あした天気になあれ (漫画)

日本の漫画、メディアミックス作品

あした天気になあれ』(あしたてんきになあれ)は、ちばてつやによる日本ゴルフ漫画

あした天気になあれ
ジャンル ゴルフ漫画
漫画
作者 ちばてつや
出版社 講談社
その他の出版社
集英社
掲載誌 週刊少年マガジン
レーベル 講談社コミックス
発表号 1981年42号 - 1991年25号
巻数 全58巻
アニメ
原作 ちばてつや
総監督 光延博愛(チーフディレクター)
音楽 梅垣達志
アニメーション制作 土田プロダクション
製作 NASフジテレビ
放送局 フジテレビ系列(一部を除く)
放送期間 1984年10月6日 - 1985年9月27日
話数 全47話
テンプレート - ノート
プロジェクト 漫画アニメ
ポータル 漫画アニメ

原作は1981年42号から1991年25号まで『週刊少年マガジン』(講談社)で連載された[1]。単行本は、講談社コミックス (KC) 版が全58巻、ホーム社から発行された『ちばてつや全集』が全36巻、『ホーム社漫画文庫』が全31巻、『完全版総集編』が全11巻、そしてコンビニ向けの『講談社プラチナコミックス』と『集英社ホームリミックス』版がそれぞれ発売されている。

本作は藤子不二雄作の『プロゴルファー猿』とともに少年誌における草分け的なゴルフ漫画となり、アニメ化もされた[2]。作者によれば連載当時、ゴルフは大人のものというイメージがあり、また読者層である子供たちにとって馴染みのない専門用語が多いこと、ボディコンタクトの多い競技ではなくほぼ内面との戦いの要素が強いことから、連載当初は苦慮したと語っている[3]。その後、主人公・向太陽の発する「チャー・シュー・メン!」の掛け声は子供の間で流行語となった[3][4]。また、主人公の造形について、当初は「計算高く、金にシビア」なキャラとして描こうとしたが、すぐに行き詰まり、マスコット的なキャラへと変更したと語っている[5]

2018年より、ゴルフ雑誌『ALBA』749号(2018年5月24日発売)において、本作の26年後を描く「新 あした天気になあれ」(信田朋嗣原作、政岡としや作画)が連載されている[6][7]

ストーリー

東京の下町に住む中学生・向太陽は朝は実家の食堂を手伝い、夜はゴルフ練習場でアルバイトをしながらプロゴルファーを目指している。太陽は元プロゴルファーの竜谷から指導を受け、荒川河川敷沿いのゴルフ場で練習生を務めながらプロテストを受験し、難コースや一癖も二癖もある他の受験者たちに揉まれながらも史上最年少でプロテストに合格。以後はプロゴルファーとしていくつもの大会に出場し、最終的にはセント・アンドルーズで開催された全英オープンゴルフに出場する。

