そっぷ

相撲用語で筋肉質・比較的痩せ型の力士のこと

そっぷは、相撲用語で筋肉質・比較的痩せ型の力士のこと。「そっぷ」とは本来オランダ語「soep」、つまり「スープ」の事であり、ダシを取った後の鶏ガラに例えてこう呼ぶ。逆に太り型の力士はあんこと呼ばれる。

概要

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そっぷ型は入門したての力士に多いが、関取の中にも少数いる。かつて戦時中など満足に食事を取れない時代には関取上位にもそっぷ体型の力士が多かったとされる。

そっぷ型力士は食後の昼寝で体重を増やすあんこ型力士と異なり、体重を増やす場合には稽古やトレーニングをこなし空腹にした上で食欲を増進させるのが標準的なやり方であるとされている。

軽量ゆえの動きを生かした取組であんこ力士を翻弄する場面は相撲の醍醐味の一つである。

巡業などで行われる初っ切りでは、対照を際立たせる狙いのため、そっぷ型の力士とあんこ型の力士で取り組むことが多い。

そっぷ型力士の例

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以下、世代別・最高位別に列挙する。太字は2025年5月場所時点で現役力士。

最高位
生年 横綱 大関 関脇 小結 幕内 十両 幕下以下
1930年代以前 栃木山守也
武藏山武
千代の山雅信
栃ノ海晃嘉
明武谷力伸 鳴門海一行
清ノ森政夫
1940年代 藤ノ川武雄 若浪順 大旺吉伸
1950年代 千代の富士貢 貴ノ花利彰
若嶋津六夫
霧島一博
青葉山弘年
大徹忠晃
1960年代 益荒雄広生
寺尾常史
智ノ花伸哉
旭道山和泰
舞の海秀平
維新力浩司
1970年代 高見盛精彦 安壮富士清也 若東吉信
鶴ノ富士智万
旭天山武
1980年代 日馬富士公平 琴欧洲勝紀 朝赤龍太郎 白馬毅 荒鷲毅
双大竜亮三
隆の山俊太郎
栃翼祐一
宇瑠寅太郎
1990年代 石浦鹿介
玉正鳳萬平
炎鵬友哉
照強翔輝
翠富士一成
川副圭太 光源治晴
琴太豪晃匡
勝南桜聡太
2000年代以降 若碇成剛


ソップ炊き

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相撲部屋でちゃんこ鍋を作る際に、最初から鶏ガラのスープを使って作るものを、水炊きに対してこういう[1]。相撲部屋では、手を地面に付くと負けであるという縁起を担いで牛や豚ではなく二本脚の鶏を鍋の材料にすることが多かったためである。

脚注

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  1. ^ 小林弘、『読む食辞苑 日本料理ことば尽くし』p195、1996年、東京、同文書院、ISBN 4-8103-0027-7