のしろ (護衛艦・2代)

海上自衛隊のもがみ型護衛艦(FFM)3番艦

のしろローマ字JS Noshiro, FFM-3)は、海上自衛隊護衛艦もがみ型護衛艦の3番艦。艦名は米代川の下流の別名である能代川に由来する[2][3]。この名を受け継いだ日本の艦艇としては、旧海軍阿賀野型軽巡洋艦能代」、海上自衛隊のちくご型護衛艦のしろ」に続き3代目にあたる。

のしろ
引渡式・自衛艦旗授与式を終え、三菱重工業長崎造船所を後にする「のしろ」
基本情報
建造所 三菱重工業長崎造船所
運用者  海上自衛隊
艦種 多機能護衛艦(FFM)
級名 もがみ型護衛艦
建造費 約460~470億円
母港 佐世保
艦歴
発注 2019年
起工 2020年7月15日
進水 2021年6月22日
就役 2022年12月15日[1]
要目
基準排水量 3,900 t
満載排水量 5,500 t
全長 132.5 m
最大幅 16.3 m
深さ 9 m
機関 CODAG方式
主機 ロールス・ロイス MT30 ガスタービンエンジン × 1基
MAN社12V28/33D STC ディーゼルエンジン × 2基
推進器 スクリュープロペラ × 2軸
最大速力 30ノット
乗員 90~100名
兵装 62口径5インチ単装砲 × 1門
Sea RAM × 1基
RWS × 2基
17式艦対艦誘導弾 (SSM-2) 4連装発射筒 × 2基
Mk.41 VLS (07式 SUMほか) × 16セル(後日装備)
HOS-303 3連装短魚雷発射管 × 2基
搭載機 SH-60K 哨戒ヘリコプター × 1機
C4ISTAR リンク 22 戦術データ・リンク
レーダー 多機能レーダーOPY-2
ソナー OQS-11 対機雷戦用ソナーシステム
OQR-25 水上艦用ソナーシステム(VDS+TASS)
電子戦
対抗手段
NOLQ-3E 電波探知妨害装置
Mk.137 デコイ発射機 × 4基
その他 無人機雷排除システム(USV+UUV(OZZ-5)+EMD)
簡易型機雷敷設装置
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本記事は、本艦の艦暦について主に取り扱っているため、性能や装備等の概要についてはもがみ型護衛艦を参照されたい。

艦歴 編集

中期防衛力整備計画に基づく令和元年度計画護衛艦として、三菱重工業に発注され[4]2020年7月15日三菱重工業長崎造船所で起工、2021年6月22日に「のしろ」と命名され、進水した[4][5][6][7][8][9][10][11][12]。進水後は艤装工事と海上公試を行い、2022年12月15日に就役し、護衛艦隊直轄第13護衛隊に編入され、佐世保基地に配備された[1]

2023年9月30日から10月7日にかけて、関東南方から東シナ海において護衛艦「ゆうだち」とともに日米共同訓練に参加した。米海軍からは空母ロナルド・レーガン」、巡洋艦「アンティータム」・「ロバート・スモールズ」、駆逐艦「シャウプ」が参加し、各種戦術訓練(LINKEX等)、PHOTOEXを実施した[13]。また、同年10月16日から18日にかけて東シナ海において、米海軍空母「ロナルド・レーガン」、巡洋艦「アンティータム」・「ロバート・スモールズ」、 駆逐艦「シャウプ」と各種戦術訓練(LINKEX等)の日米共同訓練を実施した[14]

2023年11月29日屋久島沖米軍オスプレイ墜落事故に伴い自主派遣。墜落から約2時間40分後の17時19分に佐世保基地を出港[15]。翌11月30日の深夜1時9分に現着[16]し、以後、同じく自主派遣された艦艇や自衛隊部隊、海上保安庁などと共に12月4日まで捜索救難活動に従事。機体の一部などを発見揚収するなどした[17]。その後、12月12日12時に捜索活動に再投入され、12月13日まで艦載機のSH-60K回転翼哨戒機も運用しつつ捜索に従事した[18]

歴代艦長 編集

進水時点では、クルー制導入のため艤装員長は決められなかった[19]

歴代艦長(特記ない限り2等海佐
氏名 在任期間 出身校・期 前職 後職 備考
1 渡邊真史 2022.12.15 - 2024.3.3 のしろ艤装員長
2 堀 哲暢 2024.3.4 - 防大49期