東関東中学生ゴルフ選手権大会(羽生ゴルフリンクス)編(1巻 - 6巻)
アシスタント研修会試験(東宇都宮カントリークラブ)編(6巻 - 8巻)
牛島の反則ギリギリの妨害によって集中力を乱され本調子を発揮できない太陽であったが、香取から集中力に関するエピソードとして「J・ニクラスは突風で帽子が飛んだことに気付かず、全米オープン優勝が懸かったパットを決めプロ初優勝を掴み取ったあとに帽子が飛んでいたことに気付いた」という逸話を太陽に話す。それを聞いた太陽は「牛島の妨害ばかりに目がいってボールに集中することを忘れていた」と気付く。
アシスタントプロトーナメント(鬼ヶ崎カントリークラブ)編(8巻 - 11巻)
研修会を突破し、アシスタントプロトーナメントの出場権を得た太陽。舞台となる鬼ヶ崎カントリークラブは海沿いに作られた強風が吹き荒れるコースであることから、太陽は竜谷のアドバイスで風に強い低弾道を打つトレーニングに精を出していた。3位以内に食い込んでプロテストへの出場権を手に入れると意気込んでいたが、竜谷が大野に「今までも困難を乗り越えてきたが、エリートのゴルファーが集う今回の大会では入賞も流石に無理だろう」と呟くところを目撃する。それを密かに聞いた太陽は目標をさらに上げ、優勝を目指してアシスタントプロトーナメントに挑むのであった。
18ホールを2周する2ラウンド制で上位3人までがプロテストへの出場権を獲得できるアシスタントプロトーナメントが開始される。優勝候補と称され自分を遥かに超えるパワーショットから攻撃的なゴルフをする日吉、グリーン以外でパターを使う変則的ながらも堅実にスコアを伸ばす坂本、そして鬼ヶ崎カントリークラブの海風に思わぬ苦戦を強いられる太陽。10ホール目でその先のコースの恐ろしさを垣間見た太陽は「オナーになりそうなときはパターショットをわざとミスし、先に打つ二人のショットを参考に情報収集して2周目の18コースで逆転を狙う」という作戦を思いつく。だが、この作戦は日吉・坂本よりもいいスコアを出すことが絶対にできないため、スコアを落としていき、+6という結果で1ラウンドを終える。
2ラウンド目は1ラウンド目で得た情報を基に猛攻し、3ホールまでで一気に+2まで持ち直した太陽。一方、暫定1位という結果と差し入れに来た母からの応援がプレッシャーとなり、調子を落とす日吉。太陽は露骨にスコアを落とす日吉に同情して、つい入りすぎた力を抜くアドバイスをしてしまう。太陽は不調になった日吉を見て逆転優勝を狙っていた坂本から「優勝候補にアドバイスをするとはどういうつもりや!」と怒鳴られてしまう。坂本の懸念通り、本来の調子を取り戻した日吉を目にした坂本は3位以内入賞に目標を戻す。一方、優勝を諦め切れない太陽は3つOBを出しながらもスコアを伸ばし、日吉と残り1打差まで縮め最終ホールを迎える。パー4を1オンしイーグルを狙える状況を作り出した日吉に対し、太陽も2打目でのチップインイーグルを狙う。太陽の2打目は着地点にあった坂本のボールとぶつかり、カップにそのまま入る。だが、カップに入ったのは坂本のボールで太陽のボールはバンカーに落ちてしまう。日吉のミスに一縷の望みを賭けてバンカーからのバーディを狙う太陽。しかし、そのショットも意図しないバックスピンが掛かったことでカップイン直前で取りこぼし、またもチップインを逃す。そのまま、イーグルを決め-8で日吉の優勝が確定。続く坂本もバーディを決めて-5の2位を確定させる。太陽は坂本に「それを決めれば、自分と同じ2位タイでプロテストに出場できる。大事にいけや」と教えられる。絶対に外せないプレッシャーからパターを弱く打ってしまい、ギリギリカップインを逃したかに思えたが直前のバックスピンでグリーンが削れていたお陰で太陽のボールもカップに入る。結果、同じ組だった太陽・日吉・坂本は揃ってプロテストへの出場権と賞金を得るのであった。
プロテスト(千成ゴルフクラブ)編(11巻 - 19巻)
東太平洋オープン(武甲山ゴルフクラブ)編(19巻 - 26巻)
東洋マッチプレー(巌竜岬ゴルフクラブ)編(27巻 - 38巻)
全英オープン予選(トム・モリスゴルフクラブ)編(38巻 - 42巻)
全英オープン(セント・アンドリュース)編(43巻 - 58巻)

チャー・シュー・メン!

主人公の向太陽がショットする際に、スイングのリズムを取るための掛け声[1][3]。「チャー」でバックスイングに入り、「シュー」でトップを作り、クラブを振り下ろしてインパクト時に「メン!」でうまくボールにミートさせる[1]

なお、この掛け声を作中で最初に考案したのは太陽のクラスメイトの白石えつこ、使用したのは後輩の内山央である[1]。フォームが安定しない内山に、向は足を閉じたスタイルで打つように指摘しまともに打てるようになるが、足を開くと力んでスイングのタイミングが合わなかった。そこに白石がなにかリズムを取りながらスイングするように勧め、「あなたの好きな食べ物は何?」との白石の問いに内山が「チャーシューメン」と答え、声に出しながらスイングをするようになったのがきっかけである[1]

この掛け声は、ちばが取材先のゴルフ練習場でレッスンプロに「初めてゴルフをやる人にどう教えるのか」と質問した際、直接教わったもので、後の反響は予想外だったと語っている[3]

