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∀ガンダム > ∀ガンダムの登場兵器 > ∀ガンダム (架空の兵器)

∀ガンダム(ターンエーガンダム、∀ GUNDAM: TURN A GUNDAM)は、テレビアニメおよび劇場用アニメ∀ガンダム』に登場する架空の有人人型ロボット兵器

ホワイトドール像の中に埋もれていたモビルスーツ(MS)で[1]、主人公ロラン・セアックの搭乗機。 本機が登場する時代正暦以前の世界では、液体燃料を用いない飛行体光を砲弾のように撃ち出して敵目標を撃破する兵器があった。そんな旧時代に存在したが、失われてしまった超技術の集大成が∀ガンダムである[2]。 本機は月の技術者の間では、伝説化された機体だった[3]。そして、過去の地球文明を月光蝶=ナノマシンの撒布で滅ぼしたターンタイプと呼ばれるMSの一体であることが判明した[4]

目次

機体解説編集

諸元
∀ガンダム
∀ GUNDAM/TURN A GUNDAM
型式番号 System-∀99(本来)
WD-M01(ミリシャ内)
所属 イングレッサ・ミリシャなど
全高 20.00m[5]
重量 28.6t[5]
稼動重量 17.5t[5]
装甲材質 FE型[5]
ジェネレータータイプ DHGCP[5]
ジェネレーター出力推定(W換算) 27,000kW(±5,000)[5]
武装 胸部マルチパーパスサイロ(ミサイル、ビームドライブユニット他装備可能)[6]
ビームライフル[6]
シールド[6]
ハイパーハンマー[6]
ビームサーベル×2[6]
月光蝶システム[6]
腹部ビームキャノン×2[6]
搭乗者 ロラン・セアック
ソシエ・ハイム
ジョゼフ・ヨット
メリーベル・ガジット

名称編集

正式名称は不明[1]。ガンダムという名称は、黒歴史に語られるガンダムに似たイメージを持つことから付けられている節が大きい[5]
形式番号「System-∀99」とは、システムターンAの99プロダクトという意味[7]イングレッサ・ミリシャ内では便宜上の形式番号として「WD-M01」が割り振られる[1]。これはホワイトドール・ミリシャ01という分類である[7]
劇中ではディアナ・カウンターからは「白ヒゲ」「ヒゲ」、イングレッサ・ミリシャからは「機械人形」「ホワイトドール」と呼称される[7]
「ホワイトドール」という名称は、∀ガンダムがソシエ・ハイム達の故郷であるアーク山に祀られたホワイトドールの像から出現した事に由来する[8]
放映当初は、モビルスーツ・∀(ターンエー)とのみ表記されていた[9]

建造経緯編集

∀ガンダムは正暦時代より遥か以前の機械文明[6]、つまりは旧時代末期、地球人類が太陽系外に存在する勢力の侵攻に備えて立案、建造された機体だという。その太陽系外勢力とは、旧時代以前にも実質的な崩壊を経験した人類が太陽系外に進出後に連絡が途絶して、独自の文明を築き上げるに至った、地球人類と同じ「人類」だとする説もある[2]
また本機はターンXを元に開発された機体だとも、ターンXの兄とも言われるが詳細は不明である[5]

運用思想編集

太陽系外勢力への恐怖心が∀開発に関する全ての制限を消滅させ、大抵の兵器は特化した目的に合致するよう建造され過度の多機能性を求めた兵器は使い物にならないと歴史が教えているにも関わらず、∀はこの原則を無視して徹底した「単機による作戦行動」を前提に設計された。このコンセプトが兵器論上でどれだけ異常かという事は、語るまでもない[2]
開発に関する全ての制限を受けず建造された∀ガンダムはもはや兵器という概念に収まるメカではなかった。そしてこの出自からターンエーが伝説のMS「ガンダム」なのではないかという推測の一因にもなっていた[2]

システム∀編集

本機は「システム∀構想」の実証モデル機で、本来はDOC(デバイス・オペレーション・コントロール)ベースとの連携によって、一つの戦術システムとして機能する。しかし、ビニシティの地下に存在していたDOCベースは正暦の時代は機能を停止していた[10])。
また、DOCベースに収納されていた装備類も、ナノマシンの不調からなのか、ハンマーを残して空気に触れると全て崩れてしまった[10])。

