いなくなれ、群青

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いなくなれ、群青』 (いなくなれ、ぐんじょう)は、河野裕による日本小説「階段島」シリーズの第1作である。2014年平成26年)9月、新潮文庫nex新潮社)より刊行された。

いなくなれ、群青
著者 河野裕
イラスト 越島はぐ
発行日 2014年9月1日(文庫本)
発行元 新潮社
ジャンル 青春ミステリ
日本の旗 日本
言語 日本語
形態 文庫判
ページ数 318(文庫本)
次作 その白さえ嘘だとしても
公式サイト shinchobunko-nex.jp
コード ISBN 978-4-10-180004-2(文庫本)
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概要編集

本作は、「捨てられた」人間が行き着く謎の孤島「階段島」を舞台に展開される青春ミステリ小説「階段島」シリーズの第1作にあたり、主人公の男子高校生・七草と幼馴染の真辺由宇との有り得ない再会を契機に繰り広げられる物語の発端を描く。タイトルの『いなくなれ、群青』は、小説内の一節から採られている[1]書評家大森望は、学園ミステリに分類できなくもないが、むしろ「いまどき珍しいほどまっすぐな、胸に迫るラブストーリー」であると述べ、「ありえないほど純粋で一途な恋愛」を描く本作は、若い読者にとって忘れられない存在になるだろうと評している[2]

2015年(平成27年)5月、第8回大学読書人大賞を受賞した[3][4]2016年(平成28年)6月、宮崎翔太中山絵梨奈らの出演で演劇版『いなくなれ、群青』が上演された[5]2018年(平成30年)4月より、スクウェア・エニックスの漫画雑誌『月刊Gファンタジー』にて、『いなくなれ、群青 Fragile Light of Pistol Star』のタイトルで「階段島」シリーズ全体の漫画版(兎月あい作画)の連載が開始された[6][7]。2019年4月より、『月刊コンプエース』においても漫画版(京一作画)の連載が開始された。

あらすじ編集

11月19日午前6時42分、僕は彼女に再会した。誰よりも真っ直ぐで、正しく、凛々しい少女、真辺由宇。あるはずのない出会いは、安定していた僕の高校生活を一変させる。奇妙な島。連続落書き事件。そこに秘められた謎…。僕はどうして、ここにいるのか。彼女はなぜ、ここに来たのか。やがて明かされる真相は、僕らの青春に残酷な現実を突きつける。「階段島」シリーズ、開幕。

人口2千人の小さな島「階段島」、そこに住まうのは「捨てられた」人々。停滞した安定の中で、七草は穏やかに暮らしていた。しかし、どこまでもまっすぐな少女、真辺由宇との再会が、彼の日常を大きく変えて…?[8]

書誌編集

小説編集

本作は、新潮社より新潮文庫のサブレーベル「新潮文庫nex」として刊行された。書籍自体にはシリーズ名や巻数の表記は無い。表紙カバーには、英語タイトル「go away, ultramarine」が表記されている。文庫のための書下ろし作品である[9]。2013年12月のブロット段階での仮タイトルは「階段島ダストボックス」

漫画編集

スクウェア・エニックスの漫画雑誌『月刊Gファンタジー』にて兎月あいが作画担当した連載『いなくなれ、群青 Fragile Light of Pistol Star』については、「階段島」シリーズ#漫画 を参照。

KADOKAWAの漫画雑誌『月刊コンプエース』にて京一が作画担当した連載『いなくなれ、群青』は、2019年6月号から連載が開始[11]、同年10月号にて最終回を迎えた。

  • 原作:河野裕(新潮文庫nex刊)、キャラクター原案:越島はぐ、作画:京一『いなくなれ、群青』KADOKAWA〈角川コミックス・エース〉全1巻

兎月あい版(スクウェア・エニックス刊)が河野裕によって加えられたシナリオから複数の人物の視点を描かれたのに対し、京一版(KADOKAWA刊)は本編のみの作品で、それぞれ違った解釈で描かれた。

演劇編集

演劇版『いなくなれ、群青』は、劇団た組。の第9回公演として、東京都板橋区高島平にあるLIVESTAGE hodgepodgeにて上演された[12][13]。上演は2016年(平成28年)6月22日から同月26日までの5日間だった[12][13]。脚本・演出は、若手ながら既に数作の演出経験があった加藤拓也が担当した[14]。主役の七草役にはミュージカル忍たま乱太郎』や演劇『博士の愛した数式』で好演した宮崎翔太、ヒロインの真辺由宇役には今回が初舞台となる中山絵梨奈、女子高校生の堀役には森川彩香(元AKB48所属)、小学生の少年・相原大地役には八木ひなたぷちぱすぽ☆所属)らが起用された[14][15]