登場人物

人物名は、『ホーム社漫画文庫』版に準拠した。

声はアニメ化時の声優名。

主要人物

向 太陽(むかい たいよう)
声 - 塩屋翼
本作の主人公。中学生でゴルフを始めた。早くに父親を亡くし、母トミ子は食堂「あづまや」(午前4時には客が一杯になっている描写があることから、夜間食堂)を経営している。弟に武二(たけじ)、攻三(こうぞう)、妹に糸子(いとこ)がいる。
中学校卒業後は進学せずに新荒川カントリークラブに就職し、最年少でプロテストに合格、プロゴルファーとなる。
心からゴルフを愛しており、竜谷からは「稀に見る逸材」と称されるほどゴルファーとしての才能に恵まれているが努力も怠らない。しかし、精神的にはまだ未熟な様子が多く、試合の中で何度も心折れそうになるも、持ち前の明るさとガッツで克服しトッププロへと成長していく。
前述の通り、精神的な動揺からスコアを崩すことが多々あり、そこから驚異的な粘りと果敢な攻めで追い上げていくパターンが多い。
ずんぐりむっくりな体型で弟達からは「デブ兄」と呼ばれている。自作の器具で鍛えた筋肉を使ったパワーショットを持ち味としている。また、ホームが河川敷コースであることからラフやトラブルショットも得意。
大食漢であり、試合中にも食事をしないと倒れてしまうほどである。
竜谷(りゅうこく)
太陽のゴルフの師匠。元トーナメントプロ。目が悪く、常にサングラスをしている。太陽の才能を見込み、肉体面・精神面ともに常に厳しいトレーニングを課している。
白石 えつこ(しらいし えつこ)
太陽のクラスメイト。周りから「エッコ」と呼ばれる。父がゴルフをしており、親子で太陽を応援している。自作のヘッドカバーを太陽にプレゼントした。

東関東中学生ゴルフ選手権大会(羽生ゴルフリンクス)編

大野(おおの)
声 - 大竹宏
ルリ子(声 - 小宮和枝)と組んで太陽、竜谷と賭けゴルフをして敗れた。のちに太陽をサポートするようになる。
内山 央(うちやま ひろし)
声 - 頓宮恭子
北荒川第五中学校ゴルフ部員。当初はまともにボールを打てなかったが、「チャー・シュー・メン!」のリズムを習得し、東関東中学生ゴルフ選手権大会に出場した。羽生ゴルフリンクスの18番ホールでは、向のメモ通りのショットをしてホールインワンを決めた。
後にゴルフ部の部長となり、東洋マッチプレーに観客として出てくる。
久米 一郎(くめ いちろう)
声 - 平松広和
東関東中学生ゴルフ選手権大会で太陽とラウンドした。パワーはないが、丁寧なショットを心掛けている。
工藤 呉一(くどう ごいち)
声 - 大塚芳忠
東関東中学生ゴルフ選手権大会で太陽とラウンドした。向ほどではないがパワーショットを得意とする。反面、トラブルショットは苦手。
大田黒 彰(おおたぐろ あきら)
東関東中学生ゴルフ選手権大会で太陽とラウンドした。前年度のベストグロスであり、優勝候補だったが僅差で太陽に敗れる。
のちにアメリカに留学し全米アマトーナメントに優勝するなどの経験を積んで、太陽と対戦するために東洋マッチプレーに参加した。
2回戦で太陽と対戦、キャディのクインシーとのコンビで圧倒的な強さを見せ4UP差まで付けたが、太陽に屈辱を与えるためにミスショットをした太陽と同じ場所にわざと打ち込む挑発行為をした。だが、これが太陽の怒りを買って追いつかれてしまう。
最後は「アメリカで相手を圧倒し続けたために極限のプレッシャーを経験したことがない」というプレッシャーに対する弱さが露呈、パターショットをミスして最終ホールで敗れた。