駆動方式編集

∀ガンダムは、MSスモーと同様にIFBD(Iフィールドビーム駆動)と呼ばれる方式で駆動する。これは内部から発生するIフィールドの梁(ビーム)を表面に張り巡らして、ビームを制御することで機体を動かすというものである[1]。機体表面を取り巻くIフィールドビームは不可視のビームの展張である[11]。∀ガンダムに使われている油は、正暦時代の地球の物とは異なるらしい。
この駆動方式により本機は動力炉やジェネレーターに容積を割かれない分、内部の空間自由度が高くなっている[6]

機体各部編集

頭部編集

頭部は球体に近い構造をしており、ヒゲ状のパーツは装甲の一種で頬を保護する「チークガード」である[3]
この「ヒゲ」は、着脱可能となっていて、はめ込むのはほんのワンアクションでOKである。また、本機は、頭部なしで駆動可能[7]

マニュピレーター編集

従来のMSと比べ、本機のマニュピレーターには細かいパーツが多く、パイロットが操作に練達すれば、人間を掴むことも不可能ではない[12]

コクピット編集

腰にある球状の部分がコクピットになっている[12]
球状のコクピット内部は全天周モニターだが、半透明状に透ける事が可能で、外からは人影が見える事もある[13]キャノン・イルフートも全周モニターが使われているが、あちらは宇宙世紀0080年代から0120年代に使われた形式の古いもので、∀ガンダムのものとは別物である[14]
コクピットを含む腰の装甲は、離脱時には緊急脱出用のフライトユニットとなる[12]
コクピットシートのアタッチメントは、ハーネスの代わりに、パイロットをシートに固定する機能を持っているらしい。初搭乗時に裸だったロランは、このアタッチメントのせいで背中に聖痕が付いてしまった[12]
複合ディスプレイであるVRメットも備えているが、ロラン・セアックの顔が隠れてしまう為、作中で使用機会は少なかった[15]
コア・ファイターが脱出しギンガナムによって、月面での闘いで鹵獲されたターンエー本体には、代替としてスモーのコクピットが装備された。この時の形態は改造∀(メリーベル仕様)と呼称される。効率は落ちるが、基本的な操作は可能で、メリーベルは月光蝶システムで地上を攻撃した。また、グエンの元から∀を奪回したジョゼフ・ヨットはこの状態のまま∀を使用した[16]

機能編集

ナノスキン装甲編集

∀ガンダムの全身は「ナノスキン装甲」に覆われている[17]。この機体表面を覆う「ナノスキン」とは、ナノマシン装甲で高度な自己修復能力を持っている[18]。ナノマシンによる自己修復能力を持っており、損傷程度なら機体それ自体が修復可能[7]
頭部が損傷した際には、ナノマシンの自己修復機能が働き、かさぶた状の物質が出来ていた。このかさぶたは、損傷箇所を保護するカバーの役割も果たした[17]

スラスター・ベーン編集

∀ガンダムの脚部の裏は、スラスター・ベーンと呼ばれるマイクロエンジンを用いた2次元ノズルの集合体である[12]。この脚部のマイクロエンジン(超小型推進器の集合体)は出力が安定していて推力が非常に高い[2]
この機能により本機は、重力下でもある程度飛行が可能となっている[6])。
当初は岩状のもの(ナノスキンのかす[19]=ナノスキンの残骸[6])が脚部に詰まっていたが、12話においてコレン・ナンダー率いる追撃部隊との戦闘中に吹き飛ばし、隠されていたスラスター機能を復活させて、その噴射で危機を乗り越えた[19]

