はだかの刑事』(はだかのデカ)は、1993年1月8日から同年9月24日まで、日本テレビ系列で毎週金曜20:00 - 20:54(JST)に放送されていた東映製作の刑事ドラマである。全30話。

はだかの刑事
ジャンル 刑事ドラマ
企画 服部比佐夫、福湯通夫
出演者 松方弘樹
世良公則
室井滋
布施博
野々村真
勝村政信
七瀬なつみ
橋爪功
エンディング 矢沢永吉東京
製作
プロデューサー 香月純一、川野知介
制作 日本テレビ
放送
放送国・地域日本の旗 日本
放送時間金曜日20:00 - 20:54
放送分54分
回数30

特記事項:
製作:東映
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太陽にほえろ!』から足掛け21年続いた日本テレビ系金曜20時枠の刑事・アクション系ドラマの最後の作品となった。

概要 編集

前番組にあたる『刑事貴族』シリーズから松方弘樹が引き続き出演し、本作では主演を務めた。舞台は東京下町隅田川沿いを管轄とする隅田川警察署捜査課。その管轄内で生まれ育った矢口万作刑事を筆頭に、刑事たちや彼らを取り巻く人間模様を中心に描いた。 第20話以降は矢口を課長代理に据え、若手刑事たちを中心にアクションも重視した路線に変更された。

放映リスト 編集

放送日 各話 サブタイトル 脚本 監督 ゲスト
1993年1月8日 第1話 '93 隅田川署 春 わたしの愛した娘・街
-十八年目の真実(2時間スペシャル)
布勢博一
尾西兼一
木下亮 前田吟白島靖代吉田友紀丸岡奨詞江藤漢絵沢萌子
1993年1月15日 第2話 マイホーム 金子裕 黒沢直輔 下條アトム
1993年1月22日 第3話 ダイヤルQ2の女 尾西兼一 あめくみちこ
1993年1月29日 第4話 万作、懲戒免職!? 大川俊道 日高武治 北村総一朗、谷嶋俊、佐藤忍、志賀圭二郎
1993年2月5日 第5話 石段を跳ぶ少女 古内一成 吉川十和子
1993年2月12日 第6話 幼なじみ 尾西兼一 和泉聖治 河合美智子
1993年2月19日 第7話 偽りの家族 大野武雄 麻丘めぐみ
1993年2月26日 第8話 親切強盗 奥村俊雄 木下亮 生田智子井上高志二瓶鮫一
1993年3月5日 第9話 なごり雪 金子裕 深水三章粟津號片岡弘貴津田寛治草村礼子大方斐紗子
1993年3月12日 第10話 愛と銃弾の間で 尾西兼一 村川透 根岸季衣山口仁堀勉ドン貫太郎
1993年3月19日 第11話 腰抜けデカの逆襲 古内一成 志村東吾草薙仁坂田雅彦平賀雅臣石井愃一坂本あきら
1993年4月16日 第12話 指紋のない殺人者 大野武雄 小山幹夫 石橋蓮司西田久美子、海一生、左時枝
1993年4月23日 第13話 淋しい熱帯魚 小川英
井川公彦
木下亮 阿藤海、池田史比古、頭師孝雄木下浩之

