こども音楽コンクール
こども音楽コンクール(こどもおんがくコンクール)は、TBSラジオなどJRN系列各局及びJNN(TBS)系列局のテレビユー福島が主催して行われる小学生・中学生対象の合唱・合奏のコンテストである。ヤマザキパンの協賛。
概要編集
毎年夏休み〜翌年1月にかけて行われており、小学校、中学校のコーラス部、合奏部、鼓笛隊(ブラスバンド部、吹奏楽部)、マンドリン・ギター合奏(マンドリン部)、リコーダー合奏(リコーダー部)、そのほか各種器楽(アコーディオンなど)、またクラスや学年単位で参加することも可能となっている。
同一学校からの参加は1つの部門につき1チームに限定する地域と2チームまでの地域があるが、同一楽曲による重複参加、同一グループによる複数楽曲の演奏は認めない。また地域によっては合奏の部第1、第2の両部門への重複出場が出来ない場合もある。
まずテープによる予備審査を各都道府県単位で実施し、その上位校が都道府県コンクール、地方ブロックコンクール(地区優秀校演奏発表会 次項に示す全国7ブロック)を経て、1月にTBSで行われる全国コンクール(文部科学大臣賞選考会)で次々項に示す各部門の最優秀校(文部科学大臣賞)を決定する。最優秀校は2月下旬、ないしは3月初旬に東京オペラシティで記念演奏会(表彰式兼ねる)に出演し、その模様はJRN系列に向けて「こども音楽コンクールスペシャル」と銘打って1時間の特別番組で、またTBSテレビでも30分のダイジェスト版として紹介されるほか、2010年から数年間は当時TBS HDが運営していたクラシック専門のインターネットラジオOTTAVAにおいて、不定期で参加した全国の小中学校の楽曲の演奏を配信していたこともある。
このコンクールは1953年にTBSの前身のラジオ東京が『ホーム子供コンクール』の名称で開始し、翌年『ラジオこどもコンクール』に改称した[1]。1954年には毎日放送の前身の新日本放送が近畿2府4県の小・中学校を対象に『NJBこども音楽会』が開始した[2]。1956年3月には両者が統合した東西大会が開催され、同年5月に『こども音楽コンクール』に改称した[3]。その後、1966年に中部日本放送(現・CBCラジオ)が東海・北陸地方を対象としたコンクールを開始したほか[4]、毎日放送の呼びかけに応じて山陽放送(現・RSK山陽放送)やRKB毎日放送など西日本の民放各社が参加するようになるなど、全国的なコンクールになっていった[2]。なお、テープ審査を導入するまでは、自治体単位で予選会(地方大会)を開催。その模様を収録した音源を編集したうえで放送していた。
審査対象地域編集
- 北海道(北海道放送)
- 東北(東北放送、青森放送、IBC岩手放送、テレビユー福島)
- 東日本A(関東・山梨県 - TBSラジオ)
- 東日本B(信越・静岡県 - TBSラジオ、信越放送)
- 中部日本(東海〔静岡県除く〕・北陸 - CBCラジオ)
- 西日本A(近畿・徳島県 - 毎日放送[5])
- 西日本B(中国・四国〔徳島県除く〕・九州 - 南海放送、RKB毎日放送) - 参加へのEメールでの申し込みはTBSラジオが担当。
- 南海放送はテレビ部門が日本テレビ系列(NNN/NNS)のラテ兼営局、テレビユー福島はTBS系列(JNN)のテレビ単営局で、その他の参加局はTBS系列(JNN/JRN)のラテ兼営、または兼営からラジオ部門を分社した局である(TBS R・CBC・RKB以外はNRNにも加盟)[6]。
- JRN系列局が2局以上存在する関西地区[7] については、前述の歴史的経緯から毎日放送が参加している。
- 過去に地区大会主催局として秋田放送・山形放送(東北)、新潟放送・静岡放送(東日本B)、北陸放送・北日本放送・福井放送(中部日本)、中国放送・山陰放送(西日本B)があったが現在は撤退している。また福島県における主催は東北放送が担当(協力:ラジオ福島、後援:テレビユー福島)していたが、1991年度より東北放送とテレビユー福島の共催(制作は東北放送)となる。
審査部門編集
- 重唱の部(指揮者なし。1パート1名で4人まで 演奏制限時間4分以内)
- 合唱の部(1パート2名以上なら人数制限なし 5分以内)
- 重奏の部(指揮者なし。1パート1名で6人まで。但し独奏、ピアノ連弾は対象外 4分以内)
