Xbox(エックスボックス)は、マイクロソフトコンピュータゲームブランドである。マイクロソフトが開発した家庭用ゲーム機シリーズ(据置ゲーム機の第6世代から第9世代まで)がこのブランドの代表である。このブランドは、2001年11月アメリカ合衆国で最初に導入され、同時にオリジナル(初代)のXboxが発売された。この初代Xboxは1996年Atari Jaguarの販売が終了して以降ではアメリカの企業が発売した最初の家庭用ゲーム機であった。この他、ゲームソフトストリーミングサービス、オンラインサービス(Xbox ネットワーク)、開発部門(Xbox Game Studios)などの名称にも使用されている。

Xbox
ロゴ
種類 コンピュータゲーム
所持会社 Microsoft
使用開始国 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国 ワシントン州レドモンド
使用開始 2001年11月15日
登録商標 世界
ウェブサイト www.xbox.com ウィキデータを編集
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現在のXbox部門の代表はフィル・スペンサーであり、2014年3月下旬に前代表であるマーク・ホイッテンの後任として就任した[1][2]

製品・サービス 編集

シリーズ 編集

発売の年表
2002Xbox
2003
2004
2005Xbox 360
2006
2007Xbox 360 エリート
2008
2009
2010Xbox 360 S
2011
2012
2013Xbox 360 E
2014Xbox One
2015
2016Xbox One S
2017Xbox One X Enhanced
2018
2019Xbox One S All Digital Edition
2020Xbox Series X/S
機種概要(改良型等はそれぞれの項目を参照)
世代 機種名 日本発売日 CPU GPU 売上台数
第一世代 Xbox 2002年2月22日 インテル Mobile Celeron 733MHz NVIDIA NV2A 233MHz 2400万台[3]
第二世代 Xbox 360 2005年12月10日 PowerPC カスタム 3.2GHz ATI カスタム 500MHz 8580万台
第三世代 Xbox One 2014年9月4日 AMD 8コア APU AMD Radeon Variant 4590万台
第四世代 Xbox Series X/S 2020年11月10日 AMD 8コアZen 2 カスタム AMD RDNA2 2100万台[4]

Xbox ネットワーク 編集

Xbox ネットワーク(旧 Xbox Live)というオンラインサービスを2002年11月に米国、2003年1月に日本、同3月に欧州各国で、それぞれ開始した。標準本体のみでオンラインサービスに接続できるのが最大のセールスポイントであった(その後発売されたPS2の新型機種でもLAN端子を標準装備し本体のみで接続できるようになった)。さらに、Xbox Live対応ゲーム全てで共通のコミュニケーション手段としてプレイヤー同士の音声での会話、ボイスチャットを採用した。スターターキットにセガの人気タイトル『ファンタシースターオンライン』(Phantasy Star Online)を標準添付するなど、戦略的な施策も盛り込まれた。

しかし、日本でのオンラインゲーム普及のペースが予想より遅かったことや、2002年9月に発表され、Xbox Liveのキラーソフトとして期待されていた『トゥルーファンタジー ライブオンライン』が開発中止になるなど、やはり魅力的なソフトが存在しないことから、ライバル機に対し優位性を打ち出せなかった。また、他機種がウェブマネーや口座振替などの未成年者でも比較的利用しやすい決済方法を取り入れているのに対し、Xbox時代はクレジット決済しか提供されていなかったことがハードルの高さにも繋がったと考えられる。

その反省を踏まえてか、次世代機Xbox 360以降にも共通して提供されているXbox Liveにおいてはクレジットカード決済の他、プリペイドカード郵便局ATMコンビニエンスストアの決済などを用意している。さらにXbox One以降はディスクリージョンが完全に削除され、ゲーム内のストア閲覧も地域制限がなくなり、Microsoftアカウントを切り替えずに複数のリージョンのゲーム作品を自由にインストールできるようになった。

