つくばね水力発電所(つくばねすいりょくはつでんしょ)は、奈良県吉野郡東吉野村にある民営の水力発電所小水力発電)。

つくばね発電
右が現在のつくばね発電所。左は旧発電所建設時に建てられた白髭神社。その奥には旧発電所の建物があり、現在は東吉野キャンプ場のバンガローになっている。

経緯 編集

東吉野村では1914年(大正3年)から1963年(昭和38年)までの約50年間、小水力発電「つくばね発電所」(45キロワット)が地元の家庭や製材業に売電していた。その後、東吉野村は林業の衰退などで過疎化が進み、1960年代には約8000人であった村の人口も50年後の2010年代には2000人以下に減少していた[1]

2013年(平成25年)、地元有志者らが村の活性化を目指し、「つくばね発電所」の復活プロジェクトを開始。

その後、「東吉野村小水力利用推進協議会」と「株式会社CWS(ならコープグループ)」の共同出資により「東吉野水力発電株式会社」を設立。金融機関からの借入と市民ファンドにより資金を調達し、つくばね発電所を復活させた。

つくばね発電所は2017年(平成29年)より発電を開始、発電出力は旧つくばね発電所の2倍近い82キロワットに達した。「東吉野水力発電株式会社」が発電所の管理・運営と行い、FIT(再生可能エネルギー固定価格買い取り制度)を活用した売電事業を行っている[1][2]

発電設備 編集

基礎情報 編集

出典:[3]

  • 水系・河川名-吉野川(紀の川)・日裏川
  • 発電方式-水路式発電・流れ込み式
  • 発電出力-最大出力82kw
  • 発電機-クロスフロー式の水車
  • 使用水量-0.1㎥/s
  • 有効落差-105m
  • 水車-クロスフロー水車(シンク社/チェコ製)

歴史 編集

  • 1912年12月 - 地元有力者らが吉野水力電気株式会社を設立
  • 1914年 - 吉野水力電気株式会社が「つくばね(筑波峯)発電所」を建設
  • 1963年 - 戦後関西電力に発電事業が移管されていたが、老朽化に伴い稼働を停止
  • 2013年8月 - 地元有志者らが東吉野村小水力利用推進協議会を設立
  • 2014年
    • 2月 - 市民生活協同組合ならコープ理事会で東吉野村小水力利用推進協議会の支援決定。
    • 8月 - ならコープグループ会社である株式会社CWSの役員会にて、会社設立への支援決定。資本金40万円の拠出。
    • 11月 - 東吉野水力発電株式会社設立
  • 2015年
    • 1月 - マイクロファンドの受付を開始
    • 6月 - 工事竣工式
  • 2017年
    • 7月 - 発電開始
    • 8月 - 竣工式典開催(チェコ大使出席)

脚注 編集

外部リンク 編集

座標: 北緯34度23分27.5秒 東経135度59分26.3秒 / 北緯34.390972度 東経135.990639度 / 34.390972; 135.990639