しあわせにできる』とは、谷崎泉原作のBL小説である。イラストは陸裕千景子。

しあわせにできる
ジャンル ボーイズラブ
小説
著者 谷崎泉
イラスト 陸裕千景子
出版社 二見書房
レーベル 二見書房シャレード文庫
巻数 全12巻
ドラマCD
原作 谷崎泉
脚本 芦沢ともえ、中野睦
演出 阿部信行
発売元 インターコミュニケーションズ
販売元 インターコミュニケーションズ
発表期間 2003年11月28日 - 2007年4月25日?
枚数 5
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概要 編集

2003年4月に二見書房シャレード文庫として発行。全12巻+番外編1巻。またインターコミュニケーションズよりドラマCDも5巻まで発売された。主な舞台は、日芳物産建設部。キャッチフレーズは「働く男の強引愛」(第一部)、「しあわせラブライフ」(第二部)。

登場人物 編集

本田雪彦(ほんだ ゆきひこ)
声 - 森川智之
建材三課→ロングランナーの人事部所属の会社員。28歳~。美人かつ仕事上では有能で厳しい反面、お人好しで恋愛には鈍感。皇に振り回されている苦労人。豊川課長との信頼は厚く、三課の皆からは慕われている。映と昴からは言い寄られ、早紀や蝶子ママ(声 - 池本小百合)からは気に入られている。三田の寮→白金の和風一軒家に住んでいる。洋酒と甘いものが苦手。
父親は楠篝(くすのき かがり)[1]3月3日生まれ。母親似。白金生まれで、銀座育ち。
久遠寺皇(くおんじ みこと)
声 - 置鮎龍太郎
プロジェクト二課所属の会社員→ロングランナーの専務取締役→社長。28歳~。以前はニューヨーク支社にいた。仕事上では有能であり、しかも傲岸不遜かつ天然で嫉妬深い坊ちゃんでもある。雪彦に一目惚れして以来、強引に迫る(※しかもそのやり方がヤンデレ気味)。丸の内でのホテル暮らし→雪彦の隣室→白金の和風一軒家に住んでいる。蝶子ママの店の常連客。上司は平沢課長(声 - 高田べん)。面倒見が良く、和哉からは慕われ、深雪を可愛がっている。
父親は巌(いわお)[2]、母親は沙耶子(さやこ)[3]4月8日生まれ。背格好と風貌は昴に似ている。魚料理が得意。目白出身。
各務保(かがみ たもつ)
声 - 鈴村健一
建材三課所属の会社員にして、雪彦にしごかれている後輩。25歳~。素直で何事にも挫けない性格。三田で寮暮らしし、3年後には桜子と結婚、さらに2年後には1児の父親となる。甘党で仕切り上手。福井県出身で、妹は看護師。少々天然かつ鈍感。舅・姑とも仲が良い。
豊川(とよかわ)
声 - 高木渉
部下からの信頼が厚い、建材三課課長。お調子者かつ子煩悩な、恐妻家。色恋沙汰には全然絡まない。円満解決策に長けている。3年後には大阪支社へ転勤する。
徳永映(とくなが あきら)
声 - 小杉十郎太
女性関係が非常に派手な、久徳の2代目社長。雪彦のことがお気に入り。皇より10歳上の兄にして、昴より2歳下の弟。妻は早紀、娘は深雪[4]、息子は蒼(そう)[5]。年上の妻には頭が上がらなく、娘を溺愛し息子とは犬猿の仲である。ギャンブルには滅法強い。夫婦仲は良く、しかも2人ともいつも元気はつらつ。母親似で、性格は祖父に似ている。高輪に家を持ちながら、帰る頻度は少ない。
森田祐一(もりた ゆういち)
声 - 飛田展男
映の秘書兼お目付け役であり、人の捜索と詮索に長けている。近々結婚予定あり(?)な次男。42歳~。早紀とは同い年かつ大学の同窓関係。母親は70歳を超えた女傑であり、早紀とは仲良し。高輪で一人暮らししている。東京大学法学部卒で、弁護士の資格持ち。杉並出身。粘着質かつ恋愛には面倒くさがりな性格。
里吉(さとよし)
(元)プロレスラー→映の専属運転手。強面かつ脳味噌筋肉族な男。人の顔と名前を覚えるのが速い。映に忠実でありながら、祐一には弱い。押しに弱く、しかも寡黙。
久遠寺昴(くおんじ すばる)
声 - 古澤徹
映&皇の兄。雪彦への迫りは、皇への腹いせ。兄弟仲は悪く、特に皇とは最悪。根暗かつ畏怖感たっぷりなのに、憎めない頭取。祖父には頭が上がらない。父親似であり、本当は政治家になりたかった。
徳永信義(とくなが のぶよし)
声 - 緒方賢一
久徳の創業者兼社長→会長にして、沙耶子の父親。常にポーカーフェイスかつマイペースで、腹の中が分からない寡。妻とは死別し、一人娘を溺愛しているが故に、彼女を愛している巌のことが大嫌い。静香のことがお気に入り。映を徳永家養子に迎え入れた張本人で、篝と静香にいろいろと支援してきた。好奇心旺盛かつ少々いたずら好き。定住せず、いつも各国を転々と飛び回っている。
菊池静香(きくち しずか)
声 - 水落幸子
雪彦の母親にして、現菊池社長夫人。40歳を超えているのに、まったくそうは見えない風貌。早紀とは顔見知りであり、映のことも知っている。10代からお水関係に入り、信義の顧客だったころに、篝と恋に落ちた。芯と気が強く、息子の前でも弱いところを見せない。20歳過ぎに自分の店を持ち、蝶子を副店長に任命していた。旧姓:本田。
落合桜子(おちあい さくらこ)
声 - 牧野芳奈
建材三課所属の女子社員であり、三課の女性陣の中では大先輩。3年後には同い年かつ2年後輩(保)と結婚し、さらに2年後には1児の母親となる。料理上手。曽祖父が大地主、祖父が不動産会社の創業者、父親がその社長な、生粋の箱入りお嬢様。実家から通勤し、猫を2匹飼っている。特に後輩の佐藤由美(声 - 稲垣美和子)と石川敦子(声 - 武田華)とは仲良し。実は、幼等部から短大部までのエスカレーター式女子校育ちである。成城出身。
逢坂まゆり(おうさか まゆり)
声 - 山下亜矢香
雪彦より年上の元カノ兼数少ない理解者にして、ホステス→ママ。彼女も美魔女。喜芳とは大学生の頃から付き合い、現在同棲中。12歳の時から(実質)一人暮らししている。彼女も好奇心旺盛な性格。
堂島喜芳(どうしま きよし)
堂島興業の専務取締役→社長。まゆりに一目惚れしたバツイチ。久遠寺家とは古くからの知り合いであり、特に皇とは仲が良い(※彼より17歳上)。趣味は釣り。非常に気が長く、穏やかな性格。料理上手。まゆりに会う前から既に夫婦仲は冷え切っていた。
菊池和哉(きくち かずや)
声 - 杉田智和
雪彦より10歳下の義弟。父親は菊池社長、母親はすでに故人である。後妻の静香を母親として、雪彦を兄として、さらには反抗期の自分を諌めてくれた皇を慕っている。一時期は年上のホステス・奈津実(声 - 稲垣美和子)と付き合っていた。素直な性格であり、現在は大学生活を謳歌中。
東郷(とうごう)
第二部より登場。航空一課→建材三課所属の新人社員。問題児だったが、雪彦の指導により彼を尊敬、最終的にはプロジェクト二課へ異動する。(本来)保以上に仕事上では有能な男。
籔内直嗣(やぶうち なおつぐ)
第二部より登場。ロングランナーの創業者兼社長。昔は皇と事業を興していたが、昴によって仲を切られた(現在は和解している)。病気に罹り、自分の会社を皇に託す。眼鏡をかけた温和な男。元妻は大野美弥子(おおの みやこ)、息子は真嗣(まさつぐ)[6]
越智(おち)
第二部より登場。雪彦より5歳上の異母兄にして、日本料理店店主。静香とは、店を開業するまで直接の面識はなかったが、父親の絵を通して知っている。10歳の時に父親が、数年前に母親が他界している。父親似。(本来)人見知りで引っ込み思案な性格。後に結婚、1児の父親となる。
森田啓一(もりた けいいち)
番外編のみ登場。祐一より5歳上の兄で、出版社の取締役。弟の数少ない理解者(?)。妻は房子、娘は美咲[7]、長男は彰一、次男は仙一。一家ともども両親と一緒に暮らしている。

