Web日記(ウェブにっき)は、主に個人がWWW上で不特定多数に公開する日記の総称。HTMLCGIなどによって動作する日記ツールなどを用いて書かれる。

歴史 編集

Web上での日記書きは、インターネットの黎明期より、誰でもかける身近なコンテンツとして個人の間で行われていた。自然発生的に生まれてきたWeb日記はやがて相互の交流が生まれ、リンク集の形を取り始める。1995年には、主に理工系の大学院生らによって、北大の「べんりくン」のような更新時刻自動蒐集サービス、あるいは、豊橋技科大の「日記リンクス」のようなアクセスランキング機能を持った巨大日記リンク集が立ち上がった。

1996年には、日記リンクスの混乱を収拾する形で、多くの有志らが協力し合って「日記猿人」(にっきえんじん)という日記リンク集を発足させた。日記猿人は投票システムを持ち、登録した個々のサイトのランキングを出すことに特徴があった。この新しいシステムの元では多くのサイトがランキングを上げようと目論見、内容はエンタテインメント性を強めていった。そして数多くの人が読んで楽しめるサイトになっていった。学問的な調査、研究の対象としようという動きも生まれ、「日本Web日記学会」というものも立ち上げられたりした。

ランキング上位のサイトのアクセスは指数的に増大し、これまで個人のものであった日記が、集客力を持つコンテンツに変わった。Web日記の知名度が高まると、自分でも書いてみようとする人が多く現れ、日記書きは大ブームとなった。また日記書きとその読者、もしくは日記書き同士に交流が生まれオフ会なども頻繁に開かれていた。日記猿人の人気は2000年頃まで続き、その後は、日記才人に受け継がれた。Web日記更新の検知は、大手ランキングサイトや、利用者個人によってWebサーバ上に設置されたアンテナシステム(朝日奈アンテナ、なつみかんなどが有名)が利用された。

2000年代にはHTML手書きや旧来の日記CGIは人気を失い、住民ははてなダイアリーなどの簡易なブログサービスなどに流れていった。この流れは、後の各種SNSmixiTwitterFacebooknoteInstagram等)にも続いている。

2000年代後半以降、大手ポータルサイトの日記才人さるさる日記、Readme!JAPANなどが相次いで終了、ウェブ日記は一時代を終えた。一方、ランキングサイトなどとは無関係に、同好の士によりある程度閉じたコミュニティとしてインターネット初期から続く日記も存在する。この場合は不特定多数に向けたエンターテインメント性を志向することはあまりなく、実際に一般的でない隠語などが多用される場合も多い。

関連項目 編集

外部リンク 編集