- 合奏の部第1部門(弦楽、器楽、和楽器・打楽器・電子楽器等の合奏は35人以内、または1クラス単位、リコーダー、ギター・マンドリン合奏は人数制限なし 7分以内)
- 合奏の部第2部門(弦楽、器楽、和楽器・打楽器・電子楽器等の合奏は36人以上、管弦楽は人数制限なし 7分以内)
- 管楽合奏の部 (吹奏楽、金管合奏、木管合奏、トランペット鼓笛隊、ドリル演奏など。シンセサイザー、エレキベースなどは補助的な効果音や部分的な使用についてのみ認める 7分以内)
- 2020年度には、日本国内で新型コロナウイルスへの感染が拡大していることを踏まえて、Zoom (アプリケーション)を活用しながら優秀校発表音楽会をオンライン上で開催した。
ラジオ番組・こども音楽コンクール放送局編集
TBSラジオ編集
放送時間編集
- 日曜日6:10 - 6:40(2002年10月より『プレシャスサンデー』シリーズに内包)
パーソナリティ編集
- 1953年 - 1977年(複数パーソナリティ制)
- 斉藤昌子(1953年頃 - 1958年頃、TBS版初代司会者)
- 中島みち(1953年頃 - 1958年頃、TBS版初代司会者)
- 和田京子(1958年頃 - 1961年頃)
- 吉村光夫(1958年頃)
- 原田淑枝(1958年頃 - 1964年頃)
- 山本文郎(1959年頃 - 1977年頃)
- 二村義子(1964年頃 - 1969年頃)
- 郷司淑子(1969年頃 - 1972年頃)
- 菅原牧子(1969年頃 - 1972年頃)
- 竹内道子(1975年頃 - 1976年頃)
- 1977年以降(1人制)
- 石尾和子(1976年頃 - 1978年頃、山本文郎降板後は1人で番組進行した模様)
- 吉川美代子(1978年頃 - 1981年頃)
- 西田有里(1981年頃 - 1984年頃)
- 佐藤真紀(1984年頃 - 1986年頃)
- 鎌倉みどり(1986年頃 - 1988年)
- 佐藤千春(1989年~1990年)
- 佐古千春(1991年 - 1995年頃)
- 畑杏子(1995年頃 - 1996年9月)
- 広重玲子・木村郁美(1996年10月 - 1997年6月、交代制)
- 小倉弘子(1997年7月 - 1998年9月)
- 外山惠理(1998年10月 - 2000年3月)
- 海保知里(2000年4月 - 2001年3月)
- 久保田智子(2001年4月 - 2002年3月)
- 外山惠理(2002年4月 - 2003年3月)
- 山田愛里(2003年4月 - 2007年3月)
- 水野真裕美(2007年4月)
- 山田愛里(2007年5月頃 - 2008年3月、これ以後は「プレシャスサンデー」パーソナリティーが兼務)
- 新井麻希(2008年4月 - 2010年10月)
- 久保田智子(2010年10月 - 2011年10月)
- 岡村仁美(2011年10月 - 2012年9月)
- 吉田明世(2012年10月 - 2013年3月)
- 林みなほ(2013年4月 - 2015年3月)
- 笹川友里(2015年4月 - 2019年3月)
- 山形純菜(2019年4月 - )
- 参考資料
- 『かがやく瞳たち、そして音楽・TBS「こども音楽コンクール」50周年記念』TBSラジオ&コミュニケーションズ、2003年発行
- TBSラジオの1997年10月以降の番組表、TBSラジオ広報誌「954press」
IBC岩手放送編集
- 放送時間
- 土曜日 18:30 - 19:00(2019年度下半期)
- 岩手大会を北日本銀行が協賛している関係で、『北日本銀行プレゼンツ IBCこども音楽コンクール』として年度下半期(10月 - 翌年3月)限定で放送。岩手大会での受賞校に加えて、岩手以外の県から東北大会に進出した学校や、全国大会での受賞校の合唱・合奏の音源も流す。
東北放送編集
- 放送時間
- 日曜日 7:20 - 7:40(放送上のタイトルは『TBCこども音楽コンクール』)
- パーソナリティ
信越放送編集
- 放送時間
- 土曜日 8:20 - 8:30および日曜日 8:30 - 8:40 → 土・日曜日7:50 - 8:00