コア・ファイター編集

∀の腰のコクピットが脱出用の小型艇となった姿である[16]。その名前とは裏腹にパイロットを脱出させるための緊急装置に過ぎず、元々は戦闘力は与えられていなかったが[16]、本編45話では、急遽ミサイルが取り付けられていた[20]
大気圏内の飛行時は、翼のエッジと裏面にある無数のマイクロノズルからの高圧ジェット噴射を行う[16]。真空中ではIフィールドと地表との間に生ずる擬似的な地面効果で浮揚して、推進を噴射し飛行する[16]
46話でミサイルを搭載して出撃、ズサンを撃破している。このミサイルは本来の装備ではなくサイズの合うものを適当に装備したものであり、これを除けば攻撃能力は無い。主に移動・脱出用の装備となっているが48話にて長距離の移動も不可能であり、フラットの背に乗って移動する様子が描かれている。Iフィールドバリアは翼ともなる腰部フロントスカートアーマーの移動に従って変動展開する。46話のズサン撃破の際に飛来した破片を受けながらコクピットには損傷はなかった。

マニュアル編集

電子手帳と呼ばれる∀ガンダムのマニュアルで、ページに見える部分は薄膜ディスプレイとなっている。リモートコントローラー機能も備える[17]。ロランがコクピットのシート下から発見し、敵が接近した際には、このマニュアルにも警告が表示される[12]

武装編集

ホワイトドール像から出現した際には、ビームライフルしか所持していなかったが、後に∀ガンダム用の武器は各地で発見された。イーゲルから奪ったミンチドリルを使いこなすなど、様々な武器に対する適応性を持っており、∀ガンダムは武装を組み替えることであらゆる局面に対応する汎用MSである[17]

胸部マルチパーパスサイロ
胸部は「マルチパーパスサイロ」と呼ばれる多目的プラットフォームになっている。ミサイルなどを目的に応じて積み替える事が可能である。一番下のハッチは固定武装の「主砲」だったらしい[17]
IFBDを採用したために機体内部に空間的余裕が生れた為、このサイロ内蔵システムが実現した[21]
ビームライフル
∀ガンダムの本来の装備[5]。亜光速の高エネルギー体を射出する[7]。本機はMSばかりでなく、巨大な宇宙戦闘艦と戦う事を想定しており、高出力光学兵装を有している[2]
共振粒子砲(リフェーザー砲)。金属粒子を固有振動によって収束させ、発射する。また最大出力で発射する際には銃床部分をスライドさせ、内蔵された回転式グリップを使用する。モード変換は機体本体とのデータリンクにより、内蔵デバイスが自動的にモードを判断して実行する[22]
劇中の演出では、大気圏内や水辺で使用しても射程や威力の減退が見られず、光学兵器のような弾速でビームが射出されている。最初に使用したものは経年劣化により、2発撃った後に融解している。
シールド
マウンテン・サイクルで偶然発掘されたもので、発掘時には土(ナノマシンの死骸)が付着していた。引き上げ時にコクピット内でシールドの表示が出た為、初めて「盾」と認識され、整備後は∀ガンダムの正式装備となった[23]
曲線的なフォルムが特徴的で、相手の攻撃を受け流すことを主眼に置いている。また、可動範囲はかなり広いらしい[23]
強力なIフィールドを展開し、強化されたウォドムのビームをも弾いた。だが、本機の防御は究極的には月光蝶に依存しているため、シールドそのものの物理的強度はそれほど高いものではない[22]
ガンダムハンマー[21](ハイパーハンマー[6]))
質量兵器[2]。DOC基地に残っていた兵装で唯一使用可能だった。原始的ではあるが、運動兵器はエネルギーロスがないため非常に有効[21]
推進用のロケット・モーターを内蔵しており、Iフィールドを展開して敵機体への駆動系に干渉を行う[2]
最初に使用したものはウォドムの頭部を破壊するという活躍を見せたが、経年劣化によりチェーンが切れてしまった。用途としては局地戦用の武装であった可能性が劇中で語られている。
ビームサーベル
電磁障壁によりプラズマを剣状に固定させた斬撃用兵装[23]。敵をその高熱で焼き切り、この兵器を防ぐ装甲は有り得ないとされる[2]。ビームサーベルの本体は、以前のガンダム作品の物よりも小型にデザインされている[23]
ビームサーベルは、∀ガンダムのショルダーカバー後部のビームサーベルラックに収納されている[23]。ラックは、サーベル本体をマニュピレーターで掴みやすいよう、水平から角度約45度まで起こす事が可能となっている[23]
本来のシステム∀構想では、第7世代ミノフスキー物理理論(7th-GMPT)を応用した非破壊性対MS無力化兵器が装備される予定だったが、間に合わなかった為、本機に急遽用意された兵装がビームサーベルである。その為、ビームサーベルを収めるラックは急造の感が否めないものとなっている[23]
発掘状態では、サーベル本体がナノマシンの殻に覆われていた[23]。2本合わせると刀身を延ばすことができ(45話)、出力調整を行っている様子が見られた(最終話)。劇中で最も多く使われた武器。他のガンダムシリーズに比べてビームの刃部分が非常に細く描写されているのが特徴だが、物語後半からは前述したように他シリーズと同程度の太さになることもあった。
月光蝶
ナノマシンの散布によって文明の産物を一切、消滅させる究極のシステム。このシステムを用いて、∀はかつて地上の文明を消し去ったと言われる[16]
腹部ビームキャノン
胸部マルチパーパスサイロとコクピットの間に取り付けられている兵器。物語終盤で∀が敵に鹵獲された際、ギンガナム艦隊技術者の解析で使用可能になった。劇中では49話で使用され、ビームを雨のように発射した。実はIフィールドに打消されない広範囲拡散ビーム兵器であり、ターンXがプラットホームを犠牲にしてこの攻撃を防いだのはその為である。これもマルチパーパスサイロに収納されるユニット構造のため、原則的には換装も可能である[22]
この武装の呼称に関しては各種解説文[24]から本項目が正式なものと考えられるが、本作品の一部ファンからは劇中のセリフにちなんだ名称で呼ばれることもある。
空間転移能力
第43話バンデットの前でビームサーベルを回転させた後と、第44話でソシエとスエッソンが戦っている場に登場したシーンで発動したような描写がある。[25]

