みずいろの雨

八神純子の楽曲

みずいろの雨」(みずいろのあめ)は、1978年9月5日に発売された八神純子の5枚目のシングルである。

「みずいろの雨」
八神純子シングル
初出アルバム『素顔の私
B面 目覚めたときに
リリース
ジャンル ニューミュージック
時間
レーベル ディスコメイトレコード
DSF-125
チャート最高順位
  • 週間2位(オリコン
  • 1978年度年間59位(オリコン)
  • 1979年度年間32位(オリコン)
  • 2位(ザ・ベストテン
  • 1978年年間42位(ザ・ベストテン)
八神純子 シングル 年表
さよならの言葉
1978年
みずいろの雨
1978年
想い出のスクリーン
1979年
テンプレートを表示

シングルセールスは60万枚を記録[1]。八神のシングルでは最大のヒット曲で代表曲であり、多数の歌手によりカバーされている。

解説

編集

TBSテレビザ・ベストテン』には、1978年10月19日に「今週のスポットライト」で初出演。同年11月16日に第9位で初登場、12月7日には最高第2位まで上昇し(第1位は松山千春の『季節の中で』)、翌1979年1月18日(第10位)まで合計9週間ランクインした。

2013年に放送されたテレビ東京音楽番組100年の音楽』で「みずいろの雨」が取り上げられ、八神自身が原宿歩道橋を歩いているときにこの楽曲の着想を得たと語っている[2][注釈 1]

この曲のヒットにより「みずいろの雨」は三浦徳子作詞家としての出世作にもなった。三浦が2019年に「NHKネットラジオ らじる★らじる」で金田一秀穂との対談で語ったところによれば、八神は曲を先に書き上げ、数人の作詞家に作詞を依頼していたが、三浦の詞が最終的に採用されたという[3]。三浦は「水色」という色のイメージが先行して詞を書いたが、理由は日本人の好きな色の上位が水色とだからで、漢字ではイメージが固いため「みずいろ」と平仮名にしたと述べている[3]。三浦は実際に曲を聴く前から「みずいろの雨」と決めていたと言い、三浦の言によれば曲名は三浦が付けたことになる[3]。また歌詞中に「ああ くずれてしまえ」というフレーズがあるが、三浦は命令形で言い切る歌詞は当時の女性歌手では珍しかったとして「(八神さんは)気が強い女の子なんですよ。だから浮かんできちゃったんだと思う」と八神の人物を評している[3]

八神は『みずいろの雨』に続き、三浦とのコンビで『想い出のスクリーン』『ポーラー・スター』『甘い生活』『パープルタウン 〜You Oughta Know By Now〜』と連続5枚のシングルをリリース。その多くがヒットして八神の代表作となっている。

また編曲を担当した大村雅朗にとっても本曲が出世作である。大村は1978年に本格的な編曲家としての活動を始めたばかりであったが、本曲の編曲で注目を浴び、一躍表舞台へと立つことになった。その後三浦と大村は1980年松田聖子の「青い珊瑚礁」でも作詞・編曲を担当し、大ヒットに貢献している。

B面曲「目覚めたときに」はオリジナルアルバムには未収録であったが、2009年発売のCD-BOX八神純子 1974〜1986 SINGLES plus』に収録された[4]

レコーディング・ディレクターは日朝幸雄。

日活ロマンポルノ映画『天使のはらわた 名美』の主題歌である。

収録曲

編集
  1. みずいろの雨 (3分22秒)
  2. 目覚めたときに (4分1秒)
    • 作詞・作曲:八神純子/編曲:大村雅朗

リリース日一覧

編集
地域 リリース日 レーベル 規格 カタログ番号 備考
日本 1978年9月5日 ディスコメイトレコード シングル盤 DSF-125 STEREO
2007年8月1日 YAMAHA MUSIC PUBLISHING デジタル・ダウンロード 260514211 iTunes Store[5]
2015年9月18日 YMP0003 e-onkyo[6] FLAC 96kHz 24bit
1978090101-8 mora[7] FLAC 96kHz 24bit