ギャラリー 編集

脚注 編集

  1. ^ a b 今度は長崎だ! 海自の最新護衛艦「のしろ」就役 次世代多用途艦の3番艦 三菱重工”. 乗りものニュース. 2022年12月15日閲覧。
  2. ^ 高橋浩祐 (2021年6月22日). “海上自衛隊の新型3900トン「もがみ型」護衛艦3番艦「のしろ」が進水――艦名は能代川に由来”. Yahoo!ニュース. https://news.yahoo.co.jp/expert/articles/ea26abf90ef025ac011f8f3f6ee7164feb8d66ff 2021年6月23日閲覧。 
  3. ^ 防衛省・自衛隊 [@ModJapan_jp] (2021年6月22日). "護衛艦の名称は、気象、山や川、地方などの名を付与することが標準とされており、「のしろ」は、岩手県北西部の山岳地帯に源流があり、秋田県北部を流れ日本海に注ぐ米代川下流の別名である「能代川」に由来しています。". X(旧Twitter)より2021年6月23日閲覧
  4. ^ a b 令和元年度計画護衛艦の命名式・進水式について』(プレスリリース)海上幕僚監部、2021年6月15日https://www.mod.go.jp/msdf/release/202106/20210615FFM.pdf2021年6月19日閲覧 
  5. ^ 乗りものニュース編集部 (2021年6月22日). “海自の最新鋭護衛艦「のしろ」進水 新多用途護衛艦の3番艦”. 乗りものニュース (株式会社メディア・ヴァーグ). https://trafficnews.jp/post/108283 2021年6月23日閲覧。 
  6. ^ “海自の新型護衛艦「のしろ」進水 もがみ型3番艦、長崎”. 一般社団法人共同通信社. ノアドット株式会社. (2021年6月22日). https://web.archive.org/web/20210622024451/https://nordot.app/779899466514825216 2021年6月22日閲覧。 
  7. ^ “海自新型護衛艦「のしろ」進水式”. 産経ニュース / 産経WEST (株式会社産業経済新聞社 / 大阪本社). (2021年6月22日). https://www.sankei.com/article/20210622-LQ7XFFSGRFNXBIJPDAMZ6DZ7CQ/ 2021年6月23日閲覧。 
  8. ^ 防衛省 海上自衛隊 [@JMSDF_PAO] (2021年6月22日). "6月22日、三菱重工 長崎造船所において、もがみ 型護衛艦3番艦の命名・進水式が行われました。". X(旧Twitter)より2021年6月23日閲覧
  9. ^ 海上自衛隊佐世保地方総監部【公式】 [@jmsdf_srh] (2021年6月22日). "三菱重工業株式会社 長崎造船所で もがみ型(FFM)護衛艦「のしろ」の命名・進水式が行われました". X(旧Twitter)より2021年6月23日閲覧
  10. ^ 防衛省・自衛隊 [@ModJapan_jp] (2021年6月22日). "【松川防衛大臣政務官の動静】". X(旧Twitter)より2021年6月23日閲覧
  11. ^ 防衛省向け3,900トン型護衛艦「のしろ」の命名・進水式を長崎で実施』(プレスリリース)三菱重工業株式会社、2021年6月22日https://www.mhi.com/jp/news/210622.html2021年6月24日閲覧 
  12. ^ “新型護衛艦「のしろ」進水式”. 讀賣新聞オンライン (株式会社読売新聞東京本社). (2021年6月23日). https://www.yomiuri.co.jp/local/nagasaki/news/20210622-OYTNT50135/ 2021年6月23日閲覧。 
  13. ^ 日米共同訓練について 海上幕僚監部(2023年10月10日) (PDF)
  14. ^ 日米共同訓練について 海上幕僚監部(2023年10月19日) (PDF)
  15. ^ 鹿児島県屋久島沖における米軍オスプレイの捜索救難活動について”. 統合幕僚監部 (2023年11月29日). 2023年12月6日閲覧。
  16. ^ [公表]鹿児島県屋久沖における米軍オスプレイの捜索救難活動ついて”. 統合幕僚監部 (2023年11月30日). 2023年12月7日閲覧。
  17. ^ 鹿児島県屋久沖における米軍オスプレイの捜索救難活動ついて”. 統合幕僚監部 (2023年12月5日). 2023年12月7日閲覧。
  18. ^ 鹿児島県屋久沖における米軍オスプレイの捜索救難活動ついて”. 統合幕僚監部 (2023年12月14日). 2023-13-16閲覧。
  19. ^ “もがみ型護衛艦3番艦は「のしろ」と命名”. WING (航空新聞社). (2021年6月23日). https://www.jwing.net/news/39932 2021年7月24日閲覧。 

外部リンク 編集