- 長野県内の地区大会(長野大会・上田大会・伊那大会)をかんてんぱぱが協賛している関係で、『かんてんぱぱ SBCこども音楽コンクール』として放送。
CBCラジオ編集
- 放送時間
- 日曜日 12:10 - 12:20(放送上のタイトルは『CBCこども音楽コンクール』)
- おやつカンパニーの単独提供番組として放送
毎日放送編集
- 放送時間
- 日曜日9:30 - 10:00 → 日曜日8:05 - 8:35 → 土曜日 6:30 - 7:00 → 日曜日 6:30 - 7:00 → 日曜日 5:00 - 5:30 → 土曜日17:45 - 17:59(2020年4月4日 - )
- 土曜日の早朝放送時代から日曜日(6時台後半時代)の初期までは、日本楽器製造(現在のヤマハ)が単独で提供。その後はノンスポンサー扱いで、2020年3月29日まで『MBSこども音楽コンクール』として放送されていた。
- 放送枠を土曜日の夕方へ移動した2020年4月改編から、放送対象地域の大阪府八尾市に本社を置く デンタルプロ(デンタルケア用品や口腔衛生品を「DENTALPRO」というブランドで販売する株式会社)が単独で協賛するようになったため、放送上の番組タイトルを『DENTALPROミュージックスペシャル MBSこども音楽コンクール』に変更。発表会での演奏・合唱音源にとどまらず、「サタデークラシック」と称して、プロのオーケストラがクラシック音楽の著名な楽曲を演奏した音源の一部も随時放送している。
- 2021年3月27日放送分までは毎日放送のラジオ放送部門(ラジオ局)で制作しているが、この部門とラジオ放送免許を同年4月1日付で「株式会社MBSラジオ」が承継することに伴って、4月3日放送分からは「株式会社MBSラジオ」が制作と放送を担当する。
- パーソナリティ
- 坂本登志子(初代)→吉田智子→高梨欣也→野村啓司→青木和雄→伊東正治→結城哲郎→増田一樹→鎌田正明→茂木栗子(もぎ りつこ:T・T・B所属の契約アナウンサー)→鶴本康彦→鈴江香→千葉猛→西靖→小野陶子→松本麻衣子→前田阿希子→鈴木健太→福本晋悟(担当期間は8年で歴代最長)→野嶋紗己子(2020年4月 - )
OTTAVA編集
- 放送時間
- 不定期の土・日曜日 22:00 - 24:00(2011年度)
備考編集
- 北海道地区と西日本B地区では、当該地区の大会を主催するラジオ局(北海道放送・南海放送・RKB毎日放送)が、地区大会のダイジェスト番組をレギュラーで編成していない。ただし、南海放送では『モーニングディライト ブリーズ』(自社制作の生ワイド番組)内で、西日本B地区受賞校の演奏音源を放送している。
- TBSテレビでは1987年の終夜放送開始まで、放送開始前のテストパターンにてこども音楽コンクール出場校の演奏を流していたことがある(曲紹介はTBSの女性アナウンサーが担当していた)。
関連項目編集
- NHK全国学校音楽コンクール(NHKが主催する同種のコンクール)
脚注編集
- ^ 東京放送(編集) 『TBS50年史』、2002年、63-64頁。
- ^ a b 毎日放送40年史編纂室(編集) 『毎日放送の40年』 毎日放送、1991年、70頁。
- ^ 東京放送(編集) 『TBS50年史』、2002年、64頁。
- ^ 中部日本放送 『中部日本放送50年のあゆみ』、2000年、134頁。
- ^ ラジオ放送事業の分社化(株式会社MBSラジオへの事業承継)によって2021年4月1日付でテレビ単営局へ移行することに伴って、2021年度から主催社を株式会社MBSラジオに変更。
- ^ 1975年3月31日の朝日放送とのネットチェンジまで、毎日放送のテレビ部門はテレビ朝日(当時はNET=日本教育テレビ)系列(ANN)に加盟していた。
- ^ 毎日放送の他には、朝日放送(テレビ部門はANNに加盟)と和歌山県域局の和歌山放送(ラジオ単営)の2局がJRNに加盟している。特に朝日放送は、1975年の毎日放送とのネットチェンジまでテレビ部門もJNNに加盟していた。また、TBSラジオはNRN単独局のKBS京都/滋賀(テレビ部門は独立局)・ラジオ大阪や独立局のラジオ関西とも若干の番組取引関係がある。
外部リンク編集
- TBSラジオ・こども音楽コンクール(トップページから各ネット局のコンクールページにアクセスすることも出来る)