以下は『SDガンダム GGENERATION SPIRITS』に登場する∀ガンダムの武装である。ゲーム中に別に登場する通常の∀ガンダムとは武装名が異なり、『WORLD』では一部の名称も異なっている。

ディレイションライフル(『WORLD』ではIフィールド・メガビームライフル)
∀ガンダムのビームライフルと同じ形状だが、放つのは通常のビームではなく虹色に輝く巨大な光を放つ。射程範囲も広く、命中値も高い。
メガビーム・フィールドサーベル(『WORLD』ではIフィールド・メガビームサーベル)
本機の斬撃用武装。サーベルの柄から高出力で巨大なビーム刃を形成させて敵を斬り裂く。
スプラッシュビームシャワー
胸部マルチパーパスサイロから放つビーム兵器。なお、通常の武装は敵1機しか攻撃できないが、この武装は最大8機の敵を同時に攻撃可能。『WORLD』では使用しない。
核弾頭ミサイル
その名の通り胸部マルチパーパスサイロから核ミサイルを放つ。『WORLD』では使用しない。

呼び名について編集

本機は劇中では、ミリシャからは「ホワイトドール」、ディアナ・カウンターからは「ヒゲ」「白ヒゲ」などと呼ばれた。第9話で初めて、コレン・ナンダーが「ガンダム」と呼び、第14話ではパイロットであるロラン・セアックも「ガンダム」と呼んだ。

「∀ガンダム」という名前は、第23話でテテス・ハレが、第24話でロラン・セアックが一度ずつ使ったのみ。アデスカでは同地の神話になぞらえて「白い悪魔」と呼ばれた。第43話以降はほとんどのキャラクターが「ターンエー」と呼んだ。

劇中での活躍編集

本機はアニメ第2話において、ディアナ・カウンターの砲撃に反応して神像「ホワイトドール」の中から出現。もっぱらこの機体を発見したロラン・セアックによって使用されることとなった。当初はどのような武装があるのかさえ分からない謎だらけの機体であり、またロランの穏和な性格もあって敵を叩きのめすような活躍は少なかった。むしろその一方、橋代わりになったり、胸部サイロで牛を運んだり、手首を回転させ洗濯機のように使ったりするなど、モビルスーツの原点回帰ともいうべき作業機械としての働きを見せ、作品を特徴付けることにも成功している。