アシスタント研修会試験(東宇都宮カントリークラブ)編

岩森(いわもり)
関東ゴルフ練習場連盟の役員。
ゴルフ場か練習場に1年間勤務しなければ得られない研修会試験の資格を推薦によって、6ヶ月に短縮する権限を持つ。
太陽のプレーを見て、テンポが遅すぎることを指摘したが、太陽の素質と将来性を見込んで6ヶ月の特例推薦を認めた。
60歳以上だがシングルハンディを維持し、飛距離はないもののボールのコントロールは一級品。
牛島 豪造(うしじま ごうぞう)
声 - 飯塚昭三
アシスタント研修会試験で太陽とラウンドした。「新人殺し」「テスト生殺し」の異名を持つ。竜谷の依頼で太陽に厳しく当たり、パワハラじみた言動や自分の影をわざとスイングを構える太陽の目の届く範囲に置く妨害などを行った。
しかし、後半ホールで精神的な圧力を受けなくなった太陽の影響で調子を崩してしまう。最後は意地になってショットの瞬間に大きな物音を立てる・太陽のボールを踏み潰すといった悪質な妨害をするが、それすらも乗り越えられたことで太陽の素質と根性を認めた。
東太平洋オープンでは最終日に観客として参加。
佐伯 俊(さえき しゅん)
声 - 若本紀昭
アシスタント研修会試験で太陽とラウンドした。また、太陽と同じ関東ブロックでアシスタントプロトーナメントに出場した。
香取 章(かとり あきら)
声 - 平野義和
アシスタント研修会試験で太陽と共にテスト生としてラウンドした。練習では良い球を打てるのだが、本番に弱い。
研修生試験を4回不合格にしていたが、牛島が自分より太陽に目を向けていたことで、今までよりリラックスしてプレイでき、試験に合格した。

アシスタントプロトーナメント(鬼ヶ崎カントリークラブ)編

日吉 一(ひよし はじめ)
声 - 野島昭生
プロゴルファーを最も多く輩出している東伊豆出身のゴルファー。地元ということもあり、アシスタントプロトーナメントでは優勝候補の一角と目されていた。
母子家庭の大家族で貧乏なため、鬼ヶ崎カントリークラブでバス運転手やウェイターのバイトをしながらプロを目指している。
自宅付近には自作のコースを作成しており、森や砂浜を使った独自のトレーニングを課している。
アシスタントプロトーナメントで太陽とラウンドし、優勝してプロテスト出場権を獲得した。プロテストでは太陽と共にトップ合格を果たし、東太平洋オープンは決勝ラウンドまで駒を進めた。
坂本 周一(さかもと しゅういち)
声 - 戸谷公次
アシスタントプロトーナメントに関西ブロックから出場し、太陽とラウンドした。ティーショットをパターで打つことがある。太陽と共に2位タイでプロテスト出場権を獲得し、プロテストにも合格した。

プロテスト(千成ゴルフクラブ)編

古葉 實(こば みのる)
声 - 田中秀幸
全日本大学ゴルフ選手権試合で優勝した経歴を持つ。測量の技術を持ち、一緒に練習ラウンドをした太陽に影響を与えた。プロテストで太陽もラウンドし、トップ合格を果たした。東太平洋オープンは決勝ラウンドまで駒を進め、3日目には太陽とラウンドした。茶を好んで飲む。
火鳥 元(ひどり げん)
声 - 玄田哲章
プロテスト初日、2日目に太陽とラウンドした。研修会を何度も除名されかけるほどの問題児。太陽のボールにもいたずらをしたが、のちに和解した。プロテスト最終日には向の股間を後ろから2回もいたずらする。5回目の挑戦でプロテストに合格した。
潮 章次(うしお しょうじ)
声 - 稲葉実
プロテスト初日と2日目に太陽とラウンドし、合格した。
磯村 研次
声 - 竜田直樹
プロテストで太陽とラウンドし、太陽と共にトップ合格を果たしたが、東太平洋オープンでは予選落ちした。

