はこだてクリスマスファンタジー
はこだてクリスマスファンタジー(Hakodate Christmas Fantasy)は、例年北海道函館市で行われるイベント。12月1日からクリスマスである12月25日まで実施される。毎年カナダから贈呈される巨大なクリスマスツリーのイルミネーションが著名である。
概要編集
同イベントは社団法人函館青年会議所が組織する、はこだてクリスマスファンタジー実行委員会が主催となって行われる。始まりは1998年、当時青年会議所理事長を務めていた人物が発案者である。当時、函館の宿泊稼働率が夏季は100%になるのに対して冬季は50%に達しなかった。その対策として映画でみたアメリカ、ニューヨークのロックフェラーセンターのクリスマスツリーをヒントに本物のモミの木を飾り集客することを計画した[1]。
クリスマスツリー編集
クリスマスツリーは毎年函館市の姉妹都市であるカナダノバスコシア州ハリファックス市から寄贈されている。同州には世界一のクリスマスツリーファームがあり、交渉の結果、モミの木の寄贈が決まった。
20メートルを越えるモミの木はイルミネーションに向けた装飾が施され、イベント期間中は点灯式とともに花火が打ち上げられる。ツリーが設置されているのは、函館市末広町にある金森赤レンガ倉庫群前の海上であり、函館湾に面する。
クリスマスツリーが運搬されるのは11月27日である。2003年のクリスマスファンタジーでは、ハリファックス市から寄贈されたクリスマスツリーが検疫の問題で使用することができなくなることがあった。この際、イベントに用いたクリスマスツリーは、道内産のものだった。
クリスマスツリーは「幸せを呼ぶもみの木」と呼ばれ、午後4時30分から午後5時45分までと、午後6時から深夜2時までの2回のイルミネーション点灯時間がある。22日から24日までと、金・土曜日は翌朝の7時まで点灯される。イベント最終日となる25日は午後8時までの点灯。点灯式が行われるのは期間中毎日午後6時からで、同時に花火が打ち上げられる。点灯式を行う点灯者は毎回違う人物であり、一般参加者のほかにこれまでNTTドコモ、株式会社エスイーシー、JRAなどの企業が点灯式イベントに携わっている。
イベント内容編集
はこだてクリスマスファンタジーのイベント期間中にはツリーの点灯式のほか、様々なイベントが用意されている。オープニングセレモニーがイベント初日の夕方に開催され、サンプラザ中野がゲストとして参加。クリスマス・キッズの合唱コンサート、12月23日・24日にはファンタスティック・イブとして各アーティストのコンサートなどを開催、25日最終日にはファイナルセレモニーとして、各種表彰式の後盛大な消灯式が行われる。期間中にはクリスマスファンタジー・イルミネーションコンテストが行われ、クリスマス用に装飾された市民の自宅の中で、どれが一番素晴らしいかを実行委員会が審査、上位3団体を表彰する。クリスマスファンタジー・ツリーコンテストも開催され、こちらは各々の参加者が制作した独自のクリスマスツリーが投票によって選ばれて表彰される。
期間中に、函館市元町地区の観光地をボランティアが案内する、「観光ボランティアガイドと歩く元町散策ツアー」も実施される。見学する観光地は旧函館区公会堂、旧イギリス領事館、写真歴史館、元町教会群、そしてはこだてクリスマスファンタジー会場である。料金は大人800円、学生以下は400円で、これらには各地入場料が含まれている。その他ボランティアたちがサンタクロースの着ぐるみを着て各イベント、及び会場内に登場するなどがあり、巨大なウォールアートも展示される。
その他編集
イベント期間中は各ホテル間を走るクリスマスファンタジー無料送迎バスが毎日運行、有料の函館バスクリスマスファンタジー号も運行される。はこだてクリスマスファンタジー・オリジナルグッズも会場インフォメーションで販売されており、ウォールアート・メッセージプレートやオリジナル記念切手、クリスマスツリーをかたどった光るピンバッジなどが主なアイテムである。
伸び悩み問題編集
佐藤によるとスタート当初のような勢いに陰りがみられており、伸び悩み傾向がみられるとしている[2]。
脚注編集
参考文献編集
- 観光と北海道経済-地域を活かすマーケティング- 佐藤郁夫 北海道大学出版会 2008年
- ラポラ 12月号
- NIKKEI.NET