Xbox Game Pass 編集

2017年3月1日に同年の春の終わり頃に月額9.99ドルで100タイトル以上のゲームがプレイできるXbox Game Passを開始すると発表。ダウンロード数に制限はなく、毎月9.99ドルを払うことでバンダイナムコカプコンコードマスターズセガ2K Gamesなど合計100種類を超えるXbox Oneと互換性のあるXbox 360のゲームをプレイできる[5]。GamePass対応作品のうち、Microsoft Game Studiosに属する一部の作品は事実上永久に配信され、それ以外の作品は基本的に一定期間の間配信される。UltimateプランではXbox Cloud Gamingにも対応する。

日本では2020年4月14日よりサービスが開始された。game passの遊べるソフトに関しても、地域設定を変更すればリージョン制限がなくなる。

Xbox Game Pass Core (旧Xbox Live Gold) 編集

2005年11月20日のXbox 360の発売以降、Xbox 360以降のXboxシリーズで共通してオンラインマルチプレイ(Xbox One以降の無料マルチプレイゲームは無料で遊べる)が使用できるようになるサブスクリプション。日本では2023年時点で842円/月の料金となっていた。Xbox 360、Xbox One向けのゲームを毎月無料配布する「Games With Gold」、一部ソフトを割引する「Deals With Gold」もこれに課金することにより解禁された。しかし、2023年9月14日(日本時間)以降はLive Goldの名称が「Xbox Game Pass Core」に変更され、「Games With Gold」の新作配布が廃止される代わりに20作程度の「カタログ」から好きな作品をダウンロードしてプレイすることができる仕様に変更された。Live Goldに一つのMicrosoftアカウントで初代Xbox時代からも含めてずっと加入し続けていた人は、Coreの移行時にXboxゲーマータグのプロフィール欄に1~20の継続年数が表記されたバッジが自動的に配布された。[6]

Xbox Design Lab 編集

Xboxワイヤレスコントローラーを自分でデザイン・購入できるサービス。米国では2016年にスタートし、米国より5年遅れで日本では2022年6月9日よりサービス開始された[7]。現在は通常版のコントローラーのカスタマイズをすることができるが、2022年10月18日にはXbox Elite ワイヤレスコントローラシーズン2もカスタマイズができるようになった。[8][9][10]

Xbox Wire 編集

Xbox のあらゆる情報や発表をお届けする公式ニュースサイト。日本ではXbox発売20周年を記念し、2022年3月1日よりXbox Wireの日本版である「Xbox Wire Japan」を開設した[11][12]

互換対応表 編集

120HzはSeries X/S以降の世代で登場したSeries X/S用一部作品と一部の360以前の下位互換作品で適用でき、One X以前のゲーム作品は基本60Hzが限界である。One X Enhanced対応作品はネイティブ4K画質に対応し、それ以外のOne用作品の画質は1080p720pの間で増減する。One X対応作品はHDR10に対応する場合が多いが、ゲーム起動時のみHDR10が出力される。Series X/S以降は全ゲームで常時HDR10Dolby Visionを出力し続けることが可能で(PS5と似た仕様)、対応作品でさらにネイティブHDRに対応することも可能。

このリストは2024年4月時点での全機種に対する互換表である。

ハード 初代Xbox用ソフト Xbox 360用ソフト Xbox One用ソフト Xbox One X対応One用ソフト Xbox Series X/S用ソフト リージョンロック
初代Xbox OK - - - - 一部作品のXbox向けディスク、DVD
Xbox 360 461本対応 ※1 OK - - - 一部作品のXbox向けディスクおよびダウンロード作品、一部作品のXbox360向けディスクおよびダウンロード作品、DVD
Xbox One/One S/One S All Digital Edition 63本対応(実質61本、 ※4) 633本対応 ※2 OK 通常起動 - DVD、Blu-ray DiscBlu-ray 3D

(One S All Digitalを除く)

