の平均 14.2 20.3 30.8 32.2 48.4 49.1 93.5
市街地走行の平均 11.8 17.8 26.6 31.2 47.3 45.9 115.1
市街地/幹線道路走行の組み合わせの平均 14.9 20.4 31.4 31.6 46.4 52.0 101.9
幹線道路走行の平均 18.6 25.2 39.0 34.4 53.1 51.1 68.7

関連項目 編集

脚注 編集

  1. ^ a b RechargeIT.org: A Google.org Project”. Google.org. 2010年4月19日閲覧。
  2. ^ Google、プラグインハイブリッドカー普及計画を発表”. ITmedia (2007年6月19日). 2010年11月16日閲覧。
  3. ^ a b c David Lazarus (2007年6月20日). “Google's future is green”. サンフランシスコ・クロニクル. http://www.sfgate.com/cgi-bin/article.cgi?f=/c/a/2007/06/20/BUGEQQI1521.DTL 2010年4月19日閲覧。 
  4. ^ a b Google Launches RechargeIT: 100+ PHEVs, $1M Grants, $10M Investments”. CalCars (2007年6月19日). 2010年4月19日閲覧。
  5. ^ Martin LaMonica (翻訳校正: 編集部) (2007年9月13日). “グーグル、環境問題に総額1000万ドルを拠出--エコな交通を目指す企業が対象”. CNET Japan. 2010年11月16日閲覧。
  6. ^ Jeff St. John (抄訳: 坂和敏) (2009年10月4日). “グーグルが自動車充電用ソフトウェアを開発--PowerMeterとの連携も視野に”. WIRED VISION. 2010年11月16日閲覧。
  7. ^ 富永ジュン (2007年6月19日). “Google.org、太陽光発電のハイブリッドカーを開発するプロジェクトに着手”. RBB TODAY. 2010年11月16日閲覧。
  8. ^ “Google.org Announces Core Initiatives to Combat Climate Change, Poverty and Emerging Threats”. The Business Edition. (2008年1月19日). http://www.thebusinessedition.com/googleorg-announces-core-initiatives-to-combat-climate-change-poverty-and-emerging-threats-987/ 2010年4月19日閲覧。 
  9. ^ Todd Woody and Clifford Krauss (2010年2月14日). “Cities Prepare for Life With the Electric Car”. ニューヨーク・タイムズ. http://www.nytimes.com/2010/02/15/business/15electric.html?pagewanted=1&sq=San%20Francisco%20electric%20car&st=cse&scp=1 2010年3月7日閲覧。 
  10. ^ a b c d RechargeIT Driving Experiment - RechargeITは、Googleが創出した非営利のGoogle.orgが主催するプログラム。
  11. ^ Google, プラグイン・ハイブリッドカー普及促進に1000万ドル超出資へ”. 日経BP ITpro (2007年6月20日). 2010年11月16日閲覧。

外部リンク 編集