山口粧太大林丈史
きくち英一、大野麻耶、勝部演之山口美也子

1993年5月7日 第14話 女刑事危機一髪!! 尾西兼一 大寶智子遠藤憲一及川ヒロオ
1993年5月14日 第15話 危険な天使 峯尾基三 小山幹夫 高橋長英細山田隆人
1993年5月21日 第16話 傷だらけの肖像画 金子裕 村川透 中西良太藤田佳子武野功雄草薙幸二郎
1993年5月28日 第17話 哀しみの街角 大川俊道 吉野真弓松田優米山善吉松山鷹志
1993年6月11日 第18話 刑事が銃を撃つ時 古内一成 日高武治 平泉成宍戸勝川上泳、清水進一
1993年6月25日 第19話 純情デカの反撃 巽祐一郎 杉田かおる新井康弘成清加奈子
1993年7月2日 第20話 殉職・新たな挑戦 尾西兼一 村川透 嶋田久作大杉漣宮沢風太郎
1993年7月9日 第21話 鳴けない犬 金子裕 和泉聖治 北見敏之ダチョウ倶楽部伊藤淳史
1993年7月16日 第22話 優しさの証明 尾西兼一 湯江健幸河原さぶ不破万作
1993年7月23日 第23話 麻薬・ガラスの青春 古内一成 黒沢直輔 梶原阿貴、佐野智郎、工藤俊作市山登長井秀和
1993年7月30日 第24話 盗聴・脅迫者の影 大川俊道 町田真一、大森嘉之橘ゆかり伊藤洋三郎
1993年8月6日 第25話 拳銃とお弁当 金子裕 木下亮 南條玲子西田健藤江リカ三谷昇
1993年8月20日 第26話 泣き虫デカの友情 尾西兼一 利重剛冴場都夢斉藤暁江藤漢
1993年8月27日 第27話 オバケとおばあちゃん 金子裕 村川透 杉山とく子六浦誠岩本宗規三谷昇
1993年9月3日 第28話 説得 古内一成 須藤正裕平賀雅臣、藤田めいる
1993年9月10日 第29話 誘拐・天使の火遊び 大川俊道 松井昇 又野誠治相川恵里白鳥智恵子井田州彦
1993年9月24日 第30話 俺の愛したこの街で 尾西兼一 黒沢直輔 中野英雄板谷祐三子小沢仁志小沢和義堀田真三江藤漢

キャスト 編集

矢口万作 警部補(19話まで役職なし、20話より課長代理)…松方弘樹
48歳。かつては射撃の名手であったが、犯人を射殺して以来、銃は不携帯である。離婚歴があり、別れた妻と娘がいる。飛行機嫌い。自家用車は持っていない。20話で田村が警視に昇任し副署長となったため、空きポストとなった課長職の代行として課長代理を務める[1]
本山由樹 警部補…世良公則
35歳。射撃の名手で、現場の指揮を執ることも多い。オートマチックタイプのコルト・ガバメントを愛用(通常捜査課全員ニューナンブであるところを特別に貸与されている設定)。人情主義の矢口とは対照的に寡黙な現実主義者として振る舞っているが、同時に矢口の強引な捜査手法の真意も見抜くなど思慮深い一面もある。婚約者(かつて相棒だった元刑事・安田の妹)がいたが、事件に巻き込まれて落命して以来独身。木下からは「もっちゃん」と呼ばれる。主に運転する覆面パトカーはパジェロ。
木下晶 巡査部長(〜20話)…室井滋
31歳。マンション住まいの独身。細かい物事に動じない磊落な性格の一方、女性ならではの繊細さと着眼点で事件を分析する。新堂とコンビを組むことが多い。第20話で犯人に刺され殉職。自宅で「コロンボ」という名の猫を飼っていたが、殉職後は静に引き取られた。
三沢新平 警部補(20話〜)…布施博 
殉職した木下に代わり城南署より転任。論理よりも行動優先の直情径行型で、本山とは時に捜査方針を巡って対立しつつも互いに理解を深めていく。家族は父を子供の頃に亡くし、母と兄がいる。
岩城恭司 巡査野々村真
25歳。刑事でありながら血に弱く、殺人現場への臨場が苦手。優し過ぎる性格が捜査に影響を与えることがある。妻は本庁通信司令室勤務(産休中、第26話で出産)。警察寮に住む。
古賀茂 巡査…勝村政信
25歳。管轄内の交番勤務が長かったことから地元住民たちとも気心が知れており、地域の事情に通じている。
新堂梨香 巡査…七瀬なつみ 
24歳。スタート当初は少年係に勤務していたが、好奇心旺盛で毎回様々な理由を付けて捜査課の業務に首を突っ込んでいた。10話より捜査課へ異動後は主に木下とコンビを組むも、目を離した隙に木下が殉職してしまい激しいショックを受ける。その直後から、トレードマークであったミッキーマウス型に結われたヘアスタイルをやめた。石原裕次郎のファンであり、写真集や『太陽にほえろ!』の書籍など大量の裕次郎グッズを署内に持ち込んでいる。
矢口あき(〜16話)…藤谷美紀
万作の娘。時々、父の元へ訪れていたが、母の故郷である釧路へ引っ越した(第16話)。
田村太助 (捜査課長・警部→20話〜副署長・警視)…橋爪功
矢口とは同い年。20話で警視に昇任し副署長となり、出演シーンが減る。
由布院静…樹木希林
生命保険の外交員。矢口とは幼なじみで「矢口君」と呼び、自宅に下宿させている。最終話では、銃撃された矢口の身を泣きながら心配する淡い恋心らしき感情も覗かせた。その後、変わりゆく街に寂しさを感じ、矢口に家を貸したまま自ら田舎への転居を決意する。
由布院トキ子…緋多景子
静の姉で由布院家の主。夫とは既に死別し、現在は隠居の身。娘の出産と育児援助のため、第6話で由布院家を去る。
ふみ子…一柳みる
矢口馴染みの小料理屋の女将。
小百合…大沢さやか
ふみ子の姪。
松川まさみ婦警(〜24話)…青山沙紀
竹山婦警(25話〜最終話)…柴山智加
その他署員…叶けい子、黒木朋子、生田蔵満、高橋正郎、宮本幸三

