ネコヤナギ

ねこやなぎから転送)

ネコヤナギ(猫柳、学名Salix gracilistyla)は、ヤナギ科ヤナギ属の落葉低木。山間部の渓流から町中の小川まで、広く川辺に自生する、ヤナギの1種である。ネコヤナギの花言葉は「自由」。

ネコヤナギ
W nekoyanagi2031.jpg
ネコヤナギの花穂(雄花)
分類APG IV
: 植物界 Plantae
階級なし : 被子植物 Angiosperms
階級なし : 真正双子葉類 Eudicots
階級なし : バラ類 Rosids
: キントラノオ目 Malpighiales
: ヤナギ科 Salicaceae
: ヤナギ属 Salix
: ネコヤナギ S. gracilistyla
学名
Salix gracilistyla Miq.[1]
シノニム

Salix gracilistyla Miq. var. adscendens KimuraSalix gracilistyla Miq. f. adscendens (Kimura) H.Ohashi[2]

和名
ネコヤナギ
タチネコヤナギ[1]
英名
rose-gold pussy willow
変種品種
  • f. melanostachys (Makino) H.Ohashi クロヤナギ[3]
  • f. pendula (Kimura) H.Ohashi シダレネコヤナギ、ハイネコヤナギ、ネコシダレ[4]
  • f. variegata (Kimura) Kimura フイリネコヤナギ[5]
  • f. graciliglans (Nakai) H.Ohashi チョウセンネコヤナギ[6]

特徴編集

北海道九州までの河川の水辺で見られ、早春に川辺で穂の出る姿は美しいものである。他のヤナギ類の開花よりも一足早く花を咲かせることから、春の訪れを告げる植物ともみなされている。暖かく湿潤な環境を好む。他のヤナギ類よりも水際に生育し、株元は水に浸かるところに育つ。根元からも枝を出し、水に浸ったところからは根を下ろして株が増える。葉は細い楕円形でつやがない。初夏には綿毛につつまれた種子を飛ばす。

花期は3〜4月。雌雄異株で、雄株雌株がそれぞれ雄花と雌花を咲かす。花の高さは3cmほどで、花穂は生け花にもよく用いられる。ヒメハナバチ類が主な送粉者とされる[7]

銀白色の毛で目立つ花穂が特徴的であり、「ネコヤナギ」の和名はこれをネコに見立てたことによる。地方によって呼称が異なり、「ネコネコ」「ネコジャラシ」「ネコノマクラ」「ニャンコノキ」といったネコと結びついた呼称や、「イヌコロ」「エノコロ」「インコロ」「イノコロヤナギ」といったイヌと結びついた呼称が知られるほか、東北では「ベコ「ベコベコ」「ベコヤナギ」といったウシと結びついた呼称が見られる[8]

ネコヤナギの樹液はカブトムシクワガタムシカナブンスズメバチの好物である。
ネコヤナギを利用した護岸の緑化・環境保全技術が注目を集めている[9]

 
ネコヤナギの花穂(雌花・山梨県山中湖村・2007年4月)

 

脚注編集

  1. ^ a b 米倉浩司・梶田忠 (2003-) 「BG Plants 和名−学名インデックス」(YList) - ネコヤナギ(2018年5月3日閲覧)
  2. ^ Salix gracilistyla Miq.「The Plant List 1.1 」(2013-)(2018年5月3日閲覧)
  3. ^ 米倉浩司・梶田忠 (2003-) 「BG Plants 和名−学名インデックス」(YList) - クロヤナギ(2018年5月3日閲覧)
  4. ^ 米倉浩司・梶田忠 (2003-) 「BG Plants 和名−学名インデックス」(YList) - シダレネコヤナギ(2018年5月3日閲覧)
  5. ^ 米倉浩司・梶田忠 (2003-) 「BG Plants 和名−学名インデックス」(YList) - フイリネコヤナギ(2018年5月3日閲覧)
  6. ^ 米倉浩司・梶田忠 (2003-) 「BG Plants 和名−学名インデックス」(YList) - チョウセンネコヤナギ(2018年5月3日閲覧)
  7. ^ 根来尚「庄川河川敷におけるヤナギ属3種の訪花昆虫とその送粉可能性」『保全生態学研究』第3巻第2号、一般社団法人日本生態学会、1998年11月、 111-123頁、 doi:10.18960/hozen.3.2_111
  8. ^ 湯浅浩史 『四季の植物』 筑摩書房、2017年3月、180-183頁。 
  9. ^ ネコヤナギによる護岸の緑化工法 (第14回国土技術開発賞 地域貢献技術賞)”. www.jice.or.jp. 2020年2月14日閲覧。