X型エンジンとはレシプロエンジンの一種であり、V型エンジンを上下に結合したような形状で、正面から見るとX形状を示す為にこのような名称が用いられている。クランクシャフトは1本で、4つのシリンダーバンクを持つ。X型エンジンは、文字通りしばしば既存のV型エンジンを用いて上下に結合する形で設計試作が行われた。

X型24気筒エンジンの概念図
X型エンジンの動作 (90°/90°/90°/90°)

概要 編集

このような構成のエンジンは星型エンジンと比較して非常に複雑な構造と高度な製造技術が必要とされ、エンジン自体の重さも重くなる傾向があるが、同数シリンダー比ではV型エンジンよりもコンパクトに製作が可能ともなる。設計方法によってはV型12気筒よりやや大きい程度の大きさでX型24気筒を製作する事も不可能ではない為、第二次世界大戦前後には双発機で4発機と同等の出力性能と航続距離を発揮する事を目的として、V型12気筒をベースにしたX型24気筒が大型爆撃機攻撃機向けのエンジンとして多数設計されたものの、当時は複雑過ぎる構造に技術が追い付かなかった為にいずれも試作段階で開発は頓挫している。21世紀に入り軍事車両用途で実用化がなされている。(後述

X型8気筒 編集

X型12気筒 編集

X型16気筒 編集

第二次世界大戦の末期、ドイツが戦車用のエンジンとしてX型16気筒の空冷式ディーゼルエンジンを制作した。Sla-16と呼ばれる。

X型20気筒 編集

X型24気筒 編集

X型32気筒 編集

  • ホンダは1960年代にF1参戦を行った際にX型32気筒のエンジンを計画したが、信頼性に乏しく複雑に過ぎるとして早期に計画は放棄されたという。

脚注 編集