Xbox One X 63本対応(実質61本、 ※4) 633本対応 ※2

さらに一部作品はOne X Enhanced対応※6

OK Enhanced起動 - DVD、Blu-ray DiscBlu-ray 3D
Xbox Series S 63本対応(実質61本、 ※4)

さらに2本は120Hz対応 ※5

633本対応 ※2

さらに一部作品は120Hz対応※7

OK ※3 通常起動 OK

最大画質1440p

なし
Xbox Series X 63本対応(実質61本、 ※4)

さらに2本は120Hz対応 ※5

633本対応 ※2

さらに一部作品はOne X Enhanced対応※6 さらに一部作品は120Hz対応※7

OK ※3 Enhanced起動 OK

最大画質2160p

DVD、Blu-ray DiscBlu-ray 3D

2022年9月のアップデートがかかる前の本体バージョンのXbox One用ソフト、Xbox Series X/S用ソフト、Xbox OneまたはXbox Series X/S上で遊ぶXbox,Xbox 360ソフトはオンライン認証が必須である。ゲーム用ディスクのリージョンロックはすべてなかったことにされるため、360/初代Xbox用ディスクパッケージに記載された「NTSC/J」やリージョンに関する注意事項はOne以降でプレイすることですべて無視することができる。Kinect対応ソフトは世代を超えて利用することができない。Xbox One S All Digital EditionおよびXbox Series Sには光学ドライブが搭載されていないため、ディスク版を使用することができない。

Xbox One上でプレイ可能なXbox 360作品は、移植作業開始時点で版権的・技術的問題が発生しなかった一部の洋ゲー作品、Live Arcade作品のみが移植された。ギャルゲーはリージョンロックの撤廃や現代のXboxプラットフォーム向けのガイドラインとの相違の問題から、シュタインズ・ゲート比翼恋理のだーりん含む)、ロボティクスノーツCLANNADキャサリン以外は全部非対応となった。初代XboxのOne互換は版権・法律上の問題から、本来はほとんどのソフトをエミュレーションできるにもかかわらず対応作品が非常に少なく抑えられた。

※1:北米のみの29本を含む。対応本数が今後増えることはないが、減少する可能性がある。[13]

※2:本数は国により異なる。この本数は全世界のソフトのうち、マルチリージョン作品の差異を除いた合計数。日本国内のみで購入可能なゲーム作品のみをカウントする場合は482作。対応本数が今後増えることはないが、Microsoft Storeからの下位互換対応作品の販売停止が起こるリスクはないわけではない。[13]

※3:ゲームではないアプリ(3本)とKinect専用ソフト(46本)のみを除く。[13]

※4:グランド・セフト・オート サンアンドレアスバトルフィールド2 モダンコンバットのXbox版ディスクを本体に挿入すると自動的にXbox360版がインストールされる。なお、初代Xboxの動作はゲームの起動に直接エミュレーターを経由しないため、解像度やレスポンスが全ての作品で大幅に増加する。

※5:Star Wars the Clone Warsチキン・リトルの二作(双方とも北米版のみ)。

※6:Alan Wake、アサシンクリード、バンジョーとカズーイの大冒険バンジョーとカズーイの大冒険2バンジョーとカズーイの大冒険ガレージ大作戦、Crackdown、ダークサイダーズオブリビオンフェイブルアニバーサリー、フェイブルIIフェイブルIIIFallOut 3ファイナルファンタジーXIIIファイナルファンタジーXIII-2Forza Horizonギアーズオブウォーギアーズオブウォー2ギアーズオブウォー3、ギアーズオブウォージャッジメント、HALO 3カメオ:エレメンツ オブ パワーLeft4DeadLeft4Dead2ライトニングリターンズミラーズエッジ、NINJA GAIDEN II、The Orange BoxパーフェクトダークパーフェクトダークゼロPortal 2、Portal:Still Active、レッドデッドリデンプションバイオハザードオペレーションラクーンシティ、Sid Meier's Civilization Revolution、SKATE 3、ソニックジェネレーションズStar Wars: The Force Unleashed、スプリンターセルブラックリスト、スプリンターセルコンヴィクション、スプリンターセルダブルエージェント、あつまれピニャータ、あつまれピニャータ2、ウィッチャー2

