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まほろばは、西日本旅客鉄道(JR西日本)が新大阪駅 - 奈良駅で運行する臨時特急列車である。

運転時期により、以下の2系統の列車があるが本記事では両方とも紹介する。

  1. 2010年平成22年)4月から6月にかけて、東海道本線梅田貨物線)・大阪環状線関西本線大和路線)経由で運行していた列車
  2. 2019年令和元年)11月から12月にかけておおさか東線・関西本線(大和路線)経由で運行する列車[1][2]

概要編集

2010年4月1日から6月30日まで、「奈良デスティネーションキャンペーン」が開催され[3]、多くの利用客が予想されることから、その一環として、利便性向上のためにメイン会場である平城宮跡会場でのイベント開催時期に合わせて臨時列車が設定された[4]

2010年は平城京への遷都から1300年にあたり、奈良市平城宮跡を中心として平城遷都1300年記念事業が行われ、奈良県JR6社ではこれに協賛していた。区間および運行経路は、1988年(昭和63年)のなら・シルクロード博覧会期間中に運行された会場アクセス快速と同じであった。

奈良県内および奈良駅を経由する日本国有鉄道(国鉄)・JRの特急列車は、定期列車では名古屋駅 - 東和歌山駅(現在の和歌山駅)間を関西本線・阪和貨物線経由で運転していた「あすか」が1967年(昭和42年)10月1日に廃止されて以来運転がなく、臨時列車としても1988年(昭和63年)から翌1989年(平成元年)まで、京都駅 - 白浜駅間を奈良線・関西本線・阪和貨物線経由で運転されていた「しらはま」以来21年ぶりとなっている。八尾駅 - 天王寺駅間には定期・臨時を含めてこれまで特急列車が運転されたことはなく、当列車が初の特急列車となった。

2019年8月におおさか東線全線開業を契機とした、新大阪から奈良方面への誘客を念頭に臨時特急列車の運行を発表した[1]。運転日は、同年11月から12月上旬にかけてで、新大阪駅から奈良駅までノンストップで運転され、2010年とは違い途中停車駅は設定されていない[1]

当列車の運転には旺盛なインバウンド需要の取り込みや大阪・京都の外国人観光客の混雑を奈良に取り込むことで解消することや奈良観光の振興などの狙いがあるという。将来の定期列車化や通年運行を目指しており、実現した場合は現在阪奈間でも多くの特急を運転している近鉄に対し、JRにしかできない新大阪直通という利点を活かして対抗できる。一方近鉄にとっても奈良県内のタクシーやバスなどの関連企業の利用者増加に伴う利益が期待できる[5][6]

列車名の由来編集

まほろばという言葉は「素晴らしい場所」あるいは「住みやすい場所」という意味の古語で、奈良あるいは旧大和国を称する言葉として使われることが多く、平城遷都1300年記念事業や通常の奈良県内で行われるイベント、施設名称にも使用例があることから、奈良県域への観光客を主な対象とする当列車の列車名として選定されたものである。

運行形態(2010年)編集

まほろば
 
臨時特急「まほろば」号
(久宝寺 - 加美間)
運行者 西日本旅客鉄道(JR西日本)
列車種別 特急列車
運行区間 新大阪駅 - 奈良駅
経由線区 梅田貨物線大阪環状線関西本線
使用車両 381系電車
日根野電車区
運行開始 2010年4月1日
運行終了 2010年6月27日
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運転日は2010年4月1日と、4月から6月にかけての土曜・休日となっていた。運行本数は、午前中の新大阪発奈良行きと、午後の奈良発新大阪行きがそれぞれ1本ずつの1日1往復が運行されていた。列車番号東海道本線に合わせて下り(奈良行き)が9093M、上り(新大阪行き)が9094Mであった。

車内では往路と復路で往復で異なったデザインの記念乗車証が配布されていた。なお、奈良行の乗客を対象に、抽選で奈良の土産がプレゼントされ、往路の記念乗車証の裏面には抽選番号が記載されていた。

6月27日のラストランでは、駅員などが明治時代の制服着用で見送り、奈良駅長の出発合図で発車した[7][8]

停車駅編集

使用車両・編成編集

2010年運転時の編成図
まほろば
← 奈良
新大阪 →
1 2 3 4 5 6
  • 全車禁煙
  • 2010年4月1日は全車指定席
凡例
指=普通車座席指定席
自=普通車自由席

やまとじライナーでも運用されていた日根野電車区所属に所属する381系電車(国鉄色編成)の6両編成で運転されていた。座席指定席4両と自由席2両(4月1日のみ全車指定席)で、グリーン車は連結していない。

運賃・料金計算編集

当列車は梅田貨物線を経由するため大阪駅は通らないが、乗車券及び特急券についてはほかの梅田貨物線経由の列車(「はるか」「くろしお」など)と同じく大阪駅経由で計算する。大都市近郊区間の規定により、塚本駅以西の大阪近郊区間からの普通運賃は京橋・放出・新加美経由(当時おおさか東線新大阪 - 放出は未開業であるため)、特急料金は経路特定区間の規定により京橋・天王寺経由となる。

