かね里見弴による中編小説。内容は谷口他吉が父の遺言を受けて金の持ち逃げを繰り返す一代記である。

解説編集

1937年、雑誌「改造」に「金」のタイトルで発表された。その後、1937年に短編小説第十一集「アマカラ世界」にも『金』のタイトルで収録。どちらにも志賀直哉に対する献辞が付け加えられていた。その後、1948年に単行本「かね」に収録される際タイトルが『かね』に変更され、献辞も外された。

モデル人物編集

・谷口他吉 『里見弴全集 第七巻』の「あとがき」において、「永年有島生馬家で、忠僕と噂されながら勤めてゐた爺やが、銀行へ預け入れの、さう大した額でもない金を持つて出たまゝ永遠に消息を絶つてしまつた。」とあり、作者自ら「空想」としながらも実在した爺やがモデルになっている。 また、他吉の出生地のMは松山だとされている。 [1]

・小西了貞 絵かきであり米子の日蓮宗の寺の僧である小西了貞のモデルは、米子市岩倉町凉善寺の僧であった遠藤了敬だと述べている。さらに植田のモデルはないとしている。 [2]

脚注編集

  1. ^ 里見弴里見弴全集 第七巻筑摩書房、1978年、「あとがき」より
  2. ^ 里見弴唇さむしー文学と芸について 里見弴対談集かまくら春秋社、1983年、「弴さん作品を語る」より