スタッフ編集

  • 企画・製作:劇団た組。、わをん企画
  • 脚本・演出:加藤拓也
  • 舞台監督:福井健介
  • 音響:臼井倶里
  • 照明:高橋文章
  • 制作:坂入翔威、差異等たかひ子(みけねこ企画)、山口敦子

演奏編集

  • 演奏:浅井麻衣

キャスト編集

映画編集

いなくなれ、群青
監督 柳明菜
脚本 高野水登
原作 河野裕『いなくなれ、群青』
製作 菅原大樹(企画 / プロデュース)
浦野大輔
製作総指揮 寺島ヨシキ
出演者 横浜流星
飯豊まりえ
矢作穂香
松岡広大
松本妃代
中村里帆
伊藤ゆみ
片山萌美
君沢ユウキ
岩井拳士朗
黒羽麻璃央
音楽 神前暁
主題歌 Salyu「僕らの出会った場所」
撮影 安藤広樹
編集 難波智佳子
制作会社 ノアド
製作会社 映画「いなくなれ、群青」製作委員会
配給 KADOKAWA
エイベックス・ピクチャーズ
公開 2019年9月6日
上映時間 105分[16]
製作国   日本
言語 日本語
興行収入 8000万円[17]
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2019年9月6日に実写映画版が公開された[18]。監督は柳明菜、主演は横浜流星[18]。キャッチコピーは「約束しよう。私たちは必ず、また出会うんだよ」。

撮影は主に静岡県賀茂郡南伊豆町で行われていた[19]

2020年9月13日 - 19日、全国劇場にて完成披露試写会の密着特別映像付き上映を実施していた[20]

2020年3月20日にBlu-rayとDVDリリース。

キャスト(映画)編集

スタッフ(映画)編集

受賞歴編集

Blu-ray・DVD編集

  • 豪華版 Blu-ray・DVD(EYXF-12841/B/C ・ EYBF-12838/9/B)
    • デジパック、スリーブケース、ブックレット
    • 特典DVD:メイキング&オフショット、完成披露試写会、期間限定上映された完成披露試写会の密着特別映像、初日舞台挨拶、大ヒット御礼舞台挨拶
    • 特典CD:オリジナル サウンドトラック
  • 通常版 DVD(EYBF-12840)

イベント編集

  • 2019年8月12日 完成披露試写会(新宿バルト9)[27][28]
    • 横浜流星、飯豊まりえ、黒羽麻璃央、矢作穂香、松岡広大、松本妃代、中村里帆、神前暁、柳明菜監督
  • 2019年9月3日 完成披露試写会(秋葉原UDXシアター)[29][30]
    • 柳明菜監督、菅原大樹プロデューサー
  • 2019年9月5日 AbemaTV 映画公開前日特番~横浜流星らが渋谷で公開生放送~(UDAGAWA BASE[31][32]
    • 横浜流星、松岡広大、中村里帆、柳明菜監督
  • 2019年9月6日 初日舞台挨拶(新宿バルト9)[33][34] ※全国劇場73館でライブビューイング実施
    • 横浜流星、飯豊まりえ、矢作穂香、松岡広大、松本妃代、中村里帆、柳明菜監督
  • 2019年9月7日 公開記念トークイベント(渋谷HUMAXシネマ)[35]
    • 黒羽麻璃央、柳明菜監督、菅原大樹プロデューサー
  • 2019年9月8日 公開記念トークイベント(渋谷HUMAXシネマ)[36]
    • 矢作穂香、松本妃代、中村里帆、柳明菜監督、菅原大樹プロデューサー
  • 2019年9月12日 大ヒット御礼舞台挨拶(新宿バルト9)[37][38]
    • 横浜流星、松岡広大、柳明菜監督、菅原大樹プロデューサー
  • 2019年9月12日 公開記念トークイベント(渋谷HUMAXシネマ)[39]
    • 松岡広大、君沢ユウキ、柳明菜監督、菅原大樹プロデューサー
  • 2019年9月15日 大ヒット御礼舞台挨拶(新宿バルト9)[40]
    • 飯豊まりえ、松岡広大、柳明菜監督、菅原大樹プロデューサー
  • 2019年10月14日 上映終了後トークショー(アップリンク渋谷)[41]
    • 柳明菜監督、菅原大樹プロデューサー
  • 2019年11月2日 トークイベント(宮崎キネマ館)[42]
    • 柳明菜監督
  • 2019年12月27日 - 29日 見逃した映画特集2019 上映後トークショー(アップリンク渋谷)[43]
    • 柳明菜監督、菅原大樹プロデューサー、柳ひろみ

