もっともあぶない刑事』(もっともあぶないデカ)は、1989年4月22日東映洋画系で公開された日本映画である。『あぶない刑事』劇場版シリーズの第3作。

もっともあぶない刑事
監督 村川透
脚本 柏原寛司
製作 初川則夫
伊地智啓
服部紹男
出演者 舘ひろし
柴田恭兵
浅野温子
仲村トオル
中条静夫
音楽 都志見隆
主題歌 エンディングテーマ:舘ひろし「夜を抱きしめて」
挿入歌:柴田恭兵「RUNNING SHOT」
撮影 柳島克己
編集 山田真司
配給 東映洋画
公開 日本の旗 1989年4月22日
上映時間 104分
製作国 日本の旗 日本
言語 日本語
興行収入 12億円[要出典]
配給収入 7億円[1]
前作 またまたあぶない刑事
次作 あぶない刑事リターンズ
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概要

ヒットシリーズとなった『あぶない刑事』の総決算として製作された作品であり、初の単独興行作品。本作でテレビシリーズ当初からの宿敵であった暴力団組織・銀星会との抗争に終止符が打たれ、シリーズは7年間の休止期間に入った。なお、シリーズ休止期間中の1994年に近藤課長役の中条静夫が逝去、また鈴江秀夫役の御木裕は1996年に芸能界を引退したため、この2名はシリーズ最後の出演となった。

キャッチコピーは「フフフッ、不滅です。」「3度目の、ジョーク。」「おねがい。タイホして。(横浜女子校1年匿名希望)」。

ストーリー

深夜、鷹山と大下は銃器密造工場に踏み込んだ。元締めの宮坂は銀星会の下請け業者であり、同時に銀星会壊滅に繋がる切り札でもあったが、急襲、追撃も空しく町田の不注意で取り逃がしてしまう。

鷹山と大下が銀星会会長・前尾に揺さぶりをかけている中、宮坂の拳銃が15年前の暴力団員二人組による貿易商殺人事件に使用されたそれと同一のものであることが判明。事件の時効はすでに4日後に迫っていた。鷹山と大下は15年前の事件の捜査主任であった本多政義を訪問し、当時の事情を聞いた。本多は一線の刑事から県警本部の幹部にまで上り詰めた立志伝中の人物で、次期本部長の呼び声も高い。一方で現役捜査員時代は型破りなタイプだったらしく、15年前の事件でも単身で被疑者の潜伏先に踏み込み、銃撃戦の末に被疑者の一人を射殺した過去もあった。

本多から直々の激励を受けてすっかり有頂天の二人は、宮坂と何らかの繋がりがあると思われるセレクトショップ経営者・榊真由美を監視。その最中、彼女の前に現れた宮坂を追走の末に再び追いつめたが、直後、宮坂は銀星会のヒットマン・結城によって口を封じられてしまう。真由美は事情聴取で、宮坂からストーカー行為を受けていたと供述したが、何かを隠している様子であった。鷹山と大下は真由美が15年前の事件と銀星会の真相を知っているとにらみ、真由美の監視を続ける中、15年前の事件の被疑者の一人・北野和夫と、北野暗殺の命を受けた結城率いるヒットマン集団が出現。壮絶な銃撃戦と格闘の末、真由美は重傷を負ってしまう。

北野と真由美の口から語られた真実は驚くべきものだったが、県警は港署に対して事件の捜査主体を本部に移すよう迫り、北野の身柄も県警本部への移送が決定。鷹山と大下は近藤課長から謹慎命令を受けてしまう。窮地に立たされる中、鷹山と大下はひとつの決意を交わす。銀星会、そして警察をも敵に回した孤立無援の死闘が始まった。