東太平洋オープン(武甲山ゴルフクラブ)編

謝 健張(しゃ けんちょう)
声- 池田勝
台湾出身の東太平洋オープンのディフェンディングチャンピオン。練習日、また本戦でも初日と2日目に太陽とラウンドした。
太陽と同年齢の息子がおり、練習では太陽に武甲山ゴルフクラブの特性などの様々なアドバイスを送る。
のちに東洋マッチプレーにも出場し、ベスト8まで進出した。
安川 忠男(やすかわ ただお)
声 - 屋良有作
東太平洋オープンの初日と2日目に太陽とラウンドした。のちに東洋マッチプレーにも出場した。
リー・トラビノ
声 - 兼本新吾
東太平洋オープンの3日目と最終日に太陽とラウンドし、3位の成績を残した。以前に大怪我をした経験から、その原因である雷を恐れる。
3日目にラウンドした太陽と古葉をそれぞれスター・ウォーズのR2-D2とC-3POに例える・バレンチノとのプレーオフの際に直前のホールでドライバーを折った太陽に自分のドライバーを貸与するなど気さくで面倒見のいい性格。
一方で、ピンとの距離がほぼ同じの球をバレンチノより先に打って、ナイスショットを決めて焦らせる・横風に合わせて回転を掛けたショットをさり気なく打ち、太陽に風を読み違いさせてミスショットを狙うなど抜け目のない一面もある。
東太平洋オープン終了後は太陽の才能を認め、アメリカの自分の元に武者修行に来ないか勧誘した。
のちに太陽が出場した全英オープンにも出場した。
セベ・バレンチノ
声 - 堀秀行
東太平洋オープンの最終日に太陽とラウンドし、プレーオフで太陽に破れ、準優勝。のちに太陽が出場した全英オープンでは3位タイの成績を収めた。スペイン出身

東洋マッチプレー(巌竜岬ゴルフクラブ)編

岡村(おかむら)
タクシードライバーだが、以前は東洋マッチプレーの会場である巌竜岬ゴルフクラブで長年キャディをしていた。東洋マッチプレーで太陽のキャディを務め、太陽を優勝に導いた。
巌竜岬ゴルフクラブの創立者と面識があり、コースの特性を誰よりも熟知している。
杉原 輝光
最年長のベテランプレイヤー。「マムシ」の異名を持つ。東洋マッチプレーの1回戦で太陽と対戦し、延長戦で2度打ちのミスショットを行い、ペースが崩れて敗れた。
青木 功一
「世界の青木」「マッチプレーの鬼」として知られる日本のトッププレイヤー。東洋マッチプレーの3回戦で太陽と対戦した。
太陽を「プロになったばかりの若造」と侮り、巧みなテクニックで幻惑し圧倒的な強さで6UPの大差を付けるが、太陽の猛チャージにペースを狂わされ、延長戦で敗れた。プレー終了後は太陽に対して見下していたことを謝罪した。
のちに太陽が出場した全英オープンにも出場した。
疋田 宴次郎(ひきた えんじろう)
東洋マッチプレーのディフェンディングチャンピオン。決勝で太陽と対戦した。とりまき達を使い卑劣な手段で太陽を不利に追い込んだが、最後には不正が周囲の知ることになり、準優勝に終わった。

全英オープン予選(トム・モリスゴルフクラブ)編

シンプソン
全英オープン最終予選の会場であるトム・モリスゴルフクラブの支配人。
トム・ファーガソン
全英オープン最終予選、本戦で太陽のキャディを務めた。祖父のダイを含め全英オープンの優勝者に7回付いたキャディ一族の末裔。
ロウニイ・スコット
イギリス出身。全英オープン最終予選の初日に太陽とラウンドした。予選を突破して本戦に出場した。
ハリー・C・コリンズ
全英オープン最終予選の初日に太陽とラウンドした。アメリカPGAツアー公式ランキング27位の実力を持つ。
マック・トーマス、ニーノ・サンチョス
全英オープン最終予選の2日目に太陽とラウンドしたが、どちらも途中でギブアップした。

全英オープン(セント・アンドリュース)編

レス
「妖怪」と呼ばれるセント・アンドリュースのキャディ。60年以上のキャリアを持つ。全英オープンで太陽のキャディになることを断った。また、太陽の予選落ちを予告した。最終日には急遽ニクラスのキャディを務めた。
M・ファルド
全英オープン初日に太陽とラウンドした。プレーが遅いことで有名で、一緒にラウンドしたスタドラーと衝突することもあった。
G・スタドラー
全英オープン初日に太陽とラウンドした。短気な性格で、ファルドの遅いプレーに対して怒鳴り散らした。
T・カイト、C・ピート
全英オープン2日目に太陽とラウンドした。
F・カプルス
全英オープン3日目に太陽とラウンドした。ミドルホールをワンオンさせる飛ばし屋で、攻撃的なゴルフをする。一時トップに立ったが、短気な性格が仇となってスコアを崩し、優勝争いから脱落した。
J(ジョン)・ニクラス
「帝王」と呼ばれる。全英オープン3日目の夜にレスを最終日のキャディに迎えた。
太陽がゴルフを始めるきっかけとなった人物であり、ゴルフ場のアルバイトを始めた時期が人気の全盛期であった。
全英オープン最終日に太陽とラウンドした。プレーオフ・サドンデスと太陽と死闘を繰り広げ、最後は太陽に敗れ準優勝となった。
今大会でゴルファーを引退する予定だったが、太陽とのサドンデスを経て心変わりし引退を撤回、太陽を新たなライバルと認めた。