物語が進むにつれて機能が回復、武装が発掘され、またその性能が少しずつ明らかになり、物語後半では驚異的な活躍を見せることとなった。一度はターンXの攻撃を受けロランがコア・ファイターで脱出、ギンガナム側に本体が渡りスモーのコクピットを付けて運用された。その際にギンガナム側の技術者によりフルメンテナンスが行われる。その後、紆余曲折を経て奪還され、ターンXとの最終決戦時には両機共に月光蝶を展開、壮絶な戦闘を繰り広げた。死闘の末に両機とも相打ちとなった末に、暴走した月光蝶が共にナノマシンの繭を生成、繭に包まれた。他にソシエ、ジョゼフ、メリーベルが搭乗した。

曽我篤士版のコミカライズでは、大気圏上でのターンXとの戦闘の末、ターンタイプ故の相互干渉で機能不全に陥ったまま、大気圏に突入するが、まるで意思があるがの如くコアファイターを離脱させた後、ターンXと共に大気による空力加熱に耐え切れず、その際の摩擦熱で燃え尽きている。

福井晴敏版のノベライズでは、月面砲カイラス・ギリの2射目を受け止めた後、黄金に輝くナノマシンを地球に撒き散らしながらコア・ファイターを除いて崩壊している。このナノマシンがカイラス・ギリによって壊滅的被害を受けた地球の環境を回復させた。

曽我篤士の漫画版・福井晴敏の小説版共に∀ガンダムが腕や脚等、機体の末端部分を戦闘で喪失するシーンがあるが、アニメ本編では、頭部を取り外したりヒゲを折られる描写を除き、その様な描写は無い。

小説・漫画での設定編集

太陽系外からの本格的な侵略を想定していたが実際には起こらず、のちのムーンレィスのルーツであるとされる人々の中から先祖返りを起こし地球圏への帰還を試みた一団を阻む程度に終わったという[26]。漫画『月の風』冒頭には黒歴史時代の∀がワンカット描かれており、右肩のサーベルラックには通常のビームサーベルとは異なる詳細不明の装置が取り付けられている。

小説『月に繭 地には果実』では、「月光蝶を前面に放射し人類史上最強のコロニーレーザーすら防ぐバリアーを形成」「機体の核=コア・ファイターが残っていれば、百年単位の時間経過が必要らしいが周囲のナノマシンを素材として機体の再構成・再生が可能」「空間転移」などの機能も見せた。これは、小説版を初めとした他メディア展開の際に、要素を膨らませる事を可能とする余地として用意された設定であり、更に本編での戦闘規模が巨大化する可能性も視野に入れて、材料として莫大にされていたものである[25]

備考編集

デザイン編集

デザインの原案は工業デザイナーであるシド・ミードによる。クリンナップ、細部デザインは重田敦司、武器デザインは沙倉拓実、コクピット内一部デザインは石垣純哉である。

本来は「スモー」として世に発表された機体が「∀ガンダム」となるはずであったが(後述)、あまりに既存のガンダムとかけ離れていたことからデザインを変更した案が採用された。それでも、既存のデザインを大きく覆すデザインであったことに変わりはなく、放映開始当初は、特にチークガードである、いわゆる「ヒゲ」部分に対し、「ブーメランになる」「戦闘時に額に移動する」など様々な推測を呼んだ。これは全体の表面積を減らすことを意図したものであったが、監督の富野由悠季も初めてこのデザインを見た時は戸惑ったらしい。なおヒゲのあるガンダムは∀ガンダムが初ではなく、1994年放送の機動武闘伝Gガンダムには顎髭のある「ゼウスガンダム」と細いヒゲのある「バトラーベンスンマム」が登場している。また1996年放送の機動新世紀ガンダムXで後半から主人公機となるガンダムダブルエックスの頬部分にはヒゲのような下向きの突起があり、頭部のアンテナと合わせて『X』のシルエットを形成している。

方法論としては、従来の「ブロックを積み上げた感じ」から、「表面に貼り付ける感じ」にした、とシド・ミードが語っている。機体の各部分にモールド(継ぎ目)処理が施されている。

