りゅうこつ座ι星は、りゅうこつ座恒星で2等星。ニセ十字を形成する恒星の1つでもある。地球の歳差運動により、西暦8100年ごろには南極星になることが予想されている。

りゅうこつ座ι星[1]
iota Carinae
仮符号・別名 アスピディスケ[2],
Aspidiske[3][4]
星座 りゅうこつ座
見かけの等級 (mv) 2.26[1]
2.23 - 2.28(変光)[5]
変光星型 疑わしい[5]
位置
元期:J2000.0[1]
赤経 (RA, α)  09h 17m 05.40686s[1]
赤緯 (Dec, δ) −59° 16′ 30.8353″[1]
赤方偏移 0.000040[1]
視線速度 (Rv) 12.00km/s[1]
固有運動 (μ) 赤経: -18.86 ミリ秒/年[1]
赤緯: 11.98 ミリ秒/年[1]
年周視差 (π) 4.26 ± 0.10ミリ秒[1]
(誤差2.3%)
距離 770 ± 20 光年[注 1]
(235 ± 6 パーセク[注 1]
絶対等級 (MV) -4.6[注 2]
物理的性質
半径 43 R
質量 7.4太陽質量
スペクトル分類 A7Ib [1]
光度 4,900 L
表面温度 7,400 K
色指数 (B-V) +0.18[6]
色指数 (U-B) +0.16[6]
色指数 (R-I) +0.20[6]
他のカタログでの名称
CD -58 2529[1],
FK5 351[1],
HD 80404[1],
HIP 45556[1],
HR 3699[1],
SAO 236808[1],
NSV 4444[1]
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特徴 編集

自転周期は215日未満と遅く、赤道では1秒あたり10キロメートルの速度である。磁気活動と共にX線を放射している。金属含有量が太陽の0.4倍。この星は白色の超巨星であり、ヘリウム核が、高温になった水素へと変わって活動を始めていて、逆に表面は冷えながら膨張している。将来、超新星爆発を起こすことなく、白色矮星になるだろうと考えられている[7]

名称 編集

固有名アスピディスケ[2] (Aspidiske[3][4]) は、ギリシア語で「小さな」を指す言葉に由来する[3]。これは、トレミーが著書「アルマゲスト」の中でアルゴ座の幾つかの星を示すのに使ったことに始まる[3]。2016年7月20日、国際天文学連合の恒星の命名に関するワーキンググループ (Working Group on Star Names, WGSN) によって、Aspidiske がりゅうこつ座ι星の固有名として正式に承認された[4]

とも座には、アスミディスケ(ξ星)と名づけられた星もあり、元々は語源が同じであったものがなまったといわれている[7]

脚注 編集

注釈 編集

  1. ^ a b パーセクは1 ÷ 年周視差(秒)より計算、光年は1÷年周視差(秒)×3.2615638より計算
  2. ^ 視等級 + 5 + 5×log(年周視差(秒))より計算。小数第1位まで表記

出典 編集

  1. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r SIMBAD Astronomical Database”. Results for * iot Car. 2017年3月13日閲覧。
  2. ^ a b 原恵『星座の神話 - 星座史と星名の意味』(新装改訂版第4刷)恒星社厚生閣、2007年2月28日、83頁。ISBN 978-4-7699-0825-8 
  3. ^ a b c d Paul Kunitzsch; Tim Smart (2006). A Dictionary of Modern Star Names. Sky Publishing. p. 26. ISBN 978-1-931559-44-7 
  4. ^ a b c IAU Catalog of Star Names”. 国際天文学連合. 2016年10月5日閲覧。
  5. ^ a b NSV”. Results for NSV 4444. 2015年10月20日閲覧。
  6. ^ a b c 輝星星表第5版
  7. ^ a b Jim Kaler. “Aspidiske”. STARS. 2016年10月6日閲覧。

関連項目 編集