登場人物

前尾源次郎
銀星総業二代目会長。県警本部の本多との癒着で名を上げのし上がった。インテリを装っているが性格は巧妙かつ陰険で、銀星会にとって目の上のコブである鷹山と大下を抹殺するために、二人の首に懸賞金をかける。
江本真由美
セレクトショップ経営者。15年前の貿易商殺害事件の実行犯である江本浩司の実妹。「榊真由美」と名乗って密かに婚約者である北野の逃亡生活を支えていた。北野を庇って銃弾を浴び重傷を負う。
北野和夫
元銀星会組員。貿易商殺害事件のもう一人の実行犯。江本と共に幹部に登用すると前尾に唆され殺害を実行し、その後は沖縄で逃亡生活を送っていた。時効成立後は警察へ出頭し、事件の真相を世間に訴える意志を固めていたが、宮坂に潜伏先を突き止められたことから、時効前に横浜への帰還を余儀なくされた。
結城建三
北野抹殺の命を受けた銀星会のヒットマン集団のリーダー格。不死身さながらの異常に強靭な肉体を持つ戦闘のプロフェッショナルであり、劇中では鷹山たちと幾度となく対峙し、壮絶な死闘を展開する。なお、台詞を発する場面は一切存在しない。
本多政義
神奈川県警察本部警備局長。一線の刑事から県警本部の幹部にまで上り詰めた立志伝中の人物であるが、その裏では銀星会と深い気脈を通じていた。15年前の貿易商殺人事件の捜査主任であったが、銀星会の前尾と結託し、事件に銀星会が関与した証拠を消すため、逮捕時の正当防衛に見せかけて江本を射殺。さらに逃亡した北野を警察に逮捕させずに銀星会の手で抹殺させるために偽の似顔絵を作成するなど、様々な策謀を図っていた。今回も港署への捜査中止命令や証拠品の隠匿、さらには鷹山と大下への発砲命令を以って真相を闇に葬ろうとする。本多の不正に気付いた近藤課長と松村少年課長は、水面下で鷹山と大下に協力し、本多を追及する。
宮坂四郎
銀星会に銃器を流している密造業者。
バート
町田の友人で在日アメリカ空軍基地の憲兵。普段はラジカセを抱えて街中を遊び歩いており、町田曰く「女の子をお裾分けしてもらう仲」。結城一味との最終決戦の際、町田からの「女を紹介する」という一言に釣られ、基地内に保管されている大量の武器弾薬を鷹山たちに快く提供した。

キャスト

スタッフ

映像ソフト

いずれも価格は税抜。

DVD

2002年9月21日発売。販売元:東映ビデオ DSTD02071/4,500円

  • カラー本編104分

映像特典

  • フォトギャラリー、タカ&ユージ三度目のジョーク(メイキング)、予告篇

※2010年6月1日期間限定プライスオフ発売。(ニュープリント・コンポーネントマスター)DCTD02071/3,000円/片面2層/1.主音声:モノラル/16:9LB ※2012年6月1日東映55キャンペーンプライスオフ発売。DUTD02071/2,800円/片面2層/1.主音声:モノラル/16:9 LB

Blu-ray

2012年9月21日発売。販売元:東映ビデオ BSTD02071/4,800円 本編104分/1層/ドルビーTrueHD(モノラル)/16:9【1080p Hi-Def】

映像特典

  • スタッフインタビュー ‐あぶデカをつくった男たち‐(柏原寛司)、MAKING OFもっともあぶない刑事 3度目のジョーク(メイキング)、『あぶない刑事』劇場6作品予告編集、フォトギャラリー

地上波放送履歴

全て日本テレビ系「金曜ロードショー」での放送。

回数 放送日
初回 1991年1月4日
2回目 1992年7月10日
3回目 1994年1月7日
4回目 1995年11月24日
5回目 1999年2月12日
6回目 2002年4月26日

関連商品

コンピュータゲーム
もっともあぶない刑事ファミリーコンピュータ1990年2月6日発売)

脚注

  1. ^ 「邦画フリーブッキング配収ベスト作品」『キネマ旬報1990年平成2年)2月下旬号、キネマ旬報社、1990年、175頁。 

外部リンク