まうがん

沖縄県宮古島で信仰される個人の守護神

まうがんまたはマウガン[1]は、沖縄県宮古島で古くから信仰されている個人の守護神マブイともいい、一代限りで機能する。

説明 編集

生直後 編集

生まれたばかりの子供には、生後8日か10日後にナージキという儀式が行われ、童名(現地発音:やらびなー)(神名ともいう)が付けられる。この儀式では、子供が集落内にいくつかある御嶽(うたき、ウムトゥ)のうちのどれに帰属するかが決められ、その御嶽の神の名が童名になる。自分が帰属する御嶽はマウムトゥと呼ばれ、その御嶽の神がマウガンと呼ばれる。

童名、すなわち帰属する御嶽を決めるには、神カカリヤー(かんかかりやー)[2](宮古島で活躍する民間巫女、ツカサとは別で、個人の卜占死霊口寄せをおこなう)が神籤を作り、最初に落ちてきた紙片に書いた名前を選ぶ。集落によっては、3回同じ神の紙片が落ちてきた時に、その名前を選ぶこともある。

まうをともす 編集

仏壇(または神棚ともいう)とは別に座敷の東方に個人用の神棚を作る。成人になって、守護神を頭にいただくという観念がある。特に運気が無くなった場合である。それをまうをともすという。[3] 香炉を神体とし、1日と15日はかかさず拝む。個人が死亡すれば香炉を神棚から降ろし、マウガンもなくなる。色々な習慣は集落毎に異なる。なお、多良間島では、すこし変形して、家族の守護神とすることもある。

脚注 編集

  1. ^ 沖縄大百科事典[1983:下495」
  2. ^ 沖縄大百科事典[1983:上788]
  3. ^ 香炉を使うので「火を灯す」の灯すか?

参考文献 編集

  • 『沖縄大百科事典』 上中下、1983年、沖縄タイムス社
  • 報告書 宮古島の神と森を考える会 第10回 「砂川の神・人・自然」、2003年
  • 鎌田久子「守護神について」『沖縄―自然・文化・社会―』、1976年、弘文堂
  • 喜多村正「宮古島南部村落における拝所帰属の動態」『馬淵東一先生古稀記念社会人類学の諸問題』、1986年、第一書房

関連項目 編集

外部リンク 編集