シールドが大きくシンプルな事には、「大きければ大きいほど∀の身体が隠れ作画が楽」ということをスタッフがシド・ミードに伝えたという理由もある(石垣純哉の公式HPより)。当初のイメージでは「貝殻のようにきれいなシールド」という構想だったが、最終段階まで作画にその意図が伝わらず楕円状のものとして定着した。

コクピットが腰前部に配置されているのは、造形にとって異質な存在であるパイロットの出入りを邪魔しないためのものである。こうしたシド・ミードの本業である工業デザインの設計思想を取り入れた∀ガンダムはシンプルであるが故のリアルさを備えてはいるが、そのためにキャラクターになりきっていなかったのだろうと富野は考えている[27]

結果的に大多数の支持は得られなかったものの、新しいガンダムとして見たファンの中では「動きに説得力のあるデザイン」など高く評価する声もあり、劇中での演出の評判も相まって現在では一定の固定ファンを得るまでに至っている。ガンプラマスターグレード100体目を記念するキットとしても選ばれており、その説明書の序文で富野は「評価が芳しいものではなかったのは残念だったが、無駄な仕事ではなかった」という趣旨の評価を記している。

ロラン・セアック役の朴璐美は、富野から番宣ポスターに描かれていた∀ガンダムを初めて見せられた際に「このガンダム(のデザイン)は人気が無い」と説明を受けたが、当時ガンダムに関する知識の無い彼女は何故人気が無いのかが分からなかったと言う。その後、幾つかのガンダムシリーズに参加する事で当時不評だった理由が分かる様になったが、それでもなお「『∀ガンダム』という作品に(他のシリーズのような)カッコいいガンダム出たら、それは『∀』で無くなってしまう」とイベントや雑誌等で語っている。一方、『機動戦士ガンダム』でアムロ・レイを演じた声優の古谷徹は、アムロが出ていないので番組自体をあまり見ていないのと、デザインがあまり好みではないらしく「髭ガンダムのデザインが好きではない」と述べている。

コア・ファイターが前述した位置にあるため、ガンダムビルドファイターズトライにおいてベアッガイF(プチッガイ)のアッパーカットコクピットを破壊される憂き目に遭っている。なお本来はコクピットを保護するためIフィールドバリア等のシステムが稼働する。また変形するとコア・ファイターの翼にもなる本機の腰部フロントスカートアーマーの柔軟な可動域がそれを支援している。

ゲームへの客演編集

  • SDガンダム GGENERATIONシリーズ - 『ZERO』以降ほぼ全作に登場している。『SPIRITS』と『GENESIS』には実質的な最終ボスとしてゲスト出演。全シナリオをクリアすると出現する最終シナリオ『世界が眠る日』で、文明を葬り去ろうとするMSとして、プレイヤーの前に立ちはだかる。また、携帯機シリーズでは原作と逆にギンガナムに隠された、ムーンレィスの守護神として祖先たちが建造し封印されていた物を偶然、ロランが発見する展開となっている。『WORLD』及び『OVER WORLD』ではベーシック版、能力未解放版、能力解放版、『SPIRITS』及び『GENESIS』の黒歴史版が登場している。
  • スーパーロボット大戦α外伝 - アムロやカミーユ宇宙世紀シリーズのガンダムパイロットの乗り換えが可能な機体であり、ロラン以外のパイロットによる専用台詞も収録されている。
  • SDガンダム スカッドハンマーズ - サイド3より発掘されたモビルスーツとして、アムロが搭乗する。ビームサーベルや月光蝶は搭載されていない様子だが、ナノマシンは搭載している。
  • 機動戦士ガンダム ガンダムVS.ガンダム - メイン射撃はガンダムハンマーとなっており、しかも両手に装備しているという仕様になっている。ミスルトゥ破壊時の核弾頭投てきがチャージショット扱いで使えるが、1体につき1回しか使えない(破壊されて再登場するまで使用できない)。
  • 機動戦士ガンダム ガンダムVS.ガンダムNEXT - 前作と同じ仕様だが、体力が200以下になると、月光蝶を発動する。発動後は攻撃力が倍となり、形勢を逆転することもできる。
  • ガンダム無双 - 『ガンダム無双1』では∀ガンダムのみゲスト出演したが、『ガンダム無双2』ではターンXも登場している。なお、ゲーム上では月光蝶よりも核弾頭投擲のほうが威力が高く設定されている。
  • Another Century's Episode3 - 空間転移や核弾頭投擲、さらに月光蝶まであますところなく本機の武装バリエーションを搭載している。高火力機でかつナノマシンを搭載しており格闘もハンマーも全てにおいて高い水準の機体である。
  • スーパーロボット大戦Z - α外伝同様、宇宙世紀シリーズのガンダムパイロットの乗り換えが可能な機体であり、専用台詞もα外伝の時以上に多数収録されている。
  • 機動戦士ガンダム EXTREME VS.[28]、機動戦士ガンダム EXTREME VS. FULL BOOST [29]、機動戦士ガンダム EXTREME VS.-FORCE [30]