スタッフ 編集

CS放送 編集

  • 過去に東映チャンネルでの放送歴があるが、完パケがそれまでの本放送・再放送で使われた、ファインネガビデオシステムを利用したVTRマスターから素材フィルムによるリマスターに変更されており、それにより作品内のテロップもフィルム焼き付け式に変更されている。
  • 一方で2015年にファミリー劇場で集中放送された際は本放送・再放送で使用された素材を利用して放送されている。

補足 編集

  • 木下晶の殉職について、本放送時の番宣では「日本の連続ものの刑事ドラマにおいてレギュラーの女性刑事の殉職は初めて」と紹介されているが、実際には1981年に放送された『警視庁殺人課』(テレビ朝日系)の最終話にて一色彩子扮する眉村刑事の殉職などの前例がある。
  • 小道具に関して当時のドラマでは珍しくリアルさが追求され、刑事役の俳優は現場では腕章を着け[2]、聞き込み時のメモも警察手帳ではなく[3]システム手帳やバインダーノートが使われていた。また特筆すべき点として現状保存が必要な現場では全員手袋に加え、足跡を残さないための靴用ビニールカバーを着用していた。
  • ネット局については、NNN・FNN・ANNのトリプルネット局だったテレビ大分は、金曜20時台の日本テレビ系ドラマ枠のネット受けは、本作が最後となった(同年10月に大分朝日放送が開局)。これ以降同局は、フジテレビ同時ネット枠に変更され、同局の後番組は『金曜ファミリーランド』となった。
  • 『太陽にほえろ!』時代から筆頭スポンサーだった三菱電機は開始当時は1分提供(前の『刑事貴族3』までは2分提供。削った1分は『土曜グランド劇場』に移行)したが、1993年3月をもって降板。その1分枠も『土曜グランド劇場』に移行した。
  • 覆面パトカーにはスポンサーである三菱自動車製の自動車が使用され、本山刑事の愛車のパジェロの他に、ギャラン、エメロード、ミラージュセダンが使用された。

脚注 編集

  1. ^ 本来の課長代理とは大規模署などで警部が担当する職であり、厳密には「課長の代行職」ではない。矢口が課長代理となるにあたり警部への昇任があったか否かは作中では触れられていない。
  2. ^ ただし腕章の文字は所轄名で「隅田川」となるところが「捜査」であり、後半では使われなくなった。
  3. ^ 記載できる絶対量が少なく頻繁にメモ部分の差し替えが必要となるため積極的には使用されていなかった。
日本テレビ系列 金曜20時台
前番組 番組名 次番組
刑事貴族3
(1992年4月17日 - 12月25日)
はだかの刑事
(1993年1月8日 - 9月24日)
もうひとつのJリーグ
(1993年10月22日 - 12月3日)