特急料金は、全区間でB特急料金が適用される。特急「まほろば」運転に伴い、天王寺駅 - 八尾駅間が新たにB特急料金の区間となった(八尾駅 - 奈良駅間は、1989年3月のダイヤ改正まで特急「しらはま」号が運転されていた時に設定されている)。2010年3月号時刻表において当列車運転区間が適用区間として図示されている[9]

2名または3名のグループで利用する旅客向けに、割安な料金で指定席に乗車できる「まほろばグループ特急券」が設定されていた[10]。1人での利用は不可。

まほろばグループ特急券
設定区間 2人用 3人用 1人あたりの料金
(通常の指定席特急料金)
新大阪⇔王寺・法隆寺・奈良間 1,000円 1,500円 500円
(1,450円)
天王寺⇔王寺・法隆寺・奈良間 800円 1,200円 400円
(1,140円)

運行形態(2019年)編集

まほろば
 
臨時特急「まほろば」号(奈良駅)
運行者 西日本旅客鉄道 (JR西日本)
列車種別 特急列車
運行区間 新大阪駅 - 奈良駅
経由線区 おおさか東線関西本線
使用車両 287系電車
吹田総合車両所日根野支所
運行開始 2019年11月2日
運行終了 2019年12月8日
備考 土日祝日のみ運転
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2019年11月から12月上旬のかけての土曜休日、計13日の運転が予定されている。2019年に全線開通したおおさか東線を経由する。運転本数は午前中が新大阪→奈良、午後が奈良→新大阪の1日1往復となっており、上下とも山陽新幹線との接続を念頭に置いたダイヤ設定がされる。新大阪駅 - 奈良駅間ノンストップで、途中停車駅は無い[1]列車番号関西本線に合わせて下り(新大阪行き)が9021M、上り(奈良行き)が9022Mである[11][12]

停車駅編集

  • 新大阪駅 - 奈良駅
    • おおさか東線、関西本線(大和路線経由)[2]

使用車両・編成編集

くろしお」で使用される287系3両編成(定員178席)での運転[1]。1, 2号車指定席、3号車自由席でグリーン車は連結しない[1]

料金編集

特急料金はA特急料金が適用され、通常期の指定席特急料金は1,730円[2]、自由席特急料金は1,200円となる[13]

インターネット予約サービスe5489の利用が可能で、eきっぷ、eチケットレス特急券ともに指定席特急料金は1,200円である[14][15]

脚注編集

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  1. ^ a b c d e f “新大阪~奈良駅間 ノンストップ特急の臨時運行” (プレスリリース), 西日本旅客鉄道, (2019年8月22日), https://www.westjr.co.jp/press/article/2019/08/page_14731.html 2019年8月22日閲覧。 
  2. ^ a b c “臨時特急「まほろば」新大阪~奈良間で運行 おおさか東線をノンストップで走る”. 乗りものニュース. (2019年8月22日). https://trafficnews.jp/post/88913 2019年8月22日閲覧。 
  3. ^ 平成20年5月19日(月)臨時記者会見 - 奈良県
  4. ^ 奈良デスティネーションキャンペーン 臨時特急「まほろば」号 運行開始! Archived 2010年3月17日, at the Wayback Machine. - 西日本旅客鉄道プレスリリース 2010年1月22日
  5. ^ どうする近鉄、JR西日本、牙城の「奈良」に臨時特急運行”. 産経新聞. 2019年11月5日閲覧。
  6. ^ 帰ってきた「臨時特急まほろば」〜奈良の雄・近鉄への挑戦〜”. 鉄道チャンネル. 2019年11月5日閲覧。
  7. ^ 臨時特急「まほろば」号ラストランとデスティネーションキャンペーン引継ぎ式の開催について Archived 2010年6月26日, at the Wayback Machine. - 西日本旅客鉄道プレスリリース 2010年6月22日
  8. ^ 臨時特急"まほろば"の運転終了 - 『鉄道ファン交友社 railf.jp 鉄道ニュース 2010年6月28日
  9. ^ 『JTB時刻表 2010年3月号』JTB p.989
  10. ^ “「新大阪駅から奈良駅間直通」「指定席」だから、ゆったり座れる「まほろばグループ特急券」発売開始!!お手持ちのきっぷに、プラス500円 で(1名あたり片道) 指定席にご乗車OK!!” (プレスリリース), 西日本旅客鉄道, (2010年4月14日), オリジナルの2010年6月25日時点によるアーカイブ。, https://web.archive.org/web/20100625023324/https://www.westjr.co.jp/news/newslist/article/1174792_799.html 
  11. ^ 列車詳細情報 9021M”. 西日本旅客鉄道. 2019年11月4日時点のオリジナルよりアーカイブ。2019年11月4日閲覧。
  12. ^ 列車詳細情報 9022M”. 西日本旅客鉄道. 2019年11月4日時点のオリジナルよりアーカイブ。2019年11月4日閲覧。
  13. ^ A特急料金”. JRおでかけネット. 西日本旅客鉄道. 2019年11月2日閲覧。
  14. ^ eきっぷ(在来線)おねだん (PDF)”. JRおでかけネット. 西日本旅客鉄道. 2019年11月6日閲覧。
  15. ^ eチケットレス特急券のおねだん (PDF)”. JRおでかけネット. 西日本旅客鉄道. 2019年11月6日閲覧。

関連項目編集