これが青春だ(これがせいしゅんだ)は、東宝制作、テアトル・プロ共同制作によって1966年11月20日から1967年10月22日にかけて日本テレビ系で放送された竜雷太主演の学園ドラマ。「青春とはなんだ」に次ぐ、東宝青春学園シリーズの第2弾作品である。

内容 編集

本作の主人公である大岩雷太は、乗っていたヨットが転覆した所を漁師の青年・彰に助けられたのち、田舎町・南海市にやってくる。ロンドンでの留学経験を活かして南海高校の英語教師に就任、劣等生ばかりのクラス・D組の担任を務める。そしてサッカーを通じて生徒たちに人間教育を説き、心と心のふれあいを図っていく。

当初、本作においても前作『青春とはなんだ』の夏木陽介の主演で企画が進められていた。夏木本人もこれに乗り気だったとのことだったが、クランクイン1か月前になって夏木が木下恵介から主演に指名されて木下監督作品の東宝映画『なつかしき笛や太鼓』に急遽出演することになり(当時はまだテレビ界は映画界より一段低い扱いで、テレビより映画を優先するような風潮があった)[1]、軌道修正を余儀なくされた結果、当時無名の新人だった竜雷太(役名の大岩雷太にちなんで芸名が付けられた)が起用された。結果的にこれが成功を収め、竜は後継番組『でっかい青春』でも引き続き主演を務める事となる。半ば偶然の産物として生まれた「新人をドラマと共に育てる」というこの手法は同じ岡田晋吉プロデューサーが手掛けた刑事ドラマ太陽にほえろ!』や、村野武範の出世作となった『飛び出せ!青春』、さらに中村雅俊の出世作となった『われら青春!』などにおいても受け継がれている。

放送データ 編集

出演者 編集

スタッフ 編集

主題歌・挿入歌 編集

  • 「これが青春だ」 (1966年12月10日発売、キングレコード BS-567)歌:布施明 作詞:岩谷時子 作・編曲:いずみたく
2003年のテレビドラマ『ビギナー』では、北村総一朗の出演場面に流れる。
1991年にサンプラザ中野(後のサンプラザ中野くん)とパッパラー河合によるユニット「The 花びら」によってカバーされ、エースコック「スーパーカップ」のCMソングに起用された。
  • 「貴様と俺」(1966年12月10日発売、キングレコード BS-567)歌:布施明 作詞:岩谷時子 作・編曲:いずみたく
  • 「あの娘と暮らしたい」 歌:竜雷太 作詞:岩谷時子 作・編曲:いずみたく
  • LPアルバム『これが青春だ』 (1966年12月、キングレコード SKK-355)
布施明、竜雷太、岡田可愛、松本めぐみ、矢野間啓治らの歌う主題歌、挿入歌など10曲(インストゥルメンタル2曲を含む)が収録されている。このアルバム収録曲全曲が、2007年12月25日発売のCD『これが青春だ~青春ドラマテーマソング大全』(キングレコード KICS1351)に収録されている。

