としまエコミューゼタウン

としまエコミューゼタウンは、東京都豊島区南池袋2015年3月に完成した超高層ビルである。豊島区役所超高層マンションが同居する、日本初のマンション一体型本庁舎である。

としまエコミューゼタウン
としまエコミューゼタウン(2015年5月)
としまエコミューゼタウン(2015年5月)
施設情報
所在地 東京都豊島区南池袋二丁目45番1号
座標 北緯35度43分34.5秒 東経139度43分00秒 / 北緯35.726250度 東経139.71667度 / 35.726250; 139.71667座標: 北緯35度43分34.5秒 東経139度43分00秒 / 北緯35.726250度 東経139.71667度 / 35.726250; 139.71667
状態 完成
着工 2011年9月
建設期間 2012年2月 - 2015年3月
竣工 2015年3月2日
開業 2015年5月7日
用途 商業施設区役所マンション
建設費 約400億円
地上高
屋上
高さ 189メートル
最上階 49階
各種諸元
階数 地上49階・地下3階・塔屋2階
敷地面積 8,324.91
建築面積 5,319.73
延床面積 94,681.87
構造形式 SRC造RC造・一部S造
戸数 432戸
関連企業
設計 日本設計、外観(一部内観)デザイン協力:隈研吾建築都市設計事務所、ランドスケープデザイン:ランドスケープ・プラス
施工 大成建設東京支店
デベロッパー 南池袋二丁目A地区市街地再開発組合 (参加組合員 首都圏不燃建築公社 東京建物[1]
管理運営 東京建物アメニティサポート
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概要編集

1961年7月に完成した豊島区役所旧庁舎(東池袋一丁目18番1号)は、老朽化のため修繕費が増大していた事、業務の拡大で本庁舎・分庁舎A館・B館など7か所に部署が別れて置かれ、区民に対するサービス機能が低下していた事、更にはバリアフリー対応の遅れ、来庁者用駐車場の不足などの理由から、新庁舎建設案が計画されたが、予算の問題などの理由から計画は頓挫していた[2]

しかし、区の財政健全化の道筋がつき、新庁舎建設の推進が争点となった2011年の区長選挙で、建設推進を掲げる現職の高野之夫が4期目を決めると、長年の課題だった新庁舎の整備は本格化した[3]

事業者は施行区域内の地権者等などで構成される「南池袋二丁目A地区市街地再開発組合」である。建設地は雑司が谷霊園にほど近い、豊島区立日出小学校跡地と南池袋児童館跡地などを含む南池袋二丁目45番街区と46番街区を一体化した「南池袋二丁目A地区」を、都市再開発法に基づく市街地再開発事業によって整備した。

再開発事業は、都のまちづくり制度を使って、容積率を300%から800%に引き上げ、民間再開発事業と連携することで、デベロッパーの開発投資を呼び込み[3]、従前資産(土地・建物)と再開発建物の床(権利床)を等価で交換する「権利変換方式」で行われ、新庁舎は従前資産を権利変換して取得した権利床のほか、再開発組合から保留床の一部を購入して確保した[4]。この権利変換と移転後の旧庁舎および豊島公会堂跡地を民間に貸し出すことによって[注 1]、区は新たな財政負担無しで庁舎建て替えを実現した[7]

建物名称は公募され、500件の応募から「環境と文化を意識したまちの拠点に発展させたいという思いから「としまエコミューゼタウン」に決定している[8]

2015年度グッドデザイン賞[9]、2017年度第58回BCS賞をそれぞれ受賞[10]

フロア構成編集

1階の一部と3階から9階までを豊島区役所が占め、2015年5月7日から業務を開始した。1階の一部と2階が商業エリアで、10階の中間免震階を挟み、11階から49階までが集合住宅「ブリリアタワー池袋」となっている[1]

なお、地下には東池袋駅への連絡通路が設置されており、駅経由で東池袋地下通路を利用すれば、「ライズシティ池袋」・「豊島区立中央図書館」・「あうるすぽっと(豊島区立舞台芸術交流センター)」・「アウルタワー」・「池袋サンシャインシティ」へ、雨の日でも、なしで出かけることが出来る[11]

建物詳細編集

プロジェクトのコンセプトは「自然と建物の共存」。高層ビルであるが、あまり主張しすぎない建物を目指して設計された。設計・監理は日本設計、外観(一部内観)デザイン協力を隈研吾建築都市設計事務所、ランドスケープデザインをランドスケープ・プラスが担当した。

また、環境対策にも力を入れており、樹木の様なビルをイメージし、緑が積極的に取り入れられている。敷地の周りはおもに落葉樹を植樹し、1階から9階までの外装は、植栽を主とする、太陽光パネルや、日射制御ルーバー、などを組み合わせた「エコヴェール」とよばれる装置で覆っている。また、9階の屋上に設置された「豊島の森」には、小川が流れ、ホタルが舞う、芝生や四季折々の木々が植わる空間が整備した。またそれらは、高層ビル周囲で問題になるビル風の低減にも役立つ。

館内は、吹き抜けを中心に風がとおる爽やかな空間をイメージしている。館内は木材を使用し、やさしさを感じさせる雰囲気となった。施設においては、LED照明や熱循環システムが採用された。