テレビアニメ

フジテレビほかで放送。NAS(日本アドシステムズ)とフジテレビの共同製作。全47話。製作局のフジテレビでは、1984年10月6日から1985年9月27日まで放送された[8]。全47話[8]

フジテレビでは、1985年3月30日までは土曜 18:00 - 18:30枠 (日本標準時)に、同年4月12日からは金曜 19:00 - 19:30枠 (日本標準時)にて放送。どちらもローカルセールス枠であることから、FNS(フジテレビ)系列の地方局では別の時間帯での遅れネット(本放送終了後の放送を含む)になることがあった。また、当時この時間帯を使って『クイズDEデート』の遅れネットと自社製作番組『アグネスの音楽に乾杯!』の放送を行っていた東海テレビのように、FNS系列局であってもこの番組を放送しない局もあった。

原作では主人公の太陽が当初からゴルフクラブを手に入れるべくアルバイトに精を出し、師匠の竜谷とともにプロゴルファーを目指すのに対し、アニメ版ではゴルフとの出会いの場面から描かれるなど[8]、講談社コミックス第26巻までの内容をアレンジしたものになっていた。本編の終了直後には、ゴルフ解説者の戸張捷がゴルフのマナーや歴史などを解説する「ワンポイント・レッスン」のコーナーがあった[8]。その後の次回予告は、毎回、太陽の「〜ナイス・ショット!!」という言葉で締めくくられていた。

声の出演

スタッフ

主題歌

ビクター音楽産業から、これらを収めたEPレコードが発売された。

オープニング・テーマ - 「明日はシャイニング・スカイ」
作詞 - 竜真知子 / 作曲 - 東郷昌和 / 編曲 - 梅垣達志 / 歌 - 野口きよみ
土曜時代に使われていた曲と金曜時代に使われていた曲の2バージョンがあり、金曜版は土曜版よりもイントロが短く、逆にコーダ部がリフレインしていた。オープニングの映像も土曜版と金曜版とで異なっており、土曜版では金曜版よりも太陽の出番が多く、またトミ子・武二・攻三・糸子・えつこは土曜版にしか登場しない。
エンディング・テーマ - 「夕焼けに歩きたい」
作詞 - 竜真知子 / 作曲 - 東郷昌和 / 編曲 - 梅垣達志 / 歌 - 高橋伸明