バリエーション編集

  • System-∀98 プロトタイプ∀ガンダム
    電撃ホビーマガジン誌記事『Before ∀ガンダム』に掲載された。テストベッド∀とも呼ばれる前段階の試作機。完成機とは異なる胸部構造と、ターンXに似た頭部を持ち、やはりコクピットは頭部にある。デザインと設定は『∀ガンダム』本編に携わった森田繁と高倉武史が担当しているが、模型誌独自の非公式なものとして扱われる[31]
  • System-∀99 ∀ガンダム フル装備型
  • ∀ガンダム量産型
    「月光蝶」の厄災以前、∀ガンダムから一部機構を排して建造されたらしい機体。文字設定上のみで語られていた詳細不明の存在だったが、漫画『月の風』の冒頭にそれと思われる機体が登場した。のちにグエン・サード・ラインフォードが製造を画策した地球製の量産型∀との関連性は不明である。
  • スモーガンダム
    ∀ガンダムのデザイン準備作業でシド・ミードが描き上げた初期段階のもので、Mバージョンと呼称されていた。ボディはスモーのままで、フェイスカバーの中がガンダム顔になったようなMSである。名前の通り日本の力士に似たスタイルである。さらにここから∀ガンダムの決定稿デザインへと発展するが、この段階のものをクリンナップしてスモーが登場した。「電撃ホビーマガジン」誌上で立体化された際は、ガンダムに定番のトリコロールカラーで塗装された。
    このスモーガンダム自体に特に設定などは付加されていないが、劇中ではスモーと∀はコクピットの互換性など、暗に何らかの技術的関係があるような存在として扱われていた。
  • System-∀99 ∀ガンダム(GGENERATION SPIRITS及びGGENERATION GENESIS版)
    源繭を撃破した時に中から出現する謎の機体という設定。System-∀99が本機を制御しており、従来の宇宙世紀の機体とは桁外れの性能を持っている。通常の∀と違うのはツインアイが赤で機体が紫に発光している点。空間転移やハイパーナノスキン装甲、そして月光蝶などの未知の技術を持ったこの機体が何のために開発されたのか不明だが、唯一つ確かなのは、その驚異的な性能を持って地球上の全てのものを滅ぼそうとしている点のみである。『WORLD』にも「∀ガンダム(黒歴史)」という名称で登場しているが、武装は少なくなり性能も若干低下している。開発はバルバトスのみからで、他の機体に開発したり設計に利用することは一切できない。図鑑の記述によれば、この機体が正暦2343年に発見される「∀ガンダム」と同じ機体であるかどうかはわからないとのこと。
  • 大繭
    『SDガンダム GGENERATION SPIRITS』最終ステージ「世界が眠る日」に登場。頂点に∀の頭部のようなものが付いた、繭のようなもの。抵抗する全てを「壌」へと帰し、地球へと歩みを進める、謎の発光物体。System-∀によって制御が行われている。
  • 源繭
    大繭を撃破すると出現する謎の存在。桁外れの防御力を持っており生半可な攻撃ではほとんどダメージを与えられない。MAP兵器使用時に、∀のシルエットが出現する。
  • 小繭
    大繭・源繭が生み出す、小型の「繭」状の物体。破壊しても、本体が倒れない限りは無限に生産される。