また、先端のITを駆使した、区役所業務効率化も今回の目的となった。庁舎は「345日区民に開かれた庁舎」となる。また案内コンシェルジュを設けたり、需要の高い業務課を下層階に集めたり、個人情報をITで管理し、用のある部署に転送して負担を軽減するなど、来庁者が速やかに用を済ませられるような工夫がされている。部署間でも書類をデータ転送することで、職員の負担を軽減する。

一階には区民スペースが設けられ、催事、防災時には配給などに使用できる。折りたたみステージ、照明なども完備されているので、ミニコンサートも開ける。回廊には、ミミズクアートが飾られ、小学校の図工や美術家のちょっとした特別展も実施可能。9階には前述した通り、豊島の森が整備され、区民環境学習に役立てられる。また、カフェコーナーも備えられた。

区議会議事堂は、傍聴席を拡大した、木の優しさがあふれる空間となる。また議会が開かれていない時は、民間で貸し切ることもでき、国際級の案件に対しても対応できる設備を有する。

また、としまエコミューゼタウンは庁舎などに求められる、「耐震等級Ⅰ」をクリアしている。コンクリートは100年以上の耐久性が保持できるものを使用し、10階に中間免震装置を組み込んで揺れを吸収するシステムを有する。非常用発電機も設置され、72時間の電力供給が可能であるなど、BCPにも対応している。

マンション「ブリリアタワー池袋」編集

東京建物・首都圏不燃建築公社が中心となって販売した分譲マンションで、としまエコミューゼタウンの11階から49階部分を占める。総戸数432戸(販売戸数322戸)[12]。池袋地区最高地点にある屋上スカイガーデンのほか、ゲストルーム、コンシェルジュ、一戸一つのトランクルーム、トレーニングサロン、ラウンジなどが設けられた。

発売当初の価格は7000万円台 - 8000万円台中心とかなりの高価格帯だったが、購入希望者が殺到して抽選が実施されるほどだった。競争倍率は最高で約20倍。購入者の4割が現金で購入し[12]、発売から7週間後に全住戸が完売した。

沿革編集

  • 2006年
    • 3月 - 「南池袋二丁目地区市街地再開発準備組合」設立[1]
    • 5月 - 豊島区が準備組合に加入[1]
  • 2009年7月 - 都市計画決定[1]
  • 2010年
    • 1月 - 「南池袋二丁目A地区市街地再開発組合」設立[1]
    • 8月 - 事業計画認可[1]
  • 2012年2月 - 本体工事着工[1]
  • 2015年
    • 3月2日 - 竣工。
    • 5月7日 - 区役所業務開始。

交通アクセス編集

脚注編集

[脚注の使い方]

編集

  1. ^ 区が定期借地権方式で、旧庁舎・公会堂跡地を民間事業者に貸付け、地代を一括で受け取る。そして民間事業者が跡地にHareza池袋を整備した[5][6]

出典編集

  1. ^ a b c d e f g h “南池袋二丁目A地区第一種市街地再開発事業 「全国初 庁舎一体型超高層マンションン」起工式挙行 豊島区新庁舎が入居する免震構造の超高層マンション” (プレスリリース), 東京建物株式会社, (2012年2月2日), http://pdf.irpocket.com/C8804/oWM7/uMlC/fyAD.pdf 2020年5月31日閲覧。 
  2. ^ 『新庁舎整備推進計画』4-10頁
  3. ^ a b “池袋は「文化で食える」まちに変われるか?高野之夫・東京都豊島区長インタビュー(後編)”. 日経ビジネス電子版. (2019年12月24日). https://business.nikkei.com/atcl/seminar/19/00030/121700072/ 2020年5月31日閲覧。 
  4. ^ 『新庁舎整備推進計画』25頁
  5. ^ 『新庁舎整備推進計画』87頁
  6. ^ “池袋の豊島区庁舎跡地にライブ劇場、19年開業”. 日本経済新聞. (2017年11月3日). https://www.nikkei.com/article/DGXMZO23065000S7A101C1L83000/ 2020年5月31日閲覧。 
  7. ^ “新庁舎とマンション一体開発 全国初、豊島区で着工”. 日本経済新聞. (2012年2月2日). https://www.nikkei.com/article/DGXNZO38508610S2A200C1L83000/ 2020年5月31日閲覧。 
  8. ^ “東京・豊島区役所と一体の超高層マンション、名称「としまエコミューゼタウン」に”. 不動産流通研究所. (2013年3月21日). https://www.re-port.net/article/news/0000032661/ 2020年5月31日閲覧。 
  9. ^ 第一種市街地再開発事業 [としまエコミューゼタウン(豊島区役所、Brillia Tower池袋)”. 公益財団法人日本デザイン振興会. 2020年5月31日閲覧。
  10. ^ 第58回BCS賞受賞作品(2017年)としまエコミューゼタウン”. 日本建設業連合会. 2017年8月24日閲覧。
  11. ^ “東京メトロ東池袋駅-サンシャインシティ間の地下通路が開通”. 池袋経済新聞. (2011年2月2日). https://ikebukuro.keizai.biz/headline/156/ 2020年5月31日閲覧。 
  12. ^ a b “不動産ニュース 豊島区新庁舎一体型の「Brillia Tower池袋」が完売/東京建物、不燃公社”. 不動産流通研究所. (2013年9月3日). https://www.re-port.net/article/news/0000034733/ 2020年5月31日閲覧。 

参考文献編集

関連項目編集

外部リンク編集