各話リスト

放送日 サブタイトル 脚本 絵コンテ 演出 作画監督
1 1984年
10月6日
ゴルフとの出会い 城山昇 佐々木皓一 高林久弥 金沢比呂司
2 10月13日 めざせプロゴルファー やすみ哲夫 三沢伸 奈須川充
3 10月20日 初めてのゴルフレッスン 吉田健次郎 金沢比呂司
4 10月27日 賞品はゴルフセット 八木良一 竹内大三 高林久弥
5 11月3日 ゴルフ部の期待 城山昇 高垣幸蔵 三沢伸
6 11月10日 初出場!ゴルフ競技 八木良一 鈴木幸雄 富沢和雄
7 11月17日 消えたゴルフボール 照井啓司 竹内大三 高林久弥 奈須川充
8 11月24日 ライバルは腹の虫 吉田健次郎 一川孝久
9 12月1日 計算されたゴルフ 城山昇 高垣幸蔵 三沢伸 金沢比呂司
10 12月8日 牙をむいたライバル 八木良一 鈴木幸雄 押大三
11 12月15日 三段グリーンの対決 城山昇 森脇真琴 高林久弥 金沢比呂司
12 12月22日 思わぬアクシデント 海老沼三郎 三沢伸 奈須川充
13 12月29日 谷底からの叫び 照井啓司 高林久弥 金沢比呂司
14 1985年
1月5日
勝負のバーディパット 城山昇 中村憲由 三沢伸 一川孝久
15 1月12日 プレッシャーとの戦い 海老沼三郎 正延宏三 石踊宏 妻洋二
16 1月19日 ライオンの頭を越えろ 照井啓司 光延博愛 三沢伸 宇田八郎
17 1月26日 雨の中の決戦 城山昇 森脇真琴 高林久弥 金沢比呂司
18 2月2日 嵐の最終ホール 海老沼三郎 三沢伸 一川孝久
19 2月9日 チャンスだ燃えろ太陽 城山昇 高林久弥 奈須川充
20 2月16日 本番!研修会テスト 照井啓司 光延博愛 三沢伸 宇田八郎
21 2月23日 新人殺しの憎いワナ 城山昇 森脇真琴 高林久弥 金沢比呂司
22 3月2日 グリーン上の落とし穴 海老沼三郎 三沢伸 一川孝久
23 3月9日 怒りの必殺ドライバー 城山昇 高林久弥 金沢比呂司
24 3月16日 忍びよる恐怖の影 森脇真琴 三沢伸 奈須川充
25 3月23日 集中力で影を断て! 藤川茂 高林久弥 一川孝久
26 3月30日 最終ホールの試練 石踊宏 笠原彰
27 4月12日 初挑戦!…プロへの道 鈴木敏明 中村憲由 金沢比呂司
28 4月19日 秘伝舌出しショット 棚沢隆 三沢伸 一川孝久
29 4月26日 快進撃!?の第一打 高林久弥 鈴木信一
30 5月3日 最終ホールの賭け 森脇真琴 中村憲由 一川孝久
31 5月10日 待望のプロテスト 三沢伸 金沢比呂司
32 5月17日 ねじ曲げられたボール 依田聡 井上修 加藤興治
33 5月24日 涙のバンカーショット 生頼昭憲 高林久弥 一川孝久
34 5月31日 意外な真実 鈴木敏明 中村憲由 金沢比呂司
35 6月7日 荒れ模様の神経戦 生頼昭憲 三沢伸 鈴木信一
36 6月14日 なるか!決勝進出 森脇真琴 高林久弥 一川孝久
37 6月28日 強豪相手の決勝戦 鈴木敏明 井上修 加藤興治
38 7月12日 開始!攻撃ゴルフ 生頼昭憲 中村憲由 金沢比呂司
39 7月19日 グリーン上の勝負師 森脇真琴 三沢伸 一川孝久
40 8月2日 プロテスト最終日 高林久弥 鈴木信一
41 8月9日 激突!!バーディー合戦 生頼昭憲 中村憲由 金沢比呂司
42 8月16日 飛べ逆転必殺ショット 鈴木敏明 三沢伸 一川孝久
43 8月23日 プレッシャーの18番!! 福富博 高林久弥 金沢比呂司
44 9月6日 念願のプロ初出場 森脇真琴 中村憲由 一川孝久
45 9月13日 傷だらけのトップの座 生頼昭憲 藤川茂 金沢比呂司
46 9月20日 奇跡をよんだ追撃戦 三沢伸 一川孝久
47 9月27日 めざせ!プロ初優勝 高林久弥 金沢比呂司

放送局

放送日時はテレビ静岡と個別に出典が掲示されているものを除き、1985年9月中旬 - 10月上旬時点のものとする[9]

放送対象地域 放送局 系列 放送日時 備考
関東広域圏 フジテレビ フジテレビ系列 土曜 18:00 - 18:30 (1984年10月6日 - 1985年3月30日)
金曜 19:00 - 19:30 (1985年4月12日 - 1985年9月27日)
製作局
北海道 北海道文化放送 金曜 16:00 - 16:30
青森県 青森テレビ TBS系列 月曜 - 金曜 16:00 - 16:30[10] 1986年頃に放送。
岩手県 テレビ岩手 日本テレビ系列 日曜 9:00 - 9:30[11] 1987年頃に放送。
山形県 山形テレビ フジテレビ系列 日曜 6:30 - 7:00 現在はテレビ朝日系列
福島県 福島テレビ 日曜 9:00 - 9:30(1985年12月8日 - 1986年3月)
日曜 6:30 - 7:00(1986年4月 - 12月21日)[12]
山梨県 テレビ山梨 TBS系列 日曜 16:30 - 17:00[13]
新潟県 新潟総合テレビ フジテレビ系列 木曜 16:30 - 17:00 現・NST新潟総合テレビ。
長野県 長野放送 土曜 7:30 - 8:00
富山県 富山テレビ フジテレビ系列 日曜 8:30 - 9:00 1985年4月7日から1986年3月2日まで放送[14]
石川県 石川テレビ 水曜 17:05 - 17:32[15]
静岡県 テレビ静岡 土曜 18:00 - 18:30
岡山県 岡山放送 土曜 17:30 - 18:00
広島県 テレビ新広島 火曜 16:30 - 17:00 フジテレビでの放送終了後の1986年に再放送に準じた扱いで放送[16]
愛媛県 愛媛放送 土曜 7:30 - 8:00[17] 現・テレビ愛媛。1986年頃に放送。
高知県 テレビ高知 TBS系列 火曜 16:00 - 16:30
佐賀県 サガテレビ フジテレビ系列 日曜 11:00 - 11:30
沖縄県 沖縄テレビ 火曜 16:30 - 17:00