カバー

編集
リリース アーチスト 収録作品 備考
みずいろの雨
1979年 ポール・モーリア シングル「みずいろの雨/たそがれマイ・ラブ」
アルバム『輝きの旋律』
1994年12月1日 ヒッパレオールスターズ OPENING*ヒッパレ1979
1998年8月21日 小原孝 ピアノよ歌え 第7集 「あれも青春、これも青春」
2001年4月25日 RIZCO (黒沢律子) シングル「さくら」
2003年3月26日 石井竜也 シングル「RIVER/みずいろの雨」
アルバム『nipops』
2004年11月25日 WORLD SUPREME FUNKY FELLOWS 2102 アルバム『Cross The River』
2006年6月14日 September マキシシングル『赤い糸』
2006年6月14日 PE'Z アルバム『日本のジャズ -SAMURAI SPIRIT-』
2007年4月18日 高田なみ アルバム『nami ~The good days J-pop~』 ジャズボッサ
2007年10月24日 松浦亜弥 DVD『歌ドキッ! POP CLASSICS Vol.5』 2007年4月23日テレビ東京系列歌ドキッ! 〜ポップクラシックス〜』 放送
2009年10月18日 マスター(生天目仁美 アルバム『歌声喫茶方舟 〜アキナイチュウ〜』 アニメ『夏のあらし! 〜春夏冬中〜』挿入歌
2010年6月10日 Skoop On Somebody シングル『アメウタ ep.』
2010年12月8日 見月そはら(美名 アルバム『そらのおとしものf プレゼンツ そらの少女TAI♪
2011年2月10日 TOKYO No.1 SOUL SET+中納良恵(EGO-WRAPPIN') アルバム『全て光』
2012年10月31日 柴田淳 アルバム『COVER 70’s
2013年6月19日 Erika.(西恵利香) アルバム『unJour』
2013年10月31日 森恵 アルバム『MegumiMori Soul Song's BOOK Re:Make1』
2013年12月18日 ジェニファー[8] Web限定配信『みずいろの雨/迷い道』
2019年8月2日 鱧人-HamojiN- アルバム『Salad Bar』
2021年6月23日 上白石萌音 アルバム『あの歌-1-』
2021年10月6日 雨宮天 アルバム『COVERS -Sora Amamiya favorite songs-』[9]
2022年9月21日 Ms.OOJA アルバム『流しのOOJA 2 ~VINTAGE SONG COVERS~』

収録アルバム

編集

脚注

編集

注釈

編集
  1. ^ なお、第一興商通信カラオケDAMでは「みずいろの雨」のカラオケ映像に、雨の渋谷公園通りファイヤー通りが登場する。

出典

編集
  1. ^ 富澤一誠『フォーク名曲事典300曲〜「バラが咲いた」から「悪女」まで誕生秘話〜』ヤマハミュージックメディア、2007年、483頁。ISBN 978-4-636-82548-0
  2. ^ 100年の音楽【みずいろの雨】”. テレビ東京 (2013年6月28日). 2013年7月5日閲覧。[リンク切れ]
  3. ^ a b c d NHK 読むらじる 金田一秀穂×三浦徳子 アイドル歌謡の作詞術 (2) 日本放送協会、2019年12月28日、2022年1月1日閲覧。
  4. ^ 八神純子 1974〜1986 SINGLES plus ビクターエンタテインメント
  5. ^ みずいろの雨 八神純子”. Apple Inc.. 2015年12月19日23:15閲覧。
  6. ^ みずいろの雨 八神純子”. Onkyo & Pioneer Innovations Corporation. 2015年12月19日23:15閲覧。
  7. ^ みずいろの雨 八神純子”. Label Gate Co.,Ltd.. 2015年12月19日23:15閲覧。
  8. ^ みずいろの雨 / ジェニファー - YouTube
  9. ^ 雨宮天、初の歌謡曲カバーアルバムリリース”. 音楽ナタリー. 株式会社ナターシャ (2021年9月5日). 2021年10月3日閲覧。

関連項目

編集

外部リンク

編集