うどんこ病
うどんこ病(うどんこびょう)は子嚢菌のウドンコカビ科の純活物寄生菌による植物病害の総称。ブドウ、麦類(コムギ、オオムギ)、野菜などの重要な病害である。
概要 編集
葉や茎がうどん粉をかけたように白くなる症状で、他の病害と容易に区別できる。一箇所から始まり、広がるとともに分生子(無性胞子)を形成して離れた所にも感染する。冬になると有性生殖を行って黒い粒状での子実体(子嚢殻)を形成し、この形態で越冬するが、温暖地では有性生殖が起こりにくい傾向がある。後に子嚢殻の内部には子嚢と子嚢胞子を作る。子嚢殻の表面には、複雑な形の付属糸が生えており、これが分類の基準となる。
うどんこ病菌の分生子は他の糸状菌よりも豊富に水分を含み、しかも吸湿性が良いため乾燥条件でも発芽できる。他の糸状菌と同様に高湿度下でよく増殖する。しかし分生子は過剰に水を含むと膨張し、原形質膜が破れて死ぬ事があり、発芽率が低下する[1]。
英名 編集
英語ではPowdery mildewと呼ばれる。単にMildewというと、べと病(Downy mildew)なども含めた呼び名であり、また一般のカビを指すこともある。
種類 編集
原因菌は ウドンコカビ科 (Erysiphaceae) に属する子嚢菌(一部は有性生殖が確認されていないために不完全菌に分類される)で、その種類は植物種によって異なる。たとえば
予防・防除 編集
脚注 編集
- ^ 「2. 胞子発芽時の形態と生理」 『日本植物病理学会報』 1964年 29巻 4号 p.214-218, doi:10.3186/jjphytopath.29.214, , 日本植物病理学会
外部リンク 編集
- うどんこ病 住友化学園芸