ゲーム

1991年カプコンからアーケードゲーム『あした天気になあれ』がリリースされた[18]

脚注

  1. ^ a b c d e 週刊少年マガジン編集部 編『少年マガジン・トリビア134 すべての漫画少年に捧げる』講談社、2008年、17頁。ISBN 978-4-06-375629-6 
  2. ^ 『ちばてつや-総特集 漫画家生活55周年記念号』河出書房新社〈KAWADE夢ムック〉、2011年、229頁。ISBN 978-4-309-97745-4 
  3. ^ a b c d 「巻頭ロングインタビュー ちばてつや 努力する大切さ、成長する喜び ジョーの読者は親子三代」『編集会議』 2004年1月号、宣伝会議、7-9頁。 
  4. ^ ちばてつや氏原案「新あした天気になあれ」ゴルフ雑誌「ALBA」で連載へ”. GOLF報知. 報知新聞社 (2018年4月25日). 2021年6月22日閲覧。
  5. ^ 根岸康雄、少年サンデー編集部 編『オレのまんが道1 まんが家インタビュー』小学館、1989年、40頁。ISBN 4-09-121844-X 
  6. ^ 『あした天気になあれ』が27年ぶりに復活”. ALBA (2018年4月26日). 2019年3月18日閲覧。
  7. ^ ちばてつやのゴルフマンガ「あした天気になあれ」の26年後描いた続編1巻”. コミックナタリー (2019年1月20日). 2019年3月18日閲覧。
  8. ^ a b c d アニメージュ編集部『TVアニメ25年史』徳間書店、1988年、150頁。 
  9. ^ 「全国縦断放映リスト」『アニメージュ』1985年10月号、徳間書店、123 - 125頁。 
  10. ^ 「テレビ局ネットワーク」『アニメディア』1986年9月号、学研、81頁。 
  11. ^ 「全国縦断放映リスト」『アニメージュ』1987年2月号、徳間書店、116頁。 
  12. ^ 『福島民報』1985年12月8日 - 1986年12月21日付朝刊、テレビ欄。
  13. ^ 「全国放映リスト」『アニメージュ』1985年5月号、徳間書店、124頁。 
  14. ^ 『北國新聞』1985年4月7日付 - 1986年3月2日付各朝刊テレビ欄より。
  15. ^ 『北國新聞』1985年9月25日付朝刊テレビ欄より。
  16. ^ 『山陽新聞』1986年11月11日(火曜日)、テレビ欄
  17. ^ 「テレビ局ネットワーク」『アニメディア』1986年9月号、学研、83頁。 
  18. ^ 【重要】弊社基板製品保守サービス業務終了のご案内|カプコンアーケード”. カプコン. 2015年7月27日閲覧。

外部リンク

フジテレビ 土曜18:00枠
前番組 番組名 次番組
ふしぎなコアラブリンキー
(1984年7月7日 - 1984年9月29日)
あした天気になあれ
(1984年10月6日 - 1985年3月30日)
FNNスーパータイム(土曜版)
(1985年4月6日 - 1997年3月29日)
フジテレビ 金曜19:00枠
小川宏のなんでもカンでも!
(1984年10月5日 - 1985年3月29日)
あした天気になあれ
(1985年4月12日 - 1985年9月27日)
本気でライバル
(1985年10月11日 - 1986年3月28日)