サブタイトル 編集

放映日 各話 サブタイトル 脚本 監督 ゲスト
1966年11月20日 第1話 海から来た男 須崎勝彌 高瀬昌弘 田中明夫
大辻伺郎
北村総一郎
1966年11月27日 第2話 僕も私も劣等生 須崎勝彌 高瀬昌弘
1966年12月4日 第3話 明日への序奏 須崎勝彌 高瀬昌弘 西条康彦
堀越節子
1966年12月11日 第4話 サッカー部誕生 須崎勝弥 松森健 寺島信子
1966年12月18日 第5話 君が必要だ! 倉本聡 松森健  田中春男
1966年12月25日 第6話 どろんこ勇者 倉本聡 高瀬昌弘 蟹江敬三
山本紀彦
1967年1月1日 第7話 赤ちゃん騒動 井手俊郎 高瀬昌弘 五月女マリ
三谷昇
沢村いき雄
東京太
東京二
有島一郎
1967年1月8日 第8話 18人の新主将 須崎勝弥 松森健 柳谷寛
1967年1月15日 第9話 ラブレター旋風 須崎勝弥 高瀬昌弘 楠田薫
中村是好
1967年1月22日 第10話 あゝ友情 須崎勝彌 高瀬昌弘 田中春男
1967年1月29日 第11話 男性飼育法 井手俊郎 小松幹雄 岩井良介
平井道子
小林幸子
野々浩介
佐田豊
1967年2月5日 第12話 ホラ吹き大将故郷に帰る 倉本聡 高瀬昌弘 西沢利明
北あけみ
1967年2月12日 第13話 勝利に近道はない 桜井康裕 高瀬昌弘
1967年2月19日 第14話 とんだ拾い物 井手俊郎 竹林進
1967年2月26日 第15話 試験騎士道 桜井康裕
浅野正雄
竹林進
1967年3月5日 第16話 ぽんこつ拳法 須崎勝彌 高瀬昌弘 加東大介
1967年3月12日 第17話 くたばれ進学コース!! 田波靖男 高瀬昌弘 林隆三
1967年3月19日 第18話 さらば故郷 須崎勝弥 竹林進 有川博
1967年3月26日 第19話 明日の星 桜井康裕 竹林進 北川めぐみ
見明凡太朗
1967年4月2日 第20話 誇り高き対決 須崎勝弥 高瀬昌弘 高田直久
1967年4月9日 第21話 初恋よこんにちは 井手俊郎 高瀬昌弘 永井譲滋
1967年4月16日 第22話 後輩に脱帽! 倉本聡 小松幹雄 中沢治夫
伊藤久哉
1967年4月30日 第23話 その右手を出せ 上條逸雄 小松幹雄
1967年5月7日 第24話 縁の下の力持ち 桜井康裕 高瀬昌弘 藤田みどり
1967年5月14日 第25話 落語息子 井手俊郎 高瀬昌弘 那須ますみ
1967年5月28日 第26話 走れ!キャップテン 上條逸雄 小松幹雄 瀬能礼子
柳谷寛
1967年6月11日 第27話 カミナリ先生音無しの構え 桜井康裕 小松幹雄 松本染升
木田三千雄
宝生あや子
1967年6月25日 第28話 サッカーばあちゃん 井手俊郎 高瀬昌弘 堺駿二
島田多恵子
内田朝雄
1967年7月2日 第29話 おかしな十七才 上條逸雄 高瀬昌弘 高橋厚子
寺島信子
福島純子
1967年7月9日 第30話 美人投票 須崎勝彌 小松幹雄 児玉清
柳生博
藤原釜足
1967年7月30日 第31話 メリーさんがやってきた 倉本聡 小松幹雄 北村総一郎
リンダ・ハーディスディ
西条康彦
1967年8月6日 第32話 只今特訓中 桜井康裕 児玉進 関みどり
1967年8月27日 第33話 紅い霧黒い霧 須崎勝彌 高瀬昌弘
1967年9月10日 第34話 これがケチだ 上條逸雄 高瀬昌弘 藤田進
1967年9月24日 第35話 淑女落第生 桜井康裕 児玉進
1967年10月1日 第36話 須崎勝彌 児玉進
1967年10月8日 第37話 一触即発 井手俊郎 土屋統吾郎
1967年10月15日 第38話 全校突撃せよ 須崎勝彌 高瀬昌弘 浦辺粂子
1967年10月22日 第39話 青春号出帆 須崎勝彌 高瀬昌弘 音無美紀子

書籍 編集

  • 須崎勝彌著『これが青春だ 正編』(ルック社、昭和42年5月25日)のち第1巻
  • 須崎勝彌著『続これが青春だ』(ルック社、昭和42年10月14日)のち第2巻
  • 須崎勝彌著『これが青春だ 完結編』(ルック社 昭和42年11月14日初版)のち第3巻
須崎勝彌著となっているがメインライターとして脚本家代表としての表記である。実際は、各話のシナリオを基にした小説化(湯沢司、佐々木宏)であり、須崎の他に田波、桜井、倉本、井手、上條らもクレジットされている。なお、正編の巻末に学生出演者のコメントが掲載されている。のちに第1巻から第3巻表記の新装版として刊行されたが、一部の章が削除された。

メディア 編集

  • これが青春だミュージックファイル(1993年8月1日、vap発売 VPCD-81012)
思い出の青春ドラマ音楽全集CDとしてドラマのBGM等74曲(音楽:いずみたく)を収録しており、ビデオ化されていないこのドラマを音で再現している。

ロケ地 編集

  • 下田市・須崎、爪木崎、大浜海岸、東京都立町田高校

関連項目 編集

参考文献 編集

  • 岡田可愛著『失敗なんて怖くない』(KSS出版、1998年10月) ISBN 4-87709-289-7
  • 岡田晋吉著『青春ドラマ夢伝説-あるプロデューサーのテレビ青春日記』(日本テレビ放送網、2003年9月) ISBN 4-8203-9863-6
  • 高瀬昌弘著『昭和千本のドラマたち』(廣済堂出版、2007年11月15日)ISBN 978-4-331-51242-5
文庫版:2021年7月10日、筑摩書房ちくま文庫。副題を<「俺たちの旅」などとTVドラマの黄金時代>に変更。ISBN 4-480-43750-9
  • 轟夕紀夫編著『好き勝手 夏木陽介 スタアの時代』(講談社 2010年10月15日)ISBN 978-4-06-216511-2
  1. ^ COSMIC MOOK『60~80年代超人気学園ドラマ 俺たちの先生!』(2017年12月8日発行、コスミック出版)36 - 37頁
日本テレビ 日曜20:00枠
前番組 番組名 次番組
青春とはなんだ
(1965.10.24~1966.11.13)
これが青春だ
(1966.11.20~1967.10.22)
でっかい青春
(1967.10.29~1968.10.13)