※7:アサシンクリードバイナリードメインBlack College Football: BCFX: The Xperience、ダークサイダーズ、Dead Space 2Dead Space 3、ドラゴンズエイジ オリジンズ、ドラゴンズエイジII、オブリビオン、F.E.A.R.、F.E.A.R.3、フェイブルアニバーサリー、フェイブルIII、FallOut 3FallOut:New Vegasファークライ3ファイナルファンタジーXIII-2ギアーズオブウォー、ギアーズオブウォージャッジメント、カメオ:エレメンツ オブ パワーLego The Lord of the Rings、ライトニングリターンズメダルオブオナーエアボーンミラーズエッジニーアレプリカント、Rock of Ages、ソニックアンドオールスターレーシングトランスフォームドソニックジェネレーションズソニックワールドアドベンチャー、Vandal Hearts: Flames of Judgment

脚注 編集

  1. ^ Ben Gilbert (2014年4月10日). “Getting to know Microsoft's new Xbox lead, Phil Spencer”. Engadget. 2019年12月31日閲覧。
  2. ^ Satya Nadella email to employees on tuning our organization”. Microsoft (2014年3月14日). 2014年5月31日時点のオリジナルよりアーカイブ。2019年12月31日閲覧。
  3. ^ Gamers Catch Their Breath as Xbox 360 and Xbox Live Reinvent Next-Generation Gaming”. Microsoft (2006年5月10日). 2010年1月9日時点のオリジナルよりアーカイブ。2019年12月31日閲覧。
  4. ^ Xbox Series X/S Has Sold 21 Million Units, Xbox One at 58 Million, as Per Microsoft Brazil Presentation” (英語). gamingbolt (2023年6月30日). 2023年8月3日閲覧。
  5. ^ Xboxゲームパスは月10ドル未満でゲーム遊び放題』 2017年3月1日 Onebox News
  6. ^ Microsoft、「Xbox Live Gold」を9月に終了 「Game Pass Core」に移行(価格は同じ)”. 2023年9月20日閲覧。
  7. ^ 株式会社インプレス (2022年6月9日). “自分だけのXboxコントローラーが作れる「Xbox Design Lab」、いよいよ日本上陸!”. GAME Watch. 2022年6月9日閲覧。
  8. ^ XboxエリートコントローラSeries 2に新モデルCore。デザインラボで自分だけのカラバリも”. TechnoEdge テクノエッジ. 2022年9月22日閲覧。
  9. ^ Inc, Aetas. “Xbox Design Labのラインナップに「Xbox Elite ワイヤレス コントローラー シリーズ 2」が加わる。自分好みのカラーカスタマイズが可能に”. 4Gamer.net. 2022年11月4日閲覧。
  10. ^ 株式会社インプレス (2022年10月18日). ““自分だけ”のコントローラーを作れる「Xbox Design Lab」に「Elite ワイヤレスコントローラーシリーズ2」が追加! 上位モデルがいよいよカスタム可能に”. GAME Watch. 2022年11月4日閲覧。
  11. ^ Xbox 発売 20 周年を記念して、Xbox Wire Japan を公開”. Xbox Wire Japan (2022年3月1日). 2022年12月30日閲覧。
  12. ^ Seals (2022年3月1日). “Xboxの公式情報サイト「Xbox Wire」日本版登場、日本での発売20周年記念”. EAA!! - FPS News. 2022年12月30日閲覧。
  13. ^ a b c 使用している Xbox 本体に対応しているゲームは? | Xbox Support”. support.xbox.com. 2022年10月27日閲覧。

注釈 編集

外部リンク 編集