脚注編集

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注釈編集

  1. ^ 愛唄 -約束のナクヒト-』『チア男子!!』とあわせて受賞。

出典編集

  1. ^ 河野裕 『いなくなれ、群青』 新潮社新潮文庫nex〉、2014年、p.301.
  2. ^ 大森望ありえないほど純粋なラブストーリー(大森望) -河野裕『いなくなれ、群青』-新潮文庫nex公式サイト新潮社)、2015年2月12日付、2018年4月17日閲覧.
  3. ^ 「2015大学読書人大賞」が決定!大学読書人大賞公式サイト出版文化産業振興財団)、2015年5月10日付、2018年4月17日閲覧.
  4. ^ 「2015大学読書人大賞」に河野裕氏『いなくなれ、群青』新文化 2015年5月11日付、2018年4月17日閲覧.
  5. ^ -劇団た組。第9回目公演- 『いなくなれ、群青』舞台化新潮文庫nex公式サイト新潮社)、2016年6月9日付、2018年4月17日閲覧.
  6. ^ 『いなくなれ、群青』コミカライズ決定新潮文庫nex公式サイト新潮社)、2018年2月28日付、2018年4月17日閲覧.
  7. ^ 河野裕原作・シナリオ、越島はぐキャラクター原案、兎月あい作画 「いなくなれ、群青 Fragile Light of Pistol Star」 『月刊Gファンタジー』2018年5月号 スクウェア・エニックス、2018年4月18日発売、巻頭カラー.
  8. ^ いなくなれ、群青” (日本語). 出版書誌データベース (2019年8月30日). 2020年11月23日閲覧。
  9. ^ 河野裕 『いなくなれ、群青』 新潮社新潮文庫nex〉、2014年、p.319.
  10. ^ 作品詳細 -いなくなれ、群青-」 新潮文庫nex公式サイト、2018年4月17日閲覧.
  11. ^ 実写映画化の「いなくなれ、群青」など、コンプエースで4本の新連載が一挙開始”. コミックナタリー (2019年4月26日). 2019年10月4日閲覧。
  12. ^ a b 第9回目公演『いなくなれ、群青』(新潮文庫刊)劇団た組。公式サイト、2016年3月6日付、2018年4月17日閲覧.
  13. ^ a b 森川彩香(元AKB48)・八木ひなた(ぷちぱすぽ☆)ら出演、舞台『いなくなれ、群青』のキービジュアル解禁music.jpニュース 2016年4月21日付、2018年4月17日閲覧.
  14. ^ a b ぷちぱすぽ・八木ひなた、元AKB48・森川彩香、中山絵梨奈、宮崎翔太ら出演で『いなくなれ、群青』舞台化music.jpニュース 2016年3月6日付、2018年4月17日閲覧.
  15. ^ 坂入翔威 「森川彩香・八木ひなたらで舞台『いなくなれ、群青』座談会「甘噛みはセーフ」「馬鹿で漢字が読めなくて」music.jpニュース 2016年5月27日付、2018年4月17日閲覧.
  16. ^ いなくなれ、群青:作品情報”. 映画.com. 2019年7月29日閲覧。
  17. ^ 『キネマ旬報』2020年3月下旬特別号 59頁。
  18. ^ a b c “横浜流星×飯豊まりえで青春ミステリー!「いなくなれ、群青」実写映画化”. シネマカフェ (イード). (2019年3月22日). https://www.cinemacafe.net/article/2019/03/22/60822.html 2019年4月15日閲覧。 
  19. ^ 「すべての人の中に起こりうる物語です」。南伊豆がロケ地となった映画『いなくなれ、群青』公開記念。柳明菜監督にインタビュー【前編】”. 南伊豆新聞. 2021年8月1日閲覧。
  20. ^ 横浜流星や飯豊まりえに密着、「いなくなれ、群青」特別映像付き上映が決定(動画あり)”. 映画ナタリー. 2021年8月1日閲覧。
  21. ^ “矢作穂香:横浜流星に問いかける「どうしていつも…」 映画「いなくなれ、群青」新映像が公開”. MANTANWEB (MANTAN). (2019年7月24日). https://mantan-web.jp/article/20190724dog00m200023000c.html 2019年7月29日閲覧。 
  22. ^ “横浜流星×飯豊まりえ『いなくなれ、群青』松岡広大のキャラクター特報公開”. CINRA.NET (株式会社シンラ). (2019年7月25日). https://www.cinra.net/news/20190725-inakunaregunjo 2019年7月29日閲覧。 