関連商品編集

ガンプラ
  • HGCC 1/144 ターンエーガンダム
    • 2014年4月12日、バンダイ
その他

脚注編集

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  1. ^ a b c d 「∀ガンダム」全記録集1, p. 22.
  2. ^ a b c d e f g h i 「∀ガンダム」全記録集2, p. 27.
  3. ^ a b 「∀ガンダム」全記録集1, p. 113.
  4. ^ ∀ガンダム・アートワークス, p. 92.
  5. ^ a b c d e f g h i ニュータイプ100%コレクション41 ∀ガンダム Vol.2, p. 26.
  6. ^ a b c d e f g h i j k l 電撃データコレクション⑳ ∀ガンダム, p. 4.
  7. ^ a b c d e f ニュータイプ100%コレクション38 ∀ガンダム Vol.1, p. 24.
  8. ^ 「∀ガンダム」全記録集2, p. 26.
  9. ^ ニュータイプ100%コレクション38 ∀ガンダム Vol.1, p. 37.
  10. ^ a b 電撃データコレクション⑳ ∀ガンダム, p. 7.
  11. ^ ∀ガンダム・アートワークス, p. 91.
  12. ^ a b c d e f 「∀ガンダム」全記録集1, p. 102.
  13. ^ ニュータイプ100%コレクション38 ∀ガンダム Vol.1, p. 59.
  14. ^ ニュータイプ100%コレクション38 ∀ガンダム Vol.1, p. 126.
  15. ^ 電撃データコレクション⑳ ∀ガンダム, p. 81.
  16. ^ a b c d e f ニュータイプ100%コレクション41 ∀ガンダム Vol.2, p. 27.
  17. ^ a b c d e 「∀ガンダム」全記録集1, p. 23.
  18. ^ 電撃データコレクション⑳ ∀ガンダム, p. 41.
  19. ^ a b ニュータイプ100%コレクション38 ∀ガンダム Vol.1, p. 56.
  20. ^ ニュータイプ100%コレクション41 ∀ガンダム Vol.2, p. 57.
  21. ^ a b c 「∀ガンダム」全記録集1, p. 109.
  22. ^ a b c プラモデル「∀ガンダム」組立説明書, 1/144スケールモデル HGCC, バンダイ 
  23. ^ a b c d e f g h 「∀ガンダム」全記録集1, p. 115.
  24. ^ マスターグレード∀ガンダム(箱側面並びに設計図の解説文)、∀ガンダムWeb[1]など。
  25. ^ a b 『ニュータイプ 100% COLLECTION ∀ガンダム VOL.2』角川書店刊より[要ページ番号]
  26. ^ 漫画『月の風』より。
  27. ^ プラモデル「マスターグレード 1/100 ターンエーガンダム」説明書より
  28. ^ エンターブレイン『機動戦士ガンダム EXTREME VS. ファイナルコンプリートガイド 』P154。
  29. ^ KADOKAWA/アスキー・メディアワークス 『機動戦士ガンダム EXTREME VS. FULL BOOST ザ・マスターガイド』P59。
  30. ^ 週刊ファミ通 2015年11月5日号、『機動戦士ガンダム EXTREME VS.-FORCE』P72。
  31. ^ 『電撃ホビーマガジン』2000年5月号、メディアワークス、57-59頁。

参考文献編集

  • THE MEMORY OF FIRST WIND 「∀ガンダム」全記録集1』株式会社 講談社、2000年1月18日、初版。ISBN 978-4-06-330088-8
  • THE MEMORY OF SECOND WIND 「∀ガンダム」全記録集2』株式会社 講談社、2000年6月6日、初版。ISBN 978-4-06-330101-4
  • ニュータイプ100%コレクション38 ∀ガンダム Vol.1』株式会社 角川書店、2000年6月30日、初版。ISBN 978-4-84-435938-8
  • ニュータイプ100%コレクション41 ∀ガンダム Vol.2』株式会社 角川書店、2000年6月30日、初版。ISBN 978-4-04-853317-1
  • 電撃データコレクション⑳ ∀ガンダム』株式会社メディアワークス、2007年8月15日、初版。ISBN 978-4-84-023967-7
  • ∀ガンダム・アートワークス』エムディエヌコーポレーション、2007年9月14日、初版。ISBN 978-4-84-435938-8

関連項目編集