注釈 編集

  1. ^ 越智家に入婿していた画家、静香とは一時期白金で暮らしていた
  2. ^ 厳格なロマンティスト、舅との仲は最悪、妻より12歳上(70歳~)
  3. ^ 夫や嫁とは仲が良く、静香より12歳上
  4. ^ 徳永家では数少ない常識人
  5. ^ 深雪より3歳上の兄で、極度のマザコン優等生
  6. ^ 母親に引き取られている
  7. ^ 大学卒業間近にできちゃった結婚する長姉

用語 編集

日芳物産(にちほうぶっさん)
ニューヨーク・北京バンコク大阪などと日本国内だけでなく海外にまで事業を展開している、都内一流商社である。本社は丸の内、創業者の1人は久遠寺家、女子社員は寿退社していく形式である。三田の独身寮に住める期間は、入社から6年まで。
久徳(きゅうとく)
徳永信義が立ち上げた、大手消費者金融会社。本社は新宿。ここも、日本国内に多くの支社を抱えている。社名の由来は、『久遠寺』と『徳永』から。
ロングランナー
薮内直嗣が立ち上げた、大手外食産業会社。他にもさまざまな分野で事業を広げている。本社は青山
堂島興業(どうしまこうぎょう)
堂島喜芳の父親が立ち上げた、大手不動産会社

刊行情報 編集

小説
  1. 2003年4月25日発売
  2. 2003年8月28日発売
  3. 2003年12月25日発売
  4. 2004年4月28日発売
  5. 2004年8月30日発売
  6. 2004年12月22日発売
  7. 2005年4月29日発売
  8. 2005年8月29日発売
  9. 2006年5月29日発売
  10. 2006年9月29日発売
  11. 2006年12月22日発売
  12. 2007年4月26日発売
  13. 2008年12月19日発売(※番外編)

外部リンク 編集