  23. ^ “松本妃代“クラス委員長”役に『毎日刺激をもらえました』横浜流星主演「いなくなれ、群青」新映像解禁!”. ザテレビジョン (KADOKAWA). (2019年7月26日). https://thetv.jp/news/detail/199039/ 2019年7月29日閲覧。 
  24. ^ “中村里帆:“Ray専属モデル”がバイオリンを演奏 横浜流星主演映画の新映像公開”. まんたんウェブ (MANTAN). (2019年7月27日). https://mantan-web.jp/article/20190727dog00m200006000c.html 2019年7月29日閲覧。 
  25. ^ “横浜流星主演「いなくなれ、群青」新映像、黒羽麻璃央扮する高校生が登場”. 映画ナタリー (ナターシャ). (2019年7月28日). https://natalie.mu/eiga/news/341449 2019年7月29日閲覧。 
  26. ^ “横浜流星、日本アカデミー賞の新人俳優賞を受賞!”. シネマトゥデイ. (2020年3月6日). https://www.cinematoday.jp/news/N0114543 2020年3月6日閲覧。 
  27. ^ 【全文掲載】横浜流星、飯豊まりえと体験した神秘的な出来事とは?「雲が無くなって…」”. ムビッチ (2019年8月13日). 2021年8月3日閲覧。
  28. ^ 横浜流星は“悲観主義者”?「感情を抑え込むタイプ」と告白 「いなくなれ、群青」試写会”. WEBザテレビジョン. 2021年8月12日閲覧。
  29. ^ 【レポート】『いなくなれ、群青』横浜流星キャスティングの理由など、これまで語られることのなかった製作の裏側を大公開!”. www.anemo.co.jp (2019年9月5日). 2021年8月12日閲覧。
  30. ^ プロデューサーが明かす、横浜流星の起用理由<いなくなれ、群青>” (日本語). WEBザテレビジョン. 2021年8月12日閲覧。
  31. ^ 横浜流星、映画『いなくなれ、群青』公開前日特番で撮影秘話を告白「気持ちの整理がつかなくて…」”. WEBザテレビジョン. 2021年8月3日閲覧。
  32. ^ (日本語) 映画 『いなくなれ、群青』公開前日特番〜横浜流星らが渋谷で緊急公開生放送〜 | 新しい未来のテレビ | ABEMA, https://abema.tv/channels/abema-special/slots/Dr8d83aSHVS6Nb 2021年8月12日閲覧。 
  33. ^ 【全文掲載】横浜流星、自身の過去を告白し「自分を受け入れて肯定して、自分を好きになってほしい」”. ムビッチ (2019年9月10日). 2021年8月3日閲覧。
  34. ^ 横浜流星、“やんちゃ”だった中高生時代を回想「あの頃の自分、すごく輝いてた」”. WEBザテレビジョン. 2021年8月12日閲覧。
  35. ^ 黒羽麻璃央“美しすぎる黒羽”が生まれたシーンの裏側を暴露!!『いなくなれ、群青』公開記念トークイベント”. cinema.co.jp. 2021年8月12日閲覧。
  36. ^ 【レポート】映画『いなくなれ、群青』矢作穂香、松本妃代、中村里帆大盛況の女子トーク!”. www.anemo.co.jp (2019年9月9日). 2021年8月12日閲覧。
  37. ^ 【イベントレポート】横浜流星が23歳の抱負述べる「1段ずつ上りたい」、松岡広大は手握られ照れる”. 映画ナタリー. 2021年8月3日閲覧。
  38. ^ 横浜流星、誕生日サプライズに感謝!23歳の抱負は「階段を一歩ずつ」”. シネマトゥデイ. 2021年8月12日閲覧。
  39. ^ 公開記念!9/12トークイベント、松岡広大、君沢ユウキ、柳明菜監督、菅原プロデューサーがゲスト登壇”. 公式ブログ. 2021年8月12日閲覧。
  40. ^ 【レポート】『いなくなれ、群青』飯豊まりえ、仲良し同級生・松岡広大と登壇の舞台挨拶で明かされざるラストシーンを語る!”. www.anemo.co.jp (2019年9月18日). 2021年8月12日閲覧。
  41. ^ UP LINK渋谷にてトークイベント開催”. 公式Twitter. 2021年8月12日閲覧。
  42. ^ 11月2日(土)14:10の回は柳明菜監督のトークイベントを行います”. 公式Twitter. 2021年8月12日閲覧。
  43. ^ 「見逃した映画特集2019」にて12/27,28,29『いなくなれ、群青』上映決定&柳明菜監督トークイベント連日開催”. 公式Twitter. 2021年8月12日閲覧。

外部リンク編集